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2026/02/26旧借地権トラブルはなぜ起きる?よくある事例と現実的な解決策
- 底地・借地
所有権と異なり、借地権は一つの土地に対して地主も権利を所有しているため、特有のトラブルが発生しやすい性質があります。
なかでも「旧借地権」は、以前の法律である借地法が適用される古い借地権であり、現行の借地権とは異なる特徴を持っています。こうした違いを理解しておくことで、トラブルが起きた際にも落ち着いて対応しやすくなります。
本記事では、旧借地権で起こりやすいトラブルの例とその対処のポイント、解決方法について解説します。
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
旧借地権の特徴と新法借地権との違い

借地契約は他人(地主)が所有する土地の上に住宅を建てる目的で締結されるため、契約期間は十年単位と長期に及びます。契約時期が古い旧借地権ではなおさら契約期間は長くなり、時間の経過とともにトラブルの原因となる出来事が生じることもあります。
そのなかには、旧借地権ならではの特徴に起因するトラブルも含まれます。まずは旧借地権の概要と、なぜ旧借地権でトラブルが起こりやすいのかについて見ていきましょう。
旧借地権とは?
1992年7月31日以前に締結された借地契約で設定される借地権が「旧借地権」です。旧借地権と現在の借地権(新法借地権)は、前者が旧借地法、後者が借地借家法と適用される法律が別になるため、規定が一部異なります。
新法借地権と比較した旧借地権の主な特徴は以下の5つであり、全体として借地人の権利が強く保護されている点に特徴があります。
- 建物の構造(材質)によって存続期間が異なる
- 新法借地権より更新後の存続期間が長い
- 全て更新前提であり、更新のない「定期借地権」制度はない
- 契約解除できる正当事由の基準が明確でなく、地主側の更新拒否が難しい
- 契約期間の定めがない場合、建物が朽廃した(住めないくらい朽ち果てた)ときは借地権が消滅する
旧借地権でトラブルが起こりやすい理由
旧借地権の場合、最低でも30年以上経過していることに加え、更新の回数にかかわらず存続期間が最低20年と相当長期間に及ぶ契約となります。その間には、建物の老朽化による建て替えなど、トラブルの原因となりうるさまざまな出来事が生じます。
さらに、更新拒否のための「正当事由」も明確化されていないため契約を解除することが難しく、事実上手元に土地が戻ってこないという地主の立場の弱さへの不満も、トラブルが起こりやすい一因となっています。
また、長い契約期間の間には地主・借地人の高齢化や相続による代替わりも起こります。地主と借地人の間の権利のアンバランスさに加え、契約当事者の変更や年月の経過によって認識のずれが生じやすいことも重なり、トラブルが発生しやすくなります。
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旧借地権でよくあるトラブル例(借地人側)

地主よりも借地権者のほうが土地に対する権利が弱いため、借地人に起こり得るトラブルのほうが多い傾向にあります。借地人は、最悪の場合には借地権だけでなく、借地上の家も失う可能性があるため、旧借地権に関する基本的な知識と対処法をあらかじめ理解しておく必要があるでしょう。
次に、借地人側に関する旧借地権で発生しやすいトラブルについて解説します。
1.一方的に契約終了を通告された
借地人にとって深刻なのが、「土地を自分で使いたい」「更新はしない」などと、地主から突然契約終了を通告されるケースです。
しかし、借地人の権利は法律によって保護されています。借地借家法・借地法のいずれも、地主が立ち退きや契約終了を求めるには、「借地人の過失・重大な債務不履行」や「建物の老朽化による危険性」など、正当な事由が必要です。
特に旧借地権においては借地人の権利が強く保護されているため、納得できない理由による通告には応じる必要はありません。
従って、それ以外の理由で土地を明け渡す必要はなく、立ち退く場合でも、立ち退き料と引き換えに承諾するというのが一般的な対応となります。
2.地代・更新料を不当に値上げされた
前述の通り、地主側に法律で定められた正当な事由がない限り、地代の増額に必ずしも応じる必要はありません。ただし、地価の上昇やそれに伴う税額の増加による適正な値上げである可能性もあるため、金額によってはある程度交渉に応じたほうが、今後の関係を円滑に保ちやすくなるでしょう。
