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最終更新⽇時

2026/02/26

底地トラブルはこうして解決できる|相続・地代・承諾…相談すべき10のケース

  • 底地・借地

底地を相続・所有している方の多くが、借地人との地代交渉や建て替え承諾で深刻な悩みを抱えています。借地権トラブルは地主・借地人いずれかに問題がある場合もありますが、仕組み上どうしても対立が生じやすい背景があり、完全に避けるのは簡単ではありません。

そこで本記事では、底地トラブルで頻発する10のケースを取り上げ、地主の視点からスムーズな解決のために知っておくべきポイントと具体的な解決策、こじれたときの正しい相談先の選び方について解説します。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

Contents

底地のトラブルが起こりやすい4つの理由

積まれた本の上に置かれた眼鏡と、上部に浮かぶたくさんのクエスチョンマーク

底地、つまり借地権が設定された土地は、所有しているのは地主で、実際に利用するのは借地人です。金銭を支払って住む場所を借りる点は一般的な建物賃貸借と同じですが、底地では建物と同様のトラブルに加え、底地特有のトラブルも起こります。

まずはその理由について、4つに分けて解説します。

権利関係が複雑で利害が対立しやすい

底地は、自分が所有しながら実際に利用するのは借地人という複雑な関係性を持ちます。

地代や更新料、権利金などを対価に、地主は土地利用に大きな制約を受けます。一方、借地人は土地を利用できるものの、借地権の大半を占める賃借権では、あらゆる変更に地主の許可が必要です。

どちらかの権利が強くなればもう片方の権利は弱くなるという借地権の構造上、お互いの利益は相反しやすく、トラブルにつながりやすくなります。

関連記事:底地とは?活用・売却・相続前に知っておきたい基本知識

契約が長期にわたり事情が変わりやすい

一般的な借地権である現行の普通借地権では、初回契約が30年、更新後も10年~20年と契約は長期にわたります。

このように契約期間が長いこと自体が、トラブル発生の大きな要因になります。

数十年が経過すれば土地の価値が変動し、当初の地代が実態と乖離したり、建て替えが必要になったりします。さらに、地主・借地人の経済状況や土地利用方針が変わることも多く、当初の契約条件が現状に合わなくなるケースも出てきます。

相続により認識に違いが生まれやすい

契約期間が数十年と長期にわたる借地権では、両者の事情だけでなく当事者そのものも変わります。

更新を重ねる間に地主・借地人のいずれか、あるいは双方が亡くなり、相続が発生することもあるでしょう。代替わりによって契約内容があいまいになり、認識違いが生じた結果トラブルに発展することも考えられます。

例えば、口約束や古い慣行が書面化されておらず、「前の代ではこうだった」という言い分が食い違い、トラブルになるといったケースです。

収益性に対して利用に制約がかかりやすい

借地人は法律で保護されているため地代の値上げは簡単ではなく、税金などの維持費に対して収入が見合わない状態になることもあります。

一方で、借地権が付いた底地は流動性が低く、不動産会社や投資家にも敬遠されやすいため、「自由に使えない上に売りたいときに売れない」という不満が地主側に蓄積しがちです。

その不満が地代値上げ要求や明け渡し要求として表面化する一方、借地人から見れば「地代を払っているのに」という意識が生じ、トラブルに発展するケースも考えられます。

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ケース1:地代の滞納トラブル

敷き詰められたコインの上に置かれた「RENT」と書かれた積み木

地代は土地利用の対価であり、借地契約の根幹を成す要素です。

しかし、毎月支払うものである以上、長い契約期間の間には経済状況の変化などにより支払いが滞ることもあるでしょう。地代滞納トラブルにおいて、知っておきたいキーワードが「信頼関係の破壊」です。

地代滞納は「信頼関係の破壊」が契約解除のポイント

地代をめぐる対立は、底地トラブルの中でも特に多いテーマです。地主にとって地代は固定資産税や都市計画税を支払うための原資であり、滞納が始まると資金繰りが厳しくなります。

