【不動産のリースバックとは?~今の家に住み続けながら資金調達ができる!?~】

リースバック」という言葉を聞いたことがありますか。「リースバック」とは、自宅を売却して、現金化する仕組みのことです。その利用者は増加傾向にありますが、詳細に知っているという方はあまり多くないかもしれません。

今回は、その「リースバック」の内容について詳しくご紹介します。

目次

  1. 【リースバックとはなにか】
  2.  【不動産のリースバックとは何か】
  3.  【不動産のリースバックの仕組み】

  4. 【家をリースバックする際には何か条件があるのか】
  5.  ①住宅ローンの残高より高い値段で売却ができること
  6.  ②リースバック後、家賃を払っていけるか判断する

  7. 【不動産のリースバックはどのようなときに行うべきなのか】
  8.  ①急遽まとまった金額が必要になったとき
  9.  ②老後の資金が必要なとき
  10.  ③住宅ローンの返済負担を減らしたいとき
  11.  ④相続対策をしたいとき

  12. 【不動産の売却、ローンとリースバックは何が違うのか】
  13.  ①家を明け渡す必要がない
  14.  ②すぐに現金を手にすることができる
  15.  ③借金をする抵抗感がない

  16. 【リースバックの契約内容~家は手放さなくてはならないのか~】
  17.  ①契約を再更新して同じ不動産をリースし続ける
  18.  ②別の場所へ引っ越す
  19.  ③不動産を買い戻す

  20. 【不動産のリースバックには制限はあるのか】

  21. 【家をリースバックするときのポイント】
  22.  ①資金を何に使うのかを事前に明確に決めておく
  23.  ②どのような賃貸借契約を結んだか確認する
  24.  ③家を売却した場合と比較検討する
  25.  ④家賃を滞納せずしっかりと支払う

  26. 【まとめ】

【リースバックとは何か】

リースバックとは、金融取引の一つです。

現在所有している資産をリース業者に売却し、再びリースで借りるという仕組みのことをいいます。 「リースバック」は本来「セール・アンド・リースバック」といいます。しかし、普段は略称で「リースバック」と呼ばれています。 英語の綴りでは“sale and leaseback”となります。直訳すると、その意味は、「sale(売る) and(そして)leaseback(再び借りる)」という意味になります。 リースバックは個人には関係のない制度のように思われるかもしれません。しかし、リースバックの利用者は法人ばかりではありません。リースバックは個人にとっても便利に利用できる資金調達手段の一つとなっているのです。

【不動産のリースバックとは何か】

それでは、どのようなものであればリースバックすることができるのでしょうか。

リースバックでは、様々な資産が対象となっています。具体的には、車、飛行機、家、オフィス、機械、設備などがあり、様々なものをリースバックすることができるということがわかります。

その中でも、個人が所有している不動産を対象とするリースバックのことを「不動産リースバック」と言います。あなたが何か家などの不動産を所有している場合、それを売却すればまとまった現金を受け取ることができます。そして売却した後は、賃貸借契約を結びます。それによって、リース料を支払い、賃貸として元の不動産を利用し続けていきます。

これが、リースバックの仕組みです。

つまり、リースバックでは、自身の持ち家を売却した場合でも、転居をせずにもとの家に住み続けながら資金を調達することができるのです。売却したにもかかわらず引っ越しや明け渡しをしなくて済むという点がリースバックの大きなメリットになっています。
では、不動産リースバックの対象は個人が所有する家のみなのでしょうか。

不動産リースバックの対象

不動産リースバックの対象となる物件には、戸建てやマンションのみではありません。オフィスや店舗、倉庫など、幅広い物件が含まれているため、様々な人がリースバックを利用することができるということがわかります。

これまでは、業績が悪化した企業が資金を調達のために本社ビルを一度売却するような形でリースバックを用いることが多かったです。しかし現在では、住宅ローンの支払いが困難になった場合のような、個人による利用なども多いです。

【不動産のリースバックの仕組み】

実際のリースバックの流れを見てみましょう。
不動産のリースバックは次のような仕組みになっています。

【家をリースバックする際には何か条件があるのか】

リースバックを利用するには2つの条件があります。

①住宅ローンの残高より高い値段で売却ができること

1つ目の条件は、住宅ローンの残高よりも高い金額で売れることです。

リースバックは、一度資産を第三者に売却して所有権を移すため、住宅ローンなどの抵当権が外れた物件でないと買い手が付きません。

そのため、リースバックをする際には売却によって得た代金で住宅ローンを支払い終われなければなりません。売却できたとしても、物件の価値が低く売却価格がローンの残りを下回る、もしくは同程度になってしまう場合はリースバックができない可能性があるので、注意が必要です。

