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2026/02/26底地トラブルはこうして解決できる|相続・地代・承諾…相談すべき10のケース
- 底地・借地

底地を相続・所有している方の多くが、借地人との地代交渉や建替え承諾、相続登記で深刻な悩みを抱えています。
本記事では、底地トラブルで頻発する10のケースを取り上げ、地主と借地人それぞれの視点から原因と解決策、専門家に相談すべきタイミングなどを具体的に解説します。
なお、いずれのケースでも、事態がこじれた場合は専門家に相談することをおすすめします。
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
ケース1 地代滞納・値上げトラブル

地代をめぐる対立は、底地トラブルの中で最も多いテーマです。地主にとって地代は固定資産税や都市計画税を支払うための原資であり、滞納が始まると資金繰りが一気に苦しくなります。一方、借地人にとって地代の突然の値上げは家計や事業コストを直撃するため、簡単には応じられません。
地主向け:滞納を解消する5つの手順
1.口頭で催促する
まず電話や面談で滞納の事実を伝え、忘れていただけかどうかを確認します。「うっかりミス」であればここで支払いが復活する例が少なくありません。
2.内容証明で正式な催告を送る
入金がない場合は、支払期日と滞納額を明記した催告書を配達証明付き内容証明郵便で送りましょう。これで「催告した事実」が公的に残り、将来の訴訟で証拠になります。
3.相当期間経過後に解除通知を発送する
催告から1~2か月経っても支払いがなければ、契約解除通知を再び内容証明で送ります。通知書には「信頼関係の破壊」を解除理由として明記します。
4.建物収去・土地明渡請求訴訟を提起する
解除後も建物に居座られた場合は訴訟へ進みます。
■必要書類
滞納額一覧表、催告書・解除通知の写し、催促の面談記録など
裁判では「信頼関係が破壊されたか」が主な争点です。
5.調停を併用して和解を目指す
民事調停を並行して申し立てれば、分割払い和解が成立するケースがあります。調停調書に「強制執行認諾文言」を入れておくと、再度滞納が起きても即座に強制執行できます。
借地人向け:不当な地代値上げに対抗する4つの方法
1.値上げの根拠資料を請求する
固定資産税評価証明書や近隣の地代相場など、具体的な数字を地主に提示してもらいましょう。
2.提示額が妥当か自己診断する
国土交通省の不動産価格指数や周辺の賃料事例を調べ、提示額と比較します。大幅な乖離があれば次のステップへ進みます。
3.地代増減額調停を申し立てる
簡易裁判所で手続きでき、費用は印紙代と郵券代で数千円程度です。調停委員会が双方の資料を精査し、妥当な地代を勧告します。
4.訴訟・供託で長期戦に備える
調停で合意できなければ訴訟へ進みます。裁判では不動産鑑定士の鑑定書(20〜30万円程度)が重要証拠になります。争っている間は法務局へ地代を供託すれば、遅延損害金の発生を防げます。
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ケース2 無断建替え・増改築トラブル

借地契約には「増改築禁止特約」が入っている場合が多く、建物を建替えたり大規模に増改築したりする際には地主の承諾が必要です。この承諾を得ないまま工事を進めてしまうと、信頼関係が一気に悪化し、契約解除や裁判に発展するリスクがあります。
無断建替え・増改築が発覚したときに地主が取るべき対応と、借地人が合法的に建替え・増改築を進める一般的な手順を紹介します。
地主向け:無断建替え・増改築に対応する4ステップ
1.工事内容を確認し証拠を保全する
現場写真や工事日誌を保存し、無断工事の事実を客観的に記録します。軽微な修繕なのか、構造に手を加える増改築なのかを見極めることが重要です。
井沢法律事務所
2.工事停止と協議を求める通知を送る
内容証明郵便で「工事を直ちに停止し、協議に応じてほしい」旨を通知します。送付日と文面が証拠として残るため、後々の裁判でも有利に働きます。
3.原状回復または承諾料の交渉に進む
借地人が工事の継続を希望する場合は、原状回復を求めるか、承諾料を受け取って承諾を与えるかを検討します。建替え承諾料の目安は更地価格の3〜5%、増改築承諾料は3〜5%が一般的な相場です。
4.合意できなければ契約解除や訴訟を検討する
工事停止や承諾料交渉に応じず信頼関係が崩壊した場合は、契約解除通知を送付し、建物収去・土地明渡請求訴訟に進みます。解除前には必ず弁護士に確認し、解除理由と証拠を整理しておきましょう。
借地人向け:建替え・増改築を合法的に進める4つの方法
1.契約書と特約を確認する
まず賃貸借契約書を読み、増改築禁止条項の有無と内容を確認します。軽微な修繕なら承諾不要の場合もありますが、柱や梁を触る大規模工事は原則として承諾が必要です。
2.事前に書面で承諾を申請する
工事内容・図面・工程表・安全対策をまとめ、地主へ書面で提出します。口頭申請では後日のトラブルを防げません。
3.承諾料を相場内で交渉する
一般的な承諾料相場を根拠に提示し、合意を目指します。資金計画を立てやすいよう、一括払いか分割払いかも併せて提案するとスムーズです。
4.承諾が得られなければ代諾許可を申し立てる
合意できない場合は、地方裁判所に「借地非訟」手続で代諾許可を申立てます。裁判所は当事者間の利益を衡平に調整し、承諾料の額や支払方法を決定します。
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ケース3 更新拒絶・立退き交渉トラブル