借地人が地代を滞納した場合、地主として気になるのは「回収できるのか」「回収できないとしたら契約は解除できるのか」という点でしょう。地代の回収は裁判によって、預貯金や給与、不動産を差し押さえる形で行うことも可能です。

また、裁判によって地代の滞納を理由に借地契約を強制解除し、土地の明け渡しを求めることもできます。その際、契約解除が認められるかどうかの重要な判断基準となるのが「信頼関係の破壊」です。1~2か月の滞納だけでは信頼関係が破壊されたとはいえず、おおむね数か月にわたり滞納が続き、支払いの意志や能力もないと判断される場合に、「信頼関係が破壊された」と認められます。

滞納を解消する5つの手順

1.口頭で催促する
まず電話や面談で滞納の事実を伝え、忘れていただけかどうかを確認します。「うっかりミス」であればここで支払いが復活する例が少なくありません。

2.内容証明で正式な催告を送る
入金がない場合は、支払期日と滞納額を明記した催告書を配達証明付き内容証明郵便で送りましょう。これで「催告した事実」が公的に残り、将来の訴訟で証拠になります。

3.相当期間経過後に解除通知を発送する
催告から1~2か月経っても支払いがなければ、契約解除通知を再び内容証明で送ります。通知書には「信頼関係の破壊」を解除理由として明記します。

4.建物収去・土地明渡請求訴訟を提起する
解除後も建物に居座られた場合は訴訟へ進みます。

■必要書類
滞納額一覧表、催告書・解除通知の写し、催促の面談記録など

裁判では「信頼関係が破壊されたか」が主な争点です。

5.調停を併用して和解を目指す
民事調停を並行して申し立てれば、分割払い和解が成立するケースがあります。調停調書に「強制執行認諾文言」を入れておくと、再度滞納が起きても即座に強制執行できます。

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ケース2:地代値上げの拒否トラブル

左手を開き拒否を示す髪の長い若い女性

数十年という長い契約期間の間には、土地の価値上昇により地代の額が見合わなくなることもしばしば起こります。そこで地主側は地代の増額を求めますが、借地人にとってはメリットがなく、家計や事業の負担が増大するため拒否されがちです。

借地借家法では地代の値上げに関する規定が定められています。具体的な内容と進め方を押さえておきましょう。

地代は「地代が不相当になった場合」に値上げできる

地代は土地の価値に合うように定められるものですが、あくまで当事者間の合意によって成り立つものです。従って、「土地の価値が上がったから」「相場より安いから」という理由だけで一方的に値上げすることはできません。

しかし、それでは土地の価値と地代が大きく乖離しても、借地人が応じない限り値上げができなくなってしまいます。そのため、借地借家法では、次の理由で地代が不相当になった場合に地代の増減額を請求できる「地代等増減請求権」を定めています。

  • 租税(固定資産税など)の増減
  • 土地価格の上昇/低下、その他の経済事情の変動
  • 近隣類似の土地の地代との比較

(参考: 『e-Gov法令検索 借地借家法第十一条』

地代の値上げ交渉の流れ

1.値上げの根拠資料を準備する
固定資産税評価証明書や近隣の地代相場など、具体的な数字をそろえて借地人に提示しましょう。

2.提示額の妥当性を説明する
国土交通省の不動産価格指数や周辺の賃料事例を基に、適正額であることを示します。大幅な乖離を指摘された場合は理由について丁寧に説明します。

3.地代増減額調停を申し立てる
簡易裁判所で手続きでき、費用は印紙代と郵券代で数千円程度です。調停委員会が双方の資料を精査し、妥当な地代を勧告します。

4.訴訟・供託で長期戦に備える
調停で合意できなければ訴訟へ進みます。裁判では不動産鑑定士の鑑定書(20~30万円程度)が重要証拠になります。地代の値上げが認められれば、借地借家法11条に基づき、過去の差額+年1割利息を遡って回収できます。

