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最終更新⽇時

2026/09/02

定期借家とは?普通借家との違いやメリット・デメリット、再契約の注意点を解説

  • リースバック

「定期借家」という言葉を聞いたことはあっても、普通借家との違いや具体的な仕組みまで把握している方は少ないのではないでしょうか。契約期間の満了で終了することや、更新がないことなど、借主にとって不安に感じる点も多いはずです。

この記事では、定期借家の基本から普通借家との違い、メリット・デメリット、さらにリースバックとの関係まで丁寧に解説します。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

定期借家とは

机の上に置かれた建物賃貸借契約書

定期借家は、普通借家とは異なる独自のルールを持つ賃貸借契約です。「いつ契約が終わるか」があらかじめ決まっている点が大きな特徴ですが、その仕組みを正確に把握していないと、思わぬトラブルに発展するケースもあります。

まずは定期借家の基本的な概念と、よく混同される「更新」と「再契約」の違いから確認していきましょう。

定期借家は契約期間の満了で終了する賃貸借契約

定期借家とは、契約で定めた期間が満了した時点で、更新されることなく確定的に終了する賃貸借契約です。

普通借家では、正当な事由がない限り貸主側から更新を拒絶できないため、一度貸し出すと長期にわたって返却を求めにくい側面があります。定期借家はその点が大きく異なり、あらかじめ「いつ終わるか」が明確になっています。

借地借家法上、定期借家の契約期間に下限は設けられておらず、1年未満の短期契約も設定できます。この柔軟な期間設定が、一時的な転勤や単身赴任など、さまざまなライフステージに対応できる理由の一つです。

ただし、期間が満了した後も住み続けたい場合は、自動的に契約が続くわけではありません。

定期借家の「更新」と「再契約」の違い

普通借家では、正当な事由がなければ貸主が更新を拒めないため、期間が過ぎても賃貸関係が継続するのが一般的です。

これに対して定期借家は、契約で定めた期間が満了した時点で、賃貸借関係が確定的に終了します。自動的に住み続けられる仕組みはなく、引き続き居住を希望する場合は、まったく新しい契約として再契約を結ぶ必要があります。

「更新」は既存の契約をそのまま延長するイメージですが、「再契約」は一度契約が終了したうえで、改めて締結する別の契約です。つまり、貸主・借主双方が合意しなければ、再契約は成立しません。

この点を把握していないと、「当然住み続けられる」と思い込んだまま退去を求められるトラブルにもつながりかねません。

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定期借家と普通借家の違い

契約書にサインする人物と担当者の手元

定期借家と普通借家の違いは、「更新の有無」だけにとどまりません。契約期間の設定ルールや賃料改定の扱いなど、借主・貸主双方に関わる点で複数の違いがあります。把握できていないまま契約を結ぶと、思わぬトラブルに直結するケースも少なくありません。

以下では、項目ごとに具体的な違いを順番に確認していきましょう。

契約期間・更新・契約終了の違い

普通借家では、貸主が更新を拒絶したり解約を申し入れたりするには、正当事由が必要とされています。つまり、貸主側の都合だけで契約を終わらせることは、原則として認められません。

一方、定期借家では、あらかじめ定めた期間が満了した時点で確定的に契約が終了します。正当事由の有無は問われず、「期間満了」という事実が契約終了の根拠となります。

契約期間についても両者に違いがあります。普通借家では1年未満の期間を定めると期間の定めのない契約とみなされますが、定期借家ではそのような制限がなく、1年未満の期間設定も有効です。

貸主・借主の力関係で見ると、普通借家は借主保護が手厚い分、貸主が将来の計画を立てにくい面があります。定期借家はこの点が異なり、終了時期が明確なため、貸主にとっての予測可能性が高まります。終了通知の具体的なルールは次の章で確認します。

賃料増減請求・賃料改定の違い

賃料の改定ルールにも、両者には重要な違いがあります。

普通借家では、借地借家法第32条に基づく賃料増減請求権が適用され、経済状況や近隣相場の変動を理由に、貸主・借主どちらからも賃料の変更を求められます。

定期借家の場合も、原則としてこの規定は適用されます。ただし、定期借家では、賃料の改定に関する特約を契約書に盛り込んでいる場合に限り、借地借家法第32条を適用しない特則が設けられています。