契約期間が満了しても、普通借地権は借地人が建物を所有している限り更新が前提になります。地主が更新を拒絶するには、借地借家法で定める「正当事由」が必要です。一方、借地人は生活拠点や営業基盤を守りつつ、納得できる立退料を確保することが重要です。
地主向け:正当事由と立退料を踏まえた更新拒絶の進め方
1.借地契約書を確認し、更新条件を整理
まずは契約書を読み込み、更新に関する特約や条項を把握します。過去に更新が何度も行われている場合や、更新料を受け取っている実績がある場合は、拒絶が難しくなる傾向があります。
2.正当事由の有無を検討し、立退料の提示を準備
借地借家法では、地主側が契約更新を拒むには「正当事由」が必要です。正当事由とは、土地の自己使用の必要性、借地人の契約違反、過去の経緯などを総合的に判断するものです。これに加えて、立退料を提示することで事由の補完が期待されます。
3.借地人へ内容証明で通知を送付
更新拒絶の意思表示は、契約満了の1年前から6か月前までに行う必要があります。この期間内に、更新を拒絶する旨と正当事由、立退料の提示内容を明記し、内容証明郵便で通知を送ります。
4.話し合いまたは調停・訴訟で決着を図る
借地人が拒絶に納得しない場合は、交渉または簡易裁判所での調停、最終的には裁判で争うことになります。裁判では、提出する証拠(立退理由、立退料の妥当性、地主の土地使用計画など)の精度が重要です。
借地人向け:更新拒絶への防衛策と立退料交渉のポイント
1.契約書の内容と過去のやり取りを確認
契約更新が当然と考えられていたか、地主から更新料を受け取っていたかなど、これまでの取り決めや経緯を整理します。更新拒絶が法的に許される内容かを確認するためにも重要なプロセスです。
2.正当事由の有無と妥当性を検討
地主側が示す更新拒絶の理由が、借地借家法に照らして正当事由に該当するかを検証します。過去の判例では、借地人の生活の本拠性や長年の使用実績が重視される傾向があります。
3.立退料の金額と条件を検討
立退きを受け入れる場合は、立退料の金額や転居先、引越し費用などの条件交渉に入ります。借地権付き建物の評価額や転居費用、精神的損失を加味した金額を地主に提示してもらうことが必要です。
4.調停や非訟手続きで解決を図る
交渉が平行線をたどる場合は、簡易裁判所での調停や、借地非訟手続きによって解決を試みることが可能です。調停では中立の調停委員が双方の主張を整理し、妥協案を提示してくれます。
関連記事:借地非訟とは?利用できるケースや手続きの流れ、必要な費用を解説!
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ケース4 無断譲渡・転貸トラブル

