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最終更新⽇時

2026/05/31

根抵当権とは?抵当権との違いや抹消手続きの流れも解説

  • 底地・借地

根抵当権という言葉は聞いたことがあっても、抵当権と何が異なるのか、不動産売却にどのような影響があるのかと疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。

根抵当権は、事業資金の借り入れや注文住宅の建設時などで設定される権利であり、通常の抵当権とは仕組みが異なります。

この記事では、根抵当権の仕組みや活用されるケース、設定するメリット・デメリットを分かりやすく解説します。ローンの完済後に行う抹消手続きの方法も解説しているため、根抵当権について理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

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記事まとめ
  • 根抵当権とは、あらかじめ設定した上限額の範囲内で繰り返し融資を受けられる権利のこと
  • 通常の抵当権とは違い、債務を完済しても自動的には消滅しないため注意が必要
  • ローンの借り換えや売却時に手間がかかる場合がある点はデメリット
記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

根抵当権とは?

根抵当権とは、不動産を担保にする抵当権の一種で、あらかじめ決めた極度額(上限額)の範囲内であれば何度でも借入れができる権利のことです。通常の抵当権と同じく、金融機関はローンの返済が困難になった場合に備えて、不動産を担保として債権を回収できます。

融資のたびに担保設定をする必要がなく、手続きの簡略化や登記費用の削減につながるため、頻繁に借入れと返済を繰り返すビジネスシーンを中心に広く活用されています。

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根抵当権が活用される主なケース

根抵当権はビジネスシーンで多く活用されますが、個人向けの商品や注文住宅の建設などでも活用されています。

具体的な活用シーンは、以下の通りです。

  • 法人や個人事業主が事業資金を調達するとき
  • 個人向けのリバースモーゲージを利用するとき
  • 注文住宅を建設するとき
  • 不動産担保型のカードローンを利用するとき

法人や個人事業主は、事業資金を確保するために金融機関から継続的に融資を受けることがあります。その際、金融機関は将来的に発生する借入れも含めた全ての債権を回収するため、根抵当権を設定する場合があるのです。

リバースモーゲージとは、自宅を担保に設定して融資を受ける高齢者向けのサービスです。返済は毎月・毎年単位で発生するため、債権管理のために根抵当権が設定される場合があります。

また、注文住宅を建築する際は、土地購入費用や着工金、中間金など複数回に分けて融資が実行されるケースがあります。不動産担保型のカードローンも、根抵当権が設定されている商品が多い傾向です。

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根抵当権と抵当権の違い

根抵当権と抵当権は、どちらも返済不能になった際に不動産を担保にして債権を回収する仕組みですが、明確な違いがあります。

ここでは、根抵当権と抵当権の違いを4つ解説します。

債権の範囲・借入れ可能な回数の違い

根抵当権と抵当権では、担保となる債権の範囲や借入れできる回数に違いがあります。

通常の抵当権は、特定の借入れのみを担保とするため、融資は1回のみとなっています。再び融資を受けるには、金融機関と金銭消費貸借契約を締結し、登記手続きをしなければなりません。

これに対し、根抵当権は特定の取引から生じる不特定多数の債権を、あらかじめ決めた極度額まで担保します。そのため、枠内であれば何度でも借入れが可能です。

連帯債務者の有無の違い

通常の抵当権は、返済期間や返済額が明確なため、連帯債務者を立てられます。連帯債務者とは、融資の契約者本人と同等の返済義務を負う人のことです。

一方、根抵当権は将来的な借入れや借入額が変動する可能性があるため、債務範囲が不明確になります。そのため、抵当権のように特定の債務へ連帯して責任を負う形を取りにくく、連帯債務者を設定できません。

権利の移譲に関する違い

通常の抵当権は、返済期間や返済額などの契約内容が明確に決まっているため、一定条件のもとで第三者への権利の移譲が認められています。

一方で、根抵当権は将来的な借入れも含めた不特定の債権を担保するため、元本が確定するまでは自由に権利を移譲できません。これは、債権範囲が不明確な状態で権利だけが第三者へ移ることで、契約関係が複雑化するのを防ぐためです。

権利の消滅方法の違い

抵当権は、債務を完済するとその債権は事実上消滅し、抵当権抹消手続きを行えば権利を消滅させられます。

一方で、根抵当権は複数回の借入れが可能なため、完済しただけでは権利が消滅しません。根抵当権を消滅させるには、元本確定や抹消手続きを行う必要があります。

  • 不動産ビギナーさん

    抵当権・根抵当権ともに抹消手続きが必要なのですか?

  • 山口智暉

    はい。どちらも完済後は法務局で抹消手続きを行う必要があります。

関連記事:「抵当権」ってどういう権利?内容やメリット・デメリットなどを分かりやすく解説

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根抵当権を設定する2つのメリット

ここでは、根抵当権を設定するメリットを2つ紹介します。

融資を受けるたびに担保を設定し直す必要がない

根抵当権のメリットは、一度設定してしまえば、追加融資の際に新しく担保を設定し直す必要がない点です。

抵当権の場合、追加融資を受けるたびに担保を設定する必要があり、その分手続きの手間やコストがかかります。抵当権設定にかかる費用には、司法書士への報酬や諸経費の他、登録免許税があります。登録免許税の税率は、借入額の0.4%のため、借入額が大きくなるほど負担も大きくなるでしょう。

