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最終更新⽇時

2025/11/05

訳あり物件を賢く売却する方法|買取業者の選び方と注意点

  • 不動産買取
記事まとめ
  • 訳あり物件は瑕疵がある不動産だが売却は可能であり、近所に知られにくい。
  • 契約不適合責任を免除できる「買取」を依頼することが売却時の一つの推奨される方法だ。
  • 業者選定では免許や行政処分歴を確認し、訳あり物件の取り扱い実績を重視すべきである。
記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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訳あり物件の売却に関する基本知識

訳あり物件を売却する際は、一般的な不動産とは異なる点があります。今回は、訳ありの不動産の売却にはどのようなケースがあるのか、訳あり物件を売却するための注意点などについて解説していきます。

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訳あり物件の種類とその特性

そもそも訳あり物件とはどのようなものを指すのかというと、瑕疵(かし)がある土地や建物のことをいいます。瑕疵とは、取引対象の不動産に存在する機能や品質の欠点や欠陥を指します。瑕疵には以下の4種類があります。

  • 心理的瑕疵
  • 物理的瑕疵
  • 法的瑕疵
  • 環境的瑕疵

それでは、これら4つの瑕疵についてそれぞれ説明していきます。

心理的瑕疵

心理的瑕疵とは、心理的に嫌悪感を抱かせてしまう事柄のことです。例えば、過去の自殺や他殺、事故死などが心理的瑕疵の代表例です。そのような、心理的瑕疵がある物件のことを一般的には「事故物件」といいます。

物理的瑕疵

物理的瑕疵とは、物理的な欠陥がある土地や建物のことを指します。物理的な欠陥には目に見えるものも含まれています。例えば、地盤沈下している土地や雨漏りのある建物、傾いている建物などが物理的瑕疵の例です。このような目で見てわかる物理的瑕疵はわかりやすいですが、中には一見するとわからない瑕疵もあります。例えば、地盤の歪み、地下の埋設物、土地の汚染、シロアリの被害、アスベストの使用などは、目で見るだけではわかりづらいです。このような物理的瑕疵を明らかにするためには、住宅診断を受けるとよいです。

  • 不動産ビギナーさん

    物理的な欠陥があると、後でトラブルになるのが怖いです。

  • 山口智暉

    売却前に建物状況調査(インスペクション)を行うと、買主への信頼性が高まりますよ。

法的瑕疵

法的瑕疵とは、建築基準法や都市計画法、消防法などの法律への違反や、不動産の利用に関して設けられている制限のことをいいます。例えば、再建築不可の物件や、建蔽率・容積率を超過している物件などが法的瑕疵の例です。

環境的瑕疵

環境的瑕疵とは、物件の周辺環境にある問題のことです。環境的瑕疵が不動産の広告には記載されないことが多いので、不動産を購入する際には見逃さないように気をつけなくてはなりません。環境的瑕疵の例として、近くに墓地や火葬場、葬儀場、暴力団事務所がある不動産や、騒音被害がある物件が挙げられます。

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訳あり物件は売却できるのか?

訳あり物件であっても売却は可能です。しかし、訳あり物件には買い手がつきにくいため、結果として高い価格では売れないことが多いです。また、どのような瑕疵なのかによってもいくらで売れるかは変わってきます。瑕疵を隠して売却することは、法的に禁止されています。しかし、瑕疵については、重要事項説明のときに買い手に対して告知しなくてはならないという義務があります。もし告知しなかった場合は損害賠償を請求され、高額な支払いを命じられることがあるので、必ず告知するようにしましょう。

  • 不動産ビギナーさん

    告知義務違反で損害賠償になるのが、一番避けたい事態ですね。

  • 山口智暉

    告知は正直に行い、過去のトラブル履歴も書面で残すことでリスクを減らせます。

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訳あり物件を売るときの注意点

訳あり物件の売却では、通常の不動産取引よりも注意すべき点が多くあります。
信頼できる業者を見極め、法令や契約内容を正しく理解することが、トラブルを防ぐ鍵です。ここでは、売却時に特に気をつけたいポイントを紹介します。

宅地建物取引業の免許の有無

訳あり物件を売却する際は、業者が宅地建物取引業の免許を持っていることを確認しましょう。宅地建物取引業の免許を持っていれば、その業者は信頼に足る業者だということがいえます。不動産を売買するにはこの免許が必要なのですが、中には無免許で不動産を売買している業者がいるのです。そのような悪徳業者は、一般的な取引では買い手がつきにくい、訳あり物件の売買に介入してくることがあります。悪徳業者のせいでトラブルに遭ったり、安く買い叩かれて損をしたりしないよう、必ずその業者が宅地建物取引業の免許を持っているか確認しましょう。そのためには、担当者の名刺を見たり、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(URL:https://etsuran.mlit.go.jp/TAKKEN/kensetuKensaku.do)」を検索したりすると確認できます。

