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2026/02/04リースバックの歴史。いつから始まった?背景を解説
- リースバック
「リースバック」という言葉を聞いたことがありますか?最近広まったこの言葉を知らない方も多いかもしれません。
リースバックは、誰でも利用しやすく、簡単に資金を調達できる手段です。そのため、年々利用者が増加しています。
ここで、リースバックについて学んでおきましょう。
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- リースバックは米国発祥、日本では2010年頃から広く認知され始めた仕組みです
- 住宅ローン滞納や高齢化を背景に、資金調達手段として利用者が急増しています
- 今後も参入企業や需要の増加が予測され、老後資金の確保等に有効な選択肢です
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
リースバックとは?~語源と基本概念を理解する~
「リースバック」は英語で“Leaseback”と表記され、正式には「セール・アンド・リースバック」(英語で“sale and leaseback”)の略称です。
「セール・アンド・リースバック」は直訳すれば、「売る、そして再び借りる」という意味になります。
つまりリースバックの簡潔な概要とは、資産を一度売却し、その後は貸借という形で再度利用するという仕組みなのです。この「再度利用する」という点が、リース「バック」たる所以です。
リースバックという言葉は誤用されていることもあります。
「リースバック」は「契約の満了や解約に伴って、リース会社に資産を返却する」という意味で使われていることがあります。しかし、リースバックの「バック」とは、「返却する」という意味ではありません。そのため、このような使い方はまちがっています。
もし契約満了のことを言いたい場合は「リースアップ」、契約の解約については「リース解約」などの用語を使うのが適切です。
関連記事 : リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説
不動産ビギナーさん「『リースバック』って最近よく聞きますが、どういう意味の言葉なんですか?
山口智暉結論、『売ってから借り直す』仕組みのことです。英語の直訳が語源ですが、単なる『返却』ではなく『賃貸契約』を伴う取引であることを理解しましょう。
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リースバックの概要
リースバックとは、「現在所有している物(主に固定資産など)を他者に売却し、そこからリースする金融取引」を指します。
リースバックの取引の対象になるものは不動産などの固定資産のみならず、飛行機や列車などの資本財も当てはまります。
不動産を対象とするリースバックは「不動産リースバック」と呼ばれます。不動産リースバックとは、持ち家をリースバック業者に売却して資金を調達し、同時にその業者から以前の持ち家を賃貸することで、従来の家に住み続けるサービスを指します。
同様に、リースバックの中でもマンションを対象としたものを「マンションリースバック」と呼びます。マンションリースバックでは、マンションをリースバック業者に売却することで資金を調達しながら、リースバック業者からはそのマンションを賃貸するという形をとることで、これまで通りに住み続けることができます。
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リースバックの歴史~アメリカにおける誕生と進化~
リースの起源は古代ローマ帝国時代にまでさかのぼります。当時、船や農地の所有者が他者に貸し出していました。
そしてリースバックという仕組みが実際に誕生したのは、1930年代のアメリカでした。アメリカでチェーンストアを展開している小売業者が、店舗用の土地を購入して建設後に売却する一方で、リース契約を結んで長期間賃借したことが発端だそうです。
大きな企業では本社ビルなど自社で使用している不動産を所有していることが多いです。しかし所有している不動産からは収益を生むことができません。そこで、本社ビルを売却し、得た資金は会社の投資資金に充てることができます。そして売却後は賃貸として継続して使用していきます。
つまり、リースバックをすると、大企業の本社ビルが、第三者の目には変化のないままにいつの間にか賃貸になっているのです。
リースバックは、多くの不動産を抱えている、利益が少ない不振企業によって多く導入されていきました。各不振企業たちはリースバックによって長期的で安定した収益が得られるようになりました。
近年は業績好調の企業もリースバックの仕組みを導入する事例が増えてきています。
流通小売企業などが新規出店のための新たな戦略手段としての導入です。例えば、好立地の地域に出店したいが賃借物件ではなく売却物件だった場合、一旦は土地を取得し、店舗を建設したのちに売却し賃借に入るケースなど、戦略的な目的も増加してきています。
さらに、19世紀、20世紀と工業化が進む中では不動産のみならず、主に製造機械、電話設備、IBM、コピー機など多くの動産を貸出すようになりました。
そうして、リースバックの仕組みが西欧で広く浸透していったのです。
また、過去には、「不動産リースバック」は大企業が資産を有効に使う手段として使用されていましたが、現在はそれだけではなく、個人や小規模事業者を対象にしたサービスも誕生しています。
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日本におけるリースバックの発展
