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2025/12/23借地権の契約年数は何年以上?種類別に期間・特徴・更新・解約まで徹底解説
- 底地・借地

土地を自分で所有する所有権と異なり、「土地を借りて利用する権利」である借地権には、当然借りられる期限、つまり契約年数が存在します。
借地権の契約年数は「〇年」とひとくちで説明できるものではなく、種類や条件によってさまざまです。借地契約は数十年単位で続くもののため、相続や売買などで自分が保有する借地権の契約年数がよく分かっていない方も多くいるでしょう。
そこで本記事では、借地権の種類についての説明と併せ、それぞれの存続期間や更新・終了を中心に解説します。
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- 借地権の契約年数は旧法・新法や建物構造、更新回数で異なる
- 普通借地権は更新可能だが、定期借地権は原則更新がない
- 契約の種類に応じた存続期間や更新・終了条件の把握が不可欠だ
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
借地権の存続年数は何年?【一覧表】

まずは、借地権の存続年数を旧法借地権、新法借地権(普通借地権・定期借地権)併せて一覧表
で見てみましょう。
| 借地権の種類 | 建物構造・用途 | 初回存続期間 | 更新後の期間 | |
| 旧法借地権 | 堅固建物 (鉄筋・鉄骨コンクリートなど) |
期間の定めあり | 30年以上 | 30年以上 |
| 期間の定めなし | 60年 | 30年 | ||
| 旧法借地権 | 非堅固建物 (木造など) |
期間の定めあり | 20年以上 | 20年以上 |
| 期間の定めなし | 30年 | 20年 | ||
| 普通借地権 | 用途制限なし | 期間の定めあり | 30年以上 | 1回目:20年以上 2回目以降:10年以上 |
| 期間の定めなし | 30年 | 1回目:20年 2回目以降:10年 |
||
| 一般定期借地権 | 用途制限なし | – | 50年以上 | 更新なし |
| 事業用定期借地権 | 事業用建物のみ | – | 10年以上50年未満 | 更新なし |
| 建物譲渡特約付 定期借地権 |
用途制限なし | – | 30年以上 | 更新なし |
借地権の存続年数は、主に以下の要素で変わります。
- 旧法借地権(旧借地法)か新法借地権(借地借家法)か
- 旧法借地権:建物の構造は何か
- 新法借地権:普通借地権か定期借地権か
- 契約は初回か更新か
- 期間の定めがあるか
また、表のなかで「○○年以上」とあるように、存続期間は地主・借地人の合意によって法定存続期間よりも長い期間を定めることが可能です。
それぞれの内容については、後の項目で詳しく見ていきましょう。
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旧法借地権の存続年数と特徴

旧法借地権は、1921年に制定された「借地法」に基づいて設定された借地権です。それ以前は、借地契約に民法が適用されていたため、借地人の権利が弱く、家を手放さなければならないこともありました。そうした背景から、「借地人を強く保護する」ことを目的として制定されたのが借地法です。
この点を踏まえて、まずは旧法借地権の特徴と契約年数について確認していきましょう。
旧法借地権の特徴
旧法借地権における、新法借地権との大きな違いは、「地主が更新を拒否しにくい」という点です。
旧法借地権でも新法借地権でも、契約更新を地主側から拒否するためには正当事由が必要とされます。ただし、借地人の権利保護を目的として制定された借地法では、地主側の正当事由が認められにくい設計となっています。そのため、借地人にとっては「借地でありながら、実質的に土地を半永久的に利用できる」ことが大きな特徴です。
そのほかにも、後述する「建物の構造によって法定存続期間(契約年数)が異なる」点や、「建物が朽廃(きゅうはい=修繕しても人が住めないくらい老朽化していること)したら借地権が消滅する」といった点も、旧法借地権ならではの特徴です。
旧法借地権(旧借地法)の契約年数
先に、1992(平成4年)7月31日より前に結ばれた借地契約に適用される「旧借地法」に基づく「旧法借地権」の契約年数について見てみましょう。
旧借地権の契約年数は建物の構造によって異なり、契約で建物の種類を定めなかった場合には非堅固建物であるとみなします。
| 建物の種類 | 契約で期間の定めがある場合 |
| 堅固建物 (石造、土造、煉瓦造、コンクリート造、ブロック造など) |
30年以上 (30年未満の定めは無効で60年となる) |
| 非堅固建物 (木造など) |
20年以上 (20年未満の定めは無効で30年となる) |
またそれぞれ、契約で期間の定めがない場合の契約年数は堅固建物が60年、非堅固建物は30年です。借地契約では合意がなくとも借地上の建物を借地権者が使用している場合には契約が更新されたとして扱われる「法定更新」の規定があるため、その場合などが「期間の定めがない場合」にあたります。
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普通借地権(新法)の存続年数と特徴

