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2025/12/23土地を売るときの注意点とは?失敗例から学ぶ売却前に必ず確認すべきポイントを解説
- 底地・借地

土地を売ろうと考えたとき、多くの人が「建物がない分、売却は簡単だろう」「不動産会社に任せれば問題なく進むはず」と考えがちです。
しかし実務の現場では、土地売却こそが最もトラブルになりやすい取引だと言われています。境界が曖昧なまま売り出してしまった、相続や共有の整理が終わっていなかった、古家や法的制限を軽視していた──こうした見落としが原因で、売却が止まったり、契約直前で白紙になったり、売却後に責任を問われるケースは少なくありません。
土地は、見た目だけではリスクが分かりにくい資産です。普段問題なく使えていても、第三者が関わる「売却」というタイミングで、初めて問題が表面化することが多いのが特徴です。この記事では、土地売却で実際によく起こる失敗例をもとに、なぜ土地売却は事故が起きやすいのか、どこで売却が止まりやすいのか、売る前に何を確認し、どう準備すればよいのか、を実務目線で分かりやすく解説します。売却を進めてから後悔しないために、今の段階で必ず押さえておくべき注意点を整理していきましょう。
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- 土地売却は価格より「売れる状態かどうか」の確認が重要
- 境界・相続・共有・古家はトラブルの原因になりやすい
- 準備と専門家選びで、失敗リスクは大きく下げられる
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
土地売却が「建物より難しい」と言われる理由
土地売却が難しくなる最大の理由は、土地には「使えるかどうか」という前提条件が常につきまとう点にあります。建物の場合、多少古くても「住めるかどうか」「リフォームできるかどうか」が判断基準になりますが、土地の場合は「そもそも何が建てられるのか」「法的に問題がないか」が最優先でチェックされます。
買主の立場に立つと、土地は「買った後に自由に使えなければ意味がない資産」です。そのため、境界が曖昧、面積が確定していない、再建築できない、相続関係が整理されていないといった要素が一つでもあると、「価格以前に買えない土地」になってしまいます。
売主側が「今まで問題なく使ってきたから大丈夫」と思っていても、その感覚は買主や金融機関には通用しません。土地売却では、主観ではなく、第三者が納得できる状態かどうかが問われるのです。
不動産ビギナーさん土地って、場所さえ良ければ売れると思っていました。
山口智暉境界や法的条件が整理されていないと、買主が不安に感じます。
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境界が原因で起こる土地売却トラブル
土地売却で最も多く、かつ深刻になりやすいのが境界トラブルです。境界とは、自分の土地と隣地の境目のことですが、この境界が「どこか分からない」「昔からこの辺りだと思っていた」という状態のまま放置されている土地は非常に多く存在します。
境界が未確定のまま売却を進めると、まず買主側が強い不安を感じます。住宅を建てる予定の買主であれば、「隣地と揉めたらどうするのか」「建物がはみ出さないか」「将来トラブルにならないか」といった点が気になり、購入を見送る判断をすることもあります。
また、境界問題は契約直前や引き渡し直前に発覚することが多い点も厄介です。売却活動が順調に進み、価格や条件も合意した段階で、「境界が確定していない」「隣地所有者が立ち会いに応じない」と分かり、すべてが白紙になるケースも珍しくありません。
特に注意が必要なのは、塀やフェンス、ブロック、植木などが「境界の代わり」になっている土地です。見た目上は明確に分かれているようでも、法的な境界と一致しているとは限りません。長年問題が起きていなかったとしても、売却という第三者が入る場面では、その曖昧さが一気にリスクになります。
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測量をしないまま売ることが招く事故
土地売却において、「測量をするかどうか」は非常に重要な判断ポイントです。しかし現実には、「測量には費用がかかる」「売れるか分からない段階でお金をかけたくない」という理由から、測量を後回しにしてしまう人が少なくありません。
測量をしないまま売却を進めると、まず影響を受けるのが買主の住宅ローン審査です。金融機関は、担保となる土地の面積や境界が明確でない場合、融資を出すことに慎重になります。その結果、買主が「ローンが通らない」という理由で契約を断念することもあります。
さらに、測量をしないまま引き渡した場合、後から境界の食い違いが判明し、売主が責任を問われるケースもあります。売却後に「実際の面積が違った」「越境していた」といった問題が発覚すると、損害賠償や補修費用を請求される可能性も否定できません。
