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最終更新⽇時

2025/11/05

高齢者でも安心!リースバックの年齢制限と注意点を解説

  • リースバック
記事まとめ
  • リースバックに原則年齢制限はないが、業者独自の規定がある可能性がある
  • 高齢者が住み慣れた家で老後資金を得る手段として有効性が高いと言える。
  • トラブル増加を受け、高齢者の契約前には家族への相談や専門機関への確認が推奨される。
記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

人生のさまざまなライフイベントにおいて、資金が必要となることがあります。その際、融資を受けようとしても、年齢制限により金融機関から断られることがあります。高齢になると資金が必要となる一方で、資金調達が難しくなります。
そのため、リースバックを利用する人が増加しています。みなさんはリースバックという言葉を聞いたことがありますか。リースバックは、持ち家を活用して資金を調達する方法の一つです。リースバックの利用は特に高齢者の間で増加しています。しかし、リースバックには年齢制限があるのでしょうか。今回はリースバックの年齢制限について説明していきます。

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リースバックとは

リースバックは、さまざまな理由で急にまとまった資金が必要になったときに利用します。簡単に言えば、持ち家を売却することで、その売却代金を手に入れる仕組みです。
まず、不動産会社に資産を売却します。この資産には戸建てやマンションなど、さまざまな物件が含まれます。利用者は、不動産会社から売却代金を受け取ります。利用者はこの資金をどのような目的にも使用することができます。
次に、不動産会社は購入した物件を利用者に対して賃貸として貸し出します。利用者は毎月家賃を支払うことで、これまで通りの家に住むことができます。つまり、一度売却した家をその後も賃貸として利用し続けることができます。この、転居をせずに済むという点が、一般的な売却とは異なるリースバックの特徴となっています。

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リースバックに年齢制限はあるのか?

それでは、多くの資金調達方法に年齢制限があるように、リースバックも年齢制限があるのでしょうか。実は、リースバックには特に年齢の制限はありません。唯一の年齢制限は、成人以上であることです。成人していなくても保護者の同意があればリースバックをすることはできますが、未成年が持ち家をリースバックする事例はあまりありません。
しかし、成人以上であってもリースバックを利用できない場合があります。それは、判断能力がない場合です。たとえば、非常に高齢で判断能力が衰えていると判断される場合、リースバックの利用が断られることがあります。それは、よくわからないうちに契約をしてしまい、後から解約をしようとしても断られるといったトラブルにつながってしまうからです。そのため判断能力に欠けている人はリースバックを利用することができません。
つまり、成人で意思判断ができる人であれば、誰でもリースバックを利用できます。そのため、リースバックはさまざまな人に利用されているのです。

多くの場合、リースバックに年齢制限はありませんが、条件は不動産業者によって異なります。利用する際には依頼しようとしている不動産業者に確認してみる必要があります。

  • 不動産ビギナーさん

    年齢制限はほぼないのですね。何歳まで利用できるのでしょうか?

  • 山口智暉

    年齢の上限はありませんが、賃貸借契約の期間や更新条件は確認しましょう。

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高齢者におすすめのリースバックのメリット

実際、リースバックは高齢者にとって多くのメリットがあります。実際にリースバックは高齢者による利用数が増加しています。高齢者がリースバックを利用する際には、

  • 老後の生活費が足りないが、長年住んだ、愛着のある家から引っ越したくない
  • 老後は少し贅沢な暮らしを送りたい
  • 定年退職をしてから、年金頼りで生活が不安定である
  • 早めに相続対策や資産の整理をしたい
  • 子どもたちに財産を平等に残したい
  • 通院する機会が増え、医療費の負担が大きい

といった理由での利用が多いです。

それでは、高齢者にリースバックをおすすめできる理由を説明していきます。

同じ家に住み続けることができる

家を売却した後、同じ場所に住み続けられることは高齢者にとって大きなメリットです。
リースバックは、家を売却した後も賃貸契約を結ぶことで同じ家に住み続けられる仕組みです。一方、家を売却してしまうと、同じ家に住み続けることはできません。一度売却した家は市場に出され、第三者の買い手がつく可能性があります。そうすると、手元に戻すことは難しいのです。そのため、売却後も同じ家に住み続けることができるというのはリースバックの大きな特徴だといえます。
引っ越しをしなくて済むことは、金銭的にも体力的にも大変な負担を軽減します。せっかく築いた地域の人たちとの関係も手放さなくてはならなくなってしまいます。
しかしリースバックであれば引っ越す必要はないので、そのような問題が起こることはありません。

