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投稿⽇時

2023/09/29

最終更新⽇時

2025/06/13

リースバックの家賃と住宅ローン、どちらが得?相場もチェック

  • リースバック

皆さんはリースバックについて知っていますか?リースバックとは、一度家を売却することで得た資金を使って住宅ローンを返済し、その後は家賃を支払ってその家に住む仕組みです。「リースバックの家賃は高い」と聞いたことがある方もいるかもしれませんが、実際に家賃はどのように決まっているのでしょうか。家賃が高いということは、住宅ローンよりも負担が大きいのでしょうか。
今回は、賃料の決まり方や、今支払っているローンと家賃の比較について見ていきます。

リースバックとは?仕組みを徹底解説

リースバックとは、持ち家を売却してまとまった資金を手にするための仕組みです。
不動産リースバックをするときには、まず家の市場価値を査定してもらいます。査定の結果は最短即日で教えてもらえます。査定結果に納得した場合は売買契約を結び、持ち家を売却します。それによって家の売り手はリースバック業者から家の代金を受け取ります。次に賃貸借契約を結ぶことで、売り手は売却した家を賃貸として利用していくことになります。これがリースバックの流れです。

リースバックの賃料はどう決まる?決定要因と計算式

リースバックでは、家を売却した後、家賃を支払うことになります。この家賃は「月々の賃料=買取価格×期待利回り/12カ月」という式で決定されます。つまり、毎月の賃料は物件の買取価格と期待利回りの影響を受けることになるのです。

賃料の利回りを理解する

利回りは、買取価格が安くなる場合に高めに設定されます。利回りとは、買い手が十分な収入を得るために設定されるものです。市場価値が高く、買取価格が高い場合は利回りが低くても十分な家賃収入を得られます。しかし、相場よりも買取価格が低くなってしまう場合には、利回りを高めに設定することで家賃収入を高く保っているのです。
つまり、買い手がつきそうな優良物件であればあるほど利回りは低くて済むということです。

買取価格を決定する要素とは?

リースバックの買取価格には、物件の築年数、市場価値、貸借期間、そして家賃などが影響を与えます。

物件の状態がよく、売却した場合にすぐに買い手がつきそうな場合は買取価格が高くなります。
他にも、市場価値が下がるリスクが低い物件は買取価格が高く設定されます。そのため、築年数が経った物件や賃貸借期間が短い物件は意外なことに買取価格が高くなることがあるのです。

買取価格を決定する際には、「もし不動産を第三者に売却した場合、いくらで売れるのか」という点が参考にされます。リースバック業者はもし借家人に家賃を滞納されてしまった場合、不動産を売却することで家賃分を回収することになります。その場合にも売却益によって確実に家賃を回収できるように、買取価格が設定されるのです。

リースバックの賃料相場:実際の価格帯は?

リースバックの年間賃料相場は、一般的に買取価格の約10%です。「月々の賃料=買取価格×期待利回り/12カ月」という式からもわかるように、年間の家賃負担は買取価格の影響を受けます。買取価格が高ければ家賃も高くなり、買取価格が低ければ家賃も低くなるのです。

なぜリースバックの賃料が高くなるのか?

では、なぜリースバックの賃料が相場よりも高くなるのでしょうか。その理由は主に三つあります。

物件の自由な売買制限がもたらす影響

買い手にはいくつかの不利な点があります。特に、買い手は物件を自由に売買できないという点です。リースバックでは、買い手が物件を貸す相手は家の売り手に限定されてしまいます。さらに売り手が買い戻しを希望した場合は物件を手放さなければなりません。このように買い手には売買において不利な点があるため、買取価格が低く設定されてしまうのです。

買い手にかかる税金負担の実情

また、買い手は物件に関する固定資産税、管理費、維持費、保険料などの支払い義務があります。リースバックをすると物件の所有権が売り手から買い手に移行します。それによって固定資産税などの費用は家の買い手が支払うことになります。これらの費用負担も考慮して、買取価格が高めに決定されるのです。

周辺の賃料相場とリースバック家賃の関係

リースバックの家賃は周辺の賃料相場に依存しません。
それは、売り手にとっては相場との比較よりも、その家であることが大事だからです。人々がリースバックをする理由はその家を離れたくないからです。その家を離れたくないのには、引越しができない場合、家に愛着がある場合など人によってさまざまです。その家でなければならない理由があるので、人々はある程度家賃が高くても支払うのです。もし他の家でも良いのなら、家賃の低い近場の家に引っ越すでしょう。そのため、リースバックの家賃は周辺の賃料相場を気にすることなく高めに設定されてしまうのです。

リースバック後のローン支払い:どう変わるのか?

