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2023/11/06最終更新⽇時
2025/06/13持ち家を売ってそのまま住む方法のメリット・デメリット徹底解説
- リースバック

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「持ち家を売ってそのまま住みたい」
「そのための方法が知りたい」
「それぞれの方法にどんなメリット・デメリットがあるか知りたい」
今回はこのような考えがある方にオススメです。
リースバック・リバースモーゲージに興味がある方は、ぜひご覧ください。
持ち家を売ってそのまま住む方法【2選】
まず、持ち家を売ってそのまま住む方法を2つお伝えします。
この方法ならば、持ち家を売ってそのまま住めるだけでなく、まとまった資金も手に入ります。
方法①リースバック
1つ目の方法は、リースバックです。
リースバックとは持ち家などの不動産を不動産会社に売却し、賃貸借契約を結ぶことでそのまま持ち家に住むという不動産売却の方法の1つです。
賃貸借契約を結ぶため、一般の賃貸住宅と同じように契約期間が決められ、その間毎月家賃を払わなければなりません。
リースバックは基本的に売却〜賃貸契約までの一連の流れのことを指しますが、希望しない場合は売却後退去することもできます。
売った後もそのまま住み続けていて、後から買い戻すことも可能です。
関連記事 : リースバックとは?住み慣れた我が家に住みながら老後資金を確保する方法
方法②リバースモーゲージ
2つ目の方法は、リバースモーゲージです。
リバースモーゲージとは、持ち家などの不動産を担保にして金融機関から融資を受けられる「住宅ローン」の1種です。
リースバックは不動産売却の方法ですが、リバースモーゲージはローンであるということが大きな違いです。
ローンですので持ち家にそのまま家に住めるのは、契約者or契約者が死亡後に契約を引き継いだ配偶者が死亡するまでとなります。
死亡後は、残りのローンを完済するために持ち家を売却しなければなりません。
他にも両者にはさまざまな違いがあります。
それらを以下に分かりやすくまとめてみました。
どちらが良いかは、自分のライフスタイルやどんな持ち家か、持ち家のローンがいくら残っているか、など人によって異なります。
【リースバックとリバースモーゲージの違い】
リースバック | リバースモーゲージ | |
売却時期 | 契約時 | 契約者の死亡後 or 契約者が死亡後に契約を 引き継いだ配偶者の死亡後 |
受け取る資金 | 売却代金 | 融資or |
資金の受け取り方 | 一括 | 毎月定額や一括、都度など ※金融機関によって選択肢は異なる |
資金の使用用途 | 制限なし | 基本的に老後資金や住宅資金など ※事業資金や投資目的には使用不可 |
毎月の支払い | 家賃 ※売却後も住み続ける場合のみ | リバースモーゲージで 組んだローンの毎月の利息 |
所有権が移転する タイミング | 契約時に売却すると移転 | 契約後、契約者などが死亡した際に 売却すると移転 |
年齢制限 | なし | おおよそ55歳以上 ※金融機関によって詳細は異なる |
対象物件 | 戸建て・マンション ・土地・事業用不動産 | 基本的に戸建て ※金融機関によってはマンションも可 |
同居人 | 制限なし | 単身世帯 or シニア夫婦の2人世帯 ※金融機関によって詳細は異なる |
関連記事 : リバースモーゲージとリースバック:あなたに合った選択は?
それぞれの方法に共通するメリット・デメリット
ここでは、リースバックとリバースモーゲージに共通するメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
<共通するメリット>
まとまった資金をすぐに得られる
一般市場で売却すると準備〜資金を得るまでに約半年かかります。
しかし、リースバックやリバースモーゲージを利用して売却した方が資金を得るまでが早いのです。
「なるべく早くまとまったお金が欲しい」という方は一般市場よりも、リースバックやリバースモーゲージを利用してみると良いでしょう。
住み替えや引っ越しの必要がない
一般市場で売ると空き家にしてから売却しなければなりません。
そのため新居を購入したり仮住まいを用意したりする必要があります。
ですが、リースバックやリバースモーゲージを利用すると売却後もそのまま住み続けられるため、住み替えや引越しの必要がありません。
もちろんリースバックの契約期間が終了したり、リバースモーゲージの契約者が死亡したりすると退去せねばならないため、そのときは住み替えや引っ越しが必要です。
しかし、売却後も持ち家にそのまま住み続けられることで住み替えや引越しに必要な資金を作るのに余裕を持てます。
<共通するデメリット>
一般市場で売却するよりも儲からない
リースバックで不動産が売られる際、一般市場よりも7〜9割程度の売却価格となります。
また、一般的な住宅ローンの金利が0.5%〜1.5%なのに対して、リバースモーゲージであれば約3%もの金利となります。
一般的な住宅ローンよりも払う金利が最低でも2倍ほどになるのは、かなり痛手ですよね。
さて、ここまででリースバックとリバースモーゲージに共通するメリット・デメリットを解説してきました。
以降は、リースバックとリバースモーゲージそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
リースバックを利用する際のメリット・デメリット
<メリット>
固定資産税・都市計画税などを払わなくてよくなる
デメリットの方でも触れていますが、リースバックで売却すると持ち家の所有権は買主(不動産会社)へと移転します。
所有権が移転することで、固定資産税・都市計画税・火災保険などの支払いがなくなります。
まとまった資金を手にできるだけでなく、これまでの出費を抑えられるのは嬉しいですよね。
リバースモーゲージよりも自由度が高い
リバースモーゲージはあくまでも高齢者向けの住宅ローンですので、それに合わせて年齢や資金の使用用途に制限がかかります。
しかし、リースバックはそういった制限がないことが多く、リバースモーゲージよりもはるかに自由度が高いことが大きなメリットです。
関連記事 : いま話題のリースバックとは?どのようなメリットがあるか解説!