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ケース3:無断建て替え・増改築トラブル

赤い屋根の家のオブジェの横に置かれたトンカチとノミ

借地上の建物の無断建て替え・増改築も、トラブルが起こりやすい出来事です。「地代さえ支払っていれば土地利用は自由」「自分が建てた建物の増改築は自由」と借地人が勘違いしているケースもあれば、承諾が得られないために強引に行ってしまうケースもあるでしょう。

しかし、借地契約では建物の建て替えや増改築には原則として地主の承諾が必要であり、無断建て替え・増改築は契約違反として対処可能です。

借地の建て替え・増改築には原則地主の承諾が必要

借地権の大半を占める「賃借権」では、借地人の契約の効力が及ぶ対象は「土地」そのものではなく、土地に借地権を設定する「地主」です。そのため、地代を支払って借地人自身のお金で建物を建てたとしても、建物に関する変更は地主の承諾なしには行えません。

地主の承諾が必要なのは建物の建て替えだけではありません。借地契約には「増改築禁止特約」が入っている場合が多く、建物を大規模に増改築したりする際にも地主の承諾が必要です。

無断建て替え・増改築が行われた時の対処法

1.工事内容を確認し証拠を保全する
現場写真や工事日誌を保存し、無断工事の事実を客観的に記録します。軽微な修繕なのか、構造に手を加える増改築なのかを見極めることが重要です。

2.工事停止と協議を求める通知を送る
内容証明郵便で「工事を直ちに停止し、協議に応じてほしい」旨を通知します。送付日と文面が証拠として残るため、後々の裁判でも有利に働きます。

3.原状回復または承諾料の交渉に進む
借地人が工事の継続を希望する場合は、原状回復を求めるか、承諾料を受け取って承諾を与えるかを検討します。建て替え承諾料の目安は更地価格の3~5%、増改築承諾料は3~5%が一般的な相場です。

4.合意できなければ契約解除や訴訟を検討する
工事停止や承諾料交渉に応じず信頼関係が崩壊した場合は、契約解除通知を送付し、建物収去・土地明渡請求訴訟に進みます。解除前には必ず弁護士に確認し、解除理由と証拠を整理しておきましょう。

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ケース4:無断譲渡・転貸トラブル

家の間取り図の上に差し出された小さな家型のオブジェと鍵を載せた手

建て替えや増改築と同様に、借地権の譲渡や転貸も、原則として地主の承諾が必要です。特に譲渡や転貸の場合、実際に土地と建物を利用する人間が代わってしまうため地主にとっては重要な問題であり、トラブルは避けられません。

ここでは、無断譲渡・転貸に関するトラブルに対する考え方と、法的に正しい手順で対応するための方法を解説します。

無断譲渡・転貸は原則契約解除が可能

民法612条では、「譲渡・転貸には地主の承諾が必要であり、無断で行った場合は、賃貸人は契約の解除ができる」と定められています。

(参考: 『e-Gov法令検索 民法第六百十二条』

無断譲渡・転貸は借地契約において重大な契約違反です。地主にとっては誰が土地を利用しているかを把握できなくなるため、無断建て替え・増改築よりも厳格な規定が設けられています。

無断譲渡・転貸に対応する4ステップ

1.譲渡・転貸の事実関係を確認し記録
建物の使用者が契約者本人かどうかを調査します。郵便受けの名前、固定資産税の納付先、隣人への聞き取りなどから、第三者使用の兆候を探ります。現地写真や会話の記録も、証拠として残しておきましょう。

2.内容証明で契約違反を正式に指摘
無断譲渡や転貸の疑いがある場合は、まず借地人に内容証明郵便で通知を出し、事実関係の説明を求めます。無視されたり虚偽の説明があった場合、それ自体も信頼関係を損なう根拠になります。