根抵当権であれば、追加融資を受ける際にこれらの費用が毎回発生しないため、大きなコスト削減につながります。

事業目的や状況に合わせて柔軟に資金を調達できる

根抵当権を設定しておけば、事業目的や状況に合わせて、柔軟に資金繰りをコントロールできます。

前述の通り、抵当権は特定の借入れに対して設定されるため、追加融資を受ける際は新たな担保設定が必要です。

根抵当権は、事前に決められた範囲内であれば、繰り返し融資を受けられます。そのため「繁忙期の仕入れ資金として一時的に借り、売上が入ったら返す」といった、事業の状況に合わせた資金調達が可能になります。

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根抵当権を設定する2つのデメリット

根抵当権を設定した場合、ローンの借り換えや物件売却時の手続きが複雑になる場合があります。具体的にどのようなデメリットがあるのか、以下で見ていきましょう。

別の金融機関への借り換えに応じてもらえない可能性が高い

根抵当権を設定する場合、別の金融機関への借り換えが難しくなる傾向があります。

金融機関からすると、根抵当権を設定している顧客は継続的な融資取引が見込まれるため、簡単には借り換えへ応じてもらえない場合があります。交渉によって応じてもらえる可能性はありますが、通常の抵当権より手続きや調整に時間がかかることが多いでしょう。

根抵当権付きの物件は売却条件が悪くなる可能性がある

根抵当権が残った状態では、不動産売買で買い手を見つけるのが難しくなる場合があります。

購入希望者からすると、根抵当権が設定されたままの不動産は、将来的に差し押さえなどのリスクが発生する可能性があるためです。現在も誰かの借り入れの担保になっている物件と見られるため、売買後に追加の手続きやトラブルが発生しないかと敬遠されやすくなります。

  • 不動産ビギナーさん

    そもそも根抵当権付きの物件は売却できるのですか?

  • 山口智暉

    根抵当権の抹消登記を行えば売却は可能です。

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【4STEP】根抵当権の抹消手続きの流れ

根抵当権を抹消するには、金融機関へ抹消手続きを依頼した後、元本確定や必要書類の準備・提出を行い、法務局で抹消登記を申請する必要があります。

ここでは、根抵当権の抹消手続きの流れを4STEPで解説します。

STEP1|金融機関へ根抵当権抹消の手続きを依頼する

まずは、融資を受けている金融機関に根抵当権を抹消したい旨を伝えます。借入残高や現在の契約状況を確認した上で、元本確定や抹消に必要な書類準備に進むのが一般的です。

もし借入残高が多く残っていた場合は、金融機関との交渉がスムーズに進まない可能性があります。この場合、金融機関の同意を得た上で不動産を売却し、ローンの返済を進める任意売却が選択される可能性もあります。

STEP2|元本確定の手続きを行う

金融機関との交渉が完了したら、元本確定の手続きに進みます。元本確定とは、根抵当権によって担保される債権額を確定させる手続きのことです。

分かりやすくお伝えすると、「これ以降は新たな借入れを行わず、現在のローン残高を最終的な債務額として確定します」と定める手続きです。

元本を確定させることで、将来的な追加融資が発生しない状態となり、通常の抵当権と同じように抹消手続きを進められるようになります。

STEP3|必要書類を用意する(金融機関から受け取る)

元本が確定したら、金融機関から抹消登記に必要な書類を受け取ります。

根抵当権抹消登記に必要な書類は、以下の5点です。

必要書類備考入手先
登記識別情報または登記済証   ※登記済証は抵当権設定契約書に「登記済」の押印がされたもの債務完済後に金融機関から送付される 抵当権設定契約書に「登記済」の押印がされたもの金融機関が発行
登記原因証明情報解除証書・弁済証書として送付される
会社法人等番号登記申請書の義務者欄に記載されている
登記申請書登記の目的や権利者などが記載された申請書法務局のWebサイトからダウンロードして所有者が作成する
委任状代理人による申請の場合に必要となる

登記識別情報や登記原因証明情報は、融資を受けた金融機関から送付されます。登記申請書や委任状は、法務局のWebサイトからフォーマットとダウンロードし、所有者が作成します。

参考: 『法務局 抵当権の抹消の登記の申請に必要な書類とその入手先等』

STEP4|法務局で根抵当権抹消登記を申請する

法務局へ用意した書類一式を提出し、根抵当権抹消登記を申請します。申請が受理されると、法務局で登記内容の変更手続きが進められ、登記簿から根抵当権の情報が抹消されます。

申請が受理されるまでに数日間を要するため、スムーズに手続きを進めるためにも事前にスケジュールを確認しておきましょう。

  • 不動産ビギナーさん

    抹消手続きを自分で進めるのは難しそうですね。

  • 山口智暉

    司法書士に手続きを依頼するとスムーズですよ。

関連記事:抵当権抹消に必要な委任状の書き方と注意点

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根抵当権の内容を正しく理解して抹消手続きを進めよう

根抵当権は、極度額の範囲内で何度でも借入れができますが、完済しても自動的に消滅しない性質を持っています。そのため、売却時には金融機関との交渉や元本確定などの手続きが必要です。基本的な仕組みと抹消登記の流れを正しく理解し、計画的に手続きを進めましょう。

不動産の権利関係のお悩みがある方は、ぜひ一度リアルエステートの「おうちの相談室」にご相談ください。

根抵当権が付いた物件の売却は、通常物件よりも手続きが複雑になりがちです。弁護士や税理士などの専門家の意見も交えながら、弁護士や税理士などの専門家の意見も交えながら、お客様の状況に合わせた解決策をご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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