新法借地権は、1992年8月より施行された「借地借家法」に基づいた借地契約で設定された借地権です。借地法に基づく旧法借地権では、借地人の権利が強く保護された一方で、土地を取り返すのが困難となった地主にとっては、土地を貸しにくい状況が生まれていました。
そうした課題に対応し、借地人と地主の権利バランスを整えて借地流通を促進する目的で制定されたのが、借地借家法です。旧法借地権との違いを踏まえたうえで、新法借地権について見ていきましょう。
普通借地権(新法)の特徴
新法借地権では、借地権は「更新のあるタイプ」と「更新のないタイプ」の2種類に分かれます。旧法借地権と同様に更新が可能な「普通借地権」は、旧法と区別するために「新法借地権」などとも呼ばれています。
普通借地権では、基本的な内容は旧法借地権と大きくは変わりません。ただし、地主が土地を取り戻しやすくなるように、更新を拒否する際の要件である「正当事由」が明確にされたほか、「借地人への立ち退き料の支払い」が加えられた点が、大きな特徴といえます。
(参考: 『e-Gov法令検索 借地借家法第6条』)
また、旧法と異なり、建物の構造にかかわらず法定存続期間(契約年数)は同一となっています。
普通借地権(新法)の契約年数
普通借地権の契約年数は更新回数によって変わります。旧借地権と異なり、建物の構造による契約年数の違いはありません。
| 契約段階 | 契約年数 |
| 初回契約 | 30年以上 |
| 1回目の更新 | 20年以上 |
| 2回目以降の更新 | 10年以上 |
また、期間の定めがない場合は30年となり、法定期間より短い契約年数を定めた場合には無効として、それぞれの法定期間が適用されます。
普通借地権・旧借地権ともに、「○年以上」と定められているように、当事者間で合意があれば法定期間よりも長い契約期間を設定することも可能です。そのため、契約年数はあくまで目安であり、それ以上の契約年数が設定されている可能性もある点には留意しておきましょう。
不動産ビギナーさん旧法は建物の構造で期間が決まり、新法は更新回数で期間が決まるという違いがあるのですね。
山口智暉法律の施行時期によってルールが異なります。ご自身の契約がどちらの法律に基づくものか、契約日を起点に確認しましょう。
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定期借地権(新法)の存続年数と特徴

旧法借地権から新法借地権に変わったことによる最大の違いは、「定期借地権」が創設された点です。更新のない定期借地権制度の導入により、地主は安心して土地活用を進められるようになり、同時に、低コストで事業用地を求める事業者にとっても大きなメリットとなりました。
定期借地権には、用途に応じていくつかの種類があり、契約年数もそれぞれ異なります。ここでは、定期借地権の特徴と契約年数について解説します。
定期借地権(新法)の特徴
借地借家法により新たに設けられた定期借地権の大きな特徴は、「更新がなく終了する」という点です。契約が更新されないため、建物譲渡特約付借地権を除いては、契約終了後に建物を解体し、土地を更地にして返還しなければなりません。
また、定期借地権は、借地上に建てられる建物の用途や契約満了時における建物の取り扱いにより、以下の3種類に分類されます。
| 一般定期借地権 | 以下の3つの特約をして公正証書などの書面で契約する必要がある ・契約更新をしない ・存続期間の延長をしない ・建物の買取請求をしない |
| 事業用定期借地権 | 事業用の建物限定(居住用不可)、以下の3つの特約をして公正証書などの書面で契約する必要がある ・契約更新をしない ・存続期間の延長をしない ・建物の買取請求をしない |
| 建物譲渡特約付借地権 | 契約満了時に建物を地主に相当の対価で譲渡する特約が付いた借地権、口頭契約も可能 借地権消滅後、借主からの請求があれば建物の賃貸借が可能 |
(参考: 『国土交通省 定期借地権の解説』)
定期借地権(新法)の契約年数
定期借地権は、「一般定期借地権」「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」の3種類に分かれており、それぞれの契約年数は以下の通りです。
| 種類 | 説明 | 契約年数 |
| 一般定期借地権 | 用途制限なし 住宅・事業どちらでも利用可能 |
50年以上 |
| 事業用定期借地権 | 事業用途のみ(居住用不可) コンビニ、店舗、工場など |
10年以上50年未満 |
| 建物譲渡特約付借地権 | 契約満了時に地主が建物を買い取る特約付き | 30年以上 |
また、定期借地権は「定期」とあるように、更新がない点が契約の大きな特徴です。ただし、旧借地権や普通借地権と同様に、当事者同士の合意があれば法定年数を超える契約を結ぶことも可能です。
ただし、いずれの定期借地権でも契約期間を明確に定める必要があるため、「期間に定めのない契約」が存在しない点は、普通借地権と大きく異なる特徴といえるでしょう。
不動産ビギナーさん定期借地権は、期間が来たら必ず更地にして返さなければならない厳しい契約なのですね。
山口智暉地主が土地を確実に返却してもらえる安心感がある分、借地人は安価に土地を借りられます。更新がないため出口戦略が重要です。
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存続年数満了後に借地権を更新する方法