もし地主が地代増額を求めて裁判を起こした場合は、判決が出るまで現行の地代を支払えば問題ありません。地主が受け取りを拒んだ際には、「供託」として供託所に地代を預けることで対応できます。
一方、更新料については法的な定めがなく、契約書に更新料の支払いや金額改定に関する記載がある場合を除き、借地人に支払い義務はありません。記載がある場合には、内容に応じて交渉が必要となるでしょう。
3.地代・更新料が支払えない
通常、借地契約を終了させるには地主側に正当な事由が必要ですが、地代の未払いが続いた場合には、契約が解除される可能性があります。
目安として6か月以上の未払いが続くと、「信頼関係が破壊された」とみなされ、契約解除が認められやすくなるでしょう。
なお、それより短い期間であっても、過去にも滞納やトラブルがあった場合には、これまでの経緯が考慮され、解除が認められることがあります。
一方、更新料については、本来、法律上の支払い義務があるわけではありません。そのため、更新料の未払いだけを理由に契約を解除されることはありませんが、契約書に「更新料を支払う」と明記されていれば、支払い義務が発生します。
4.建て替え・譲渡などの承諾を拒否された
借地やその上の建物について変更を加える場合、原則として地主の承諾が必要です。特に譲渡に関しては、民法で「地主の承諾なしに無断で譲渡・転貸を行うと契約解除が可能」と定められています。
(参考: 『e-GOV法令検索 民法612条』)
そのため、地主に対して、借地権価格の10%程度を目安とした承諾料を支払うことで、承諾を得る交渉を行うのが一般的です。
また、どうしても地主の承諾が得られない場合には、裁判所に対して「地主の承諾に代わる許可」を申し立てる「借地非訟」という手続きもあります。
5.譲渡の承諾はもらえたがローンの承諾がもらえない
借地権を第三者に譲渡する際、買主がローン審査を受ける過程で、金融機関から地主の承諾書を求められるのが実務上一般的です。そのため、地主が承諾書の発行に協力してくれない場合、実質的に売却が難しくなってしまいます。
ただし、譲渡の承諾とは異なり、ローンに関する承諾は法的に義務づけられているものではなく、裁判所に代わりの許可を求めることもできません。
従って、どうしても売却したい場合には、不動産業者などに一括で買い取ってもらうのが現実的な対応となるでしょう。
6.契約書が見つからず契約内容が確認できない
旧借地権は30年以上前に締結された契約であることが多く、相続や引っ越しなどの事情により、契約書が見つからない・紛失しているケースも珍しくありません。
契約書がなくても借地契約自体は有効であり、地主の承諾があれば売却も可能です。ただし、売却時や将来トラブルが発生した場合に、契約内容を証明する手段がないと不利になる可能性があるため、できるだけ早めに入手しておくことをおすすめします。
まずは地主や不動産業者に契約書の有無を確認し、手元にない場合は契約書の再作成を依頼しましょう。契約書が見つからなくても、過去の地代の支払記録や登記情報などから、契約の実態をある程度確認することは可能です。
関連記事:旧借地法の借地、契約書なしだとどうなる?考えられるトラブルと対処法
7.更新時に旧借地権から新法借地権への切り替えを求められた
旧借地権の更新時に、意図の有無にかかわらず、地主から新法借地権への切り替えを求められることがあっても、すぐに応じるべきではありません。
旧借地権か新法借地権かが決まるのは、「初回契約締結時」の時点であり、更新を行っても旧借地契約はそのまま旧借地契約として継続されます。
旧借地権は、借地人にとって有利な条件が多く、価値のある借地権です。そのため、安易に手放すのは得策とはいえません。新法への切り替えを求められた場合は、内容をよく検討した上で判断するようにしましょう。
8.新しい地主に立ち退きを求められた
地主が変更しても、借地契約は同じ内容で引き継がれるため、相続や土地の譲渡によって地主が代わったとしても、借地契約の終了や立ち退きを求められても応じる必要はありません。
ただし、借地権を第三者に対して法的に主張するためには「対抗要件」が必要です。借地の場合、この対抗要件にあたるのは、借地権または借地上の建物の「自分名義での登記」です。
例えば、相続時に名義変更をしていないなど、登記名義が実際の借地人と異なる場合には、対抗力が認められない可能性があるため、注意が必要です。
9.相続の際に金銭を請求された
相続が発生して借地人が交代した際、地主から契約の更新料や名義変更料といった名目で金銭を請求されるケースがあります。