<デメリット>
家賃がかかる
リースバックで持ち家を売ってそのまま住むには、不動産会社と賃貸借契約を結ぶ必要があります。
賃貸借契約を結ぶと一般の賃貸住宅と同じように、毎月家賃を払わなければなりません。
この場合の賃貸は、以下の計算式で算出されます。
買取価格×期待利回り(6~8%)÷12カ月 |
つまり、持ち家の買取価格が高ければ高いほど、そのまま住み続けるには高い家賃を支払わなければならないということです。
ちなみに期待利回りとは、
「その不動産が1年間でどれくらい収益を見込めるか」
=「期待する家賃がその不動産の価格に対して占める割合」
のことを指します。
また、その家賃の価格といつまでそのまま住むかによって売却してもあまり利益にならない、むしろ結果的にマイナスになる可能性もあります。
そうならないためには、早い段階で査定を複数の会社に依頼したり、持ち家の住宅ローンの残債がいくらになるか確認したりすることが大切です。
自宅の所有権を失う
リースバックで売却すると、持ち家の所有権が買主へ移転します。
所有権がなくなると、持ち家に自由に変更を加えられません。
例えば、次項で触れているリフォームや建て替えです。
ちなみに、リバースモーゲージでは所有権は移転しません。
なぜなら、持ち家は担保としてまだ自分が持っているままになるからです。
ですので、リースバックで売却するタイミングは、実は契約者or契約者が死亡後に契約を引き継いだ配偶者の死亡後となります。
その際はリースバックと同様に、所有権が買主へと移転します。
リフォームや建て替えができない
所有権を失うと、持ち家ではなくなるため買主の許可なくリフォームや建て替えができません。
小さな破損程度であれば自己判断でも問題ありませんが、大規模な工事が必要な場合は飼い主に許可を仰ぎましょう。
また、買い取った建物に付加価値をつけるために、賃貸契約が満了した後に買主がリフォームしたいと考えている可能性もあります。
無断でリフォームや建て替えをすることで、そういった買主の意向に反してしまいトラブルの原因になりかねません。
リバースモーゲージを利用する際のメリット・デメリット
<メリット>
毎月の支払いが利息分のみorなし
リースバックでは不動産会社に毎月家賃を払わなければなりません。
しかし、リバースモーゲージでは毎月の支払いは住宅ローンの利息分のみです。
所有権が移転しないため、固定資産税や都市計画税などはそのまま支払わなければならないので注意してください。
また、商品によっては利息の支払いが発生せず、借入元本に繰入れるという場合もあります。
提供している機関の信頼性が高い
リバースモーゲージを提供している機関は、大手の金融機関や地方自治体です。
よって、信頼してローンを組めます。
<デメリット>
長生きすることでリスクが生じる
人は長生きすればするほど、生活に必要なお金は増えていきます。
老後は年金と退職金で生活しているという方も多いのではないでしょうか?
そんな中リバースモーゲージを長年利用していると、借入額が融資限度額に達してしまうかも知れません。
限度額に達してしまうと、それ以上は借り入れられません。
融資限度額は担保にする不動産の評価額によって異なるのですが、不動産価値は定期的に見直しされており、それによって融資限度額も変わります。
もし借入額が融資限度額を超えてしまうと、もちろん超過分は返済しなければなりません。
そうすると、結果的に売却益を得ても手元に残る資金が少なくなるorマイナスになる可能性が高まってしまいます。
金利UP、不動産価値DOWNの可能性
リバースモーゲージでは変動金利である場合がほとんどです。
もし今後金利が上昇すると、毎月の返済額も増えるリスクが高まることを念頭においておきましょう。
契約者に制限がある
リバースモーゲージは住宅ローンですので契約者に制限があります。
その条件として見られるのが、「安定した収入」です。
安定した収入がなければ、毎月の利息分の返済が見込めないかも知れないからです。
「収入が少ない/安定していない」という方も安心してください。
そういった方は、自治体が運営する「不動産担保型生活資金」というリバースモーゲージを利用してみてください。
世帯員の収入が「区市町村民税非課税」or「均等割課税程度の低所得世帯」であれば利用できます。
詳細は「お住まいの地域名 不動産担保型生活資金」で調べてみてください。
同居人に制限がある
意外に思うかも知れませんが、リバースモーゲージを利用する契約者と住む同居人に制限があることです。
リバースモーゲージを利用すると、同居家族として契約者本人の配偶者・子供しか同居できません。
それ以外の孫や義両親などが同居している物件はリースバックの対象外となってしまいます。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
今回は持ち家を売ってそのまま住むための方法として、
「リースバック」と「リバースモーゲージ」を紹介しました。
それぞれの方法におけるメリット・デメリットをお伝えしましたが、どちらの方法をとった方が良いかは人によってさまざまです。
自分が売った後にどんなライフプランを描いているか
どれくらいローンが残っているか
どんな住宅に住んでいるのか
ご自身に合った方を選択しましょう。