リースバックとは、不動産を売却して現金を得るという、資金調達方法の一つです。
不動産は売却してしまうけれど、賃貸借契約によって同じ資産を使い続けることができます。
つまり、同じ場所に住み続けていたいというときに利用するとメリットがあるのです。
しかし、家が老朽化してしまっている場合などには、建て替えたいと思うこともあるでしょう。
リースバックでは所有していた不動産を一度売却してしまっていますが、物件を建て替えることはできるのでしょうか。
今回は、リースバックと建て替えについて学んでいきましょう。
目次
まず、リースバックについておさらいします。
リースバックとは、所有している不動産を売却して現金を調達し、賃貸契約を結んで資産の利用を続けることができる仕組みでした。
リースバックは以下のようなときに利用されることがあります。
このように、リースバックは老後に資産整理や生活費を補うことを目的に行われるケースがあります。
リースバックでは「長年住んだ家を手放したくない」というケースがありますが、この場合家は老朽化している可能性があります。
その場合、リースバックで住み続ける際には新しく立て替えたいと思うこともあるかもしれません。
リースバックでは同じ資産を使い続けることはできますが、所有権は手放してしまっています。
それでもリースバック後に建て替えをすることはできるのでしょうか。
結論としては、少しの模様替えのようなことはできますが、勝手に建て替えやリフォームをすることはできません。
それは、リースバックでは一度資産を売却して、物件の所有権を第三者に渡してしまっているからです。
しかし、資産の所有者の許可を取れば、建て替えをすることも可能です。
許可を与える際の一つと基準となる価値判断は、「物件の価値を上昇させることができるかどうか」です。
例えば、耐震工事がしてある物件とされていない物件では、どちらの方が価値が高いでしょうか。
老朽化が進んでしまった物件と新築物件だったら、どちらの入居希望者が多いでしょうか。
耐震工事がしてある物件の方が良いし、新築であればあるほど良いと考える人が多いことでしょう。
物件の所有者は、建て替えの許可を求められたときはこのように考えて、建て替えを承諾するか否かを決定しているのです。
耐震工事や改築改装のような、行っておいた方が物件の価値を上げることができるような建て替えであれば、物件の所有者も許可をしてくれます。
とはいえ、基本的には建て替えを断られることはありません。
なぜなら、その居住者はこれまでその家に長く住んでいて、これからもその家に住み続けていく人であるからです。
その人が住みやすいようにリフォームをすることを止められることはあまりないのです。
しかし、建て替えやリフォームにかかる費用はもちろん自己負担となります。
リースバックの建て替えについて詳しく知るために、賃貸物件を建て替える際と比較してみましょう。
リースバック物件と一般的な賃貸物件では、リフォームをすることが可能か否かに違いがあります。
リースバックでも賃貸でも、勝手に建て替えやリフォームをすることは認められていません。
しかし、リースバックであればある程度はリフォームや模様替えをすることが認められています。
耐震工事のような大規模なものも、物件を所有している人の許可を取ればすることができます。
けれど、大規模な工事を要するほどの改築は物件の資産価値を低下させるリスクがあるため、断られる可能性が高いです。
つまり、賃貸では勝手なリフォームはできないけれど、リースバックであればある程度はリフォームをすることができるという違いがあるのです。
そのため、もしリフォームを望む場合は賃貸よりむしろリースバックの方がリフォームしやすくなるかもしれません。
リースバック物件と賃貸物件では、リフォームにかかる費用を負担する人についても相違点があります。
リフォームにかかる費用は誰が支払うことになっているのでしょうか。
リースバックでは、リフォームをするために必要な費用は自己負担となります。
リフォームを望んだ人が支払うことになります。
物件の所有者は支払う必要はありません。
一方、賃貸物件では、リフォームの費用は物件の所有者が負担することになっています。
物件の借り手には支払う必要はないのです。
この点が、リースバックと賃貸では異なっています。
建て替えやリフォームに関しては契約内容によって変わるので、契約を結ぶ際には注意が必要です。
建て替えをすることには次のようなメリットがあります。
また、建て替えには次のようなデメリットもあります。
つまり、
ここまで、リースバックでは建て替えをすることができるのかについてご説明してきました。
リースバックでは軽いリフォームであれば自由に、大規模な建て替えも許可を得ればすることができるということがわかりました。
その際の建て替えにかかる費用は自己負担でした。
しかし、中には建て替えの費用を負担してくれるリースバック業者もあるのです。
そのサービスは「新築リースバック」と呼ばれています。
リースバックの中には、物件をリフォームしたり、建て替えたりした上で利用できるサービスもうまれています。
なんと、リフォームや建て替えの費用を業者が負担してくれるのです。
その費用はリースバックのときに家賃へ上乗せされる仕組みとなっています。
家が老朽化してしまっている場合などには、新しい家に住みたいと思うでしょう。
しかし、リフォームしたり建て替えたりするのは大きな金銭的負担がかかります。
そこで、新築リースバックを行えば、リースバック業者が物件をリフォームしたり、建て替えたりした上で利用させてくれるのです。
続いて、新築リースバックのメリットについてご紹介していきます。
リースバックを選ぶ人には、その土地を離れたくないという人が多いです。
新築リースバックであれば今の家を建て替えてもらうことになるので、住み慣れた場所に住むことが可能です。
建て替え費用はリースバック業者が負担してくれるため、建て替えにかかるお金は不要となります。
費用を負担せずに新築物件に住むことができるというのは、かなり大きなメリットだといえるでしょう。
しかし、建て替えの費用は後で家賃に上乗せされるので、全く負担していないというわけではありません。
家が老朽化してきた状態で新築リースバックをすれば新築に住むことができます。
さらに、家があまりにも老朽化していた場合はリースバックを断られてしまうことがありますが、その際に新築リースバックを申し込めば、建て替えをしてもらうことができるのでリースバックでも取り扱ってもらえるようになります。
リースバックのメリットは、買戻しができることです。
新築リースバックでも、資金を用意することができれば買い戻しをすることができます。
買い戻しをすれば一度は手放した物件の所有権を取り戻すことが可能となります。
例えば、自宅が老朽化しているため建て替えたくとも資金はないという場合、一度新築リースバックをして新築に住み、金銭的に余裕ができた頃に買い戻すということができるのです。
新築リースバックでは、家賃の費用に建て替え費用が上乗せされることになります。
そのため、ただでさえ相場より割高なリース費用がより高くなってしまうというデメリットがあります。
新築リースバックにはこのようなメリットやデメリットがあります。
新築リースバックは最近広まり始めたサービスのため、あまり認知されていないかもしれません。
ですが、利用する人はこれからどんどん増えて行くことでしょう。
今回は、リースバックでは建て替えができるのかについて検討してきました。
これまで説明してきたように、リースバックした物件は許可を取れば建て替えをすることができるのです。
しかし、あまり大規模な建て替えは、物件の所有者から承諾を得られない可能性が高いです。
建て替えのための費用は自己負担となりますが、リースバック業者が負担してくれるサービスも登場しています。
売却した不動産にリースバック業者が建て替えをしてくれて、その新しい住居に住むことができるのです。
建て替えの費用をリースバック業者がもってくれるのはとてもお得です。
リースバックを利用するときはこのようなサービスの活用もぜひ検討してみましょう。