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最終更新⽇時

2026/04/22

底地が売れない3つの理由と売却成功への5つのルート

  • 底地・借地

路地裏のフェンスで囲まれた小さな空き地と古い建物の外観

「底地を売りたいのに買い手が見つからない……」。そのような悩みを抱える地主さんは少なくありません。底地は借地人が使うため自由に活用できず、地代も低めで収益性が限られます。さらに、合意形成の難しさや融資の付きにくさなど、売却には多くの壁があります。

しかし、正しい戦略を取れば状況は変えられます。本記事では「売れない理由」と「売れるための具体策」を専門的に解説します。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

底地が売れない3つの理由

木製の家の模型と「Q&A」と書かれた積み木ブロック

底地は一般の土地と違い、借地人の権利や契約条件が複雑に絡むため、自由に活用できません。ここでは、売却が難しい根本理由を3つに整理します。

1.自由活用できず収益性が低い構造にある

底地は借地人が建物を建てて占有しているため、更地のように自由な活用はできません。地代は長期契約で固定されており、市場相場より2~5割低いケースも多く、収益性は限定的です。借地人が建物を増改築する際や第三者に譲渡する際には地主の承諾が必要で、承諾料収入が得られる一方で、買い手から見れば制約となり利回りが下がります。その結果、同じ立地の更地と比べて3~5割安い評価を受けるのが一般的です。

2.権利関係の調整難易度が高い

底地売却には借地人の同意形成が欠かせません。特に共有名義の底地では全員の同意が必要で、一人でも反対すれば売却は成立しません。更新料や承諾料の記録、境界確定書類が不備だと交渉が長期化します。借地契約の更新拒絶や条件変更は借地借家法で厳しく制限されているため、実務上はハードルが高く、交渉が半年~1年以上かかることも珍しくありません。

関連記事:底地権とは?借地権との関係と扱い方のポイントをわかりやすく解説

3.融資が付きにくい

底地は競売にかけても借地人の権利が存続するため、金融機関から見て担保価値が低く評価されます。融資を取り扱うのは一部の地銀や信金に限られ、自己資金を5割以上求められることもあります。さらに、抵当権や国の延納担保が設定されている場合は、抹消が終わるまで融資がほぼ不可能になり、結果として現金一括決済に頼らざるを得ないケースも多いです。

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売却を成功に導く5つのルート

住宅模型の前で握手を交わす二人の手と契約書類

底地は条件や状況によって、最適な売却方法が異なります。すべてのケースで同じ手段が有効とは限らず、「誰に」「どの条件で」売るかを見極めることが重要です。

ここでは、底地売却で実務的によく使われる5つのルートと、それぞれの特徴を解説します。

1.借地人への直接売却

現に利用している借地人にとっては、新たに土地を探す必要がなく、購入メリットが大きい相手です。市場価格より低めに設定しても合意が得られやすく、仲介や広告費を節約できます。交渉には不動産会社の査定書を添え、一括条件を提示するのが効果的です。分割払いや引渡時期を柔軟に設定すれば、資金計画上もスムーズです。

2.底地と借地権の同時売却

地主と借地人が協力し、それぞれの権利をまとめて第三者に売却する方法です。所有権を一体化できるため、買い手は自由利用が可能となり評価額は上がります。契約や決済は同日に行い、事前の測量・境界確定が不可欠です。売却益の配分割合も書面で明確に決めておく必要があります。

関連記事:借地権の境界線トラブルに要注意!確認方法と対処法をわかりやすく解説

3.等価交換による所有権一体化

地主は土地を、借地人は建物を提供し、再開発や建替えで新たな物件を共有する方法です。現金化ではなく資産組み替えを目的とするケースに適しており、大規模な再開発や老朽化物件の建て替えで利用されます。設計段階で持分割合や税負担、将来の売却条件まで合意することが重要です。

4.仲介による相場売却

不動産仲介会社を通じて市場に公開し、相場価格での売却を狙う方法です。広く買い手を募れる一方で、権利調整や融資条件の厳しさから成約に時間がかかることがあります。広告や内覧対応、価格交渉に加え仲介手数料も発生しますが、底地に詳しい仲介業者を利用すれば、適切な買い手に届く可能性が高まります。

5.専門業者による早期現金化

底地を専門に扱う買取業者に直接売却する方法です。価格は市場相場の7~8割程度にとどまりますが、最短1~2週間で現金化可能です。広告や内覧も不要で、契約不適合責任を免責にできる場合もあるため、権利関係が複雑な物件や早期資金化を希望する場合に有効です。複数業者からの見積もり比較がポイントです。

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底地価格の求め方と相場を把握

 DCFと書かれたブロック、電卓、スマホ、建物の模型

底地は更地とは異なり、価格の決まり方が特殊です。借地権割合や残存期間、地代の水準など複数の要素を組み合わせて評価する必要があります。

ここでは、実務で使われる代表的な算定方法と、条件別の相場の見方を紹介します。

収益還元法とDCF法の基礎

底地の価格評価で最も多く使われるのが収益還元法です。これは、将来得られる年間純収益(地代から固定資産税や管理費などの支出を差し引いた額)を、適正な還元利回りで割って求めます。都市部では3~5%程度が目安ですが、権利関係が複雑な場合は利回りを高く設定して評価額を下げることもあります。

DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)は、各年のキャッシュフローと残存価値を現在価値に割引して合計する方法です。地代改定の可能性や契約更新時期、更新料の受け取りなど、複数シナリオを想定して計算すると精度が上がります。大規模案件や再開発予定地ではこの手法が特に有効です。

更新・地代改定・残存期間の試算を比較

底地の価値は契約残存期間に大きく左右されます。例えば残存期間が20年ある場合と10年しかない場合では、将来の収益合計が大きく異なるため、評価額も1~2割以上変動することがあります。

また、地代改定によって年間収益が増えれば評価額も上がりますが、改定交渉には法的要件や借地人の同意が必要で、実務上は時間がかかります。更新料の受領や承諾料の徴収も評価額を押し上げる要素ですが、それらを見込んだシミュレーションを事前に行い、複数の価格パターンを把握しておくことが重要です。

関連記事:底地の取引について知ろう!取引価格や計算方法についても説明していきます!