借地人が地主の承諾なく第三者に土地を譲渡したり、建物ごと又貸しするケースは、借地契約における重大な違反です。こうした行為は、地主と借地人との信頼関係を損ね、最悪の場合は契約解除や訴訟に発展するおそれがあります。
一方、借地人側にも「体調を崩して親族に住んでもらいたい」「事業を閉じて店舗を譲渡したい」といったやむを得ない事情があることも多く、感情的な衝突が起きやすい問題です。
ここでは、無断譲渡・転貸に関するトラブルを、地主・借地人それぞれの視点から整理し、法的に正しい手順で対応するための方法を解説します。
地主向け:無断譲渡・転貸に対応する4ステップ
1.譲渡・転貸の事実関係を確認し記録
建物の使用者が契約者本人かどうかを調査します。郵便受けの名前、固定資産税の納付先、隣人への聞き取りなどから、第三者使用の兆候を探ります。現地写真や会話の記録も、証拠として残しておきましょう。
2.内容証明で契約違反を正式に指摘
無断譲渡や転貸の疑いがある場合は、まず借地人に内容証明郵便で通知を出し、事実関係の説明を求めます。無視されたり虚偽の説明があった場合、それ自体も信頼関係を損なう根拠になります。
3.譲渡・転貸の承諾交渉または解除検討
借地権の譲渡や転貸には、原則として地主の承諾が必要です。信頼できる譲渡先であれば、承諾料を条件に合意することも可能です。承諾料は借地権価格の10%前後が相場です。信頼回復が見込めない場合は契約解除も視野に入れます。
4.必要に応じて契約解除・明渡請求訴訟へ
信頼関係の破綻が明らかであれば、契約解除を内容証明で通知し、明渡請求訴訟を提起します。解除の有効性を裁判で主張するには、譲渡・転貸の証拠と信頼関係が失われた経緯を論理的に説明する必要があります。
借地人向け:譲渡・転貸を合法的に行うための4つの準備
1.契約書と特約を確認し制限を把握
借地契約に譲渡・転貸の禁止条項があるかを確認します。禁止の明記がなくても、民法・借地借家法により、地主の承諾は原則として必要です。
2.地主に書面で承諾を申請
譲渡・転貸の理由、使用者の氏名、用途、期間などを明記し、書面で事前に地主に承諾を求めます。曖昧な申請や事後報告はトラブルの原因になるため、必ず書面で残すようにします。
3.承諾料の相場を把握し交渉
承諾料は地域や事情によって異なりますが、借地権価格の10%前後が一つの目安です。地主にとって納得感のある提示ができれば、承諾を得やすくなります。譲渡益が出る場合は、それを前提に交渉することもあります。
4.承諾が得られない場合は裁判所に代諾許可を申請
地主が合理的理由なく承諾を拒んだ場合は、裁判所に「地主の承諾に代わる許可(借地非訟)」を申し立てることができます。裁判所が妥当と判断すれば、譲渡や転貸が合法的に実行できるため、無理に強行する前に法的手続きを検討すべきです。
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ケース5 契約更新料・承諾料をめぐる支払い拒否トラブル

契約更新や建替え・譲渡などのタイミングで地主が請求する「更新料」「承諾料」は、法的に必ず支払わなければならないものではありません。借地契約に明記されていなかったり、過去に支払い実績がなかったりする場合、借地人が支払いを拒否するケースも少なくありません。
一方で、地主としては当然の収入と考えていた費用を拒まれることで、感情的対立に発展しやすいのも特徴です。
地主向け:更新料・承諾料を正当に回収する4つの手順
1.契約書と過去の支払い実績を確認
契約書に更新料・承諾料の明記があるか、過去に支払われた履歴があるかを確認し、請求根拠を整理します。
2.借地人へ支払いの趣旨と根拠を説明
「特約に基づく請求」であることや、過去の支払い実績がある場合はそれを伝え、感情的にならず丁寧に説明します。
3.相場に基づいて柔軟に交渉
相場より高額な請求はトラブルのもとです。建替え承諾料は更地価格の3〜5%、更新料は地代の半年〜1年分程度が一般的です。
4.専門家を交えて和解を目指す
どうしても合意に至らない場合は、弁護士や不動産会社に相談し、調停や代理交渉で解決を図ります。
借地人向け:不当な更新料・承諾料請求に対応する方法
1.契約書と特約の有無を確認
まずは契約書を精読し、更新料・承諾料の支払い義務が定められているかを確認します。明記されていない場合、支払い義務は原則ありません。
2.支払い実績と地域慣行を調査
過去に支払った事実があるか、近隣地域での支払い実態がどうかを把握します。地域の不動産業者に相場を確認するのも有効です。
3.支払いの妥当性を交渉
「一括ではなく分割払い」「金額の見直し」など、柔軟な交渉で折り合いをつける選択肢を探ります。
4.専門家の助言を受ける
請求額が高すぎる、契約内容が不明確などの事情がある場合は、早めに弁護士や借地権に詳しい不動産会社に相談しましょう。
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ケース6 底地の相続での共有名義トラブル

