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最終更新⽇時

2026/04/10

固定資産税の名義変更を行うには?必要な書類と手続き、注意点まで解説

  • リースバック

家と前に立つ4人家族のミニチュア、横に立てられた電卓

不動産などを取得した後の維持費の一つとして挙げられるのが、所有者に対して課せられる「固定資産税」です。

「なぜ自分が手に入れた不動産に税金を支払わなければいけないのか」との思いもあって、固定資産税の請求先の名義変更を進んで行いたい人はそう多くないでしょう。しかし、固定資産税の名義が適切に変更されていない状態には、税金以上に大きなリスクがあります。

そこで本記事では固定資産税の名義変更の重要性から具体的な手続き、注意点まで順を追って解説します。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

固定資産税の名義変更を行うには?

一戸建てと更地のイラスト

固定資産税の名義変更は、対象となる建物や土地などの所有者の名義変更によって行えます。

しかし、不動産名義は頻繁に変更するものではないため、そもそもよく理解していない方も多いのではないでしょうか。

名義変更の具体的な手続きについて触れる前に、まずは固定資産税の概要について見てみましょう。

固定資産税は「固定資産」に対する税金

固定資産税は、「固定資産」を持っている人に毎年かかる地方税です。

「固定」資産と呼ばれるように、土地や家など1年を超える、もしくは現金化が本来の目的ではない資産が、固定資産税の対象となります。

「自分が購入した家や土地なのに、なぜ税金がかかるのか」と一度は思ったことがないでしょうか。その理由として、土地や家などの固定資産は、道路などの行政サービスによって利便性の向上や資産価値の向上といった恩恵を受けていると考えられるためです。

土地や家以外にも、「償却資産」と呼ばれる事業で使用する設備なども固定資産税の対象になります。ただし、一般の個人の場合には、「固定資産税=所有する土地建物に対する税金」と考えてよいでしょう。

固定資産税は「登記簿上の所有者」が支払う

固定資産税を支払う義務があるのは、「毎年1月1日時点で土地・家屋・償却資産の所有者として登記簿や固定資産課税台帳に登録されている人」です。 つまり、固定資産税を支払う義務があるのは、所有者が死亡している場合などの例外を除き、「実際の所有者」ではなく「登記簿に記載されている所有者」です。

従って、固定資産税自体の名義変更を行うためには、登記簿の所有者を変更する登記を行う必要があります。

登記を行い所有者の変更手続きをすれば、その情報を元に固定資産税の納付書の送り先名義も変更されます。

固定資産税の名義変更はいつまでにどこで行う?

基本的に、財産分与や贈与、売買など、相続以外での不動産の名義変更には法的な期限は定められていません。

ただし、相続の場合は相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行う義務があります。

土地建物の場合、登記(名義変更)はいずれも不動産の所在地を管轄する法務局で行いますが、オンライン申請も可能です。

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固定資産税を名義変更しないとどうなる?

積まれた木の板ブロックの中央から赤い板を引き抜こうとする人の手

相続以外では名義変更に法的な期限がないとはいえ、名義変更しなくてもよいというわけではありません。

固定資産税が名義変更されていないということは、登記上の不動産の所有者と現状が異なった状態ということです。次に、その場合に起こり得るリスクやペナルティーについて解説します。

差し押さえになるリスクがある

名義変更を行わないと、当然固定資産税の納付書は現在の所有者の元には届きません。通知が来ないことで固定資産税の納付を怠った結果、滞納状態になってしまうと支払い時に延滞金がかかります。

納付書の名義が誰であれ、対象の不動産に対する納税が正しく行われていないことは変わりないため、滞納が続けば最悪の場合には差し押さえられて不動産を手放すことにもなりかねません。

第三者に所有権を主張できない

固定資産税の名義変更を行わないことで、家を失うリスクはほかにもあります。

不動産は、所有権の移転登記(=所有者としての登録)を行うことではじめて、第三者に「自分の不動産である」と主張できます。つまり名義変更をしていないと、ほかの人が登記をして「自分が所有者だ」と主張したら勝てず、最悪不動産を手放さざるを得ません。