借地権は、さまざまな変更に対して基本的に地主の承諾が必要なため、一見すると請求に正当性があるように思えます。しかし、相続は第三者への譲渡とは異なり、法定相続人が被相続人の立場を「そのまま」自動的に引き継ぐものであるため、地主の承諾は本来不要です。
ただし、法定相続人以外への遺贈については「譲渡」とみなされるため、この場合は地主の承諾が必要となります。
10.共有者間で意見がまとまらない
借地権を兄弟など複数人で共有している場合、税金の負担、契約更新の可否、建物の建て替えやトラブルへの対応など、話し合いを要する場面が多くなります。その都度調整の手間がかかるだけでなく、意見がまとまらずに兄弟間の関係が悪化するリスクもあります。
特に旧借地権は契約締結時期が古いため、近いうちに次世代への相続が発生する可能性も高く、さらに権利関係が複雑になることが想定されます。
そのため、共有関係がさらにこじれる前に、兄弟のうち1人の単独名義に変更するか、まとめて売却して売却益を分配するなど、早めに整理することをおすすめします。
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旧借地権でよくあるトラブル例(地主側)

適用される法律が異なるとはいえ、旧借地権と現行の新法借地権で発生するトラブルの内容に、大きな違いがあるわけではありません。ただし、法律の違いによって扱いや解釈が異なる部分もあるため、その点は理解しておいたほうがよいでしょう。
まずは、地主側に関して旧借地権で発生しやすいトラブルについて解説します。
1.地代や更新料を支払ってもらえない
契約期間が最短でも20年と長い旧借地権では、地代や更新料の未払いが起こりやすいトラブルの一つです。
借地人による地代の滞納は債務不履行にあたり、正当事由があると認められれば、契約の解除や土地の明け渡しを請求することが可能です。ただし、解除には「信頼関係が破壊された」と判断される必要があり、それまでの滞納歴や滞納額などを踏まえて判断されます。一般的には、3か月以上の滞納が目安とされています。
一方、更新料は法律で定められたものではないため、未払いを理由に契約を解除することは基本的にできません。そのため、未払いを防ぐには、契約締結時に更新料の支払いについて明記しておくことが重要です。
2.無断で増改築や譲渡された
借地契約においては、原則として借地権の譲渡、借地上の建物の増改築、目的外使用には地主の許可が必要です。そのため、これらが無断で行われた場合、契約違反として契約解除の正当事由となる可能性があります。
ただし、借地人による変更の程度が「信頼関係を破壊した」とまでは判断されなければ、裁判をしても契約を解除できない場合があります。こうした事態を防ぐには、借地契約を締結する前に特約として定め、契約書に明記しておくのが確実です。
3.管理不足で建物の老朽化や荒廃が起きている
旧借地権と新法借地権では、借地上の建物が荒廃した場合の取り扱いが異なります。
旧借地権に適用される借地法では、建物が老朽化して「朽廃(きゅうはい)」と認められたとき、借地権は消滅すると定められています。従って、修繕しても人が住めないような状態の建物が放置されている場合には、建物の解体と明け渡しを請求することが可能です。
ただし、建物が老朽化していても、人が住める状態と判断される場合は朽廃に該当しません。このような場合は、借地人に対して管理や修繕を求めたり、専門家に相談したりすることが必要です。
また、「朽廃」とは異なり、「滅失」の場合は旧借地権・新法借地権ともに借地権が消滅しない点にも注意が必要です。
関連記事:借地権が消滅する条件と防ぐための行動|再築条件・判断基準・対応策まで
4.地代の値上げに応じてもらえない
契約期間が長い借地契約では、地価の上昇に対して地代収入が見合わなくなり、地代の値上げを求めるケースが考えられます。
地代の改定に関しては、現行の借地借家法と旧借地法の間に大きな違いはなく、以下の要件に該当する場合には、地代の正当な増額が認められています。
- 土地の租税公課の増額
- 土地価格の上昇
- その他の経済事情の変動
- 近隣の類似条件の土地と比較して、地代が安すぎる
借地人が増額に応じない場合は、裁判によって地代増額の正当性を争うことになります。その間は、従来の地代を受け取りつつ、最終的に増額が認められれば、差額をさかのぼって年1割の利息とともに請求することが可能です。
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旧借地権トラブルが起きたときの基本的な対処法

借地権、特に旧借地権は、多くの人にとってなじみのあるものではないため、周囲に相談したりインターネットで調べたりしても、思うようにトラブルの解決法を見つけるのは難しいかもしれません。
