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最終更新⽇時

2025/06/12

借地非訟とは?利用できるケースや手続きの流れ、必要な費用を解説!

  • 底地・借地

借地上の建物の建て替えや売却などを検討しても、地主から承諾を得られないことがあります。そのような際に役立つのが「借地非訟(しゃくちひしょう)」ですが、具体的にどのような制度なのかがよくわからない方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、借地非訟の概要や利用できるケース、手続きの流れ、メリット・デメリットを解説します。借地非訟を起こさずに地主とのトラブルを解決できる方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

借地非訟とはどのような制度?

判決を下す裁判官

借地非訟(しゃくちひしょう)とは、借地上の家を建て替えたり売却したりする際に地主の承諾が得られない場合、裁判所が地主に代わって許可を与える手続きのことです。

原則として、借地契約では地主の承諾がなければ、借地人は建物の増改築や建て替え、売却などを自由に行うことができません。そのような状況で裁判所に借地非訟を申し立てると、双方の事情を踏まえたうえで、裁判所が地主に代わって承諾を与えるかどうかを判断してくれます。地主からの承諾が得られないときに利用できる有効な手段といえるでしょう。

なお、非訟とは訴訟以外の裁判所による手続きを指します。訴訟では、公開された法廷で当事者がそれぞれの主張を述べ、裁判所が法律に基づいて「判決」を下します。

これに対し、非訟手続きは非公開が原則です。裁判所の判断も、法律上の権利義務を認定するものではなく、後見的な立場から関与して「決定」を下す点に特徴があります。

関連記事:借地権付き建物とは?メリットやデメリット、売却方法を解説!

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借地非訟手続きを利用できるケース

家の模型と建築図面

借地借家法が定める借地非訟の手続きには、計6種類あります。地主からの承諾を得られずに建て替えができないなどの事態に陥っているときに、裁判所に借地非訟の申し立てを行うのは選択肢のひとつです。

ここでは、借地非訟の手続きを利用できる6つのケースについて詳しく解説します。

借地条件の変更を求める

借地非訟では、地主が設定している借地条件の変更を申し立てることができます(借地借家法第17条第1項)。

地主と借地契約を交わすときには、一定の条件が設定されるケースが一般的です。具体的には「建物の構造は木造でなければならない」「建物の事業としての利用は禁止」などです。

たとえば、「建物の構造は木造」と規定されているケースにおいて、借地上に建っている木造2階建ての家を鉄骨造の建物に建て替えるときには、地主から借地条件の変更に関する同意を得る必要があります。しかし、必ずしも承諾してもらえるとは限りません。

そのようなときに裁判所へ借地非訟を申し立てると、地主に代わって借地条件の変更を認めてくれることがあります。

参考:『借地借家法第17条第1項|e-Gov法令検索』

借地権付き建物の増改築の許可を求める

借地非訟の手続きを行うと、借地上の家の増改築を地主に代わって裁判所が許可してくれることがあります(借地借家法第17条第2項)。

借地上に建つ建物をリフォームする際にも、地主の承諾がなければなりません。場合によっては、借地契約で増改築を制限する条件が付されていることもあります。

そのようなケースにおいて、土地の通常の利用として妥当であると裁判所が認めたら、地主の承諾がなくても借地上の建物を増改築できるようになります。具体的には、建物が老朽化していて耐震性を高める工事が必要などのケースです。

参考:『借地借家法第17条第2項|e-Gov法令検索』

借地権付き建物の建て替えを求める

借地契約の更新後、借地上の家の建て替えに際して地主が承諾しないときには、裁判所に許可を求めることができます(借地借家法第18条)。

借地契約は、原則として30年以上の長きにおよびます。しかし借地上の建物の老朽化が進んでいると、契約期間の途中で自然災害などによって倒壊する事態に陥りかねません。

このように、次の契約期間が訪れるまで残存する家へと建て替えるやむを得ない事情が借地人側にあるにもかかわらず、地主の承諾が得られないときに借地非訟の手続きを申し立てることが可能です。

