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2025/10/31老人ホームのリースバックとは?メリット・デメリットと具体的な方法をわかりやすく解説
- リースバック
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
リースバックという言葉を聞いたことがありますか。リースバックは資金調達方法の一つです。個人が持ち家をリースバックするだけではなく、経営難に陥ってしまった企業が利用することもあるのです。企業は自社ビル、事業所、工場などをリースバックすることがありますが、老人ホームであってもリースバックできるのでしょうか。
今回は老人ホームをリースバックすることが可能かどうかについて説明していきます。
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Contents
老人ホームを手放す方法と選択肢
老人ホームを運営するのは簡単ではありません。老人ホームを所有していてもいつか手放したくなるときがあるかもしれません。
例えば、経営が赤字になってしまったときです。老人ホームを運営するには経営ノウハウが必要です。知識がなければ集客したり、ホームを管理したりすることはできません。老人ホームを運営していて赤字になってしまったというときには売却して新たな経営者に委ねるのも一つの手です。
また、人手不足のせいで事業が回らないことがあるかもしれません。日本は超高齢化社会であるにもかかわらず、介護業界は常に深刻な一手不足に陥っています。そのせいで老人ホームを運営していくことができず、売却を考えるのです。
もしくは、複数の事業を抱えているため、老人ホーム事業からは撤退したいと考えることもあるかもしれません。複数の事業を持つことにもメリットはありますが、事業を絞って一つの事業に集中した方が経営しやすくなります。
このようなとき、老人ホームを手放すことを検討するかもしれません。
老人ホームを手放すにはM&Aをするのが一般的でしょう。
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M&Aによる老人ホーム売却の流れ
老人ホームを売却するのは個人が戸建てを手放すのとは訳が違います。事業用不動産を扱っている不動産会社や、M&Aのコンサルティング会社に依頼をするのが一般的でしょう。
M&Aとは?基本的な仕組み
そもそもM&A(Merger And Acquisition)とは、事業を合併したり、買収したりすることです。老人ホームの事例の場合、買い手としてはすでに老人ホームを営んでいる会社も、今のところは老人ホーム事業に携わっていない会社も、どちらもあり得ます。
M&Aのメリット
①立ち上げるコストがかからない
新たに老人ホーム事業に携わろうとしている会社が老人ホームをM&Aをすると、事業を立ち上げる手間が要らないというメリットがあります。M&Aではすでに運営のシステムができあがっている状態で老人ホームを購入することができます。もし自分で老人ホームを作ろうとするならば時間もコストもかかってしまうし、立ち上げのための知識を一から身に付けなければなりません。そこでM&Aをすることで簡単に老人ホーム事業に参入できるようになるのです。このようにM&Aをすれば成長スピードを上げることができます。
②事業を成長させることができる
すでに老人ホーム事業を持っている会社がM&Aをした場合にもメリットがあります。それは、別の老人ホームを買うことで自社に足りない部分を補うことができるのです。例えば、集客力が弱い老人ホームでは、集客に成功している老人ホームをM&Aすることでノウハウを得ることができます。また、設備が劣化してきている老人ホームであれば、建設されて間もない老人ホームをM&Aすれば最新設備を使用できるようになります。このように、M&Aによって事業をより良く、より大きくすることができるのです。
③廃業後のトラブルがなくなる
さらに、もし廃業した場合もさまざまなトラブルが起こり得るのです。例えば、もし老人ホームを売却してしまうと従業員や入居者が路頭に迷うことになります。もし事業を畳んでしまうと、従業員の働き口はなくなり、入居者も新たな老人ホームへ移動しなくてはなりません。しかしM&Aすると従業員の雇用が守られ、入居者はそのまま老人ホームで生活することができます。加えて、廃業するための手続きも煩雑で面倒なのです。
M&Aをすればそのような心配事がなくなるというメリットがあります。
M&Aのデメリット
M&Aをするデメリットは、事業を譲渡してしまうとそこに関わっていけなくなる可能性があることです。譲渡後も何かしらの形で関わっていきたいと考える人も多いかもしれません。しかしそのためには譲渡先と交渉する必要があるのです。もし断られてしまったら関与し続けることはできません。
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老人ホームをリースバックする方法
老人ホームを手放す方法として、M&Aもありますが、他にも「リースバック」という選択肢があります。
リースバックとは?基本的な概念
リースバックとは、不動産を売却して現金化した後、賃貸契約を結んでそのまま使用し続ける仕組みです。これにより、売却後も不動産を引き続き活用できます。
関連記事 : リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説
リースバックで得られる資金調達のメリット
リースバックできる資産には、個人の戸建てやマンションが含まれ、特に高齢者の間で増加しています。また、企業向けには、オフィスビルや店舗、寮などがあり、老人ホームもその対象に含まれます。このように、リースバックではさまざまな資産を対象とすることができます。
さらに、ホテル、土地、工場、倉庫もリースバックすることができます。その説明に関してはこちらを参考にしてください。
⇒ ホテルをリースバックすることはできるのか
⇒ 【事業者向け】土地をリースバックすることはできるのか?
