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2023/09/29最終更新⽇時
2025/06/12リースバックは老後の選択肢|住まいはそのままに資金を確保できる仕組みとは
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年金だけで老後を安心して暮らせるか、不安を抱える方は少なくありません。老後に必要な生活資金は平均で月20万円〜30万円といわれる中、年金支給額との差額をどう埋めるかが大きな課題です。
昨今、住み慣れた我が家に住み続けながら老後資金を確保する方法として「リースバック」が注目されています。この記事では、リースバックの仕組みから資金活用法、契約時の注意点まで徹底解説します。
リースバックとは?住み慣れた家に住み続けながら老後資金を得る方法

リースバックは、老後の資金問題を解決する有効な手段のひとつです。自宅に住み続けながらまとまった資金を確保でき、年金だけでは足りない老後の資金不足への対応策として多くの方が検討しています。ここでは、リースバックの仕組みや手続きの流れから、実際にリースバックで解決できる金銭的な悩みまで、具体的に解説します。
リースバックの仕組みと手続きの流れ
リースバックとは、自宅を売却して現金を受け取りながら、そのまま住み続けられる仕組みです。基本的な流れは、まずリースバック会社に査定を依頼することから始まります。会社選定後、物件情報をもとに行われる机上査定では、大まかな買い取り価格と家賃が提示されます。その後の現地調査で、より詳細な査定額が確定です。
条件に納得できれば、「売買契約」と「賃貸借契約」の2種類の契約を結びます。買い戻しを希望する場合、「再売買の予約契約」も検討しましょう。契約完了後、売却代金が入金され、所有権は業者に移転します。
以降は毎月家賃を支払いながら住み続け、将来的には契約条件に応じて買い戻しや契約更新といった選択肢があります。老後の資金調達として検討する際は、複数の会社に相談し、自分のライフプランに合った条件を選ぶことが重要です。
関連記事:リースバックとは?住み慣れた我が家に住みながら老後資金を確保する方法
年金だけでは足りない?老後の資金不足額
金融庁が指摘した「老後2,000万円問題」は、多くの方に老後資金への不安をもたらしました。厚生年金の平均受給額は月額14.4万円、国民年金は月額5.6万円で、年金だけでは明らかな不足が生じます。また、老後は生活費だけでなく、医療費や住宅リフォーム費用、介護費用も必要です。
このような状況下で、リースバックは持ち家を活用して老後資金を確保する有効な選択肢のひとつです。住み慣れた家に住み続けながら、必要な資金を得られる仕組みは、年金だけでは不安な老後の備えとして注目されています。
関連記事:老後にリースバックを検討する理由:長生きした時の安心策とは
関連記事:リースバックは住み替え時や老後の資金をためるためにオススメ!初心者にもわかりやすく解説!
住宅資産を活用した資金調達方法の比較
老後の住宅資産を活用した資金調達方法は多様化しています。リースバックは自宅を売却し賃借人として住み続ける方法で、リバースモーゲージに比べて年齢制限が緩く、マンションでも利用しやすいのが特徴です。
リバースモーゲージは自宅を担保に融資を受ける仕組みですが、担保評価額の約50%程度しか借りられないことが多く、返済義務も生じます。リースバックは自宅の所有権は失うものの、まとまった資金を得られ、返済の心配がありません
他にも、住み替えという選択肢もあります。いずれの方法も、老後のライフプランに合わせて慎重に比較検討することが重要です。
リースバックで解決できる老後の金銭的な悩み
老後の金銭的な悩みをリースバックで解決できる事例は多岐にわたります。年金だけでは不足する生活費を補うために、70代の男性がリースバックを利用して老後資金を確保し、趣味の旅行を楽しめるようになった例があります。
収入減少により住宅ローンの返済が困難になった40代の男性は、リースバックで住宅ローンを完済し、自宅に住み続けることができました。相続対策としても有効で、不動産を現金化することで相続人同士の財産分与を円滑に進められます。
また、急な病気による医療費負担や高齢者施設への入居資金確保など、さまざまな金銭的悩みの解決策として老後の選択肢となっています。
リースバックで得られる資金額と賢い活用法