参考:『借地借家法第18条|e-Gov法令検索』

借地権の売却・転貸への許可を求める

借地上の家の売却・転貸に際して地主の承諾が得られないときにも、裁判所に申し立てて許可を求めることができます(借地借家法第19条第1項)。

たとえば借地上の家を相続したものの、自分で使う予定がなければ売却や転貸して現金を手に入れたいと考えることがあるでしょう。しかし、地主にとっては面識のない第三者が自分の土地に住むことを意味するため、借地上の家の売却や転貸を断られてしまうケースは珍しくありません。

このような場合にも、借地非訟が有効な手段として機能します。

参考:『借地借家法第19条第1項|e-Gov法令検索』

競売・公売に伴う借地権譲渡の許可を求める

競売や公売で借地権付き建物を購入する方にも、借地非訟を起こすことが認められています。

競売や公売で借地権付き建物を購入する際にも地主の承諾が必要です。しかし地主の承諾が得られないと、購入者は借地権付き建物を利用できません。そのため、地主の承諾が得られないときには、借地権付き建物の購入者自ら裁判所に申し立てて許可を求められるようになっています(借地借家法第20条第1項)。

ただし、競売や公売で取得した借地権付き建物の代金を支払ってから2ヵ月以内に申し立てを行わなければならない点に注意が必要です。

参考:『借地借家法第20条第1項|e-Gov法令検索』

借地権付き建物の買取を求める

借地上の家の売却などによって借地人が変更する際、地主は介入権を裁判所に申し立てることで借地上の家を買い取れるようになります(借地借家法第19条第3項、第20条第2項)。借地人が別の第三者に変わることを避けたい地主にとっては、最善の選択肢といえるでしょう。

ただし、このケースにおいて借地上の買取価格は裁判所が決定するため、相場よりも高くなってしまう可能性がある点に注意が必要です。また、裁判所が設定する期間内に地主自ら申し立てる必要がある点も押さえておく必要があります。

参考:『借地借家法第19条第3項|e-Gov法令検索』

参考:『借地借家法第20条第1項|e-Gov法令検索』

関連記事:【借地借家法をわかりやすく解説】地主・借地人が知るべき権利と義務とは

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借地非訟手続き3つの流れ

申立書と裁判所の模型

借地非訟を裁判所に申し立てるには、3つの流れを経る必要があります。後述するように借地非訟の手続きには相当の期間がかかるため、スムーズに進めたいのなら事前に全体の流れを把握しておきましょう。

ここでは、借地非訟を裁判所へ申し立てる際に必要な3つの手続きについて解説します。

1.申立書を作成して裁判所に提出する

まずは申立書を作成し、以下書類とともに借地権付き建物のあるエリアを管轄する地方裁判所に提出します。

  • 資格証明書(申立人や相手方が法人であるとき)
  • 固定資産評価証明書
  • 現地の地図
  • 賃貸借契約書
  • 委任状(弁護士に依頼する場合)

申立書の書式は、裁判所のホームページからダウンロードできます。裁判所用の正本(1通)と、相手方用の副本(人数分)が必要となる点を押さえておきましょう。

なお、借地非訟の手続きは代理人に依頼して行うことも可能です。ただし、代理人になれるのは弁護士のみです。

参考:『第2 借地非訟事件手続の流れ|裁判所』

2.審問が行われる

申し立てが受理されると、通常1ヵ月~1ヵ月半後に第1回審問が行われることが多い傾向です。審問では、裁判官が借地人と地主の双方から意見を聴取します。審問は一度だけでなく、1ヵ月ごとに繰り返し行われるケースも少なくありません。

また、必要に応じて裁判所側から証拠書類などの提出を求められることもあります。

その後、弁護士と不動産鑑定士3名からなる鑑定委員会が組織され、現地調査を行ったうえで「許可を出すべきか」「許可を出すときの承諾料をいくらに設定するか」などの意見書を作成して裁判官に提出します。

なお、この間、当事者同士の話し合いによって問題が解決できれば、和解が成立して借地非訟は終了となります。

3.裁判所の決定が下される

裁判所は当事者の意見と鑑定委員会による意見書を基に決定を下します。なお、鑑定委員会の意見書に疑問点などがあるときには、審問期日前までに書面で提出する必要があります。

