リースバックは建物のみでも可能?一戸建ての場合を詳しく解説

今回の記事は、以下のような方にお勧めです。

  • 一戸建てでリースバックを考えている方
  • リースバックを検討中の方
  • 一戸建ての購入を検討している方

建物維持にかかる費用

所有する物件が一戸建ての場合、修繕費用や税金、維持費は全て自分負担となります。

ルンルンでマイホームを手に入れたものの、外部環境の変化やケガや病気、景気の悪化、様々な理由により”維持費”の支払いが苦しくなってしまう状況に陥る可能性もあります。

特にまだ所有前で購入を検討されている方は、実際に一戸建ての維持費がどのくらい必要なのかをしっかり理解できていない方も少なくないと思います。

以下では、建物を所有していく中でかかる費用がどのくらいなのか詳しく説明していきます。

まず、物件を所有していれば必ずかかってくる費用が固定資産税です。

固定資産税とは、土地や建物を所有している場合に課せられる税金ですので、毎年1回、または4回に分割して支払わなければなりません。

例えば、建物が1000万円の場合、固定資産税はいくらになるのか?

建物の固定資産税の計算方法は基本的に、【固定資産税評価額×税率(基本的に1.4%)】となります。

固定資産税評価額は公示価格の70%です。(固定資産税評価額とは各自治体が定めている土地、建物を評価した金額を言います。物件の場所やエリア、形状、大小、建物の材質によって異なってきます。)

固定資産税評価額を算出したら、評価額に1.4%をかけると固定資産税の金額が出ます。

例えば、公示価格が1,000万円の場合は、固定資産税評価額が700万円となります。

固定資産税は9.8万円です。

よって、所有している物件が高くなれば高くなるほど必然的に固定資産税も高くなります。

また、一戸建ての維持費は年間で約40万円かかると言われています。

そうなると年間39.3万円、30年住めば約1180万円かかります。

あと基本的にかかってくる費用の代表的なものだと修繕費です。

築年数が経つと修繕費用がかかってきます。

一戸建ての修繕費は約600~800万と言われています。もちろん、その物件の所有期間にもよります。新築の場合は数年の間、修繕費用は発生しないパターンが多いです。

大体の戸建てが築10年を過ぎた辺りから修繕費用が必要になってくると言われています。

修繕費の中で一番金額の比重が大きくなるのは外壁塗装です。

キッチン、トイレやお風呂など水回りのリフォームもしかり、フローリングや床の張替えなどが必要となるケースも出てきます。

戸建ての場合は一回の修繕がかなり大きな出費となる可能性が高いです。

最後に覚えておいてほしいのが保険費用です。

万が一、何か起きた場合、地震や火災など、天災により被害を受けた場合に備えて、保険に加入しておくことが必要です。

例えば、火事に遭った場合は家が全焼して住めなくなってしまうケースもあります。

自分の家が出火元ではなく、隣の家が火事になり自分の家に火が燃え移ってしまった場合でも、出火元となる家に明確な過失がなければ損害賠償は請求できません。

ですので、一戸建てを所有するなら必要な費用だと頭に置いて頂きたいです。

加入する保険の種類によって保険料は多少前後しますが5年で約15~20万円は必要となります。

一戸建ての維持費は年間平均39万円、マンションの場合は73万円と言われています。

30年住むとして双方の金額を計算してみると、一戸建てよりも1,000万円以上マンションの維持費が高くなります。

ですがマンションの場合は、管理費や修繕積立費を月々支払っていくのが基本ですので、管理会社が基本的に管理してくれます。一戸建てに比べると手間も省けて安全性も高いというメリットもあります。

とにかく維持費用を抑えたい!といった方には一戸建ての方が経済的な負担は小さく済むということになります。

一戸建てのデメリット

実際、一戸建てを購入検討している方も、何となく【一戸建てはリスクがすごくありそう】と思っている方、そういったイメージを持っている方は多いと思います。

一戸建ては、マンションに比べると資産価値が下がりやすく、立地があまりよくないといった点でデメリットが多いと言われていることも事実です。

以下では、戸建てのデメリットについて解説します。

長い人生の中で、結婚したり離婚したり、出産や転勤、転職など様々な理由によりライフスタイルが変化することも考えられます。

一戸建てのデメリットの1つ目としては、そういった場合のライフスタイルの変化に

柔軟に対応することが難しいという点です。

生活の中心となる拠点が変わる場合、購入した戸建てに住み続けることが難しくなるケースも出てきてしまいます。

この場合、戸建てを売却してしまうか、リースバックを活用するかという選択肢がありますが、戸建てはマンションに比べると買い手が見つかるまでに時間を要することが多いと言われています。