測量は単なる手続きではなく、売主・買主双方を守るためのリスク回避策です。測量費用を惜しんだ結果、売却が長期化したり、価格を下げざるを得なくなったりすることを考えると、事前に行う価値は十分にあります。
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越境が発覚したときに起こる現実的な問題
土地売却の現場では、「越境」が原因で話が止まるケースも多く見られます。越境とは、塀や建物の一部、樹木の枝や根などが、隣地にはみ出している状態を指します。
売主自身が越境に気づいていないことも多く、測量や買主の調査によって初めて判明するケースが少なくありません。問題は、越境が発覚した場合、売主が何らかの対応を求められる点です。
たとえば、売却前に越境部分を撤去する、覚書を交わす、将来是正することを約束するなど、状況に応じた対応が必要になります。しかし、隣地所有者が協力的でない場合、話し合いが難航し、売却自体が進まなくなることもあります。
越境問題は、「小さな問題だから後で何とかなる」と軽視されがちですが、第三者が関わる売却の場面では、非常に大きなリスクになります。越境は事前に把握し、対応方針を決めておくべき典型的な事故要因です。
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相続した土地を売るときに必ず起きる壁
相続した土地を売却する場合、多くの人が最初につまずくのが名義と相続人の問題です。被相続人名義のままでは土地を売ることはできず、相続登記を完了させる必要があります。
しかし、相続人が複数いる場合、「誰が主導するのか」「売却に全員が同意しているか」「連絡が取れない相続人はいないか」といった問題が次々と浮上します。特に兄弟姉妹間で意見が割れると、売却は簡単に止まってしまいます。
実務では、「一部の相続人が売却に反対している」「相続人の一人と疎遠で話し合いができない」といった理由で、何年も土地が放置されるケースも珍しくありません。その間にも固定資産税や管理の負担は続き、結果的に誰も得をしない状況になります。
相続した土地を売る場合は、売却の可否以前に、相続関係を整理できているかどうかが最大の注意点になります。
不動産ビギナーさん相続した土地って、もっと簡単に売れると思っていました。
山口智暉相続土地は権利関係が複雑になりやすく売却以前に止まることもあります。
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共有名義の土地が売れなくなる典型パターン
共有名義の土地は、土地売却の中でも特にトラブルになりやすいパターンです。理由は明確で、共有者全員の同意がなければ売却できないからです。
共有状態のまま年月が経つと、「売りたい人」「持ち続けたい人」「どうでもいい人」といった温度差が生まれ、話し合いが進まなくなります。さらに、共有者の一人が亡くなり、相続が発生すると、権利関係はさらに複雑になります。
このような状態になると、売却を進めるには、共有者間での合意形成だけでなく、持分整理や買取、分割といった選択肢も検討する必要があります。共有名義の土地は、放置するほど解決が難しくなる典型例と言えるでしょう。
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古家付き土地で起こりやすい「判断ミス」という事故
土地売却において、古家付き土地は非常に事故が起きやすい分野です。多くの人が最初に悩むのが、「解体して更地にするべきか」「建物を残したまま売るべきか」という判断ですが、この判断を誤ると、売却価格・スピード・責任範囲のすべてで不利になります。
よくある誤解が、「更地にすれば必ず高く売れる」という考えです。確かに、新築を建てたい買主にとっては更地の方が分かりやすく、印象も良くなります。しかし、解体費用は決して安くありません。地域や建物の構造によっては、100万円を超えることも珍しくなく、その費用をかけても価格に反映されないケースは多々あります。
一方で、古家を残したまま売却する場合には、契約不適合責任のリスクが一気に高まります。雨漏り、シロアリ、基礎の劣化、傾きなど、売主自身が把握していない不具合が、引き渡し後に発覚する可能性があるからです。「土地として売ったつもりだった」「建物はおまけのつもりだった」という言い分は、法的には通用しないことがあります。
重要なのは、「更地か古家付きか」を感覚や一般論で決めるのではなく、その土地を買うのは誰か、どんな使われ方が想定されるかを前提に判断することです。事故を避けるという観点では、「売った後に責任を問われない形」を優先する視点が欠かせません。
不動産ビギナーさん古い建物があると、売った後が怖いですね。
山口智暉はい。売却条件や契約内容の整理が非常に重要になります。