つまり、定期借家であれば一律に賃料増減請求権がなくなるわけではなく、特約の有無と内容によって、実際の賃料改定の扱いが変わる点に注意が必要です。

定期借家と普通借家を比較表で整理

ここまで説明してきた内容を、一覧で把握しやすいよう整理しました。

比較項目 定期借家 普通借家
契約期間 制限なし(1年未満も可) 1年未満は「期間の定めなし」とみなされる
更新 なし(期間満了で確定終了) 正当事由がなければ貸主は更新を拒絶できない
再契約 双方の合意があれば可能(新規契約として締結) 該当なし(更新で継続)
1年未満の契約 有効 期間の定めのない契約として扱われる
契約終了 期間満了により確定終了 貸主による更新拒絶・解約申入れには正当事由が必要
終了通知 期間が1年以上の場合、満了の1年前〜6か月前までに通知が必要 期間の定めがある場合、更新しない旨の通知が必要貸主の更新拒絶には正当事由も必要
中途解約(借主) 居住用・床面積200㎡未満の場合、やむを得ない事情があれば1か月前の申入れで可(特約による拡張も可) 契約期間や特約による。期間の定めがある場合、中途解約特約がなければ原則として期間途中の解約はできない
賃料改定 原則として借地借家法第32条が適用されるが、改定に関する特約がある場合は同条の適用が除外される 借地借家法第32条に基づく増減請求が可能

関連記事:リースバックの定期借家契約とは?普通借家契約との違いと再契約の注意点

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定期借家契約のメリット・デメリット

住宅模型を挟んで握手する不動産契約の場面

定期借家契約は、借主・貸主の双方にとってメリットとデメリットが存在します。居住期間の見通しが立てやすいといった利点がある一方、契約終了時の扱いや解約ルールなど、事前に把握しておかなければトラブルになりやすい点も少なくありません。

以下では、それぞれの立場から順に見ていきます。

借主にとってのメリット

定期借家契約における借主側のメリットは、主に「居住期間の見通しが立てやすい」点にあります。

契約開始時点から終了時期が明確に決まっているため、引越しや転職、ライフステージの変化に合わせた生活設計がしやすくなります。たとえば「3年後に家族構成が変わる予定がある」「一定期間だけ特定のエリアに住みたい」といった事情がある場合、あらかじめ期間が確定している定期借家は、計画的に住まいを選ぶ手段として機能します。

また、国土交通省も、定期借家はライフスタイルに応じた多様な住宅選択肢の提供につながると位置づけています。普通借家では実現しにくい形で賃貸に出される物件が市場に加わることで、借主にとっての選択肢が広がることも期待されています。

住む期間をあらかじめ決められる契約形態は、特定の目的・期間に絞って住まいを探す方にとって、合理的な選択となる場合があります。

借主にとってのデメリット・注意点

一方で、定期借家契約には、借主として把握しておくべきリスクがあります。

最も重要な点は、契約期間が満了しても、自動的に住み続けられる保証はないということです。普通借家のように契約が更新されるのではなく、再び住むためには新たな「再契約」が必要であり、貸主・借主双方の合意がなければ成立しません。

また、再契約は従来の契約とは別の新しい契約となるため、賃料や契約期間などの条件が変更される可能性もあります。「これまでと同じ条件で住み続けられる」と思い込んでいると、思わぬ負担増につながりかねません。

中途解約についても、原則として借主から自由に解約できるわけではなく、一定の要件を満たす場合に限られます。具体的な要件は後述しますが、「急に事情が変わっても解約できない」ケースがある点は、契約前に十分に理解しておく必要があります。

貸主にとってのメリット・デメリット

貸主にとって、定期借家契約の大きな利点は「いつ物件を取り戻せるか」が明確になる点です。将来的に自己使用を予定している場合や、一定期間だけ賃貸に出したい場合、期間満了で確実に契約が終了するため、賃貸経営の計画が立てやすくなります。

一方で、定期借家契約には、契約締結時の事前説明や契約終了時の通知など、普通借家とは異なるルールがあります。必要な手続きを適切に行わなければ、定期借家としての効力や期間満了による終了に影響する場合があるため注意が必要です。具体的な手続きは次の章で解説します。