底地を相続した結果、複数人での共有名義になってしまうと、「誰が管理するか」「収益をどう分けるか」「売却の合意が取れない」といった問題が頻発します。特に、相続人間の関係性が薄い場合や、地方に散らばっているケースでは、連絡すらままならず、長期間放置されることも珍しくありません。共有状態の底地は、判断の遅れがトラブルの長期化を招きます。
地主向け:共有名義による意思決定の停滞を防ぐ対応策
1.共有者の連絡体制を整備し、管理代表者を定める
借地人との交渉や契約更新には、共有者全員の合意が必要です。そのためにはまず、管理窓口を一本化し、誰が借地人とのやりとりを行うのかを共有者間で合意しておく必要があります。
2.分担ルールを事前に決めておく
地代の分配や承諾料の取り扱いについて、持分割合に応じた分配原則を明文化します。管理担当者に対する報酬(管理手数料)についても合意があると不満が起きにくくなります。
3.共有解消を検討する
共有状態が続くと、代替わりのたびに関係性が希薄になります。持分買取や換価分割(売却して現金化)を検討し、単独名義に戻す方向で協議を進めることが望ましいです。
4.意思決定の妨げがある場合は法的措置も視野に入れる
一人の反対で売却できない場合は、「共有物分割請求」や「持分買取請求」など、法的な手続きを検討します。専門家の助言を得ながら進めることが不可欠です。
借地人向け:共有地主との交渉で困ったときの対応方法
1.契約更新や建替えに必要な同意が得られない場合
地主が複数人いる場合、誰の承諾が必要か分からず手続きが進まないことがあります。まずは全員の連絡先を確認し、管理代表者の指定を求めます。
2.承諾料の支払い先を明確にする
共有者の誰にどの割合で承諾料や更新料を支払えば良いのか明確でない場合は、書面で支払い先と配分方法を決めておくと後のトラブルを防げます。
3.交渉が難航したら供託や調停を利用する
建替えや譲渡などの手続きが停滞する場合は、法務局への供託や簡易裁判所での調停を活用することで、公的に承諾に代わる措置を取ることが可能です。
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ケース7 借地人が死亡したあとの契約承継トラブル

「誰に請求していいのか分からない」「相続人の間で意見が分かれて話が進まない」。こうした状態は、借地契約の承継問題が長引く典型例です。一方で相続人側も「自分が契約を引き継げると思っていたが、地主に拒否された」「更新料や名義変更の話を突然切り出されて困っている」といった不安を抱えがちです。
借地契約は原則として法定相続人に引き継がれますが、そのためには必要な手続きや意思表示が不可欠です。承継をスムーズに進めるための対応方法を、地主側・相続人側の視点で解説します。
地主向け:契約承継を明確にするための4ステップ
1.借地人の死亡を確認し、相続人と早期に連絡を取る
住民票の除票や戸籍で死亡を確認したら、速やかに地代の支払い状況を確認し、相続人に連絡をとります。複数の相続人がいる場合、代表者を定めるよう促すのが望ましいです。
2.借地契約の承継意志と条件を明文化する
「誰が借地契約を引き継ぐのか」「今後の地代支払者は誰か」を合意し、文書で取り交わします。必要に応じて、承継契約書や地代支払承諾書を用意しましょう。
3.更新料や承諾料について説明・交渉する
契約書に承継や名義変更に伴う承諾料の定めがある場合は、その旨を伝え、相場をもとに金額を提示します。更新時期が近ければ、更新料との兼ね合いで一括対応するのも有効です。
4.相続人がまとまらない場合は調停や弁護士を活用
相続人間で対立があり話が進まないときは、家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てるか、弁護士に代理交渉を依頼することで前進させやすくなります。地代滞納が続く場合は契約解除も視野に入ります。
相続人向け:借地契約をスムーズに承継するための3つの手順
1.遺産分割協議で承継者を決める
借地契約を誰が引き継ぐかは、相続人全員で合意する必要があります。相続登記や建物名義変更と併せて、遺産分割協議書に明記しておきましょう。
2.地主に契約承継の意思を伝える
承継の意思を明確にし、代表相続人から地主へ正式に申し出ます。このとき、契約書の写しや登記簿謄本などを用意しておくとスムーズです。
3.更新料・承諾料が求められた場合は交渉に備える
契約上の定めがない場合でも、地主から承諾料を求められるケースがあります。事前に借地権の専門家に相談し、相場や交渉余地を確認しておくと、冷静に対応できます。
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ケース8 借地権の譲渡に地主が承諾しないトラブル

