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最終更新⽇時

2025/12/26

借地権の相続税はいくら?控除・特例で安くする方法と評価額の計算を解説

  • 底地・借地

机の上の本と電卓とペン、中央に置かれた「TAX」のカラフルなアルファベット

相続した、または相続予定の財産に借地権があり、「借地権は相続財産に含まれるのか」「相続税が安くなる控除はあるのか」などと頭を悩ませる方もいるでしょう。ただでさえも複雑な相続税の計算ですが、借地権というなじみの薄い財産が含まれていればなおさらです。

借地権に関するルールは独特で、理解しにくい部分も多くあります。そこで本記事では、借地権の相続で利用できる控除から、借地権を含めた相続税の計算方法、特殊なケースまで分かりやすく解説します。

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記事まとめ
  • 借地権は経済的価値を持つ財産であり、相続税の課税対象となる
  • 小規模宅地等の特例により、評価額を最大80%減額可能である
  • 複雑な評価計算や納税対策には、専門家の知識活用が不可欠だ
記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

借地権は相続税の課税対象になる

市街地にある草が生い茂った広い更地

「借地権は土地を所有しているわけでもないのに相続財産に入るのか」と疑問に思う方もいるでしょう。借地権が相続税の対象となるのは、「土地を借りて使う権利」が経済的価値を持つ「財産」とみなされているためです。

土地そのものを所有していなくても、借地権があれば建物を建てて住んだり商売をしたりでき、利便性や収益といった「経済的利益」を得られます。実質的に所有に近い利用価値を持つため、借地権は相続税の対象になります。

ただし、相続税の対象となる「借地権」には条件があります。「建物所有目的」で「地代を支払い」土地を借りていることが、その判断基準になります。

(参考: 『国税庁 No.4611 借地権の評価』

従って、土地を借りていても資材置き場や畑として使っていたり、無償で借りていたりする場合には、厳密には借地借家法上の「借地権」には該当しません。

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借地権相続税の計算で使える控除

テーブルに置かれた家のミニチュアと電卓、「TAX」「控除」と書かれた黄色い積み木

相続税の計算で利用できる控除は、課税価格(税率をかける基準となる金額)から控除されるものと、計算後の税額から控除されるものに分かれます。借地権の相続税で利用できる控除は、このうち課税価格から控除できる特例です。

次に、借地権の相続税計算で利用できる特例について、一般的な相続税計算で利用できる控除と併せて説明します。

借地権の相続税計算で利用できる控除

借地権の相続税計算で使える控除が、「小規模宅地等の特例」です。相続で取得した土地のうち、被相続人やその親族が居住や事業のために使っていた土地について、一定面積まで相続税の評価額を減らせます。

種類 用途 限度面積(平方メートル) 減額割合
特定居住用宅地等 被相続人が住んでいた自宅 330 80%
特定事業用宅地等 貸付事業以外の事業用地 400 80%
貸付事業用宅地等 貸地・貸家などの貸付事業をしていた土地 200 50%
特定同族会社事業用宅地等 被相続人の同族会社の事業用地(※貸付事業を除く) 400 80%

(※複数利用可、貸付事業用宅地等がある場合には、計算式を用いて合計で200平方メートル以下の部分)

ただし、対象となる宅地には以下の要件がある点には注意しておきましょう。

特定居住用宅地等 取得者が(1)配偶者、または(2)同居親族で申告期限まで対象の土地を所有し居住している(※非同居親族の例外あり)
特定事業用宅地等/
貸付事業用宅地等
申告期限まで対象の土地を所有し、事業を引き継いでいる
特定同族会社事業用宅地等 取得した親族が申告期限においてその法人の役員であり、申告期限まで対象の土地を所有する

(参考: 『国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)』

一般的なサイズの住宅の敷地なら、税率を掛ける前の金額が1/5になる特例のため、相続税を大きく軽減できます。

  • 不動産ビギナーさん

    評価額が80%もカットされるなら、借地権でも相続税がかからないケースが多そうですね。

  • 山口智暉

    その通りです!この特例は非常に強力で、評価額3,500万円の借地権が700万円まで圧縮されることもあります。適用要件である「申告期限までの居住継続」などを必ずチェックしましょう。

