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2025/08/26相続税を借地権が設定された底地で物納可能?物納できないときの対処法も解説
- 底地・借地
親などが亡くなって財産を相続したときは、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に相続税を納めなければなりません。しかし、想定以上に相続税が高く、まとまった現金の用意が難しいため、相続財産の底地を物納したい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、相続税として底地を物納する要件や手続きの流れ、底地を物納できないときの対処法を紹介します。相続税を現金で納められずにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
相続税の物納の要件

相続税は原則現金で納めますが、一定の要件を満たせば相続財産による物納が可能です。相続税の納付資金を用意できない場合、物納を検討するのも選択肢のひとつです。ここでは、物納の概要や物納できる相続財産の要件について解説します。
そもそも物納とは?
物納とは、相続税を現金で納めることが難しい場合に相続財産そのものを国に納付する方法です。
相続税は、期限内に現金一括で納める必要があります。しかし、相続税額が10万円を超え、かつ納付期限までに現金での納付が難しい場合、納税者の申請により最長20年間の分割納付が可能です。これを「延納」といいます。
延納制度を利用しても相続税の納付が困難で、一定の要件を満たした場合に初めて相続財産の物納が可能になります。
物納できる相続財産と優先順位
現金の代わりに物納が認められる財産は、あくまで相続によって取得したものに限られます。また、物納できる相続財産や優先順位は以下のように定められており、自由に選定できない点に注意が必要です。
| 優先順位 | 物納できる財産の種類 |
| 第1順位 | ①不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式など ②不動産および上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの |
| 第2順位 | ③非上場株式など ④非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの |
| 第3順位 | ⑤動産 |
引用:『相続税の物納|国税庁』
原則として、物納する財産は先順位のものから選定しなければなりません。ただし、先順位に該当する相続財産がない、特別な事情があるなどの場合には、後順位の財産の物納が認められることがあります。
関連記事:土地を相続すると相続税がかかる?相続税の計算方法や相続時の注意点を解説!
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相続税納付のために借地権が設定された底地を物納できる?

相続財産の中に底地をはじめとする不動産が含まれていると、相続税は高くなりがちです。相続税を納める現金の確保が難しく、底地の物納を検討している方もいるのではないでしょうか。ここでは、借地権が設定された底地の物納の可否について解説します。
底地の物納は現実的に難しい
底地も不動産の一種で、基本的に物納は可能ですが、難しいのが実情です。借地権が設定された底地は、物納劣後財産に該当する可能性があります。物納劣後財産とは、他の相続財産と比較して売却などの活用が難しい財産です。
そのため、他に優先して物納に充てるべき相続財産があるときは底地を物納できません。預貯金はもちろん、他に現金化できそうな不動産がある場合、それを売却して納付資金に充てる必要があります。
また、底地が管理処分不適格財産に該当するケースでも物納できない点に注意が必要です。管理処分不適格財産とは、管理や処分に向かない相続財産を指します。例えば、借地人の所在が不明、借地人が地代を滞納しているといった底地が該当します。
底地の物納が認められると国が地主になる
底地を物納する際は、事前に借地人の許可を得る必要はありません。しかし、底地の物納にあたって賃貸借契約書の写しが必要なため、存在しないときは新たに作成する必要があります。また、近隣の相場より地代が安く設定されている場合、物納前に地代を上げなければなりません。
そのため、底地を物納する際は手続きや実務上、借地人の協力が不可欠となる場合が多いのが実情です。借地人に底地の物納に関する協力を得るためにも、借地人にとってのメリットを訴求しましょう。
底地の物納が認められると、国が新たな地主となって従前の借地契約が引き継がれます。国が地主になると、契約更新時の更新料の支払いがなくなります。また、国から底地を購入できることも借地人にとってのメリットです。
基本的に地主が国に変わったほうが借地人にとっては有利に働くため、底地の物納にあたって必要となる契約書の作成には快く協力してもらえるでしょう。
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借地権が設定された底地を物納する流れ
底地を物納するときは、以下の流れにしたがって手続きを進めます。
- 物納申請財産の決定
- 物納申請書の提出
- 税務署の調査
- 税務署による許可・却下の判断
まずは、物納を申請する相続財産を決め、物納申請書と金銭納付を困難とする理由書を税務署に提出します。物納の申請は相続税の納付期限までに行わなければならない点に注意しましょう。
必要書類を提出したら、税務署による調査が行われます。「契約内容が地主に不利ではないか」「契約内容は明確か」「地代は相場より安くないか」といった調査を経て、問題がないと判断されたら物納が認められる流れです。
なお、税務署による物納の許可・却下の判断が下されるまでに、最長で9か月もの期間がかかる場合があります。この期間中、相続税に対して年3.6%の利子税がかかる点も押さえておきましょう。
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借地権が設定された底地を物納できないときの相続税への対処法