それでは、日本ではリースバックはどのように広まっていったのでしょうか。 日本では、リース会社が戦後に設立され始め、1960年代に多くの会社が設立されたとされています。日本政府の積極的な支援もあり、その時期からリース会社の数が増加しました。これに少し遅れるようにして、現在の「リースバック」は誕生しました。
ここでの「リースバック」とは、おもに個人所有で居住中の住宅(持ち家 戸建・マンション他)の、所有権を第三者に移して、その対価を受け取り、同時に新所有者との間での契約によりリース料を支払いながら、その居住を維持できることを言います。
リースバックの中でも自宅を売却し、貸し出すということを行いだしたのは昭和35年ほどからと言われております。
しかしそれより昔からも体系化されていなかっただけで、リースバックのような形式を使った手法は用いられてきました。
またバブル崩壊後には不動産証券化の手法が大きく取り入れられ、経営が経営が立ち行かなくなった不動産は売却され、賃貸で営業するということが増えてました。
当時はこれらの動きは「リースバック」として認知されてはおらず、サービスとして幅広く認知されるようになったのは2010年頃からになります。
テレビやラジオ、ネット広告で「リースバック」を宣伝し始めたのがきっかけで、幅広く認知されるようになっていきました。
このように「リースバック」として商品化されたサービスはリース会社だけではなく金融機関や建築会社、不動産会社といった業界での取り扱いが増え始め、今では多くの人が知っているサービスになります。
さらに最近では「レンタル」や「サブスク」といった購入以外の方法で商品・サービスの利用が人気になっている点でもリースバックの認知度を高めている効果もありそうです。
高度経済成長期の大量生産大量消費の動きは見直され、現在あるものをよりよく使っていこうという風潮があるのも事実です。
最近になってリースバックが資金調達の方法として広まってきた理由としては、リースバックとよく比較される「リバースモーゲージ」という仕組みがあまり浸透しなかったことが挙げられます。
「リバースモーゲージ」とは、持ち家での有効な資産活用方法の一つです。老後の資金を確保することを目的に、金融機関から預金者に対して融資をするという仕組みとなっています。この金融商品も政府主導で1980年代から次第に広められていきました。しかし、生前に不動産取引が行われないことに対して資産処分の解決ができないなどの抵抗感、その融資に対する必要条件が厳しい、手続きが面倒であるなどの理由から、現在に至るまで一般の生活者にはなかなか浸透しませんでした。
そのことから、リバースモーゲージの穴埋めをするようにリースバックが脚光を浴びるようになってきたのです。
このように、日本の不動産におけるリースについては50年足らずの歴史しかないのです。
日本の不動産におけるリースの、50年たらずの歴史のなかで、もとよいリース会社が主に建物の償却を目的にしたリース商品を開発し、より複雑な仕組みによって初期費用の低減、あるいは合理的な節税目的や経営効率化、資金効率化に沿ってそのような商品構成がなされています。
そして現在では、リースバックの利用者は増加傾向にあります。
不動産ビギナーさん日本ではいつ頃からあるサービスなんですか?最近急に増えた気がします。
山口智暉結論、一般に広まったのは2010年頃からです。手法自体は昔からありましたが、近年サービスとして商品化され、CM等で認知度が急上昇しました。
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リースバックの取引件数と動向~利用者増加の背景~
近年は日本においてもリースバックへの注目が高まっています。
ここ数年でリースバックの利用者が増えているのです。
国土交通省の「住生活関連産業や新技術等を巡る状況についてまちづくりを巡る状況について」によると、住宅のリースバックの取引件数は2016年には266件、2017年には389件、2018年には920件と、年々増加傾向にあることがわかります。
特に、家をリースではなく所有している比率の高い高齢者世代でのニーズが拡大しています。
リースバックは比較的新しいサービスであり、今のところはリースバックを利用する人が限定されています。そのため、利用者の割合はまだ小さいですが、その数は年々大きく増加しています。
そして、様々な理由から、今後もリースバックの需要は増えていくことが予想されます。
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急増するリースバック利用者の理由
それでは、なぜ現在日本においてリースバックの利用者が増えているのでしょうか。
リースバックの利用者増加は、日本の社会的背景に起因していると考えられます。
①住宅ローンの返済困難者の増加
まず、リースバックを利用する人が増えている背景には、住宅ローンの支払いが困難になったことが挙げられます。
人々が住宅ローンを払えなくなってしまう理由はおもに2つあります。
1つ目は、収入が減少してしまったことです。
厚生労働省によれば、日本の平均給与は2000年代から減少傾向にあるそうです。
しかし、日々の生活費や教育費、医療費など、支出が減ることはありません。
物価の高騰や消費税の上昇なども家計を圧迫します。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で給料やボーナスが減少してしまった人も多いでしょう。
そのような状況の中では、生活資金の確保をすることも簡単ではなくなってしまいます。
その結果、住宅ローンを払えなくなってしまう人が増えてきています。
2つ目は、住宅ローンを借り入れる年齢が高齢化してきたことが挙げられます。
住宅ローンを借り入れる年齢の高齢化には、晩婚化や、住宅価格の上昇などが大きな影響を及ぼしていると考えられます。