住宅ローンが残った状態でもリースバックは可能か?

住宅ローンには「アンダーローン」と「オーバーローン」という状態があります。「アンダーローン」とは、不動産の資産価値よりもローン残高が低い状態のことで、逆に不動産の資産価値よりもローン残高が高い状態のことを「オーバーローン」といいます。
リースバックを利用するためには、アンダーローンの状態でなければなりません。それは、オーバーローンの状態にある不動産は抵当権を外すことができず、そもそも家を売却することができないからです。

リースバックで住宅ローンを完済する方法

アンダーローンの状態でリースバックを利用すると、ローンを完済できます。
リースバックによって受け取った資金はどのような目的にも利用することができます。そのため、リースバックによって受け取った資金を住宅ローンの返済に充てれば良いのです。アンダーローンの状態であれば、買取価格の方がローン残高よりも多いことは確実なので、ローンを完済することができます。実際に、リースバックを利用する人は住宅ローンの早期返済という目的で利用している人が一番多いのです。

家賃負担とローン支払い、どちらが高いのか?

リースバックをするまでは住宅ローンを支払っていましたが、リースバックをした後はローンを完済する代わりに家賃を支払うことになります。では、月々の住宅ローン返済とリースバック後の家賃負担は、あまり変わらないのではないでしょうか。 リースバックの家賃は相場よりも高いうえに、その家賃には税金や手数料の分も含まれています。それでは、月々住宅ローンを返していた頃よりもかえって負担が大きくなることはないのでしょうか。

例えば、ローン残高が800万円、買取価格が1,000万円、毎月の住宅ローン支払いが8万円、期待利回りが8%の場合を考えてみましょう。
この場合、「月々の賃料=買取価格×期待利回り/12カ月」というリースバックの家賃を決める式を使うと、一ヶ月あたりの家賃は「1,100万円×8%÷12=約73,000円」になります。
つまり、住宅ローンを支払っていたら毎月の負担額は8万円であるけれど、リースバック後の家賃だと月々73,000円を支払うことになります。このように、リースバック後の家賃の方が月々の支払いは減少するのです。さらに、買取価格が1,000万円でローン残高が800万円であるため、200万円弱を手元に残すことができるのです。
このように、月々の住宅ローンの返済とリースバックの家賃負担を比較すると、リースバックの家賃負担が少なくて済むことがわかります。

リースバックの家賃を低く抑えるための方法

リースバックでは、家賃の負担を抑えるための方法があります。
もし家賃を支払っていくことができなかったとき、最終的には強制退去になってしまいます。そうならないためにも、家賃は確実に支払えそうな金額にしてもらいましょう。
リースバックの家賃を低くするためにはどのようなことをすれば良いのでしょうか。

複数の業者に査定をしてもらう

物件の市場価値を査定してもらう際は、複数の業者に依頼することをお勧めします。そうすることでより自分の条件に合った取引をしてくれる業者を選ぶことができます。もし一社しか見ていないと、自分の持ち家の市場価格がわからず、損をしてしまうかもしれません。複数の業者の査定を見て、最も低い家賃を提案してくれたリースバック業者を探せば良いのです。

期待利回りの低い不動産リースバック業者を探す

家賃の価格には買取価格の他に期待利回りも影響していました。つまり、家賃を低くするなら、期待利回りも低ければ良いのです。同様に、複数の業者から査定を受け、期待利回りが低いリースバック業者を探してみましょう。

物件の買取価格を下げる

賃料には買取価格が影響を与えます。したがって、物件の買取価格を下げることで、家賃も低くなります。家賃負担を少なくするために買取価格を低めに設定してもらうというのはよくあることです。できるだけ多くの買取価格を受け取りたいのか、家賃負担が少ない方がいいのかを、リースバック業者に相談してみましょう。

まとめ:リースバックの賃料と家賃設定のポイント

今回は、リースバックの家賃の決まり方や住宅ローンとの比較について見てきました。リースバックの家賃は「月々の賃料=買取価格×期待利回り/12カ月」という式で決まります。つまり、リースバックの家賃は買取価格と利回りの影響を受けるのです。
また、ローン残債があるときにリースバックをすると、住宅ローンを完済することができます。その場合、月々家賃を支払っているよりもリースバック後に家賃を支払った方が一月あたりの負担額は少なくて済むということがわかりました。住宅ローンの支払いに困ったときにはリースバックを検討してみると良いかもしれません。