借地権に限らず相続税計算で利用できる控除

小規模宅地の特例以外にも、相続税の計算には以下のように多くの控除があります。

控除対象 控除の
種類
適用例・対象者 控除額
課税金額から 基礎控除 全ての相続人 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
税額から 配偶者控除 配偶者が相続する場合 相続税の総額×A/全員の課税価格の合計額
A:配偶者の法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額
未成年者控除 20歳未満の相続人 控除額=(20歳-相続開始時の年齢)×10万円
障害者控除 障害者本人 (85歳-相続開始時の年齢)×10万円(または20万円※特別障害者の場合)
相次相続控除 10年以内に2回以上相続があった人 前回納付した相続税額のうち、前回の相続から1年につき10パーセントの割合で減らした税額
贈与税額控除 相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた者 納めた贈与税の金額分

「基礎控除」は全ての人が利用できる課税金額からの控除で、ほかの控除は該当する人が利用でき、税額から控除されます。いずれも控除した結果、金額が0以下になれば相続税はかかりません。

例外:相続税が非課税になる財産

相続税の計算では、税金が安くなる制度以外にも、そもそも相続税の対象とならない財産も存在します。それが、「生命保険金」と「死亡退職金」の2つです。

被相続人が掛け金を負担した生命保険金と、被相続人に本来支給されるべきものである死亡退職金は、いずれも亡くなってから受け取るため本来は相続財産ではありません。しかし、相続したものとして扱われる「みなし相続財産」にあたります。

これらの生命保険金、死亡退職金は、相続税計算の際に法定相続人1人あたり500万円までは非課税です。(※死亡退職金は退職金の法定相続分相当額が非課税の限度額)

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一般的な借地権での相続税計算の流れ

税制、特に相続税の計算は複雑なため、説明だけを読んでいても理解が難しいでしょう。

そこで次に、旧法借地権、新法借地権など一般的な借地権がある場合の相続税計算方法について、例を用いてステップごとに解説します。

1:借地権の「自用地」としての相続税評価額を調べる

最初に、借地権の相続税評価額を算出します。そのためには、先に自用地(自分で所有・使用している土地)としての評価額を調べる必要があります。

自用地としての評価額は、国税庁のホームページから「路線価」または「倍率」を基に調べられます。今回は都市部で一般的な路線価で計算します。路線価には、場所ごとに1平方メートルあたりの価格と借地権割合が、数字とアルファベットで記載されています。

(参考: 『国税庁 路線価図・評価倍率表』

例として、相続した借地権の対象が「路線価『250C』の200平方メートルの土地(居住用住宅の敷地)」だと仮定します。1平方メートルあたり250千円(25万円)、200平方メートルなので、この土地の自用地としての相続税評価額は5,000万円となります。

自用地評価額:25(万円)×200(平方メートル)=5,000万円

厳密には、さらに間口の広さや土地の形状によって補正率を用いて計算しますが、今回は簡略化のため省きます。

  • 不動産ビギナーさん

    土地の持ち主(地主)が払う分を差し引いた、残りの割合が自分の相続財産になるというイメージですね。

  • 山口智暉

    分かりやすい整理です。借地権割合はD(60%)やC(70%)が一般的ですが、都心の高度商業地などはさらに高くなることもあるため、路線価図のアルファベット確認が欠かせません。

2:借地権割合を調べる

相続したのは「借地権」であるため、自用地の評価額から借地権部分の評価額を割り出す必要があります。

そのために必要なのが、土地全体の権利に対する借地権の割合を示す「借地権割合」です。借地権割合は路線価のアルファベット部分に示されており、同じく国税庁のホームページで確認できます。A(90%)~G(30%)まで10%単位で設定されており、宅地では60~70%が一般的です。