信頼できる業者を選ぶ

業者選びの際は、訳あり物件の売買を行ったことがある業者を探しましょう。訳あり物件の売買には特別なノウハウが必要だからです。一般的な住宅やマンションであれば、過去の売買事例を参考に査定額を算出することができます。しかし、訳あり物件の場合は一概に価格をつけることが難しいです。適切な価格をつけなければスムーズに買い手を探すことはできません。そこで、過去の実績が必要となるのです。過去に訳あり物件を売買したことがある業者であれば、その経験から訳あり物件を売却することが可能でしょう。その業者が訳あり物件を取り扱ったことがあるかどうかは、ホームページやチラシを見ると確認できます。もし過去の実績が公開されていない場合は直接聞いてみるか、すぐに候補から外してしまうというのもありかもしれません。

買取を依頼する

不動産の売却方法には、買取と仲介という二つの方法があります。訳あり物件を売却する場合は、仲介ではなく買取がおすすめです。
第一の理由は、買取によって契約不適合責任を免除されることです。仲介では、一定期間内に不動産の欠陥が見つかった場合、売り手は買い手に対して責任を取らなければなりません。しかし、買取の場合はその責任を負う必要がないのです。
二つ目の理由は、買取では近所の人に知られずに売却することができるからです。仲介では、不動産を売るために売却活動を行います。売却活動とは、不動産の情報を広く一般の人が見られるように、インターネット上やチラシ広告に掲載します。それでは訳あり物件を売却するということが近所の人に知れ渡ってしまう可能性があります。訳あり物件の場合は特に、売却していることを近所の人に知られたくないという人も多いでしょう。その点、買取では訳あり物件の買い手は不動産業者となり、売却活動を通して買い手を募ることがないため安心です。

  • 不動産ビギナーさん

    仲介と違って、売却後に責任を負わないのは本当に助かりますね。

  • 山口智暉

    この契約不適合責任免除は瑕疵が多い物件には必須です。

地域に精通した業者を選ぶ

訳あり物件の売却を依頼する際は、その地域に精通している不動産業者を選びましょう。それは、地域の情報に詳しい業者の方がより高い価格で売却ができる可能性が高いからです。まず査定をして物件に価格をつける際には、その地域の交通アクセスなどについて熟知していれば、より実態に合った価格をつけることができます。さらに、その地域の相場を理解していれば、訳あり物件の価格調整がしやすくなります。そのため、地域の情報に詳しい業者の方がより確実に、より高い価格で売却できる可能性が高いのです。地域の情報に詳しい業者の探し方は、不動産業者を探すサイトなどで、対象の訳あり物件がある地域に絞って業者を検索するとよいでしょう。

過去の宅地建物取引業法違反を確認する

訳あり物件を売却する際には、必ず不動産業者が過去に行政処分を受けていないか確認しましょう。これは、訳あり物件のみならず、普通の戸建て住宅やマンションを売る場合にも確認した方がよいです。不動産を売買するためには、宅地建物取引業許可を取り、宅地建物取引業法に従って売買する必要があります。もし宅地建物取引業法に違反した場合、その業者は行政処分を受けることになります。過去の違反履歴は国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト(URL:https://www.mlit.go.jp/nega-inf/index.html)」に掲載されるので、確認してみましょう。過去に処分を受けた業者に依頼すると、売却が難航したり、トラブルに遭ったりする可能性があります。特に訳あり物件の売買は難しいため、悪質な業者が介入しやすくなっています。中には、訳あり物件は売れづらく、そもそもの相場が安いのをよいことに、さらに安い価格で買い叩こうとしてくる悪質な業者もいます。過去の宅地建物取引業法違反を調べることで、信頼できる不動産業者に依頼するようにしましょう。

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まとめ

今回は、訳ありの不動産を売却する場合にどのようなケースがあるのか、訳あり物件を売却するための注意点などを解説してきました。訳ありの不動産を売却するケースとしては、

  • 過去にその場所で自殺や他殺、事故死などの事件があった物件
  • 地盤沈下、土地の傾き、地盤の歪み、地下の埋設物、土地の汚染、アスベスト、雨漏り、シロアリの被害がある建物、
  • 再建築不可の物件、建蔽率を超過している物件、容積率を超過している物件
  • 周辺に墓地や火葬場、葬儀場、暴力団事務所がある不動産、線路や道路のせいで騒音被害がある不動産

といった不動産を売るケースなどが挙げられます。このような不動産を売却する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 宅地建物取引業の免許を持っている業者を選ぶ
  • 訳あり物件の取り扱い実績がある業者を選ぶ
  • 仲介ではなく買取を依頼する
  • その地域に精通している業者を選ぶ

【参照】 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム
(URL:https://etsuran.mlit.go.jp/TAKKEN/kensetuKensaku.do)

国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」
(URL:https://www.mlit.go.jp/nega-inf/index.html)

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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