②リースバック後、確実に家賃を払っていくこと

リースバックをして家の代金をもらった後は、賃貸契約を結びます。その際、家賃は家を売却した価格に応じて決まります。

家賃が高いと支払い続けられずに滞納してしまうことがあり、それでは強制退去につながってしまいます。また、割高な家賃を支払い続けることで、現状のローンより負担が大きくなってしまう可能性もあります。

そのようなことを防ぐため、賃貸料は契約を結ぶ前に確認し、家賃を払い続けられるのかを判断しましょう。
もし支払っていくことが難しそうな場合は、リースバックではない選択肢を取るべきかもしれません。

【不動産のリースバックはどのようなときに行うべきなのか】

リースバックは次のような場合におすすめです。

①急遽まとまった金額が必要になったとき

人生では様々なライフイベントが起こり、その際には急遽資金が必要になることがあります。リースバックはそのようなときに役立ちます。

例えば

これらの場合、すぐにお金が必要となります。しかし、不動産を売却して家を明け渡すことは急にできることではありません。

その際、リースバックであれば、これまで通りの住まいに住みながら資金を早急に調達することができます。

②老後の資金が必要なとき

老後の生活を見越してリースバックを利用する人もいます。それには次のような事例があります。

自身が高齢である場合、引っ越しをすることは簡単ではありません。また、馴染んだ場所で暮らし続けたいという希望もあることでしょう。それでも生活のためにお金が欲しいというときには、リースバックをすれば住居を移さないでまとまった現金を手に入れることができます。

③住宅ローンの返済負担を減らしたいとき

リースバック後の家賃は物件の状態や地域の家賃相場、依頼者の支払い可能金額などをもとに決定します。そのため、建物の築年数が古い場合などは、家賃が低額になる可能性があります。

つまり、もし住宅ローンが残っている場合、リースバックをした方が住宅ローンの返済額より低くなることもあるのです。

また、リースバックによって家の所有権を手放せば、固定資産税、管理費、修繕積立金などの支払いが不要になるため、総合的に見てコストが低く済むことがあります。

このようにリースバックには、住宅にかかる費用負担を減らすことができるというメリットがあります。

④相続対策をしたいとき

相続にあたってリースバックを検討する人もいます。

相続にあたって、所有している財産が不動産だけであるとき、平等に分割して相続することは困難です。土地や家を割ることはできないですよね。

しかしリースバックをすれば、その資産に見合う金額を受け取ることができます。現金であれば、簡単に、均等に分割して相続することができます。

相続に際してリースバックが選択されるのは、

という理由があるからなのです。

【不動産の売却、ローンとリースバックは何が違うのか】

様々な理由から現金が必要になった場合には、リースバックではなく、資産を売却することやローンを借りるという選択肢も考えられます。

売却やローンと比べた、リースバックのメリットとは何でしょうか。

①家を明け渡す必要がない

不動産を売却すれば、リースバックと同じく一定の現金を受け取ることができます。しかし、売却した場合は買い手に家を明け渡さなければなりません。家を引っ越すことには大きな抵抗感を抱く人も多いでしょう。

引っ越しがためらわれる理由には、例えば、

というものがあります。

その点、リースバックでは引っ越しをせず元の家に住みながら資金を調達することができます。これは、売却やローンにはないリースバックのメリットだといえます。

②すぐに現金を手にすることができる

売却やローンとは異なり、現金が手に入るまでに時間があまりかかりません。

売却の際には買い手探しに3カ月~半年程度かかってしまうのが一般的です。また、ローンを借りる際には審査があり、それに落ちてしまうと資金を調達することができません。

一方リースバックはただの売却行為であるため厳しい審査はありません。また、2週間から一か月という短い期間で現金を得ることができます。そのため、資金を受け取るまでにひと月以上待てないという場合にはリースバックがおすすめです。

③借金をする抵抗感がない

ローンを借りて資金を調達するというのはいわば借金です。借金をするという行為には多くの人が抵抗を感じることでしょう。一方、リースバックは借金ではなく、返済の必要もないため、気軽に行うことができます。

これらのことがメリットとなり、リースバックは支持されているのです。

【リースバックの契約内容~家は手放さなくてはならないのか~】

リースバックの契約期間が終了した後は、家を退去することになってしまうのでしょうか。

必ずしも家を出る必要はありません。次の3つの選択肢から自分に合ったものを選ぶことができます。

①契約を再更新して同じ不動産をリースし続ける

一つ目の選択肢として、同じ家にもうしばらく住むことができます。

賃貸を継続するには、契約期間ごとに、契約を更新することが必要です。
その契約期間は、リースバック業者によって大きく二つあります。

まず、契約期間が短く設定されている場合です。これは、将来的に物件を第三者へ売却することを目的としている不動産リースバック業者に見られます。
この業者は売却益を目的としているため、家賃は低く、賃貸借期間は短くすることで契約が切れるタイミングを増やしています。