リースバックで得られる資金額と効果的な活用方法を知ると、より具体的に老後の生活がイメージできるでしょう。ここでは、物件価値の評価基準や受け取れる金額の目安、家賃設定の仕組み、資金の効果的な運用法について解説します。いずれも老後の資金計画を立てる上で知っておきたい重要なポイントです。
自宅の相場価値とリースバックで受け取れる金額
リースバックで受け取れる金額は、一般的に不動産の市場価格の60%~80%程度といわれています。リースバック事業者が将来的な不動産価値の下落リスクや維持管理コストを考慮するためです。例えば、市場価格が3,000万円のマンションであれば、リースバックでは2,100万円~2,400万円程度の買い取り価格となる可能性があります。
また、金額は物件の種類や立地条件によっても変化し、都市部の人気エリアや資産価値の高い物件ほど高く評価される傾向があります。築年数が古い物件でも今後の価値下落リスクが低いと判断されれば、必ずしも不利にはなりません。
なお、リースバックの家賃は買い取り価格に対する投資利回りによって決まります。立地が良い物件ほど利回りは低く設定され、家賃も相対的に抑えられます。複数の業者を比較検討することで、より良い条件を引き出せるでしょう。
リースバック利用者の資金活用方法
リースバックを利用した方々の資金活用事例はさまざまです。自営業の場合、売り上げ減少で住宅ローン返済が困難になった際、リースバックで得た資金を返済と店舗改装に充てて事業継続を実現した例もあります。税務調査による追徴課税の納税資金を捻出したり、債務整理のために事業用ローンの完済に活用したりするのも使い道のひとつです。
収入減少で生活が厳しくなった場合、子どもが卒業するまでの住環境維持と生活費確保にリースバックを利用する方もいます。このように、リースバックは自宅に住み続けたまま、さまざまな資金ニーズに対応する柔軟な老後の選択肢です。
リースバックで得た老後資金の効果的な管理方法
リースバックで得た資金は、計画的に管理することで老後の生活を長期的に支えられます。まずは、緊急時対応用の預金、日常生活費用、将来の医療費など、目的別に資金を区分けしましょう。特に家賃支払いに充てる分は別口座で確保しておくことが安心につながります。
高齢期の資産運用はリスク管理が重要です。運用方法としては、全額を元本保証の定期預金に預けるより、一部を国債や低リスクの投資信託に分散させることを検討するとよいでしょう。また、税制優遇が受けられるNISAやiDeCoの活用も選択肢のひとつです。リースバックで得た老後資金は「守りながら活かす」発想で管理することが大切です。
リースバック利用後の家賃と家計バランスの見直し方
リースバック契約後は毎月の家賃支払いが発生するため、家計バランスの見直しが重要です。一般的に家賃は市場相場より高めに設定される傾向があり、物価上昇や契約更新時に家賃が引き上げられるリスクもあります。まずは得られた資金の使途を明確にし、家賃支払い分を別口座で管理することで滞納を防止しましょう。
収入と支出を見直し、無駄な出費がないか精査することも大切です。家賃が家計を圧迫する場合、他の支出削減や年金以外の収入源を検討する必要があります。将来的な買い戻しを考えている方は、計画的な資金準備も忘れないようにしましょう。
また、定期的に他の賃貸物件情報も収集し、現在の家賃が相場と比べて妥当かを判断する材料にすることをおすすめします。
リースバックのメリット・デメリットと契約時の注意点

リースバックは老後の選択肢として注目されていますが、メリットとデメリットを正しく理解し、契約時に確認したいポイントを押さえることが重要です。住み慣れた家に住み続けながら資金を確保できる魅力的な仕組みである一方、長期的なリスクや将来の健康状態の変化も考慮する必要があります。
ここでは、リースバック活用を検討する方に向けて、メリットやデメリット、契約時の確認事項、将来の介護も見据えた契約の選び方について詳しく解説します。
定年退職世代がリースバックで得られるメリット
リースバックの最大のメリットは、住み慣れた家に住み続けながら、まとまった資金を手に入れられる点です。長年生活してきた環境や地域コミュニティとの関係を維持できるため、精神的な安定にもつながるでしょう。
売却代金を住宅ローンの一括返済に充てることで、毎月の返済負担から解放されるのもメリットです。老後の収入が減少しても、経済的な余裕を持って生活できます。同時に、固定資産税や都市計画税、建物の維持管理費といった所有者負担も不要になり、毎年の固定費が大幅に削減できます。
相続対策としても有効です。不動産は分割が難しいケースが多いものの、現金化することで相続人への分配が容易になり、遺産分割のトラブルを未然に防げます。老後の生活を快適にしつつ、次世代への配慮も可能にするのがリースバックの大きな魅力です。
長期的視点で考えるリースバックの潜在的リスク
リースバックを検討する際は、短期的なメリットだけでなく長期的なリスクも理解する必要があります。特に注意したいのが、家賃の上昇リスクです。契約更新時に家賃を引き上げられると、老後の限られた収入で支払い続けることが困難になる可能性があります。家賃滞納は契約解除の原因となり、住み慣れた我が家から退去せざるを得ない事態も起こり得るでしょう。
また、リースバックは不動産の所有権が完全に移転するため、資産を子や孫に相続できません。家族の思い出が詰まった家を次世代に残したい方にとって、大きな障壁となるでしょう。
将来的に介護施設への入居や住み替えが必要になった場合の対応も契約時に確認が必要です。多くの契約では中途解約に高額な違約金が設定されており、柔軟な対応が困難なケースも少なくありません。
リースバックは老後の選択肢として有効ですが、これらのリスクを十分に理解した上で複数の事業者から提案を受け、慎重に契約内容を吟味することが重要です。
関連記事:高齢者でも安心!リースバックの年齢制限と注意点を解説
リースバック契約時に確認したい重要事項
リースバック契約を成功させるには、契約内容の確認が不可欠です。特に、売買契約書では買主・売主の情報、売却価格、支払い方法、買い戻し条件を必ず確認しましょう。
賃貸借契約では、契約形態(定期借家か普通借家か)、契約期間、家賃額、更新条件、中途解約時の違約金などを詳細に確認することが重要です。長く住み続けたい場合、普通借家契約を選択すると安心です。リースバック後の年間家賃は売却価格の約10%程度が相場となるため、将来の支払い計画も立てておくとよいでしょう。契約前には複数の業者から見積もりを取り、条件を比較検討することをおすすめします。
将来の介護や健康状態変化に備えたリースバック契約の選び方
老後のリースバック契約では、将来健康状態が変化した際に備えた条項の確認が不可欠です。介護が必要になった場合や長期入院時の契約取り扱いについて、明確な記載があるか確認しましょう。一定期間以上の不在が契約解除理由となる場合もあるため、詳細な条件を把握することが重要です。
将来的に介護施設への入居を検討する可能性がある場合、契約の柔軟な更新または解除ができる条項の有無を確認することをおすすめします。優先買取条項があれば、介護施設入居費用捻出後に資金ができた段階で買い戻す選択肢も保持できます。契約内容は複雑なため、専門家への相談も視野に入れ、リースバック後の老後を安心して過ごせる準備をしましょう。
信頼できるリースバック事業者の選び方と安心できる取引のポイント