そのため、名義変更を行わないというのは、固定資産税の問題にとどまらない非常にリスクが高い状態といえるでしょう。

売却や融資を受けられない

前述の通り、登記は「不動産の現在の所有者が自分である」と証明するものです。

そのため名義変更を行わないと、売却や不動産を担保としたローンなどの不動産に関連する取引も実質難しくなります。登記がないと「本当にその人が所有者なのか」の確認が取れないためです。

相続の場合には手間とペナルティーが発生する

「不動産に関連した取引をせず、ただ住むだけなら問題ない」というわけでもありません。今は何もしなくても、将来相続が発生した際に困る可能性があるためです。

名義変更を行わないままだと実際の所有者と名義上の所有者が異なるため、相続するにも売却するにも手続きが複雑になってしまいます。

また、相続の場合、2024年4月以降に相続による名義変更は義務化されたため、そのままにしていると10万円以下の過料の対象です。

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不動産の名義変更が必要となるケース

5つ横に並んだ書類のアイコンの中央に置かれた黒い虫眼鏡

固定資産税の名義変更を行うためには不動産の登記により所有者を変更する必要があり、登記を行わないままだと大きな不利益を受ける可能性も大きくなります。

そのため、不動産を取得した理由に沿った登記を行い、固定資産税の納税者と実際の所有者を一致させる必要があります。

不動産の名義変更が必要なケースにはいくつかあります。次に、それぞれについて解説します。

不動産売買

1つ目は、不動産売買を行うケースです。

不動産を購入したり売却したりする場合は、所有者が変更になるため、所有権移転登記が必要となります。不動産売買での名義変更の手続きに関しては、司法書士が決済日当日に手続きを行うのが一般的です。

また、売り手側が住宅ローンを利用している場合は、事前に一括返済し、抵当権を抹消しておかなければなりません。

売却代金から返済を検討している場合は、抵当権抹消登記と所有権移転登記を同時に手続きすることも可能です。

遺産相続

2つ目は、親族が死亡したため遺産相続を行うケースです。

親族が死亡して遺産を相続する場合は、所有権移転登記が必要となります。不動産売買での申請とは異なり、遺産相続で名義変更を行うのは相続人のみとなります。

しかし、複数人の相続人がいる場合は、遺産分割協議書を作成して誰が何を相続するのかを明確にしておかなければなりません。

関連記事:相続登記は自分でやるとお得?費用と必要書類解説

生前贈与

3つ目は、親子や兄弟間で生前贈与を行うケースです。

相続による財産が一定額を超えた場合は、相続税が課せられます。その対策として、存命中に生前贈与を行う方も少なくありません。生前贈与を行う際も、所有権移転登記が必要となります。

また、生前贈与の場合、相続税はかかりませんが、贈与税が発生するケースもあります。さらに、相続人が複数いるにもかかわらず、1人にだけ生前贈与をした場合は、死後にほかの相続人とトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。

財産分与

4つ目は、離婚時に財産分与を行うケースです。

財産分与とは、夫婦が共同生活を送る中で形成した財産を公平に配分することをいいます。財産分与の際も、所有権移転登記の手続きを進めます。

例えば、家の名義が夫の単独名義でも、妻が家事を分担し、夫を支えている場合は実質的には夫婦の共有財産です。しかし、夫婦が離婚後も同じ場所で暮らすのは現実的でないでしょう。

そこで、家を売却して現金化したり、どちらか一方の単独名義としてもう一方は現金を受け取ったりする方法が一般的です。

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固定資産税の名義変更手続きと費用

置かれた白紙の申請書と卓上カレンダー、赤ペン

前述の通り、固定資産税の名義変更が必要な場面はいくつかあります。名義変更に必要な登記の手続き自体に大きな違いはありませんが、固定資産税の対象となる不動産を取得した経緯によって必要な書類は異なります。

そこで次に、名義変更(登記)の流れと必要書類、費用について大まかに確認しておきましょう。

名義変更の流れと必要書類

名義変更の流れは以下の通りです。

  1. 取得の理由に応じた必要書類をそろえ、登記申請書を作成する
  2. 法務局に申請書と書類を提出する(窓口・郵送・オンライン)
  3. 登記完了後に完了書類を受け取る