住宅ローンを借り入れる人の平均年齢は40歳で、半数以上の人が返済までには35年ほどかかっています。
つまり、完済するころには70歳~80歳になってしまうのです。
この頃には、働いて稼ぎ、これまで通りの収入を得るということは難しいでしょう。
このように、住宅ローンを払えない人のための解決策の一つとして、現在リースバックに注目が集まっているのです。
これらの傾向はまだまだ続いているため、リースバックに対する関心はさらに高まることが予想されます。
②高齢化社会と持ち家率の影響
リースバックの利用者が増えている日本の社会的背景のもう一つは、高齢化です。
日本社会の高齢化問題は皆さんも問題意識を持たれていることでしょう。
内閣府によれば、65歳以上人口は次のように増加しているといいます。
1950年…総人口の5%
1970年…総人口の7%
1994年…総人口の14%
2019年…総人口の28.4%
このように、日本は高齢化社会となっています。
高齢者になれば、これまで通りに就労することは困難です。
高齢者の収入額はいくらかといえば、65歳以上の高齢者世帯の平均所得は218万円だそうです。
生活する上では固定資産税、医療費負担、食費、その他の生活費がかかり、それらをやりくりしなければなりません。
さらに様々な物価の高騰や、社会的な負担の増加も影響します。
高齢者の多くが頼りにしている年金も、公的年金支給の年齢が65歳に引き上げられてしまうなど、生活には不安が残ってしまいました。
ここまで、高齢化によって高齢者が金銭的に困るという話を見てきましたが、実は高齢者は資産を持っていることが多いのです。
日本人は持ち家率が高いです。(60歳以上の不動産資産の資産評価は884兆円)
しかし、家は所有しているだけでは現金にはなりませんし、維持費や税金がかかってしまいます。
そこで、資産をリースバックをすれば、現金を手にすることができ、老後の資金に充てることができます。
これが、高齢化によってリースバックの件数が増加している背景です。
今後はさらに高齢化が進行すると見込まれており、老後の資金需要もますます増えるでしょう。
そのため、自宅を活用して資金調達できるリースバックへの需要もさらに高まっていくことが予想されます。
関連記事 : リースバックは老後の選択肢|住まいはそのままに資金を確保できる仕組みとは
不動産ビギナーさんどうして今、リースバックを利用する人がこんなに増えているんですか?
山口智暉結論、高齢化と住宅ローン問題が背景にあります。老後資金や返済のために利用されますが、売却後は毎月の『家賃』が発生する点には注意が必要です。
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日本におけるリースバックの現状
資金の使途とは?
リースバックによって手にした現金の使い道にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 住宅ローンの早期返返済
- 生活費
- 相続対策
- 老後資金の確保・老後生活の充実
このような目的でリースバックを利用する人が多いですが、その目的は人それぞれだということがわかります。
自宅に住み続けたい理由
人々がリースバックによって自宅の売却を避ける理由には以下のようなものがあります。
- 自宅に愛着があるから
- 街に愛着があるから
- 引っ越しをしたくないから
- 近所の人に自宅を売却したことを知られたくないから
引っ越しをしないですむというのはリースバックの大きなメリットだということがわかります。
対象となる不動産の種類
人々はどのような物件をリースバックすることが多いのでしょうか。
- 戸建て
- マンション(区分マンション、分譲マンション)
- アパート
リースという言葉から、リースバックは法人向けという、身近でないイメージもわきますが、実際は個人が戸建てをリースバックするケースが多いのです。
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リースバックの今後の展望
リースバック事業に参入して>いく企業は増えていくでしょう。それは、リースバックを取り行うのに特別な申請や条件はないからです。購入資金があり、不動産取引を反復継続して取り扱える会社、つまり宅地建物取引業者であれば、どこでもリースバックを提供することができます。
したがって、今後ますますリースバックの取扱会社は増加していくとみられています。
また、高齢化などの影響で、リースバックに関心を持つ人の数も増えていくことでしょう。
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まとめ
いかがでしたか?
リースバックとは、「セール・アンド・リースバック」、つまり「売って、再度借りる」という意味です。
リースバックは1930年代にアメリカで始まり、日本では2010年代以降に目にするようになってきました。
今後は、人々のリースバックへの関心も、リースバックに参入する企業も、さらに増えていくことでしょう。
皆さんがリースバックを利用する日もくるかもしれません。
【参照】
国土交通省「社会資本整備審議会住宅宅地分科会 中間とりまとめ案(たたき台)参考資料」
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001351143.pdf
厚生労働省「平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-08-02.html
内閣府「令和2年版高齢社会白書(全体版)」『高齢化の現状と将来像』
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