もし決定に納得がいかない場合は、2週間以内に即時抗告の申立書を提出し、それが認められると舞台は高等裁判所へ移って抗告審が行われる流れです。それでも決定に納得がいかないときには、最高裁判所に対して特別抗告を行うことも可能です。

また、申立人は相手方の同意を得ることなくいつでも申し立てを取り下げることもできます。その際は、審問期日に口頭で伝えても問題ありませんが、取下書を作成して提出する形が一般的です。

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借地非訟のメリット:トラブルを公正に解決できる

借地非訟を申し立てる最大のメリットは、地主との間に生じたトラブルを裁判所の中立的な立場で解決へと導ける点にあります。

たとえば、借地権付き建物の建て替えや売却の際に地主の承諾が得られない場合でも、裁判所が事情を踏まえて判断してくれるため、感情的な対立を避けつつ、問題を円滑に処理できる可能性があります。借地権を実質的に活用できるようになる点も、大きな利点といえるでしょう。

また、必要に応じて裁判所の判断を補助するために、不動産鑑定士などによる意見書が作成されることもあります。このような専門的な意見をもとに、当事者同士が話し合って解決に至るケースも見られます。できるだけ早い段階で和解できれば、手続きの期間を短縮でき、負担やコストの軽減にもつながります。

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借地非訟のデメリット:期間と費用がかかる

一方で、借地非訟には相応の期間がかかるというデメリットもあります。一般的に、手続きが完了するまでには半年から1年以上を要することもあるため、早期の解決を望む場合には注意が必要です。

また、借地非訟は無料ではなく、一定の費用が発生します。まず申立ての際には、裁判所に対して手数料を納める必要があります。この手数料は、借地権の経済的価値をもとに算出され、評価の目安としては借地に設定された土地の固定資産税評価額のおおよそ1/2程度が参考にされることがあります。たとえば、評価額が2,000万円の場合には、1万円程度の手数料が必要となるケースが一般的です。

さらに、手続きを弁護士に依頼する際には別途報酬がかかります。報酬額は依頼先によって異なりますが、数十万円以上になることも珍しくありません。後で想定外の費用を請求されて慌てないためにも、依頼前に金額の確認をしておくことが重要です。

参考:『手数料|裁判所』

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借地非訟を起こさずに地主とのトラブルを解決する方法

ここまで解説してきたように、借地非訟には地主とのトラブルを公正に解決できるという利点がある一方で、期間や費用がかかるというデメリットもあります。そのため、なるべく時間やお金をかけずに問題を解決したい方にとっては、最適な方法とはいえないかもしれません。

借地非訟を利用せずに解決を図りたい場合は、借地権に詳しい不動産会社に相談し、借地権付き建物の売却を検討する方法もあります。

前述のように、借地権付き建物を売却するには地主の承諾が必要です。ただし、借地権の取り扱いに慣れた不動産会社であれば、地主との交渉に関するノウハウや実績を持っていることが多く、承諾を得られる可能性を高めることができます。交渉の窓口を任せることで、借地人自身の手間を軽減できる点が依頼するメリットです。

借地権付き建物を売却する不動産会社を選ぶときには、借地権の取り扱い実績が豊富か、弁護士と提携しているかなどをチェックするとよいでしょう。

関連記事:不動産買取業者の選び方完全ガイド!失敗しないポイントとは

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まとめ

笑顔を浮かべるミドル夫婦。

借地非訟とは、地主に代わって裁判所が借地権付き建物の建て替えや売却などに関する許可を出してくれる制度です。公正な観点から地主とのトラブルを解決できるだけでなく、借地権付き建物を有効に活用できるようになるメリットがあります。

しかし、裁判所の決定が下されるまでに半年~1年以上の期間がかかるほか、相応の費用が発生する点はデメリットといわざるを得ません。そのため、費用や手間をかけずに借地権付き建物を売却したいのなら、借地権の取り扱い実績が豊富な専門の不動産会社に相談しましょう。

弊社リアルエステートは借地権に精通した不動産会社であり、これまでにさまざまなトラブルを解決に導いてきました。地主から売却の承諾を得られないなどのお悩みを抱えている方は、ぜひ一度「おうちの相談室」をご活用ください。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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