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定期借家契約の締結から終了までのルール

賃貸物件の解約通知書
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定期借家契約には、普通借家にはない独自の手続きや通知ルールが、締結時から終了後にわたって複数定められています。一つの手順を誤るだけで、契約が有効に成立しなかったり、思わぬトラブルに発展するケースもあります。

ここでは、契約を正しく運用するうえで押さえておきたいルールを、段階ごとに確認していきます。

定期借家契約の締結に必要な契約と事前説明

定期借家契約を有効に成立させるには、いくつかの法的要件を満たす必要があります。

具体的には、契約期間を定めたうえで、公正証書などの書面または電磁的記録によって契約を締結する必要があります。

また、貸主は契約締結前に、「契約の更新がなく、期間満了によって賃貸借が終了する」旨を記載した契約書とは別の書面を借主に交付して説明しなければなりません。借主の承諾を得た場合は、書面の交付に代えて電磁的方法で提供することも可能です。

仲介業者による通常の重要事項説明だけでは、この事前説明に代えることはできません。ただし、仲介業者が貸主の代理人として事前説明を行うことは可能です。

必要な要件を満たしていない場合、定期借家としての効力に影響することがあるため、締結時には手順を正しく確認することが重要です。

契約終了時の通知義務

定期借家では、契約期間が1年以上の場合、貸主に終了通知の義務が生じます。
通知を行う時期は、期間満了の1年前から6か月前までの間と定められており、この期間内に借主へ通知を届ける必要があります。

なぜこの通知が重要かというと、借主が退去の準備や新しい住まい探しをするための猶予を確保するためです。万が一、通知が定められた期間を過ぎてしまった場合、貸主は通知日から6か月間は契約終了を借主に対抗できないルールが適用されます。

一方、契約期間が1年未満の場合は、この終了通知自体が不要です。貸主にとって、通知義務の有無は契約期間によって変わるため、契約内容に応じた対応が求められます。

定期借家契約を中途解約できる条件

借主から定期借家契約を中途解約できる法定要件は、限定的な条件のもとに定められています。

居住用で床面積が200平方メートル未満の建物に限り、転勤・療養・親族の介護その他やむを得ない事情により、建物を生活の本拠として使用することが困難になった場合に、1か月前の申入れによって解約が認められます。

「急に転勤が決まったのに解約できない」という事態を防ぐための規定ですが、対象はあくまで上記の条件を満たす場合です。

ただし、契約上で借主に有利な中途解約の特約を設けることは可能です。たとえば「やむを得ない事情以外でも解約を申し入れられる」旨の特約は、借主に不利益をもたらさないため有効とされています。その場合、法定要件に該当すれば1か月前の申入れが引き続き適用される点も押さえておきたいところです。

契約満了後に再契約して住み続ける場合

定期借家の期間が満了した後も同じ物件に住み続けるには、貸主・借主の双方が合意したうえで再契約を締結する必要があります。

この再契約は、従来の契約を引き継ぐ「更新」とは根本的に異なります。一度契約が終了したうえで、あらためて別の契約として結び直すものであり、契約期間や賃料などの条件も、再契約時にあらためて定めることになります。

つまり、これまでと同じ条件で住み続けられる保証はなく、貸主が再契約に応じなければ、期間満了をもって退去が必要です。「当然に住み続けられる」と思い込んでいると、思わぬトラブルになりかねません。

長期居住を想定している場合は、契約締結前に貸主へ再契約の方針を確認しておくことが重要です。合わせて、再契約の可否や条件が特約として契約書に明記されているかどうかも、必ず確かめておきましょう。

関連記事:リースバックは何年住める?賃貸契約期間と再契約の注意点を解説

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リースバックで定期借家契約を結ぶ場合のポイント

住宅模型と不動産売買契約書と印鑑

自宅を売却しながら住み続けられるリースバックでは、売却後に結ぶ賃貸借契約に定期借家が用いられるケースが少なくありません。しかし、契約の仕組みを十分に理解しないまま進めると、想定外の退去リスクや生活設計の乱れにつながることもあります。

