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投稿⽇時

2025/05/21

最終更新⽇時

2025/05/21

リースバックのメリット・デメリット|住み慣れた家に住みながら資金を確保する方法

  • リースバック

定年退職後、住み慣れた家に住み続けたいけれど、年金だけでは生活に不安があるというシニア世代の方もいるでしょう。そういった課題に対する解決策として、近年「リースバック」が注目されています。リースバックとは、所有する不動産を売却した後も賃借人として住み続ける仕組みで、まとまった資金を確保しながら生活環境を維持できる方法です。

本記事では、リースバックのメリット・デメリットを徹底比較します。メリット・デメリットを把握すれば、それぞれの状況に応じた選択肢が何か判断できるでしょう。

リースバックは自宅に住み続けながら資金調達できる仕組み

家の模型と電卓

リースバックは、資産活用の新たな選択肢として注目を集めています。リースバックの基本的な仕組みや契約の流れ、どのような条件の方に適しているかなど、重要なポイントを理解することで、より良い選択ができるでしょう。ここでは、リースバックの仕組みから契約までの一連の流れと、利用に適した条件について詳しく解説します。

リースバックの仕組みとは

リースバックとは、自宅を不動産会社などの第三者に売却し、その後は賃借人として住み続ける仕組みです。所有権は買主に移りますが、売主は賃貸借契約を結ぶことで、これまでと同じ住まいで生活を継続できます。

この仕組みは、特に定年退職後の老後資金の確保手段として注目されています。自宅という大きな資産を現金化しながら、引っ越しの手間や環境変化によるストレスを避けられるためです。

リースバックを利用する際は、まず不動産会社やリースバック運営会社に相談・査定を依頼しましょう。物件調査の後、買い取り価格と家賃が決定し、売買契約と賃貸借契約を締結します。決済日以降は、新しい所有者に家賃を支払いながら居住を続けます。

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リースバック契約の流れと必要な書類

リースバック契約の流れは以下の手順です。

  • 不動産会社やリースバック運営会社への相談と仮査定
    この段階では、物件情報や希望条件を伝え、固定資産税額といった基本情報を提供します。仮査定結果として買い取り価格と家賃の概算が提示されます。
  • 不動産会社やリースバック運営会社による現地調査
    物件状況の確認後に、最終的な買い取り価格と家賃が確定します。
  • 契約条件に合意すれば、必要書類の確認と契約日の調整
    この際には売買契約と賃貸借契約、場合によっては買い戻しに関する契約も締結します。

契約に必要な書類として以下が挙げられます。

  • 本査定時:身分証明書、住民票、固定資産税通知書、収入証明書等
  • 契約時:印鑑証明書、権利証等

契約内容をしっかり確認し、不明点は事前に解消しておくことが重要です。

リースバックの利用に適した条件とは

リースバックを検討する際は、いくつかの条件を確認しましょう。まず、売却価格と住宅ローン残債のバランスが重要です。リースバックは売却資金でローンを完済することが前提で、ローン残債が売却価格を上回る場合は利用が難しいでしょう。

次に、継続的な家賃支払い能力も審査の対象です。一般的に、家賃は月収の3分の1以下が望ましいとされ、安定した収入源があるかどうかが重視されます。過去の支払い履歴も審査に影響するため、ローンやクレジットカードの支払い遅延がないのが理想です。

物件の市場価値や売りやすさも重要です。都市部や交通アクセスが良い地域は需要が高く、リースバック審査に通りやすい傾向があります。一方、過疎地域やアクセスが不便な場所、築年数が古い物件は審査が厳しくなるかもしれません。

物件の状態や立地条件を事前に確認し、複数の会社から査定を受けることで、より良い条件での契約が可能です。

リースバックで手に入れられる4つのメリット

「MERIT」と書かれた小さな黒板

リースバックには、資金調達と安定した生活の両立を可能にするさまざまなメリットがあります。ここでは、リースバックの4つのメリットについて詳しく解説します。それぞれのメリットの具体的な内容をもとに、リースバックがどのように生活を豊かにできるか見てみましょう。

住み慣れた自宅に住み続けられる

リースバックの大きなメリットは、大切な我が家に住み続けられることです。家族との思い出や愛着が詰まった自宅を手放すことなく、これまでと変わらない生活環境を維持できます。

特に高齢者にとって、新しい環境への適応は身体的・精神的な負担が大きいでしょう。住み慣れた家に住み続けることで、近隣との人間関係や通院・買い物といった生活動線をそのまま保持でき、環境の変化によるストレスや体調不良のリスクを回避できます。また、引っ越しに伴う手間や費用も不要なため、経済的・時間的な負担も軽減できるでしょう。