必要書類のうち、固定資産評価証明書はいずれの理由でも必要です。一方、登記識別情報(権利証)や印鑑証明書は、『売買・贈与・財産分与』など現在の所有者が手続きに関与する場合に必要となりますが、『相続』の場合は原則として不要です(代わりに戸籍謄本等で証明します)。

それに加え、名義変更の理由によって以下の書類が必要になります。

売買 ・委任状
・住民票
・売買契約書
相続 ・遺言書または遺産分割協議書
・戸籍謄本
・住所証明書
・委任状
贈与 ・住所証明書
・贈与契約書
・贈与証書
財産分与(離婚など) ・住所証明書
・離婚協議書
・財産分与契約書
・戸籍謄本

申請してから登記までは1~2週間程度かかり、その場ですぐに完了するわけではない点に注意しておきましょう。

名義変更に必要な費用

名義変更の際には、まず以下のような必要書類の取得費用がかかります。

登記簿謄本 600円/1通
住民票
固定資産評価証明書
印鑑証明書
戸籍の附票
各300円程度(自治体により異なる)/1通

それに加えて、法務局での申請時に「登録免許税」を納める必要があります。

登録免許税の金額は、固定資産税評価額に以下の税率を掛けることによって求められるため、対象となる不動産によって異なります。

  • 相続:0.4%
  • 売買/生前贈与/財産分与:2%(※土地の売買や住宅用家屋には軽減税率あり)

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名義変更後に支払う固定資産税額は?

固定資産税は、市町村が税額を計算し、その結果を納税者に通知する仕組みです。そのため、原則として納税者自身が税額を計算する必要はありません。ただし、通知が届く前におおよその金額を把握しておきたい場合には、計算方法の考え方を知っておくと参考になります。

固定資産税の基本的な計算式は、次の通りです。

固定資産税額=課税標準額(固定資産税評価額)×税率

課税の基準となる「固定資産税評価額」とは、不動産の価値を市町村が独自の基準で評価・算出した金額のことを指します。一般的には、実際に売買される市場価格の約60~70%程度が目安とされています。

税率は自治体ごとに定められていますが、多くの場合、標準税率である1.4%が適用されます。

なお、固定資産税には土地・建物それぞれに特例が設けられており、条件に該当する場合は、税額計算の基礎となる課税標準額が大きく軽減されます。

<固定資産税の住宅用地に対する特例(土地)>

  • 1戸あたり200㎡以下の部分:評価額の1/6
  • 200㎡超の部分:評価額の1/3

<新築住宅の固定資産税減額特例(建物)>
新築住宅については、課税開始から一定期間、床面積120㎡までの部分の税額が半額

  • 一般住宅:3年間
  • 3階建て以上の耐火・準耐火住宅:5年間
  • 認定長期優良住宅:5年または7年

※床面積が一戸建て50平方メートル以上(一戸建て以外の貸家は40平方メートル以上)かつ280平方メートル以下で、居住部分が全体の1/2以上であることが条件

関連記事:固定資産税はいくらかかる?計算方法から税額の軽減措置まで完全ガイド

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不動産の名義変更を行う際の注意点

「Caution」の文字と注意マークが描かれたブロックの前に立つ男女の小さな人形

固定資産税の対象となる不動産の名義変更には、ケースによって別の税金が発生したり、税額が変わったりする場合があります。

不動産の名義変更の概要と具体的な手続きについて理解したうえで、次にそのほかに注意すべき点について解説します。

贈与に伴う名義変更では贈与税が発生する

同じ親から子への名義変更であっても、相続ではなく贈与の場合には、贈与税がかかる点について考慮が必要です。

贈与税は、基礎控除110万円を引いた贈与額に対して10~20%の税率がかかります。例えば、20歳以上の子が親から500万円の贈与を受けた場合には、48万5,000円の贈与税が発生します。

また、登録免許税の税率も、相続が0.4%なのに対し、贈与では2%と定められています。

贈与税は相続税と比較すると税率が高いため、不動産の生前贈与については慎重な検討が求められます。

家屋と土地はそれぞれ名義変更が必要

一般的に家屋と土地をまとめて取得するケースが多いものの、家屋と土地は別物として扱われています。そのため、土地付き家屋を取得した場合には、それぞれについて名義変更を行う必要があります。