一方、契約期間が長い不動産リースバック業者もあります。
こちらは家賃収入を目的としているため、家賃は高く、住める期間は長くなる傾向にあります。

これらのことから、リースバックをする際には希望に合った業者を選ぶ必要があることがわかります。

②別の場所へ引っ越す

契約期間が終了してしまったら、退去を希望することももちろん可能です。
退去は契約の更新時でなくても、いつでも選択することができます。

契約者にとってリースバックでの退去は、賃貸物件から退去するのと同じです。
しかし不動産リースバック業者の視点では、売却とリースバックでは相違があります。売却の場合は、契約者が退去した後に新たな借家人を探します。一方、リースバックの場合は物件を解体して土地を第三者に売却したり、そのまま貸借したりします。

退去と聞くと、「強制退去」という言葉が浮かびますが、家賃を滞納することなどがなければ強制退去をさせられることはありません。

退去の理由の一例には、住みたい物件を見つけることができた場合などが挙げられます。
しかし、一度退去してしまうと家を買い戻しができないため、注意が必要です。

せっかくリースバックをしてこれまでの生活を維持しているのだから、退去はもったいないようにも思えます。しかし、早めの退去も時には賢い選択といえます。それは、リースバックの際は、家賃の負担が高いからです。

リースバックの後は、家賃は通常の賃貸物件よりも1.1~1.3倍ぐらい高くなってしまいます。つまり長く住めば住むほど家賃の負担が大きくなってしまうのです。

ずっと家を借り続けていても将来買い戻しをすることがないと予想した場合は、早めに退去するというのも選択肢の一つです。

③不動産を買い戻す

資金調達に際して不動産の売却ではなくリースバックを選択している人は、買い戻しを前提にしている人が多いです。

それは、買い戻しができるという点が、売却やローンにはないリースバックの特徴だからです。

貯蓄に余裕ができたり、やはり家を手放したくないと思ったりした際には買戻しが検討されます。しかし、買い戻しの際の価格は売却額よりも高く設定されることが多いので、家を買い戻すことは簡単ではありません。

買い戻しは契約の内容に従って行われます。契約時に、買い戻しについて条件が決められています。買戻しを検討する場合は、契約の内容の再購入金額や条件についての取り決めを確認しましょう。契約時の内容によっては、買戻しができなくなってしまいます。また、賃料の支払いを滞納した場合などは、買い戻しをする権利を失ってしまう可能性があるので注意が必要です。

買い戻しは退去と同じく、いつでも選択することができます。

【不動産のリースバックには制限はあるのか】

年齢制限はなく、成人以上であれば誰でも利用することができます。
また、受け取った売却代金の使用用途にも制限がなく、自由に資金を使うことができます。
さらに、担保にできる不動産にも制限がないため、地域や不動産の種類を選びません。

このように、リースバックは誰でも利用しやすい仕組みとなっています。

【家をリースバックするときのポイント】

これまでで、リースバックにはたくさんの利点があることがわかりました。しかし、リースバックも無計画に利用していたらかえって損をしてしまいます。

リースバックを成功させるために、次のことに気を付けておくと良いでしょう。

①資金の使い道をあらかじめ明確に決めておく

せっかく手にした資金を無駄遣いすることがないように、計画性を持った行動が求められます。特に、リースバック後には割高な家賃を払っていくことになるということを忘れてはいけません。
そして、家を買い戻したい場合は、そのための資金の準備も必要です。いつ買い戻すかを決めて計画的に資金を使うことが大切です。

②賃貸借契約の内容を確認する

希望しない契約を結んでしまうことがないように、契約内容はしっかりと理解しておきましょう。
さらに、売却した不動産の再契約や退去、再購入に関する取り決めは契約時に行われるので、どのような契約になっているかを確認しておく必要があります。

③家を売却した場合と比較検討する

リースバックを利用する前には、一般的な売却と比較することが大切です。リースバックにはまとまった資金を得られるというメリットがありますが、売却の方がリースバックよりも多くの資金を得やすいこともあります。

また、家賃も、周辺の物件の方が安い可能性があります。

両者のメリットデメリットを検討したうえで、自身のケースに合った方を選びましょう。

④家賃を滞納しない

リースバック後は、家賃を滞りなく支払うことが必要です。もし家賃を3ヶ月以上滞納してしまうと、強制退去させられてしまいます。

【まとめ】

これまで、不動産のリースバックの仕組みや特徴について見てきました。 それらをまとめると、不動産のリースバックとは

という仕組みです。リースバックを利用する際には制度をよく理解し、検討を重ねてからするようにしましょう。


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