3:借地権の課税価格を算出する

自用地と借地権割合が分かれば、「自用地価格×借地権割合」で借地権評価額を求められます。

今回の例では、路線価が「250C」のため借地権割合は「70%」です。このため、土地の借地権評価額は3,500万円になります。

ここで、要件を満たす場合には「小規模宅地の特例」によって課税価格から控除できます。今回の土地は200平方メートルと限度面積以下であるため、土地全体の評価額の80%を減額でき、借地権分の課税価格は700万円となります。

課税価格:【自用地】5,000(万円)×【借地権割合】0.7×【特例】(1-0.8)=700万円

4:すべての相続税課税価格を算出する

借地権の課税価格が算出できたので、ほかの財産と合算します。今回の例では、以下のケースとして計算します。

借地権:700万円
そのほかの相続財産:5,000万円(預貯金)のみ
そのほかの控除:なし
相続人:配偶者・子ども2人(成人)
相続方法:法定相続通り

基礎控除は「3,000万円+(法定相続人の数×600万円)」のため、このケースでは基礎控除は4,800万円です。

課税対象総額=【課税価格合計】5,000(万円)-【基礎控除】4,800(万円)=200万円

もしここまでで結果がマイナスになったら、相続税はかからず、申告の必要もありません。

5:税額控除を行い相続税額を算出する

課税対象総額が出たら、法定相続分で分けた場合の相続人ごとの金額を算出し、それぞれに税率を掛けます。法定相続分は配偶者が1/2、子どもがそれぞれ1/4になるため、今回の例では以下の税額になりました。

配偶者の相続税:【課税総額】200(万円)×【法定相続分】1/2×【相続税率】0.1=10万円※
子ども1の相続税:【課税総額】200(万円)×【法定相続分】1/4×【相続税率】0.1=5万円
子ども2の相続税:【課税総額】200(万円)×【法定相続分】1/4×【相続税率】0.1=5万円

※ただし、配偶者控除により実際の税額は0円

また、ほかにも利用できる税額控除があれば、この税額からさらに引かれます。

(参考: 『国税庁 No.4155 相続税の税率』

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特別なケースの借地権評価額の計算方法

一面に敷き詰められた一万円札の上に置かれた庭付き一戸建てのミニチュアと電卓

一般的な借地権の計算方法について前述しましたが、借地権にはさまざまな種類があり、契約内容もそれぞれです。そのため、借地権の種類によっては、借地権評価額の計算方法が異なる場合があります。

次に、特殊なケースの借地権について、代表的なものを簡単に解説します。

定期借地権のケース

定期借地権は更新がないため、契約期間の序盤と終了時期では利用価値に大きな差があります。このため、普通借地権とは異なり、「借地権としての価値のうち、相続発生時点でどの程度残っているか」を反映した計算式を用いて評価額を算出します。

算出では、残存期間に応じた評価にするため、国税庁が定める「基準年利率」と「複利年金原価率」の2つを使用します。

(参考: 『国税庁 No.4611 借地権の評価』

借地権の地主側(底地の相続税評価)のケース

借地人の持つ借地権ではなく、地主として借地権が設定された土地を相続した場合も、自用地の相続税評価額とは計算が異なります。

借地の権利は、地主が持つ底地権(借地権が設定された土地)と借地人が持つ借地権に分かれます。従って、自用地としての相続税評価額から、借地権分の評価額を引くと底地の相続税評価額が算出可能です。

ただし、無料(使用貸借)や低額(固定資産税以下)で貸している場合は、借地権分の価値はないとみなされます。そのため、自用地評価額がそのまま相続税評価額になります。

権利金の支払いがない借地権のケース

通常、借地権を設定するときには対価として権利金を支払いますが、なかには権利金の授受を行わない契約もあります。この場合、対価を払わない代わりに、一般的な地代より高い「相当の地代(目安として自用地評価額の年6%程度)」を支払っていることが多く、国税庁ではこうした契約を借地権の評価対象としない扱いとしています。