リースバック契約を安心して進めるには、信頼できる事業者選びと契約内容の確認が不可欠です。老後の住まいと資金に関わる重要な決断であるため、適切な判断基準を持つことが重要です。ここでは、優良事業者の見分け方や契約形態の違いによる影響、家族を交えた計画の立て方について解説します。
優良リースバック事業者を見分けるチェックポイント
優良なリースバック事業者を選ぶには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。まずは複数の業者から見積もりを取得して、買い取り価格や家賃設定を比較しましょう。契約内容では、定期借家契約の期間や再契約可能性、将来の買い戻し条件も確認したいポイントです。
担当者との相性やリースバック後のサポート体制も重要です。信頼できる業者は、リースバックのメリットだけでなくデメリットも誠実に説明します。
また、実績や資金力のある大手企業は安定性がある一方、中小企業は柔軟な対応が期待できる場合があります。老後の住まいと資金計画を長期的視点で考え、自分の状況に最適な業者を選ぶことが安心できるリースバック活用の鍵です。
リースバックにおける普通借家契約と定期借家契約の違い
リースバックの賃貸借契約では、主に「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。普通借家契約は更新が基本で、長期居住が可能です。一方、定期借家契約は通常2年~3年で期間満了時に契約が終了し、再契約が必要となります。
再契約時には家賃の値上げなどの条件変更があり得る点に注意が必要です。契約中の解約については、借主からの中途解約は一般的に可能ですが、定期借家契約では違約金が発生する場合があります。
また、家賃の3か月以上の滞納は強制退去の理由となる可能性があるため、支払い計画は慎重に立てる必要があります。老後のリースバック活用では、長期居住を希望する場合は普通借家契約を選択し、再契約の条件について事前に交渉することが重要です。
家族・相続人を交えた老後の住まいと資金計画の立て方
リースバック契約を検討する際は、家族や相続人を交えた話し合いが大切です。特に、自宅を手放すことによる相続計画への影響や将来の居住継続について、家族の理解を得る必要があります。
話し合いでは、リースバックで得られる資金の使途や管理方法、将来介護が必要になった場合の住まいの選択肢に関して具体的に検討しましょう。家族との対話を通じて老後の住まいと資金の両面からライフプランを組み立てることで、安心できる選択ができます。
また、専門家を交えたファミリーミーティングを開催し、リースバックの契約内容や相続対策について客観的なアドバイスを受けるのも有効です。老後のリースバック活用は個人の問題ではなく、家族全体の将来に関わる重要な決断であると認識しましょう。
おうちのリースバックが提供するサービスと安心保証
リアルエステートの「おうちのリースバック」の強みは、どこよりも高額買取を目指す姿勢と査定が難しい物件でも積極的に買い取る柔軟性にあります。市街化調整区域や再建築不可物件のような一般的に買い取りが難しい物件も対象としているため、幅広い物件オーナーに対応可能です。
また、売却から相続対策、債務整理まで総合的にサポートする体制が整っており、急な資金調達にも迅速に対応します。特に高齢者には無理のない金額設定で、老後の安心を実現するサービス設計です。リースバック契約後も継続的なサポートを提供し、将来の不安を解消する体制が整えています。
まとめ

リースバックは、住み慣れた家に住み続けながら老後資金を得られる選択肢で、年金だけでは不足する老後資金を住宅資産から調達できます。住み続けられる安心感がある一方、家賃の支払い義務や資産継承ができないといったデメリットも理解する必要があります。特に高齢者は、将来の健康状態の変化への対応や中途解約条件を確認し、信頼できる事業者を選ぶことが大切です。
リアルエステートの「おうちのリースバック」では、市街化調整区域や再建築不可物件といった一般的に買い取りが難しい物件も積極的に査定しています。家族を含めた総合的な老後の住まいと資金計画はリアルエステートにご相談ください。