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最終更新⽇時

2026/04/21

底地権とは?借地権との関係と扱い方のポイントをわかりやすく解説

  • 底地・借地

薄い緑の背景に置かれた庭と車庫付き一戸建ての3Dイラスト

借地権と対の概念となる「底地権」ですが、所有権よりも独特な権利構造を持つため、正しい理解が欠かせません。双方の違いや関係性を知ることが、トラブル防止や資産活用の第一歩となります。

本記事では、底地権の基本から借地権との違い、評価や扱いのポイントについて、「権利」を主軸においてわかりやすく解説します。記事を読み、底地権の売却・購入・相続など将来どうするかを検討するヒントとしてお役立てください。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

底地権とは?

土地を模した土台に立つ一戸建ての模型を観察する虫眼鏡

底地権は借地権ありきの権利であり、耳慣れない方も多いのではないでしょうか。まずは、基本となる「底地権」の定義や関連する権利との違い、底地権が持つ権利と義務について見ていきましょう。

底地権=貸している土地の所有権のこと

土地を購入すると、通常はその土地を自由に使ったり、売ったりできる「所有権」が手に入ります。

多くの人は、住宅や駐車場、倉庫など自分で使用する目的で土地を購入しますが、その土地を「建物を建てる目的」で第三者に貸し出し、地代収入を得るという活用方法もあります。このように、借地権を設定して土地を貸している場合に、地主が持ち続ける「制約付きの所有権」のことを「底地権」と呼びます。

ただし、同じ土地の貸し借りでも、駐車場や看板の設置場所として貸す場合は「建物の所有」が目的ではないため、借地権は成立しません。その結果、地主の権利も底地権とは呼ばれません。

関連記事:底地・借地・貸地について初心者向けに違いを解説

底地権・借地権・所有権それぞれの違い

底地権を理解する鍵は、「所有権」という一つの権利が、土地を貸し出すことで「地主の権利」と「借主の権利」の二つに分かれるイメージを持つことです。

  • 所有権(完全な状態)
    一つの土地に関するすべての権利(利用する、貸す、売る)が一つにまとまった状態の権利です。
  • 底地権(地主側の権利)
    土地の所有者としての権利です。借地人に土地の利用を許可しているため、自分で自由に使うことはできません。地代を受け取ったり、その土地(底地)を売却したりする権利があります。立場としては「制約付きの所有者」といえます。
  • 借地権(借主側の権利)
    地主から土地を借り、その上に建物を建てて利用できる権利です。土地の所有者ではないため、地主の許可なく土地を売ったり、建物を自由に建て替えたりすることはできません。立場としては「限定的な利用者」となります。

このように、底地権と借地権は、一枚のコインの裏表のような関係にあり、この二つが合わさることで、本来の「所有権」と同じ価値を持つことになります。

底地権が持つ権利と義務とは

底地権者は、地主の権利として借地人から毎月「地代」を受け取れます。また契約によっては、借地契約の更新時に「更新料」を、建物の変更や第三者への譲渡に対する承諾の対価として「承諾料」を受け取れることもあります。また、借地人がいても底地権そのものを第三者に売ることも可能です。

ただし、底地権者は借地人がいる間は土地を自由に使ったり建物を建てたりすることはできません。また、土地の所有者として固定資産税などの税金を支払う義務もあります。

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「どの借地権か」で底地権の扱いが決まる

底地権に関わる「借地権」には大きく3種類に分かれ、それぞれ地主(底地権者)と借地人の権利関係に違いがあります。

「旧法借地権」は1992年7月31日以前に契約された借地権です。借地人の権利が非常に強く、契約が半永久的に更新され借地契約の解消が難しいのが特徴です。

一方、1992年8月以降に締結された借地契約は、現行の借地借家法に基づいた「普通借地権」または「定期借地権」のいずれかです。

「普通借地権」は更新が可能な借地権ですが、地主が正当な理由を示せば更新を拒否できるため、旧法借地権より地主側の権利も守られています。また、「定期借地権」は更新がないタイプの借地権であり、期間満了で必ず契約が終了するため地主は将来的に土地を確実に取り戻すことが可能です。