譲渡には地主の承諾が原則必要ですが、地主が明確な理由なく拒んだ場合には法的対処も検討する必要があります。地主としても、信用できない相手に土地を貸し続けることへの不安があるため、安易に「拒否が悪」とは言い切れません。
地主向け:譲渡拒否に伴うリスクを避けるための4つの対応
1.譲渡理由と買主の信用情報を確認する
まずは、借地人から譲渡理由を聞き、買主の収入・職業・過去の信用状況などを把握します。将来のトラブルを避けるためにも、人物確認は慎重に行うべきです。
2.譲渡承諾料の支払いを条件に検討する
譲渡承諾の対価として、借地権価格の10%程度を相場とする「譲渡承諾料」を請求することが一般的です。あくまで承諾は拒絶する権利ではなく、合理的根拠がなければ拒否は無効となる可能性がある点に注意しましょう。
3.建物名義や地代支払いの引き継ぎ条件を明文化する
新しい借地人となる買主と契約条件を整理し、更新料・承諾料・今後の管理連絡先などを文書にまとめておくと、後々のトラブルを未然に防げます。
4.不合理な拒否は「地主の信頼性」を損なうリスクがあると理解する
正当な理由なく譲渡を拒んだ場合、借地人側が裁判所に「地主の承諾に代わる許可」を求める手続きを申し立てる可能性があります。最終的には譲渡を強制されることもあるため、拒否には慎重な判断が求められます。
借地人向け:地主が譲渡を拒否する場合の対処法
1.譲渡の意向と買主情報を丁寧に伝える
地主が納得しやすいよう、譲渡理由とともに買主のプロフィール(年齢・職業・家族構成など)を説明し、将来的にも地代の支払いが確実であることを示しましょう。
2.譲渡承諾料の相場を調べて提示する
承諾料は一般に借地権価格の10%前後が相場です。地主側から高額な請求があった場合は、周辺相場や過去事例をもとに交渉材料とします。
3.承諾が得られない場合は「承諾に代わる許可」を申立てる
借地借家法第19条に基づき、裁判所に「地主の承諾に代わる許可」を求める非訟手続を利用できます。この手続きを経ることで、地主の同意がなくても合法的に譲渡することが可能です。
4.譲渡後の責任が残らないよう注意する
譲渡後も旧借地人に責任が残るケースを避けるため、新旧借地人との三者合意書などを活用し、完全な契約移転を明文化しておくと安心です。
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ケース9 底地売却を巡る借地人とのトラブル