ここでは、リースバックと定期借家の関係から、契約前に確認すべきポイント、活用が向いている状況まで順に解説します。

リースバックでは売却後に賃貸借契約を結んで住み続ける

リースバックとは、所有している自宅を売却して資金を受け取りながら、買主と賃貸借契約を結ぶことで、引き続き同じ家に住み続けられる仕組みです。

売却によって老後資金や急な出費に対応しつつ、慣れ親しんだ住環境を手放さずに済む点が、多くの方に注目されている理由といえます。

ただし、リースバックで結ぶ賃貸借契約が、必ずしも定期借家になるわけではありません。普通借家契約が用いられるケースもあり、どちらの形態で契約するかによって、住み続けられる期間や退去リスクが大きく異なります。

契約締結前に、定期借家・普通借家のいずれが適用されるかを必ず確認することが重要です。

契約期間・再契約・家賃・売却価格を確認する

定期借家によるリースバックを検討する際は、売却価格だけに目を向けず、契約全体を通じた条件を確認することが大切です。

まず押さえたいのは、契約期間が何年間に設定されているかという点です。定期借家では2〜3年の期間が設定されることが多く、満了時に再契約できるかどうかは貸主との合意次第になります。

そのため、再契約が可能かどうか、またその条件があらかじめ取り決められているかを事前に確認しておく必要があります。口頭での説明にとどまらず、契約書や特約として明記されているかを確かめることが重要です。

合わせて確認したいのが、売却後に毎月支払う家賃の水準です。家賃の算定根拠は物件の条件や地域の相場によって異なるため、一律の目安で判断するのは難しく、個別に内容を精査する姿勢が求められます。

売却価格が高くても、その後の家賃負担が重ければ生活設計に支障をきたしかねません。
価格・家賃・契約期間の三点をセットで比較・検討することが、納得のいく選択につながります。

リースバックが選択肢になるケース

リースバックが選択肢となるのは、次のようなケースです。

年金だけでは将来の生活費が不安な場合や、住宅ローンの返済負担を軽減したい場合、急な医療費や事業資金などでまとまった資金が必要な場合などが挙げられます。ただし、住宅ローン残高や不動産の評価額によっては、リースバックを利用できないことがあります。

自宅を売却しながら同じ場所に住み続けられる点が、こうした場面で注目される理由になっています。

ただし、リースバックは誰にとっても最適な方法とは言い切れません。売却後は毎月の家賃支払いが生じるため、長期的な収支のバランスが崩れる可能性もあります。

将来の収入見通しや、その家に何年住み続けたいかを踏まえたうえで、慎重に判断することが大切です。

関連記事:リースバックのメリット・デメリットとは?仕組みや家に住みながら資金を確保する方法を解説

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「おうちの再生リースバック」は、自宅を売却した後も賃貸借契約を締結し、同じ家に住み続けられるサービスです。北海道から沖縄まで全国47都道府県の不動産に対応しており、Webでも相談できます。

また、市街化調整区域内の物件や再建築不可物件、権利関係が複雑な物件など、一般的に売却や買取が難しいとされる物件についても、積極的に買取を検討しています。通常の不動産会社では対応が難しい物件を所有している場合も、リアルエステートへご相談ください。

売却後の家賃については、周辺相場や希望条件を踏まえながら、将来のライフプランに合わせた無理のない金額をご提案しています。目先の資金確保だけでなく、売却後の生活まで見据えて検討できる点も特徴です。

物件の状況によって対応可否は異なるため、自宅に住み続けながら資金化したい場合は、まずは無料相談・査定で現在の状況をお聞かせください。

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まとめ

自宅のリビングでくつろぐシニア夫婦

定期借家は、契約期間が満了すると更新されずに終了する賃貸借契約です。普通借家のような更新はなく、住み続けたい場合は貸主との合意のもとで再契約が必要になります。中途解約の条件や終了通知のルールなど、普通借家とは異なる点が多いため、契約前にしっかり内容を確認することが大切です。

また、リースバックを利用する際は、売却後の賃貸借契約が定期借家か普通借家かによって、居住できる期間や再契約の可否が大きく変わります。老後資金の確保や住宅ローンの返済整理など、自宅に住み続けながら資金化を検討している方には、リースバックは有力な選択肢のひとつです。

「おうちの再生リースバック」では、市街化調整区域や再建築不可物件など、一般的に売却が難しい物件でも対応を検討しており、個々の状況に合わせた提案を行っています。まずは無料査定からご相談いただけます。

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