設定されている借地権の種類によって、底地権者が土地を自由にできる度合いや売却・相続時の対応が大きく異なるため、契約内容を確認しておきましょう。

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底地権の対抗要件には「借地権のような特別な登記」」は不要

対抗要件とは、土地や建物などの権利を「自分のものだ」と第三者に主張し、認めさせるために必要な法律上の条件のことです。例えば借地人の場合に、地主が土地を売却したとき新しい所有者に対しても「この土地を使う権利がある」と言えるかどうかは、対抗要件を備えているかどうかで決まります。

借地権(借地人の権利)の場合、当事者間だけでなく第三者にも「この土地を使う権利がある」と主張するためには対抗要件が必要です。借地権が対抗要件を得る手段は、「借地権の登記」あるいは「借地上の建物の借地人名義での登記」の2つです。

一方、底地権は借地権が設定されているとはいえ土地の所有権そのものであるため、借地権のように建物の登記など特別な対抗要件を備える必要はありません。

ただし、不動産の所有権については、民法第177条の規定により、第三者に対して権利を主張するためには登記が必要です。そのため底地権者も、所有権の登記を行っておくことが、法的にも実務的にも重要です。

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底地権の価格はどのように評価される?

人工芝の上に置かれた2軒の住宅模型と電卓

底地権の価格は、土地の売買や相続を考える上で大きなポイントとなります。ここでは、底地権の価値がどのように決まるのかの基本的な考え方について解説します。

底地権割合とは?

底地権の価格を決める際には、単純に土地全体の価値をそのまま用いることはできません。底地には借地人の権利(借地権)が設定されているため、地主が自由に土地を利用できず、その分だけ価値が制限されるからです。

そのため評価を行う際には、「底地権割合」という指標が用いられます。底地権割合とは、土地全体の価値を100%としたとき、地主が持つ底地部分の価値を示す割合のことです。例えば借地権割合が70%であれば、底地権割合は残りの30%になります。

借地権割合は国税庁が地域ごとに定めており、住宅地では60~70%程度が一般的とされています従って、底地権割合は概ね30~40%程度と見込まれます。底地権の価格は、更地価格に底地権割合を掛けて算出され、相続税評価や売買時の参考価格として活用されます。

底地権価格の算出方法

底地権の価格を求めるには、まず「更地価格」を計算します。更地価格は、国税庁が公表する「路線価」(その土地の1㎡あたりの評価額)に土地の面積を掛けて算出するのが一般的です。次に、その土地に適用される「借地権割合」を確認します。借地権割合は、路線価とともにA~Gの記号で表示されています。

底地権価格は、原則として「更地価格×(1-借地権割合)」で求めます。

【計算例】
路線価:10万円×土地面積:100㎡=更地価格:1,000万円
借地権割合:C(70%)の場合
底地権価格=1,000万円×(1-0.7)=300万円

(参考: 『国税庁 財産評価基準書 路線価図・評価倍率表』

なお、路線価は市場で実際に取引される価格(実勢価格)の約8割を目安に設定されています。そこで、底地の実勢価格を見積もるには、評価額を0.8で割り戻すという方法が一般的です。例えば評価額が300万円であれば、300万円÷0.8=375万円が底地権価格の目安になります。

ただし、底地は自由に利用できないなどの事情があるため、実際の売却価格はこの目安よりも低くなることも少なくありません。

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底地権をどう扱う?選択肢と判断のポイント

それぞれ「PLAN A」「PLAN B」「PLAN C」と書かれた3枚のカードと赤いペン

底地権について、「購入するべきか」「このまま保有しておくべきか売却するべきか」「相続はどうすればいいのか」など、判断に迷っている方もいるのではないでしょうか。

それぞれの選択肢にはメリットも注意点もあるため、自分の状況や目的に合わせて総合的に判断する必要があります。

最後に、底地権に対する選択肢とそれぞれの判断ポイントについて解説します。

底地権を購入(底地投資)したい場合

底地の購入や借地権の設定による底地投資の最大の魅力は、借地人から定期的に地代収入を得られる点にあります。建物賃貸借と比べて維持管理にかかる費用が非常に少なく、想定外の出費が発生しにくいため、安定した収益を期待できます。

一方で、底地投資の利回りは一般に2~4%程度とされており、他の資産運用手法と比べて高い水準とは言えません。また、底地投資では借地人との関係維持に加え、地代や更新条件など契約内容の管理が重要です。将来のトラブルを避けるためにも、必要に応じて専門家の助言を活用するとよいでしょう。

さらに検討すべきなのが、第三者や借地人への売却といった出口戦略です。借地人への売却が難しい場合や、売却価格が想定より低くなる可能性もあるため、どのような方法で資金を回収するか、あらかじめ十分に検討しておくことが重要です。

関連記事:底地に投資しようとしている皆様へ!利回りと収益方法を知ろう!