自分が保有する、あるいは保有を考えている借地権契約の契約年数を踏まえて、契約終了後に更新したいと考えている方もいるでしょう。借地権の更新は借地権者の権利を保護する重要な手続きであり、法律によってさまざまな更新方法が認められています。
ここでは、借地権契約の更新方法について解説します。
旧借地権・普通借地権の更新
旧借地権・普通借地権(新法)の更新には、「合意更新」「法定更新」「更新請求による更新」の3つの方法があります。
「合意更新」は、地主と借地権者が双方合意して進める最も一般的な方法であり、更新料や更新後の地代について協議の上で決定します。
「法定更新」は、更新手続きを忘れていたり合意に至らなかったりした場合でも、借地上に建物があり、借地権者が土地の使用を継続している場合には「更新の意思がある」とみなされ、自動的に契約が更新される仕組みです。この場合、法定更新された契約は従前の契約と同一の条件で継続されます。
「更新請求による更新」は、借地権者から地主に対して更新を請求する方法であり、借地上に建物が存在し、地主に正当な事由がなければ、地主は更新を拒否できません。契約は従前と同じ条件で更新されます。
いずれの更新方法においても、旧借地法または借地借家法によって借地権者の権利が保護されている点が特徴です。
定期借地権の更新
定期借地権は、その名の通り契約期間満了後に確定的に終了し、原則として更新はできません。
ただし、「存続期間満了において、当事者の合意の上で一定期間の延長をすることができる」などの条項をあらかじめ契約に盛り込むことは可能です。この場合は更新ではなく「延長」として扱われ、法定期間の範囲内であれば期間の変更が認められています。
また、契約期間満了後に、全く新しい借地契約として再契約するという選択肢もあります。しかし、地主が契約終了後に土地を売却したり、自己使用を前提として定期借地権を設定しているケースもあるため、交渉がスムーズにまとまるとは限りません。
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借地権の終了方法

借地契約の維持には地代や更新料の支払い、管理費用などのコストがかかります。そのため借地契約を保有、あるいは相続予定の方のなかには利用予定がないなどの理由から借地契約を更新せずに終了させたい方もいるでしょう。
次に、借地契約の終了と解約について解説します。
旧借地権・普通借地権の解約
旧借地権・普通借地権(新法)の解約には、以下のようにいくつかのパターンがあります。
| 解約の種類 | 条件 | 予告期間 |
| 合意解約 | 地主と借地権者双方の合意 | – |
| 中途解約(特約あり) | 契約書に中途解約特約がある場合 | 特約で定められた期間 (未定の場合は1年以上) |
| 建物滅失後の解約(新法のみ) | 契約更新後に建物が滅失した場合 | 3か月以上 (初回契約時は不可、更新後の場合のみ解約申入れ可能) |
| 期間の定めのない借地契約の解約 | 借地権者からの申入れ | 1年以上 (予告期間は当事者の合意で短縮可能) |
基本的に、特約がない場合は、地主だけでなく借地権者からも契約期間中に一方的に借地契約を解約することはできません。その際は、承諾料の支払いなどを通じて、合意解約の交渉を行う必要があります。
また、たとえ特約があったとしても、借地権者保護の観点から、地主側からの中途解約はできないとされています。地主が借地契約を終了させるには、「正当事由」と「更新拒絶の通知」により、「契約更新をしない」という形をとる必要があります。
定期借地権の解約
定期借地権は、契約期間満了時に確定的に終了することが特徴であり、原則として中途解約はできません。
ただし、自然災害による建物滅失や、事業用定期借地権における経営不振などの場合には、契約時に特約を設けておけば、中途解約が認められることもあります。この場合、解約時期・違約金・建物の取り扱いなど、解約条件をあらかじめ明確に定めておく必要があります。
また、地主と借地権者の双方が合意すれば、「合意解約」として契約期間中でも解約が可能です。さらに、契約時に中途解約の特約を設けておくことで、借地権者からの解約が認められますが、地主側からの中途解約特約は、借地権者保護の観点から無効とされています。
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借地権の契約年数に関するQ&A