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解体する・しないで起こる現実的なトラブル
解体判断を誤ると、売却がスムーズに進まないだけでなく、金銭的にも大きなロスが生じます。例えば、先に解体してしまったものの、想定していた買主層が現れず、結果的に長期間売れ残るケースがあります。更地にすると固定資産税が上がることもあり、売却が長引くほど負担が増える可能性もあります。
逆に、解体せずに売り出した結果、買主から「解体費用を差し引いてほしい」「契約不適合責任を免責してほしい」といった条件交渉を強く求められるケースもあります。このとき、売主側が十分に準備していないと、価格面でも条件面でも不利な立場に立たされます。
事故を避けるためには、解体費用の見積もりを事前に取得し、「解体した場合」「しない場合」の両方の売却シナリオを用意することが重要です。どちらか一択で進めるのではなく、状況に応じて切り替えられる余地を残すことが、リスク管理につながります。
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法的制限を見落とすと売却が止まる理由
土地売却で見落とされがちですが、非常に重要なのが法的制限の確認です。用途地域、建ぺい率・容積率、接道義務、再建築の可否などは、買主の利用計画に直結するため、売却可否を左右します。
特に再建築不可の土地は注意が必要です。売主自身が「昔は建物が建っていたから大丈夫」と思い込んでいても、現行法では再建築できないケースがあります。この事実を売却後に知った買主から、「聞いていなかった」と責任を追及されることもあります。
法的制限は、売主の主観や経験では判断できません。自治体への確認や専門家の調査によって、第三者が見ても明確な状態にしておくことが、事故回避の基本になります。
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売却後に揉めやすい「契約不適合責任」の落とし穴
土地売却における事故で、精神的・金銭的ダメージが大きいのが、売却後のトラブルです。その中心になるのが、契約不適合責任です。
契約不適合責任とは、「契約内容と実際の物件が異なる場合に、売主が責任を負う」という考え方です。土地の場合、境界問題、越境、地中埋設物、法的制限などが対象になることがあります。
特に注意すべきなのは、「知らなかった」という理由では免責されないケースがある点です。売主が把握していなかったとしても、通常調査すれば分かるはずだった事項については、責任を問われる可能性があります。
事故を避けるためには、分かっていることは正直に開示し、分からないことは分からないと明記すること、そして契約書の内容を慎重に整えることが不可欠です。
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不動産会社選びで事故が起きるケース
土地売却の成否は、不動産会社選びによって大きく左右されます。事故が起きやすいのは、「査定額が高い」「話が早い」といった理由だけで依頼先を決めてしまうケースです。
土地には、境界・測量・法的制限・相続といった複雑な問題が絡むため、それらを事前に洗い出し、リスクとして説明できる会社でなければ危険です。売主にとって耳の痛い話を避け、「とりあえず売り出しましょう」と進める会社ほど、後からトラブルになる可能性があります。
事故回避という観点では、「この土地のリスクは何か」「売るために何を整理すべきか」を最初に説明してくれる会社を選ぶことが重要です。
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土地を売る前に必ず行うべき最終チェック
ここまで解説してきた事故要因を踏まえると、土地売却で最も重要なのは、売却活動に入る前の準備です。境界、測量、相続、共有、古家、法的制限、契約条件。これらを後回しにすると、必ずどこかで問題が噴き出します。
「売りながら考える」という姿勢は、土地売却では非常に危険です。第三者が関わる以上、問題は必ず精査されます。事前に把握し、対応方針を決めておくことが、最大の事故防止策になります。
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まとめ
土地を売るときの最大の注意点は、「売却の途中で問題が出る」のではなく、「問題は最初から存在している」という前提で考えることです。境界、測量、相続、共有、古家、法的制限、契約不適合責任。これらはすべて、放置すれば必ず事故につながる要素です。
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「売れるかどうか分からない」「何から手を付ければいいか分からない」という段階でも構いませんので、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