底地の物納が認められるのは容易ではないため、底地の物納が却下されたときは、他の方法で相続税を納める資金を用意する必要があります。ここでは、底地を物納できないときの対処法について解説します。
相続放棄を選択する
相続財産に底地などの不動産が含まれており、相続税を納付するのが難しいと感じたら、相続放棄を選択するのもひとつの手段です。
相続放棄とは、被相続人の全ての財産を受け継ぐ権利を放棄することです。相続放棄を選択すると初めから相続人ではなかったと見なされるため、底地を相続せずに済み、相続税の納付義務からも解放されます。
ただし、底地のみを相続放棄することはできません。預貯金や株式のようなプラスの財産も相続できないため、相続放棄を選択するかどうかは他の相続財産を踏まえた上で慎重に検討することが大切です。
底地を借地人に売却する
底地を物納できず、相続税の納付資金も用意できないときは売却を検討するのも選択肢のひとつです。底地を売却すれば、売却代金を相続税の納付に充てられます。
底地の売却に関しては、まずは借地人に話を持ちかけましょう。借地人が底地を購入すると、通常の土地同様に自分の意思で自由に活用できるため、前向きに話に応じてくれる可能性があります。
ただし、借地人に底地を買い取る意思や経済力がないと実現できません。借地人に底地の買い取りを断られたときは、他の方法を検討しましょう。
借地人と協力して底地と借地権を同時売却する
借地人も借地権を手放したいと考えているなら、協力して底地と借地権を同時売却する方法があります。
買い手が自由に家を建てられない底地を単独で売りに出しても、そう簡単に売却できません。一方、底地と借地権をセットで売却すれば、買い手は不動産を自由に活用する権利を得ます。そのため、底地と借地権をそれぞれ単独で売りに出すより売却しやすい点がメリットです。また、市場相場に近い価格での売却も期待できます。
ただし、売却金額の分配を巡って借地人との間でトラブルが起こる恐れがある点に注意が必要です。また、借地人に借地権を売却する意思がなければ成立しない方法です。
関連記事:底地と借地を一括で売却する方法とは?同時売却の進め方と注意点
底地を不動産会社に売却する
「相続税の納付期限までに資金を用意したい」「底地をできる限り早く売却したい」という方は、不動産会社に直接買い取ってもらうとよいでしょう。不動産会社には買い取った底地を活用するノウハウがあるため、短期間で売却でき、納税資金を確保できる点がメリットです。
ただし、底地のような権利関係が複雑な不動産は一般の不動産会社では取り扱ってもらえません。底地をスムーズに売却して現金化したいときは、底地・借地権の買い取り実績が豊富な不動産会社に依頼するのがポイントです。
また、不動産会社が提示する査定価格が売却価格に直結するため、底地を少しでも高く売却したいなら、複数の不動産会社に査定を依頼して査定価格を比較することが大切です。
関連記事:底地の買取相場を一発理解!計算方法と査定のポイント
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まとめ

相続税の現金での納付が難しい場合、相続財産を物納する方法を選択できます。しかし、権利関係が複雑な底地の物納は現実的には難しいでしょう。そのため、相続財産に底地が含まれていて相続税の納付資金を確保したい方は、売却して現金化することをおすすめします。
リアルエステートは、底地をはじめとする権利関係が複雑な不動産の買い取り実績が豊富な不動産会社です。一般の不動産会社では取り扱わない底地でも、短期間で現金化が可能です。相続税の納付資金を用意するために底地を売却したい方は、まずは「おうちの相談室」にお気軽にお問い合わせください。
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