ただし、固定資産税は「所有」している不動産に対して課税される税金です。建物が借地上にある場合、名義変更手続きを両方行ったとしても、課税されるのは建物分のみとなります。

固定資産税の税額は改定される

固定資産税が課税される対象は、「その年の1月1日時点の固定資産税の『評価額』」です。

土地の価値は時間の経過とともに変動するため、3年に一度、固定資産税評価額を見直す「評価替え」という制度が設けられています。評価替えによって評価額が変更されると、翌年から固定資産税の税額も変わります。税額は一定ではなく、増える可能性がある点について理解しておきましょう。

固定資産税には免税点がある

固定資産税は、課税標準額が一定額、すなわち「免税点」未満の場合には課税されないと定められています。

免税点は、土地が30万円、建物が20万円、償却資産が150万円未満です。この金額未満であれば非課税となり、通知が届かないことが一般的です。

ただし、同一市区町村の区域内に所有する不動産が複数あり、合計で免税点を超える場合には、その全てに対して課税されます。また、現在は非課税であっても、評価替えによって免税点を超えた場合には途中から課税される点に注意が必要です。

関連記事:固定資産税のかからない建物の条件と固定資産税の計算方法

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固定資産税の名義変更に関する質問

「Q&A」と書かれたブロックと周囲の札束、電卓、チェックリスト、赤鉛筆、虫メガネ

不動産の名義変更は、さまざまな書類が必要なものの、手続き自体は登記のみのためシンプルです。しかし、実際に手続きを行う際には、一般的なケースにあてはまらず、迷う場合もあるでしょう。

そこで最後に、固定資産税の名義変更に関連した疑問について簡単にまとめました。

不動産が未登記だった場合の名義変更はどうしたらよい?

通常、建物を新築したときには1か月以内の表題登記が義務付けられていますが、古い家屋などの場合には、未登記のままになっていることもあります。

この場合、請求先の基となる登記が行われていないため、登記による固定資産税の名義変更は行えません。

未登記の不動産に対する固定資産税の名義変更を行うには、法務局で登記を改めて行う方法のほか、市町村が管理する固定資産課税台帳の所有者変更手続きを行う方法があります。

相続が発生したら、固定資産税は誰が支払う?

不動産の所有者が亡くなり相続が発生したら、不動産を相続した所有者が名義変更(相続登記)によって固定資産税の新たな納税義務者になります。

一方、不動産にかかわらず、相続が完了するまで被相続人の財産は相続人全員の共有状態という扱いです。従って、相続登記によって名義変更が完了するまでの固定資産税は相続人全員が支払い義務を負います。

売買で名義変更した場合、いつから支払う?

固定資産税は、その年の1月1日現在の登記簿上の所有者に課税されます。従って、引き渡しの時期にかかわらず、売買が成立した年の分については、売主が支払うことになります。

そのため、実務上は売買契約の締結時に取り決めを行い、日割分を買主が売主に支払う形が一般的です。

固定資産税の納付が難しいときはどうしたらよい?

天災や火災、生活扶助を受けているなどの事情によって納付が難しい場合には、申請により減額や免除が受けられます。

また、盗難や本人・家族の病気や負傷、事業の損失・廃止などの理由により徴収猶予が認められるほか、支払いによって事業・生活の維持が難しい場合には、換価の猶予により分割納付が可能になるケースもあります。

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まとめ

固定資産税納税通知書・課税明細書と2枚の一万円札

固定資産税は、不動産などを所有している人に対して課される税金であり、法務局で登記を行うと、固定資産税の名義も自動的に変更されます。

相続の場合には名義変更が義務化されており、ペナルティーが発生するのはもとより、それ以外の理由であっても、売却や融資、後の相続などに支障が生じるため、できるだけ早く行ったほうがよいでしょう。

また、名義変更によって固定資産税の支払い義務が発生し、不動産の維持が負担になるケースも考えられます。そのような場合には、売却や当社の「おうちのリースバック」を利用し、不動産を流動資産に変えて活用する選択肢を検討してみてはどうでしょうか。

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