リースバックの場合は買い手が業者になるので、売却のとは違い売れるのか、いつ売れるのか、といった不安や心配は不要です。

上記方法とは異なった形になりますが、所有している一戸建てを賃貸として貸し出すことも可能です。しかし、これにはリスクもあるので要注意です。

賃貸で一戸建てを貸す場合は設備の破損などでかかってしまう費用は所有者負担となるのが一般的です。

貸した相手が家賃を毎月ちゃんと支払わず、家賃滞納してしまうと収益減少のリスクも出てきます。

2つ目のデメリットが資産価値、地価が下落してしまうリスクがある点です。

法定耐用年数は、木造住宅で22年、鉄骨造住宅で47年と国税庁が提示しています。

一戸建ての場合、築年数22年で建物部分の資産価値がゼロになります。

22年以降は土地だけの資産価値となるのです。

また、昨今日本全体で悩まされえているのが天災です。

地震など天災により建物が被害を受けダメージがある場合は、資産価値の減少スピードは早くなってしまいます。

一戸建てを買うときは土地も資産として保有する事が出来ますが天災や周辺環境の悪化、街の衰退により地価が下がってしまうことも考えられます。そうなると購入時より資産価値が下がってしまう可能性があります。

更に、木造の一戸建ては鉄骨のマンションよりも資産価値が下がりやすいです。

このリスクはリースバックを活用して住み続ける分には影響ありません。

ですが、将来的に売却を考えている場合や相続を考えている場合は大きく影響するので要注意です。しっかり念頭に置いて下さい。

3つ目のデメリットは交通利便性があまり良くないといった点です。

これはかなり大きなデメリットだと思います。

マンションやアパートは駅から近かったり、コンビニやスーパー、繁華街に近かったり、交通の便が良いエリアに建てられることが多いですが、一戸建てはそうでないことが大半です。

一戸建ては、ほとんどが郊外や住宅地の中心部に建てられます。

駅から遠かったりすると買い物や通勤など不便に感じる可能性があります。

最後に、老後の生活がしづらいというデメリットです。

ワンフロアだけで生活ができてしまうマンションとは違って、2階建て以上の一戸建手の場合、階段や段差がすごく不便になります。

転倒したりすると大きなケガになる恐れもありますので、老後を考えたうえでマンションを購入する方もいます。

賃貸契約になるメリット

一戸建ての場合にかかってくる維持費やデメリットについて詳しく触れてきましたが、リースバックを活用するとそれらの懸念はすべて払拭されます。

リースバックを利用して賃貸契約となった場合のメリットについて、以下では解説していきます。

まず、出費を抑えることができます。

冒頭で一戸建てを所有する際にかかるお金について説明しましたが、賃貸契約となると、そういった固定でかかる負担を小さくする事が出来ます。

また、リースバックを利用するとその際に得たお金で設備の入れ替えやリフォームが容易にできます。

費用を平準化することも可能になります。

賃貸契約であれば、毎月の家賃として支払っていくので、支払いの金額の波が一定になります。「来月は固定資産税の支払いがある!」といって構えなくても大丈夫になります。

定額で支払って、家計を見直したい方にもリースバックはお勧めです。

リースバックは引っ越しも不要なので、単に家を売るだけだと次の家を探したり引っ越したりするのにかかってしまう初期費用もかかりません。

つまり一時的に大きな金額の支出を抑えることができます。

かかってくるランニングコストも大幅に変わります。

一戸建てを購入して維持していく上で生じるメリット、デメリットを十分理解してリースバックを活用するのか、売却するのか、検討しましょう。

そもそも一戸建てを購入するかをまず悩んでいる方にもちゃんと頭に入れておいて頂きたいです。

まとめ

一戸建てを所有して、住み続けるには毎年一定の維持費が必ずかかってきます。

一体何にいくらかかっているのか、この先どのくらいお金が必要なのか、しっかりと理解しておくことが大事です。

一戸建ての維持費は物件の状態によって金額が異なってきます。大体いくら掛かるかは条件を設定すればある程度想像はできます。

一戸建ては、修繕費が100万円以上必要になる場合も多いです。

今後払っていくお金と、収支を一度まとめてみて調べておくのも良いでしょう。

リースバックを活用する場合も、売却する場合も所有している一戸建てがどのくらいの価格になるのかも一度査定しておくのも良いと思います。

無知であることは、一番損をしかねません。

一戸建てを維持するための資金計画では、住宅ローンによって資金を捻出する場合が多いので、購入後の生活をしっかり想像して家計を見直すことが重要となります。

自分自身が持ち家(一戸建て)に一体何を求めていて、何を一番優先したいのかを明確にするべきです。

そのうえで今回の記事を参考に、一戸建てのメリット、デメリットを理解しながらリースバックを検討してください。

そうすることで満足のいくマイホーム選び、マイホームでの暮らしが選択できると思います。