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売却前に確認すべきリスクとチェック項目(デューデリ)

ビルと虫眼鏡を持つビジネスマンのデューデリのイメージ

実際の売却に進む前には、情報整理とリスク確認が必須です。ここが不十分だと契約破談につながりかねません。

地代滞納がないかを確認

地代の入金状況を契約書と記録で突き合わせ、滞納があれば「いくら」「どの期間」が明確になるよう整理します。 滞納分を引渡し前に清算するのか、買主に承継させるのかで契約条件が変わるため、必ず書面化しておく必要があります。

無断増改築の有無を調べる

借地人が地主の承諾を得ずに建物を増改築していると、契約違反の疑いが生じます。 そのままでは売却後のトラブルの火種になりかねないため、現地調査や役所の建築確認台帳で事実を確認します。 違反が見つかれば、事前に借地人と是正や承諾取得の交渉を進めておくことが望ましいです。

境界未確定や越境の有無を確認

隣地との境界があいまいだと、買い手も金融機関も安心できません。 測量士による現況測量や境界確定を行い、越境があれば撤去や使用承諾を取り付けます。 この作業には数十万円~100万円、期間も1~3か月かかることが一般的で、売却スケジュールに直結するため早めに動くことが肝心です。

承諾書や合意書の履歴を整理

譲渡・増改築・担保設定に関する承諾書や過去の合意書は、買主が安心して判断するための材料になります。 書類が揃っていないと「本当に承諾が得られているのか」という不安を抱かせ、価格交渉で不利になる恐れがあります。 見つからない場合は借地人や関係者から確認を取り、可能であれば再取得しておきましょう。

必要書類をそろえておく

権利証(登記識別情報)、印鑑証明、固定資産税納税通知書、測量図、住民票などは、契約から登記手続きまで欠かせません。 不足したまま売却活動を始めると、買主に不信感を与えたり契約を遅延させる要因になります。

売却スケジュールを想定する

査定から契約・引渡しまでの大まかな流れを想定し、関係者とのスケジュールを共有しておくことが重要です。 権利調整や境界確定が必要な場合は6か月以上の余裕を見込み、資金計画や税務対応も合わせて準備しておくと安心です。

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底地を売れる状態にする4つの改善策

「FOR SALE」の赤い看板と建物の模型

デューデリで課題が見えたら、改善して売れる状態に整えます。

1.借地人や共有者と早期に合意形成する

理由編でも触れた通り、底地は関係者全員の同意がなければ売却できません。 特に共有名義の場合、一人の反対で計画が頓挫することもあります。 そのため、条件や売却方針を早い段階で共有し、協議の内容は必ず書面に残すことが大切です。 感情的な対立を避け、合意を積み重ねておくことが、成約率を大きく左右します。

2.契約条件を見直して収益性を高める

「収益性が低い」という底地の弱点は、契約の見直しで改善できることがあります。 例えば地代が相場より低すぎる場合、更新時や承諾の機会に適正水準へ改定を検討します。 また、過度に厳しい承諾条件は買い手に敬遠されるため、必要に応じて緩和することも選択肢です。 契約条件を整えるだけで、利回りが改善し評価額が上がるケースは少なくありません。

3.境界確定や承諾書類を整備して安心材料にする

デューデリで「確認」した内容を、改善策では「整備」へと進めます。 境界確定測量が済んでいれば、金融機関の融資審査も通りやすくなり、買い手も安心できます。 また、譲渡・増改築・担保設定の承諾書類がそろっていることは、購入後すぐに活用計画を立てられる材料となります。 買い手の不安を払拭できるだけでなく、価格交渉でも優位に働く要素です。

4.抵当権や担保を抹消して融資条件を改善する

理由編で示した「融資が付きにくい」という課題に対する直接的な改善策です。 抵当権や国の延納担保が残っていると、金融機関はまず融資を認めません。 売却前に抹消・解除手続きを済ませておけば、買い手が融資を利用できるようになり、購入層が広がります。 抹消に必要な費用や期間(数週間~数か月)は事前に見積もり、売却計画に反映させることが重要です。

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まとめ

スーツ姿で胸に手を当てて微笑む男性

底地は自由に活用できず、権利関係も複雑で、金融機関からの融資も受けにくいなど、売却が難しい不動産です。けれども「なぜ売れないのか」を正しく理解し、適切な売却ルートを選んで改善策を実行すれば、ハードルを下げて売却の可能性を広げることができます。

ただし、実際の底地は契約条件や借地人との関係、地域の慣習などによって状況が大きく異なります。一般的な知識だけで判断するのは危険であり、経験豊富な専門家による分析や交渉サポートが欠かせません。

リアルエステートはこれまで数多くの底地売却をサポートしてきました。借地人や共有者との交渉、境界確定、契約条件の整理、価格査定、そして売却戦略の実行までを一貫して対応しています。

  • 借地人との話し合いが進まない
  • 境界や契約内容が整理されていない
  • 融資が通らず買い手が限られてしまう

こうした悩みを抱えている方は、リアルエステートの「おうちの相談室」にご相談ください。弁護士や税理士など専門家の知見も取り入れながら、一人ひとりの状況に合わせた最適な解決策を一緒に考えていきます。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

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    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
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