3.譲渡・転貸の承諾交渉または解除検討
借地権の譲渡や転貸には、原則として地主の承諾が必要です。信頼できる譲渡先であれば、承諾料を条件に合意することも可能です。承諾料は借地権価格の10%前後が相場です。信頼回復が見込めない場合は契約解除も視野に入れます。

4.必要に応じて契約解除・明渡請求訴訟へ
信頼関係の破綻が明らかであれば、契約解除を内容証明で通知し、明渡請求訴訟を提起します。解除の有効性を裁判で主張するには、譲渡・転貸の証拠と信頼関係が失われた経緯を論理的に説明する必要があります。

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ケース5:更新拒絶・立ち退きトラブル

建物のオブジェの前に置かれた一万円札をすくい取るように置かれた小さなショベルカー

底地を相続したものの売却して管理から解放されたい、自分や子どもが建物を建てて利用したいなど、借地契約の更新拒絶や立ち退きを要求したいケースもあるでしょう。借地人がずっと住み続けられると考えていれば、当然トラブルに発展する可能性は高くなります。

借地人を守るため、一方的な更新拒絶や立ち退き要求はできない仕組みになっていますが、まったく手立てがないわけではありません。

地主側からの更新拒絶には「正当事由」が必要

契約期間が満了しても、普通借地権は借地人が建物を所有している限り更新が前提になります。地主が更新を拒絶するには、借地借家法で定める以下のような「正当事由」が必要です。

  • 地主が土地を使用する必要性が高い
  • 現在の土地の利用状況(借地人に土地利用の必要性が少ないなど)
  • 借地に関するこれまでの経過
  • 地主から借地人への土地明け渡しと引き換えの財産上の給付

(参考: 『e-Gov法令検索 借地借家法第六条』

つまり、正当な理由があり、いわゆる「立ち退き料」の支払いなどを行うことで、認められる可能性が高まります。ただし、1992年7月以前に締結された「旧借地権」の場合は、更新を拒絶できる規定が明確でないため、可能性は低くなるでしょう。

法律・慣習に基づく更新拒絶の進め方

1.借地契約書を確認し、更新条件を整理
まずは契約書を読み込み、更新に関する特約や条項を把握します。過去に更新が何度も行われている場合や、更新料を受け取っている実績がある場合は、拒絶が難しくなる傾向があります。

2.正当事由の有無を検討し、立ち退き料の提示を準備
借地借家法では、地主側が契約更新を拒むには「正当事由」が必要です。正当事由とは、土地の自己使用の必要性、借地人の契約違反、過去の経緯などを総合的に判断するものです。これに加えて、立ち退き料を提示することで事由の補完が期待されます。

3.借地人へ内容証明で通知を送付
更新拒絶の意思表示は、契約満了の1年前から6か月前までに行う必要があります。この期間内に、更新を拒絶する旨と正当事由、立ち退き料の提示内容を明記し、内容証明郵便で通知を送ります。

4.話し合いまたは調停・訴訟で決着を図る
借地人が拒絶に納得しない場合は、交渉または簡易裁判所での調停、最終的には裁判で争うことになります。裁判では、提出する証拠(立退理由、立ち退き料の妥当性、地主の土地使用計画など)の精度が重要です。

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ケース6:更新料・承諾料の支払い拒否トラブル

「YES」が消され、赤い「NO」の文字が大きく書かれた黒板

更新料や承諾料は、借地契約の更新時や建て替え・譲渡の際に地主側が求めることが多い支払いです。しかし借地人側は「追加負担は不当」と感じやすく、支払いを拒否するケースもあります。

同じ「借地人から地主への支払い」でも、地代と更新料・承諾料では扱いが異なります。その違いについて理解した上で、回収の手順を確認しましょう。

更新料・承諾料の支払いに法的義務はない

契約更新や建て替え・譲渡などのタイミングで地主が請求する「更新料」「承諾料」は、地代と異なり法的に必ず支払わなければならないものではありません。あくまで「慣習として」一般的に行われているもので、特段の取り決めがなければ支払いを強制はできません。