底地権を売却したい場合

底地権を売却したい場合、最も有効な選択肢は借地人への売却です。借地人にとっても、底地権と借地権を併せて所有することで土地の完全な所有者となるメリットがあるため、売主にとっては高値で売却しやすい傾向があります。

ただし、借地人との交渉が必要になるため、借地人に土地を取得する意思がない場合や資金の用意が難しい場合など、必ずしも順調に進むとは限りません。

借地人への売却が難しい場合は、第三者や底地専門の不動産会社への売却を検討する方法もあります。ただし、借地人と異なり土地の利用に制約を受けるため、売却価格は大きく下がる可能性がある点に注意が必要です。

また、底地のまま売却する以外に、借地人が持つ借地権と地主が持つ底地権を等価で交換し、その土地を所有権として売却する方法もあります。売却の可能性が高まる一方で、借地人にも売却の意思がある場合に限られる点は押さえておきましょう。

どの方法を選ぶか迷うときは、不動産や税務の専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

関連記事:底地の取引について知ろう!取引価格や計算方法についても説明していきます!

底地権を保有し続ける場合

底地権を保有し続ける場合、売却の手間がかからず、地代による安定収入を得られる点が大きな利点です。ただし裏を返せば、それ以上の大きな収益は見込みにくいともいえます。地代を引き上げるには、土地価格や税負担の変動といった「正当な理由」が必要とされ、借地人の同意が得られない場合には調停や訴訟に発展する可能性もあるため、増額は容易ではありません。

また、建物の賃貸借に比べて管理の手間は少ないものの、借地人による地代の滞納や契約更新時の条件交渉、無断での建て替えや譲渡といったトラブルが発生するリスクもあります。特に長期にわたる借地契約では、借地人や地主の世代交代に伴い、契約内容の確認や関係の再構築が必要になる場面も出てくるでしょう。

こうした管理上の手間やリスク、固定資産税の負担などを考慮し、将来的な売却や権利関係の整理も選択肢として検討しておくことが大切です。

関連記事:土地を長期保有する利点とは?底地人・借地人双方の視点で解説!

底地権を相続する場合

契約内容をよく理解しないまま底地権を相続してしまうと、のちに地代の滞納や契約内容と実態の不一致、また双方の認識のずれによってトラブルが生じるリスクがあります。そのため、底地権を相続する際は、借地人との契約内容や地代の支払い状況、契約書の有無などを事前に確認しておくことが大切です。

また、底地は一般の土地と異なり、借地人が存在するため自由に利用できず、売却先も限られます。このため現金化しにくい資産であり、実際の売却価格が相続税評価額を大きく下回ることも少なくありません。結果として、納税資金が不足するケースもあります。

さらに、相続人が複数いる場合には、分割や管理方針をめぐって親族間でもめるおそれもあります。

こうした事態を避けるためにも、必要に応じて専門家に相談しながら、相続前の段階から売却を含めた活用方法を検討しておくことが、納税や遺産分割の負担軽減につながり、将来のトラブル防止にも役立ちます。

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まとめ

緑の背景に置かれる複数の住宅を模した木片と中央のメモ、赤鉛筆

底地権は「所有権」でありながら、借地権という制約が付いた特殊な権利です。地主と借地人の権利が重なり合うため、複雑な権利関係や法的な制約についての理解が必要です。

底地権をどうするか考えるときは、収益や売却、相続のしやすさなど、さまざまなポイントを踏まえて自分に合った方法を選択しましょう。底地権の管理や活用、売却・相続などでお悩みの場合は、リアルエステートの「おうちの相談室」までお気軽にご相談ください。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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