そこで最後に、旧借地権に関するトラブルを解決するための相談先について解説します。
専門家への相談
旧借地権に関するトラブルがこじれそうなときや、今後トラブルに発展しそうな場合には、弁護士・司法書士・土地家屋調査士といった専門家への相談が有効です。
司法書士は、旧借地権に関する登記や借地契約書類の作成をサポートしてくれます。弁護士は、法的な観点から争点の整理や交渉、手続きの代理まで対応可能です。
また、締結時期が古い旧借地権では、隣地や他の借地との境界線をめぐるトラブルが起こることもあります。こうした場合には、土地家屋調査士に依頼することで、測量に基づき境界を確定し、正確な登記を行ってもらうことができます。
もし一つの相談先だけでは納得のいく回答が得られない場合には、他の専門家にも相談してセカンドオピニオンを得るなど、総合的に判断することも検討してみてください。
ADR(裁判外紛争解決手続き)の利用
当事者同士ではトラブルが解決しそうにない場合、裁判が選択肢として浮かびますが、「そこまで事を大きくしたくない」「費用や時間がかかる」とためらうこともあるでしょう。そうしたときに検討したいのが、ADR(裁判外紛争解決手続き)です。
日本不動産仲裁機構などが提供するADRは、裁判によらずに紛争を解決する方法であり、中立的な調停人が当事者間の話し合いを円滑に進め、解決へ導きます。
裁判に比べて心理的な負担が軽く、費用や時間も抑えられる点が大きなメリットです。
裁判の申し立て
話し合いやADRで解決に至らなかった場合、最終的な手段となるのが裁判です。裁判には時間と費用がかかりますが、ほかの手段とは異なり法的な強制力があるため、トラブル解決を最優先に考えるなら最も有効な選択といえるでしょう。
裁判と聞くと、弁護士を立てる必要があるというイメージを持つかもしれませんが、自分自身で訴訟を行うことも可能です。ただし、旧借地権は複雑な権利関係を伴うため、専門知識が必要になります。確実に対応するには、弁護士に依頼するのが安心です。
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旧借地権のトラブルを「手放して解決」する選択肢も

地主と借地人の間には多くのトラブルが起こる可能性があり、それぞれ法律や過去の事例に基づいた解決法も存在します。しかし、借地権においては基本的に地主と借地人の利害関係が相反しているため、今後トラブルが起こらないとは言い切れません。
そこでもう一つの解決法となるのが、「旧借地権自体を手放す」選択肢です。
なぜ話し合いだけでは借地権トラブルが解決しにくいのか
一つの土地のなかで地主と借地人の権利が共存する以上、利害が相反することは借地権の仕組み上、避けられません。
地主は土地の価値や税負担の上昇に見合う収入を求める一方、借地人にとっては同じ土地の使用料が上がることに納得しがたいでしょう。また、借地権のように借地人の権利が強く保護されると、地主は土地を取り戻せなくなり、所有のメリットがほとんどなくなってしまいます。
相手の希望を受け入れることは、自分の制約や負担が増えることを意味します。そのため、話し合いだけでトラブルが円満に解決するケースは多くありません。
売却で借地関係を精算するメリット
売却によって借地関係を精算する最大のメリットは、時間とコストを大幅に抑えられる点です。長期化しがちな交渉や裁判を避けられるうえ、早ければ数日~数か月以内に現金化できるケースも多く、税金や維持費の負担からも早期に解放されます。トラブル解決も含めて契約の相手方との交渉を肩代わりしてくれる不動産会社も多く、資金を確保しながら精神的な負担も軽減できます。
さらに、売却によって地主・借地人という関係そのものが消滅するため、今後相手と関わる必要がなくなり、精神的にも区切りをつけやすくなります。
ほかにも、旧借地権は相続の際に共有となる可能性があり、トラブルを招きやすい資産です。現金化すれば遺産分割の負担を軽減できます。さらに現金化によって、新たな土地や建物の購入、老後資金、投資など新たな選択肢も広がります。
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旧借地権付き不動産の売却パターン

売却による借地関係の解消を検討する場合、売却パターンは大きく分けて3つに分かれます。
ただしそれぞれメリット・デメリットがあり、適しているケースも異なります。そこで次に、旧借地権付き不動産の売却パターンと向いている・向いていないケースについて見てみましょう。
借地契約の相手方に売却