ただし、以下の場合には更新料・承諾料を回収できる可能性があります。

  • 過去に支払い実績があり、借地人も支払いを認識している場合
  • 借地契約書において支払いに関する決まりが定められている場合

ただし更新料や承諾料には一般的な相場があるため、あまりにかけ離れている場合は金額の調整で解決を図るのが現実的でしょう。

更新料・承諾料を正当に回収する4つの手順

1.契約書と過去の支払い実績を確認
契約書に更新料・承諾料の明記があるか、過去に支払われた履歴があるかを確認し、請求根拠を整理します。

2.借地人へ支払いの趣旨と根拠を説明
「特約に基づく請求」であることや、過去の支払い実績がある場合はそれを伝え、感情的にならず丁寧に説明します。

3.相場に基づいて柔軟に交渉
相場より高額な請求はトラブルのもとです。建て替え承諾料は更地価格の3〜5%、更新料は地代の半年〜1年分程度が一般的です。

4.専門家を交えて和解を目指す
どうしても合意に至らない場合は、弁護士や不動産会社に相談し、調停や代理交渉で解決を図ります。

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ケース7:相続に伴う底地権の共有トラブル

電卓の上に置かれた小さな積み木の家と両側に立つ人形、積まれたコイン

借地権は元から一つの土地に地主と借地人の権利が共存する複雑な権利です。相続によりいずれかが複数人に分かれると、当事者が増えて意見が割れやすくなるだけでなく、地代回収や契約管理が難しくなりトラブルの元となります。

地主と借地人の対立だけでなく、相続人間での意見の対立も起こると、トラブルが長期化・複雑化することも少なくありません。そのため、「共有状態をなるべく避けること」がポイントとなります。

共有状態はなるべく避け早めに解消しておこう

底地を相続した結果、複数人での共有名義になってしまうと、「誰が管理するか」「収益をどう分けるか」「売却の合意が取れない」といった問題が頻発します。特に、相続人間の関係性が薄い場合や、地方に散らばっているケースでは、連絡すらままならず、長期間放置されることも珍しくありません。

また、トラブルを避けるために底地を手放そうとしても、共有名義の底地を売却するには共有者全員の同意が必要であり、自分の持ち分だけを自由に処分するのは現実的には難しいでしょう。地主側にしても、ただでさえ自分で利用できない上に権利が一層複雑になる共有名義の底地の売却は簡単ではありません。

さらに気を付けないといけないのが、将来二次相続が発生したときに事態がますます複雑になってしまい子ども世代の負担となってしまうことです。

共有状態の底地は、判断の遅れがトラブルの長期化を招きます。できればトラブルが起こる前に共有状態は解消しておくべきでしょう。

共有名義による意思決定の停滞を防ぐ対応策

1.共有者の連絡体制を整備し、管理代表者を定める
借地人との交渉や契約更新には、共有者全員の合意が必要です。そのためにはまず、管理窓口を一本化し、誰が借地人とのやりとりを行うのかを共有者間で合意しておく必要があります。

2.分担ルールを事前に決めておく
地代の分配や承諾料の取り扱いについて、持分割合に応じた分配原則を明文化します。管理担当者に対する報酬(管理手数料)についても合意があると不満が起きにくくなります。

3.共有解消を検討する
共有状態が続くと、代替わりのたびに関係性が希薄になります。持分買取や換価分割(売却して現金化)を検討し、単独名義に戻す方向で協議を進めることが望ましいです。

4.意思決定の妨げがある場合は法的措置も視野に入れる
一人の反対で売却できない場合は、「共有物分割請求」や「持分買取請求」など、法的な手続きを検討します。専門家の助言を得ながら進めることが不可欠です。

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ケース8:借地人側の相続による契約承継トラブル

家型のプレートを受け渡す二人の人の手

借地人側で相続が発生すると、地主は「誰が契約を引き継ぐのか」「地代は誰から受け取るのか」といった不安を抱きがちです。さらに、相続人間での争いや連絡の付きにくさから、地代回収や契約管理に混乱が生じるケースも見られます。