底地を売却したいと考えた際、最初に壁となるのが「借地人の同意」です。特に第三者に売却する場合、借地人が購入を希望しない、あるいは価格で折り合えないことで、計画が頓挫するケースは少なくありません。
「借地人に断られたら売れないのか」「このまま固定資産税だけ払い続けるしかないのか」といった不安の声が、底地所有者から多く寄せられます。一方、借地人にとっても、「知らない人に地主が変わるのは不安」「高額な買取を迫られている」といった悩みがあります。
地主向け:借地人が底地の買取に応じないときの対応策
1.売却の目的と優先順位を明確にする
まず、なぜ売却したいのか(相続対策・資産整理・納税資金の確保など)を整理し、譲れない条件と妥協できる点を把握します。借地人に対して説得材料を用意することにもつながります。
2.借地人に優先的に購入を打診する
底地の売却では、まず借地人に対して購入の意思を確認するのが基本です。買い取りの意思がない場合や価格で折り合わない場合は、第三者売却を検討します。
3.借地権付きでの一括売却を検討する
借地権者と共同で底地・借地権を一体で売却すれば、市場での流通性が高まり、より有利な条件で売却できる可能性があります。実現には借地人との連携が不可欠です。
4.底地のみを第三者へ売却する場合の注意点
借地権付き土地として売却する場合、購入者は地代収入とリスクを引き受ける必要があるため、買い手が限られます。借地権付き不動産に特化した業者に仲介を依頼するのが現実的です。
借地人向け:地主から底地の買い取りを求められたときの判断軸
1.まずは購入希望価格の妥当性を確認する
地主からの提示価格が適正かどうか、不動産鑑定士や借地権専門の不動産会社に評価を依頼します。借地権割合や利用状況により、底地の時価は大きく変わります。
2.買い取りに応じるかどうかの意思を固める
買い取ることで「完全所有」にできるメリットはありますが、資金負担が大きい場合は無理に応じる必要はありません。無理な価格での買い取り要請は拒否できます。
3.第三者への売却に同意するか検討する
自分が買わない場合でも、第三者に売却されることを拒む法的根拠は基本的にありません。トラブルを防ぐため、信頼できる相手への売却を条件とする交渉が有効です。
4.地主と共同で売却する道も模索する
底地と借地権をセットで売却すれば、市場評価が高まり、借地人・地主双方にとってメリットのある価格がつく場合があります。中立的な仲介業者を通じて連携を図りましょう。
関連記事:底地の買取相場を一発理解!計算方法と査定のポイント
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ケース10 相談先の誤選択によるトラブル

底地トラブルの解決に向けて最初に相談した相手が、借地権や底地に不慣れな業者や一般的な不動産会社だったため、解決が遅れたり、かえって混乱を招いた事例も報告されています。
「対応に時間がかかってしまった」「評価額に納得がいかなかった」「専門的な法知識に不安があった」といった声が寄せられることもあり、相談先の選定が非常に重要であることが分かります。
底地という特殊な不動産には、それに特化した専門知識と交渉実績が不可欠です。ここでは、相談先の選び方と、それぞれの役割・強み・注意点について整理します。
地主・借地人共通で、正しい相談先を選ぶためのチェックポイントは次のとおりです。
1.借地権・底地に特化した実績があるか確認する
一般的な不動産会社や弁護士では、借地借家法や地代交渉に不慣れな場合があります。過去の対応件数や専門領域を事前に確認することが重要です。
2.「相場」「法的根拠」を明確に示してくれるか
トラブル対応では、客観的データや法令に基づいた説明が必要不可欠です。曖昧な返答や根拠のないアドバイスが多い業者は避けましょう。
3.一貫して対応してくれる体制かどうか
最初の相談は親身でも、途中で他部署や外部業者に丸投げされると、情報の行き違いや対応遅れが発生します。ワンストップでの支援体制を持つ事務所を選ぶことが大切です。
4.無料相談を活用して複数比較する
1社だけに決めず、まずは複数の専門家に無料相談を依頼し、対応の丁寧さ・知識の深さ・提案力を見比べましょう。比較することで、適切な相談先が見えてきます。
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底地トラブルはリアルエステート 「おうちの相談室」へご相談ください
底地に関するトラブルは、法制度・人間関係・相続・市場流通など複数の要素が絡み合うため、表面化している問題だけで判断すると、かえって事態をこじらせてしまうおそれがあります。
「借地人との関係を悪化させずに地代を見直したい」「親から底地を相続したが、管理の仕方がわからない」「底地を売却して資産整理したいが、買い手が見つからない」といった悩みは、すでに全国で多数寄せられており、解決までのプロセスには専門的な知見が不可欠です。
弊社・リアルエステートは、底地・借地権に関する専門知識と対応実績を豊富に持つ不動産会社です。「おうちの相談室」では、弁護士・税理士と連携し、トラブルの早期解決と資産価値の最大化をワンストップで支援しています。
どのようなケースでも、お客様にとって最も納得のいく選択肢をご提案可能です。まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ

底地トラブルは、地代の滞納・建替え・譲渡・相続など多岐にわたります。地主・借地人いずれにとっても、対応を誤れば長期化・複雑化しやすく、資産価値や信頼関係に大きな影響を及ぼします。早期の対処と合意形成の準備を進めることが、円滑な解決への第一歩となります。
リアルエステートの「おうちの相談室」では、底地・借地権に詳しい専門家が、各トラブルに応じた最適な対応策をご提案しています。相続や売却、借地人との交渉などでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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