外観上の変化がないため、近隣に自宅を売却したことを知られにくいというメリットもあります。プライバシーを保ちながら資金調達ができる点は、多くの利用者から高く評価されているポイントのひとつです。

まとまった資金を一括で確保できる

リースバックの魅力のひとつが、まとまった資金を一度に確保できる点です。物件を売却することで、その評価額に応じた現金を手にできます。このお金の使い道に制限はなく、老後の生活資金や子どもの教育費、事業資金など、あらゆる目的に活用できる自由度の高さが特徴です。

また、住宅ローンの残債があっても申し込みが可能で、売却資金でローンを完済することで、毎月の返済負担から解放されます。住み慣れた自宅に住み続けながら、使い道自由な大きな資金を手に入れられることは、リースバックならではのメリットといえるでしょう。

住宅ローンや固定資産税の負担から解放される

リースバックを利用すると、住宅ローンや固定資産税の負担から解放されるメリットがあります。売却によって所有権が移転することで、毎月の住宅ローン返済や年間の固定資産税の納付が不要になるためです。

例えば、月々10万円の住宅ローンと年間20万円の固定資産税を支払っていた場合、リースバックによって年間140万円もの支出を削減できます。住宅の維持管理費や火災保険料も考慮すると、さらに大きな負担軽減効果が期待できるでしょう。

ただし、リースバックでは新たに家賃の支払いが発生するため、この点も考慮した上で総合的な家計改善効果を判断することが重要です。売却価格と家賃設定のバランスによって、メリットの大きさは変わります。

関連記事 : リースバックで固定資産税は不要になる?メリットと注意点

相続対策としても有効

リースバックは相続対策としても有効な手段です。不動産は分割が難しく、相続人間でトラブルの原因になりがちですが、リースバックで現金化することで相続財産を均等に分配できます。

また、リースバックにより不動産の所有権が移転すると、固定資産税や維持費の負担がなくなるだけでなく、相続税の課税対象となる資産も減少します。これにより、相続税の負担が軽減できるかもしれません。

ただし、リースバックを相続対策として活用する際は、契約前に相続人と十分に話し合うことが重要です。相続人が将来その家を所有したいと考えていた場合、トラブルに発展する恐れがあります。計画的に進めることで、相続に関する不安を解消しながら資産を有効活用できるでしょう。

リースバック利用時に注意したい3つのデメリット

電卓を片手に考え込む女性

リースバックはメリットが多い一方、注意したいデメリットも存在します。ここでは、リースバックを検討する際に特に理解しておきたい3つのデメリットについて解説します。デメリットを詳しく知ることで、リースバックが自分に合った選択かどうか、より冷静に判断できるでしょう。

売却価格が市場価格より低い

リースバックを利用する際に注意したいポイントのひとつが、売却価格が市場価格より低い点です。例えば、市場価格3,000万円のマンションであれば、リースバックでは2,500万円前後の価格になることがあります。リースバック会社は物件を「投資」として購入するため、将来的な収益性を重視し、買い取り価格を低く抑えることで賃料収入から利回りを確保しようとするためです。

ただし、売却価格と家賃は密接に関連しており、売却価格が高いと家賃も高い傾向があります。売却価格が高ければ家賃負担も大きくなるため、資産運用計画を立てた上で、適切な価格を検討しましょう。売却価格を少しでも高くするには、複数のリースバック会社から査定を受け、比較検討することをおすすめします。

関連記事 : リースバックの罠とは?注意すべき7つのリスク

家賃の支払いが発生する

リースバックでローンの負担から解放されても、新たに家賃の支払いが発生します。一般的に年間家賃の目安は売却価格の6%〜13%程度と言われており、売却価格が2,000万円の場合、年間の家賃総額は約120万円〜260万円です。

売却価格を高く設定すると手元に残る資金は増えますが、その分家賃も高くなります。家賃を抑えたい場合は売却価格を下げる必要があり、資金確保とのバランスが重要です。

また、契約形態によっては将来的に家賃が上昇するリスクがあります。特に、定期借家契約の場合、契約更新時に家賃が引き上げられる可能性があります。契約前には家賃の変動条件や上限を確認し、将来の収入見込みを考慮した無理のない設定にすることが大切です。

住み続けることができない場合がある

リースバックの賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。普通借家契約は、契約期間が終了しても貸主に正当な理由がなければ自動的に更新される契約形態で、長期間にわたって住み続けることが可能です。