また、借地人側の相続を機に、借地契約の見直しや解約ができないかと考える地主もいるでしょう。その際に知っておきたいのが「借地権の譲渡と相続の違い」です。

相続で借地人の立場はそのまま承継される

譲渡による「借地権の移転」と相続による「借地権の承継」は、同じ「借地人の変更」でも扱いが大きく異なります。

借地人に相続が発生した場合、借地人の立場は相続人に「そのまま引き継がれ」ます。そのため、地主側が相続を機に契約終了や契約条件の変更を望んでも、借地人側が応じる必要はありません。法律上は地主の承諾は不要であり、承諾料や名義変更料などを要求する法的な権利もありません。

ただし、借地契約書に特約が定められている場合には、その契約内容に基づく取り扱いとなります。

契約承継を明確にするための4ステップ

1.借地人の死亡を確認し、相続人と早期に連絡を取る
住民票の除票や戸籍で死亡を確認したら、速やかに地代の支払い状況を確認し、相続人に連絡をとります。複数の相続人がいる場合、代表者を定めるよう促すのが望ましいです。

2.借地契約の承継意志と条件を明文化する
「誰が借地契約を引き継ぐのか」「今後の地代支払者は誰か」を合意し、文書で取り交わします。必要に応じて、承継契約書や地代支払承諾書を用意しましょう。

3.更新料や承諾料について契約を確認し説明・交渉する
原則として相続承諾料は不要ですが、契約書に「名義書換料」などの定めがある場合は、その条項を根拠に請求を行います。また、更新時期が近い場合は、契約の巻き直しと合わせて更新料の交渉を行うのも有効な手段です。

4.相続人がまとまらない場合は調停や弁護士を活用
相続人間の対立により話が進まないときは、家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てるか、弁護士に代理交渉を依頼することで前進させやすくなります。地代滞納が続く場合は契約解除も視野に入ります。

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ケース9:借地人との底地売却交渉トラブル

左右に置かれた電卓と複数のお札、中央に置かれた小さな積み木の家と3人の男性の人形

「収益性があまり良くない」「借地の管理がおっくうになった」といった理由から、底地の売却を検討する地主もいるでしょう。しかし、売却によって地主が変わることへの抵抗や、「売却するくらいなら自分が買い取りたかった」「自分で買い取りたいけれども価格が高すぎる」といった借地人のさまざまな反応も想定されます。

底地を借地人に買い取ってもらえれば最もスムーズですが、ほかにも底地を売却する手段があることを知っておきましょう。

底地は借地人以外にも売却できる

底地の売却に借地人の同意は不要です。ただし、事前に借地人に話を通しておくことで、売却後に新しい地主とのトラブル発生を避けやすくなるだけでなく、借地人本人が購入の意向を示す場合もあります。自分で土地を利用できない底地の売却は容易ではないため、多少金額を譲歩してでも借地人に買い取ってもらえれば、売却が確実になり手続きも進めやすくなります。

もっとも、価格や借地人の経済状況によっては、所有権を得るために資金を出すとは限りません。その場合は、底地のみを第三者に売却する方法や、借地人が住み続けることにこだわらないのであれば、相談の上で借地権ごと底地を売却する方法があります。

関連記事:底地の整理方法5選|整理すべき理由とメリット・注意点を解説!