相当の地代が支払われている場合、借地人側は借地権として評価されないため、相続税は発生しません。一方で、地主側は借地権が設定されていることで土地の利用価値が下がるため、自用地評価額から20%を控除した金額を相続税評価額とすることができます。

借地権割合が設定されていない地域の地主側のケース

借地権割合(いわゆる「借地権割合図」)は全国すべての土地に設定されているわけではありません。もともと借地権の取引慣行がない地域では借地権割合が定められておらず、この場合、借地権そのものの評価は行いません。

しかし、実際に借地契約が存在している場合、地主の土地は自用地より利用価値が下がる点は同じです。このため、借地権割合が設定されていない地域でも、地主側は「自用地評価額の20%控除」を適用することができます。

借地権が一時使用目的のケース

建設現場の資材置き場や仮設店舗の敷地など、期間が限定された一時使用目的の借地契約も存在します。この場合は「一時使用目的の借地権」として扱われ、借地借家法の多くの規定が適用されません。

一時使用目的の借地権は権利としての強さが弱く、通常の借地権と同じ評価方法を用いると実態と乖離するため、相続税評価は別の基準が定められています。国税庁では「雑種地の自用地価格に準じて評価する」とされており、一般的な借地権評価割合は用いません。

(参考: 『国税庁 雑種地の賃借権の評価』

借地権が地上権のケース

借地権のほとんどは土地を間接的に利用する賃借権ですが、土地を直接支配できる地上権という権利もあります。地主が持つ土地に建物を建てられる点は同じですが、地上権のほうが賃借権より強い権利です。

権利の性質が異なるため、地上権の評価方法も賃借権とは異なります。具体的には、自用地価格に借地契約の残存期間に応じて定められている地上権割合を掛けて算出されます。

(参考: 『e-Gov法令検索 相続税法第二十三条』

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相続で借地権の相続税が払えない場合の対処法

相続が発生するタイミングは予測できず、また、全ての相続財産がすぐに現金化できるわけではありません。「借地権の評価額が高い」「要件に当てはまらず小規模宅地の特例が利用できない」などの理由から、相続税の支払いが困難な場合には、以下の選択肢が考えられます。

延納 相続税額が10万円を超える場合、最長20年にわたり、税金の一部または全部を分割して支払いが可能
利子の支払いが必要
物納 相続財産の土地を現物で納める(※相続財産に限る)
申請が認められるとは限らない
相続放棄 借地権が不要で、ほかにプラスの財産がない場合に全ての財産を放棄できる
撤回ができないので慎重な財産の調査、検討が必要

また、上記の方法以外にも、相続した土地を売却したお金で相続税を支払う方法もあります。ただし、売却には地主の承諾が必要なため交渉が必要です。借地権売買を取り扱う不動産会社の多くは、地主との交渉まで代わりに行ってくれるため、対応している会社を選ぶとスムーズです。

  • 不動産ビギナーさん

    現金が足りない場合、相続した借地権そのものを売って納税資金に充てることも可能なのですね。

  • 山口智暉

    はい。ただし、地主さんへの譲渡承諾料の支払いや売却許可が必要になるため、自力での交渉は難航しがちです。相続税の申告期限(10ヶ月以内)に間に合わせるなら、スピード感のある専門業者への相談が近道です。

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まとめ

電卓と手帳とペン、「相続税」と書かれた白いカード

「土地を利用する」権利である借地権は相続税の対象ですが、適切な控除や特例を活用すれば、負担を大幅に軽減できます。特に「小規模宅地等の特例」は大きな節税効果が期待できるため、要件を確認し申告時に忘れずに活用しましょう。

ただし、借地権は複雑な権利であることに加え、評価も土地ごとに異なり難しい面があります。借地権の評価や相続税計算では、専門家に依頼するのがおすすめです。

「おうちの相談室」では、借地権の知識に長けた専門家が解決のサポートをいたします。借地権に関してお悩みがある方は、おうちの相談室にご相談ください。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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