借地権の契約年数は契約の締結時期や借地権の種類、更新回数などさまざまな条件によって異なります。その上、合意によっても変わる場合があるため、一般的な説明であてはまらないケースもあるでしょう。
そこで最後に、ここまで解説した以外で借地権の契約年数に関して起こりそうな疑問についていくつか解説します。
Q1:借地権の年数が10年未満の契約は可能?
借地権の契約期間を法定の最低期間より短く設定することはできません。普通借地権の場合、10年未満どころか30年未満の契約期間を設定しても無効となり、自動的に30年間の契約期間として扱われます。事業用定期借地権でも、最低10年以上の契約期間が必要です。
Q2:相続した借地権の契約年数はどうなる?
相続した借地権は、元の契約内容がそのまま引き継がれます。契約期間や地代などの条件は変更されず、被相続人が結んでいた契約をそのまま承継することになります。
相続人は地主に相続の事実を通知する必要がありますが、原則として契約内容を変更する必要はありません。
Q3: 契約期間満了前に建物を取り壊したら借地権はどうなる?
旧法・新法を問わず、借地契約中に建物を取り壊した場合であっても、契約期間が残っていれば借地権は消滅しません。借地権とは「土地を借りる権利」であり、建物の有無とは直接的には関係がないためです。ただし、原則として建物を取り壊す際には地主の承諾が必要とされます。
なお、旧法借地権では「契約終了時に建物が存在しない場合」や、「取り壊しではなく建物が老朽化して住めない状態(朽廃)になった場合」には、借地権が消滅する点に注意が必要です。
Q4:契約書がなく借地権の契約年数が分からない場合にはどうしたらよい?
契約書が見つからず、借地の契約年数が不明な場合は、まず地主や不動産会社に確認を取ることが優先されます。
書類がない場合でも、登記事項証明書に記載された建物の新築年月日から、借地権の成立時期をある程度推測できます。また、住民票や戸籍に記載された居住開始日、通帳などの支払い記録を手がかりとする方法もあります。
ただし、これらはあくまでも推測に過ぎず、正確な契約年数を特定できるものではありません。可能であれば、収集できた情報をもとに地主と相談し、契約書を再作成することで将来的なトラブルを回避しやすくなります。
不動産ビギナーさん契約書を紛失していても、建物の登記簿から契約時期を推測することができるのですね。
山口智暉建物の新築年月日は有力な手がかりになります。判明した情報をもとに地主と合意書を作成しておけば、将来の相続や売却もスムーズです。
Q5:借地権更新時の更新料や地代の値上げ要求は正当?
地代や更新料の値上げは、現在の設定金額が不相当になった場合に認められます。借地期間は数十年と長期にわたるため、経済状況の変化により不相当になることは十分に考えられ、必ずしも不当とは限りません。
ただし、正当かどうかの判断は難しいため、交渉が難航しそうな場合は専門家に相談することをおすすめします。
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まとめ

借地権の契約年数は種類や条件によって複雑に変わるため、まず自分の契約がどのような状況にあるのか正確に把握することが重要です。更新や解約の方法も借地権の種類によって異なり、適切な手続きを踏まなければトラブルの原因となることもあります。
借地権に関するお悩みは専門的な知識が必要なケースが多いため、「おうちの相談室」では経験豊富な専門家が皆様の個別の状況に合わせたアドバイスを提供しています。借地権の更新時期が近づいている方や売却をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
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-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
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