⇒ 【製造・物流の関係者は必見!】工場や倉庫をリースバックできるのか?
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老人ホームをリースバックする利点
リースバックで対象となる資産にはさまざまな種類があり、老人ホームもその一つです。次に、老人ホームをリースバックするメリットを詳しく見ていきましょう。
事業継続と資金調達の両立が可能
一度老人ホームを売却するにも関わらず、これまで通りに使い続けられるというのは大きなメリットです。一般的には不動産を売却したら移転しなくてはなりません。しかし、リースバックでは売却した不動産を賃貸として利用し続けることができるので、移転する必要はありません。それによって、入居者の生活を守ることができ、従業員もこれまで通りに働くことができます。
また、外見上も以前と変わることはないため、資金繰りに困っていたのだとしてもその事実を周囲に知られることはありません。
このように、移転しなくて済むというのは数々のメリットをもたらしてくれます。
早急に資金を手にする方法
リースバックをすると資金を調達できます。老人ホームを一旦売却することになるため、売却益を手にします。業績が悪化した場合や事業投資を行いたい場合にはやはり資金が必要になるでしょう。リースバックでは最短で2週間から1ヶ月で資金を手にすることができ、早急に資金が必要になっても対応することができます。
経営安定後に買い戻す選択肢
リースバックでは、売却した不動産を将来的に買い戻すことが可能です。これにより、経営が安定した際に再び事業を継続することができます。
関連記事 : 介護施設経営の現状と課題解決のための5つのポイント
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土地リースバックで老人ホーム運営
老人ホームの運営には「建設協力金方式」を利用することができます。この方式では、土地をリースバックし、その土地に老人ホームを建設して運営することが可能です。
「建設協力金方式」とは、土地をリースバックし、その土地に好きな建物を建てて良いという仕組みです。つまり、土地をリースバックしてその土地に老人ホームを建設し、運営することができるのです。
建設協力金方式とは?
まず、アクターは土地の所有者と物件を探している事業者です。土地の所有者は、土地を活用したいけれど、建物を建設する資金を持ち合わせていません。一方、物件を探している事業者は、テナントを出す場所を探している状態です。この両者が出会ったとき、リースバック(建設協力金方式)が行われます。
まず事業者は、土地の所有者に「建築協力金」を支払います。土地の所有者はこれをもとに建物を建設します。そして事業者はその建物を使用して事業を行います。
これが「建設協力金方式」の仕組みです。
土地のリースバックは、コンビニ経営、福祉施設経営、駐車場経営、アパート経営、テナント経営などさまざまな目的に利用されます。これらのうち何を建設するかによって依頼する業者が異なります。もし老人ホームを建設する場合はハウスメーカーかゼネコンに相談しましょう。
建設協力金方式のメリットと活用方法
土地をリースバックすることでこれらの施設を建設するメリットは、経営ノウハウが必要ないということです。老人ホームを経営するのは知識がない状態ではとても難しいです。しかし、土地のリースバック方式をとれば、老人ホームを建設することができ、運営に関しては借り手である事業者に任せることができます。このように、経営の方法がわからなくても施設を建てて、事業を運営させ、賃料収入を得るためにリースバック方式を行うことができるのです。
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まとめ:リースバック活用の可能性
今回は、老人ホームをリースバックする方法について解説しました。老人ホームもリースバックの対象となり、また、他にも個人の住宅や企業の不動産などさまざまな資産を活用することができます。
さらに、老人ホームに関しては、老人ホーム自体をリースバックするばかりではなく、土地をリースバックしてそこに老人ホームを建設して運営するという方法もあります。 不動産を有効活用する方法はたくさんあります。もし不動産をうまく利用できていないと感じる場合は、まずはリースバックについて調べてみましょう。
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