一方、定期借家契約は契約期間が明確に定められており、期間満了と同時に契約が終了します。リースバックで多く採用されるこの契約は2年〜3年の契約期間が一般的で、契約終了時に再契約できない場合は退去しなければなりません。

また、家賃滞納が3か月以上続いた場合や騒音問題・無断転貸といった契約違反があった場合も契約解除となり、住み続けることができなくなります。リースバックを検討する際は契約内容をしっかり確認し、将来の居住計画に合わせた判断が必要です。

リースバック以外の資金調達方法

2つ並んだ扉の前に立つスーツ姿の男性の後ろ姿

住み慣れた家に住みながら資金を確保するリースバック以外にも、いくつかの資金調達方法があります。例えば、リバースモーゲージや不動産担保ローンです。ここでは、リースバックと比較しながら、それぞれの特徴や違いを解説します。自身の年齢や経済状況、将来の住居計画に合わせて最適な選択をするための判断材料として、それぞれの資金調達方法のメリット・デメリットを詳しく見てみましょう。

リバースモーゲージとの違い

リースバックとリバースモーゲージは、どちらも自宅に住み続けながら資金を調達できる方法として注目されていますが、仕組みは大きく異なります。

リバースモーゲージは自宅を担保にして融資を受ける金融商品です。主に50歳以上を対象とし、生存中は利息のみを支払い、死亡時に自宅を売却して元本を返済します。所有権を保持したまま資金調達できる点がメリットですが、年齢制限や資金使途の制限があります。

一方、リースバックは、自宅を売却して賃貸として住み続ける方法です。年齢制限がなく、売却資金の使途も自由で、住宅ローンがあっても利用できます。即時に大きな資金を得られますが、所有権を手放さなくてはならない点がデメリットといえるでしょう。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の状況に合った選択をすることが重要です。

不動産担保ローンとの違い

リースバックと不動産担保ローンは、どちらも不動産を活用して資金調達する方法ですが、根本的な違いがあります。リースバックは不動産売買と賃貸借契約を組み合わせた「不動産取引」であるのに対し、不動産担保ローンは自宅を担保にした「融資」です。

最も大きな違いは所有権の移転と返済義務です。リースバックは不動産の所有権が移転し、売却資金を返済する必要はありませんが、毎月の家賃支払いが発生します。一方、不動産担保ローンは所有権は移転せず、借り入れ資金に対する返済義務が生じます。

資金調達の面では、リースバックは審査がなく、年齢や年収による制限がないのが強みです。不動産担保ローンは融資審査があり、年齢や収入状況によっては利用できない場合があります。ただし、リースバックはリフォームの自由度が低下し、契約によっては住み続けられない点に注意が必要です。

どちらを選ぶかは、必要資金額や今後の住居計画によって検討するとよいでしょう。

おうちのリースバックが選ばれる理由

リアルエステートが提供する「おうちのリースバック」は、「どこよりも高額買取」をモットーに多くの顧客から支持されています。創業以来の不動産コンサルティング経験を生かし、顧客一人ひとりの経済状況に合わせた買い取り価格や賃料設定を実現します。

大きな強みは、市街化調整区域や再建築不可物件など、他社では対応が難しい物件でも積極的に買い取る点です。また、直接買取方式を採用しているため、査定額がそのまま買い取り価格となり、仲介手数料が不要というメリットがあります。

リースバック契約時に発生しがちな親族間のトラブルに対しても専門の弁護士によるサポート体制が整っており、安心して契約を進められます。ご高齢の方にも無理のない金額を提示し、売却から相続対策、債務整理まで総合的なサポートを提供するサービスです。

まとめ

ソファに座ってスマホを見ながら会話するミドル夫婦

リースバックは、自宅を売却後も賃借人として住み続けられる資金調達方法です。住み慣れた環境を維持したまま一括資金を確保でき、住宅ローンや固定資産税の負担から解放される点が大きなメリットです。また、相続対策としても活用できます。

一方、売却価格が市場価格より低くなりやすく、新たに家賃の支払いが発生する点がデメリットです。定期借家契約の場合、更新できずに退去が必要となるリスクも考慮したほうがよいでしょう。

リアルエステートが提供する「おうちのリースバック」では、市街化調整区域や再建築不可物件のような他社では対応が難しい物件でも積極的に買い取ります。ローン返済にお悩みの方や老後資金を確保したい方は、お気軽にご相談ください。