借地人が底地の買取に応じないときの対応策

1.売却の目的と優先順位を明確にする
まず、なぜ売却したいのか(相続対策・資産整理・納税資金の確保など)を整理し、譲れない条件と妥協できる点を把握します。借地人に対して説得材料を用意することにもつながります。

2.借地人に優先的に購入を打診する
底地の売却では、まず借地人に対して購入の意思を確認するのが基本です。買い取りの意思がない場合や価格で折り合わない場合は、第三者売却を検討します。

3.借地権付きでの一括売却を検討する
借地権者と共同で底地・借地権を一体で売却すれば、市場での流通性が高まり、より有利な条件で売却できる可能性があります。実現には借地人との連携が不可欠です。

4.底地のみを第三者へ売却する場合の注意点
借地権付き土地として売却する場合、購入者は地代収入とリスクを引き受ける必要があるため、買い手が限られます。借地権付き不動産に特化した業者に仲介を依頼するのが現実的です。

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ケース10:相談先の誤選択トラブル

パソコンを前に、手に家型のオブジェと「×」が描かれたプレートを持つスーツ姿の男性

底地のトラブルで自分では解決できないと思ったとき、考えるのが専門家への相談でしょう。相談先としてまず思い浮かぶのが不動産会社ですが、相談先次第ではかえって解決が遠のく可能性もあります。

相談先を選ぶための重要なポイントが、「自分に足りない専門知識・経験を基に丁寧にサポートしてもらえるか」です。具体的なポイントについて、以降で詳しく見ていきましょう。

借地・底地の相談先は専門の不動産会社がおすすめ

借地権は複雑な権利であり、ましてやトラブルの種を抱えていればなおさら簡単には解決できません。

それにもかかわらず、相談した相手が借地権や底地に不慣れな一般的な不動産会社だと、知識・経験不足からトラブルの解決が遅れたり、かえって混乱を招いたりすることにもなりかねません。

また、借地権の場合には、借地権自体に対する理解のほかに、契約の相手方との交渉能力も必要です。借地権を専門とする不動産会社なら、これまでの経験を基に解決までスムーズにサポートします。

関連記事:借地権トラブルは弁護士に相談すべき?依頼すべき5つのケースと費用の目安をご紹介

正しい相談先を選ぶためのチェックポイント

1.借地権・底地に特化した実績があるか確認する
一般的な不動産会社や弁護士では、借地借家法や地代交渉に不慣れな場合があります。過去の対応件数や専門領域を事前に確認することが重要です。

2.「相場」「法的根拠」を明確に示してくれるか
トラブル対応では、客観的データや法令に基づいた説明が必要不可欠です。曖昧な返答や根拠のないアドバイスが多い業者は避けましょう。

3.一貫して対応してくれる体制かどうか
最初の相談は親身でも、途中で他部署や外部業者に丸投げされると、情報の行き違いや対応遅れが発生します。ワンストップでの支援体制を持つ事務所を選ぶことが大切です。

4.無料相談を活用して複数比較する
1社だけに決めず、まずは複数の専門家に無料相談を依頼し、対応の丁寧さ・知識の深さ・提案力を見比べましょう。比較することで、適切な相談先が見えてきます。

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まとめ

ペパーミントグリーンの背景に描かれた白いチェックマークに合わせて置かれた虫眼鏡

底地に関するトラブルは、地代の滞納・建て替え・譲渡・相続など多岐にわたります。その上、トラブルごとに法制度・人間関係・当事者や社会状況の変化・市場など複数の要素が絡み合うため、下手に強引に解決しようとすると事態をこじらせてしまうおそれがあります。

一度更新すれば10年単位で続く借地権は、発生したトラブルをスムーズに解決し、地主と借地人間にいかにわだかまりを残さないかが重要です。

もちろん法律を基に自分で対処することも可能ではあるものの、スムーズな解決には専門的な知見も欠かせません。対応を誤れば長期化・複雑化しやすく、資産価値や信頼関係に大きな影響を及ぼします。従って、トラブル早期での対処が円滑な解決への第一歩となります。

また、現在のトラブルの有無にかかわらず、「借地人との関係を悪化させずに地代を上げたい」「相続した底地の管理が負担」「底地を売却して資産整理したい」など地主が持つ底地に関する悩みはさまざまです。

リアルエステートの「おうちの相談室」では、底地・借地権に詳しい専門家が、各トラブルに応じた最適な対応策をご提案しています。相続や売却、借地人との交渉などでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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