当事者間で借地関係を解消できる売却パターンが、借地契約の相手方に借地権、あるいは底地権を売却する方法です。
売却により土地の完全な所有権を取得できるので、双方で価格の折り合いがつけば最もシンプルに借地関係を精算できます。また、借地人にとっては地主の承諾が不要な点も大きなメリットです。
ただし、一方が価格や条件で強硬な姿勢を取ると交渉がまとまらず、感情的対立を引き起こす可能性があります。そのため、双方に売却の希望や交渉に応じる余地がある場合には向いていますが、関係悪化が進んでいる場合や、相手に売却の意思がない場合には適しません。
借地契約の相手方と協力して売却
地主と借地人が協力し、底地権・借地権を一体として第三者へ売却する方法です。具体的な方法としては、土地全体を売却する「同時売却」と、土地の一部の底地権と借地権を交換して地主・借地人それぞれが土地の一部の所有権を得る「等価交換」の2つです。
民法上、一人の人が底地権と借地権を両方取得すると、地主としての債権と借地人としての債務が同じ人に帰属する「混同」状態になり借地権は消滅します。
(参考: 『e-GOV法令検索 民法520条』)
従って、両者の権利をまとめて売ると所有権扱いとして市場価値が高まります。ただし、別々で売却するより高値を狙える反面、売却益の分配が難しく両者の合意と協力が前提となります。
相続で取得したものの特に必要としていない状況など、双方が土地を手放したい場合には向いていますが、トラブルにより協議が難しい関係性の場合には現実的ではありません。
底地権・借地権のまま第三者に売却
借地契約の相手方に売却するにしても、協力して第三者に売却するにしても、地主・借地人双方に話し合う余地があることが必要条件となります。両者が協力して売却できるとスムーズに借地関係を解消できますが、一度トラブルが起きてしまうとそれも難しいでしょう。
その場合の選択肢が、自分が保有する底地権や借地権をそのまま第三者に売却する方法です。一般の買い手が付きにくいため売却価格が低くなりやすい点がデメリットですが、交渉に慣れた借地権専門の不動産会社であれば、複雑な権利関係のままでもスムーズに売却できるのは大きなメリットです。
なるべく高値で売却したい場合にはあまり向いていませんが、相手方との交渉が難しいがスピーディーに借地関係を解消したいという場合に向いています。
関連記事:借地権は売却できる?5つの方法と流れ、売買相場について解説
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借地権の売却は専門の不動産会社がおすすめ
土地が所有権なら自分で利用するのも借地として貸すのも自由ですが、底地権・借地権ともに利用に制約が発生します。
そのため借地権・底地権のまま売却することは可能ではあるものの、所有権と比較してニーズが少なかったりローンが組みにくかったりすることから、個人の買い手を探すのは難しいでしょう。また、同様に利用の幅が限られるため、売れたとしても価格が低くなりやすいのが難点です。
それに加えて、買い手を探すのが難しい点や評価や扱いの難しさから、売却を引き受けてくれる不動産会社自体も限られてしまいます。
そこで、売却先としておすすめなのが借地・底地専門の不動産会社です。専門の不動産会社なら、権利関係や契約条件を踏まえた上で適切な査定ができ、地主や借地人との交渉も含めて売却までスムーズに進められます。「売れにくく安くなりやすい」借地権付き不動産でも、現実的な条件でスムーズに現金化しやすくなるのが借地権の売買に特化した専門の不動産会社に任せる大きなメリットです。
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まとめ

借地権に関するトラブルにはさまざまなものがありますが、「契約締結時期が古い」「現行の新法借地権と異なる部分がある」といった特徴を持つ旧借地権には、特有の注意点もあります。
借地人の権利や住まいを含めた大切な財産を守るためにも、起こりやすいトラブルと関連する基本知識を知っておくことは非常に重要です。
とはいえ、知識があるだけではトラブルを完全に防げるとは限りません。場合によっては、現状を見直し、売却を検討することも有力な選択肢の一つです。
リアルエステート「おうちの相談室」では、不動産知識の豊富な専門家が、売却も含めた最適な解決方法を見つけるお手伝いをいたします。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
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