まとまった資金を調達できる

リースバックを利用すると資金を調達できます。リースバックは年齢や収入に制限がないため、誰でも利用可能です。また、リースバックは売却活動であり、借金ではないので、気軽に利用することができます。
老後にはさまざまな場面で資金が必要になります。例えば、歳をとると病気にかかることや、怪我をする機会が増えてしまいます。急に入院したり、手術をしたりすることがあれば、資金が必要になります。また、長く同じ家に住み続けていると、家のあちこちが壊れてくることでしょう。そうなれば、修理やリフォームを検討するかもしれません。自分の世話をすることが難しい年齢になったら、老人ホームに入るかもしれません。もしくは、介護を頼むことになるかもしれません。このように、老後にはさまざまな点で資金が必要になります。なんと老後には最低でも2,000万円がかかるといわれているのです。その額を年金で賄うのは困難であるし、高齢になってからは高い収入は見込めません。そこで、リースバックをすれば、家を売却することでまとまったお金が手に入るのです。資金の使い道に制限はなく、医療費や生活費に自由に使うことができます。

  • 不動産ビギナーさん

    借金ではないから気軽に使えるというのは、安心感がありますね。

  • 山口智暉

    売却代金の金額は、家賃設定や買主のリスクを反映して決まる点に注意が必要です。

遺産の整理が容易になる

リースバックは、相続問題を解決する手段となります。家を資産として所有している場合、相続問題が発生することがあります。例えば、子供が複数人いる場合、どのように家を相続すれば平等でしょうか。家の形で所有していると、平等に分与することは難しくなってしまいます。そこでリースバックをして家を現金化してしまいます。現金化することで簡単に分割でき、平等に相続できるため、トラブルの心配が少なくなります。さらに、家を売却した後も本人はその家に住み続けることができるのです。このように、リースバックをすると、資産の相続がかんたんに行えるようになるというメリットがあります。

高齢者向けのサポートが充実している

リースバック業者の中には、高齢者向けのサービスを提供するところもあります。例えば、定期的に電話で安否を確認したり、不動産に関する高齢者の疑問に答えてくれたり、セキュリティを安全にしてくれたりといったサービスがあります。これらのサービスにより、高齢者も安心してリースバックを利用できます。

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高齢者が直面するリースバックのトラブル

リースバックは高齢者におすすめの仕組みである一方、高齢者のトラブルも多く報告されています。全国の消費生活センターには、高齢者によるリースバックに関する相談がたくさん寄せられています。特に70歳以上の高齢者による相談が増加しており、2020年度には相談件数の約半数が70歳以上の人によるものでした。 その相談内容には、

  • 強引に勧誘された
  • 嘘の説明をされたが信じて契約してしまった
  • しつこい勧誘を受けてつい契約してしまった
  • 断っても断っても勧誘してくる
  • 契約時には説明されなかった多額の金額を後から請求をされた
  • 解約を申し出たら違約金を請求された
  • 高齢の親が知らないうちに契約をしていて解約させたい
  • 名前不動産ビギナーさん

    契約後にトラブルが起きた場合、クーリング・オフはできないんですか?

  • 山口智暉

    クーリング・オフは適用外になるので、家族と一緒に契約書や重要事項説明を吟味しましょう。

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トラブルを回避するためのポイント

このようなトラブルに遭わないように、リースバックをする際には事前によく調べるようにしましょう。リースバックにはメリットばかりではなくデメリットもあります。その両方を理解した上で契約を結ぶようにします。よくわからないままで契約を結んでしまってはいけません。それは、一度自宅を不動産業者に売却してしまうと、どのような理由があってもクーリング・オフはできないからです。どんなにしつこい契約であっても、納得できない点があるうちは断るようにしましょう。高齢者の方は特に、リースバックをする際には一度その旨を家族に相談してみると安心です。

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トラブルに遭った場合の対処法

もし、リースバックに関してトラブルに遭ってしまったら、消費生活センターに連絡してみましょう。また、トラブルに遭う前でも、何か疑問に思うことがあれば、相談することができます。相談は無料で、平日、祝日を問わず対応してもらうことができます。消費生活センターの連絡先は

【消費生活センターの連絡先】
消費者ホットライン:電話番号 188 国民生活センター:電話番号 03-3446−1623(平日10時~12時、13時~16時)

です。電話をすると、専門の担当者が過去の相談に基づいて的確なアドバイスをしてくれます。リースバックに関して何か困ったことがあったら、積極的に利用してみましょう。

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まとめ

リースバックを利用するには年齢制限はありません。成人以上で、判断能力のある人であれば誰でも利用することができます。特に高齢者の方にはメリットが多く、おすすめできる仕組みとなっています。しかしリースバックは最近広まりつつある仕組みで、未だガイドラインも完成していないため(2022年2月現在)、トラブルの事例も多く報告されています。被害に遭わないようにするために、リースバックを利用する際には自分でも十分に調べてから行うようにしましょう。



【参照】 独立行政法人「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210624_1.pdf

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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