最終更新⽇時
2026/03/03「絶対借りられる不動産担保ローン」は危険!審査通過率を上げるには?
- リースバック

「不動産担保ローン」は、不動産を担保とすることで無担保ローンより低い金利で高額な融資が受けられ、事業資金や相続税の支払いなどまとまった資金が必要なときに有効な資金調達手段です。特にほかに資金調達の当てがない場合、事業や生活の維持のためになんとしてでも不動産担保ローンで融資を受けたいと考える方も多いでしょう。
では、不動産という担保さえあれば不動産担保ローンで絶対借りられるのでしょうか。本記事では、「絶対借りられる不動産担保ローン」をテーマに解説します。
\リースバックのご相談はこちら!/
-
-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
-
-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける
Contents
「絶対借りられる不動産担保ローン」は存在しない

残念ながら、結論から言うと「絶対に審査に通る不動産担保ローン」は、貸金業法と実務の両面から見て存在しません。その理由は、融資の仕組みを考えれば至極当然です。
以下で、その理由と、それでも絶対に審査に通る不動産担保ローンを求めるとどういうことが起こるかについて解説します。
なぜ「絶対借りられる」が法的に不可能なのか
まず、貸金業法の規定について見てみましょう。貸金業法では、貸金業者に対して「返済能力の調査(返済能力調査)」が義務付けられており、利用者の年収や負債状況を踏まえた与信審査を行わずに貸し付けることは認められていません。それと併せて、顧客の返済能力を超える貸し付けをしてはならないとも定められています。
(参考: 『e-Gov法令検索 貸金業法 第十三条・第十三条の二』)
次に、実務上の観点からも、不動産担保ローンの審査で担保余力や滞納状況、返済比率を見ない貸金業者は存在しません。
不動産の価値は物件によってさまざまな上に、融資である以上、申込者本人の返済能力も重要な要素です。不動産担保ローンは不動産という担保があるため借りやすいとはいえ、法令・実務両面から、「絶対借りられる=『どんな人の』『どんな担保物件でも』通るローン」は現実的に考えてあり得ないというのが分かるでしょう。
関連記事:収入ゼロでも借りられる?不動産担保ローンの審査基準と安全な活用法を徹底解説
「絶対」を掲げる業者が危険な理由
前述の理由から、金融機関が融資を行うのは、物件価値と本人の信用力双方から「返済能力がある」と判断した場合のみです。
しかし、実際に事業資金や生活資金などの急な資金繰りに追われていて、ほかに当てがない人は「どこかに審査が甘くて借りられる金融機関がないか」と考えるでしょう。実際に「審査不要」など、誰でも借りられるかのように謳う業者も存在します。
しかし、そのような業者は以下の貸金業法に違反している、いわゆる「闇金」に該当するでしょう。
闇金業者は、「他社で断られた方もOK」「審査なし」などと宣伝し、実際には極端な高金利や違法手数料、脅迫回収を行うビジネスモデルです。また、「よそなら貸せるので紹介する」と言って高額な手数料を払わせる「紹介屋」や、事業者相手に手形や小切手を担保に高金利で貸し付ける「システム金融」のような手口も見られます。
さらに、「融資の前に保証金・審査料・旅費を振り込んでほしい」といった名目で先に金銭を振り込ませ、その後実際の融資を行わずに連絡を絶つ「手付金・保証金詐欺」の被害も注意喚起されています。
そのような業者から借りられたとしても、返済が立ち行かなくなり、信用情報悪化を招くばかりか不動産を失いかねません。
つまり、絶対借りられる「まともな」不動産担保ローンはまずない、と考えておきましょう。
関連記事:不動産担保ローンは本当に「やばい」のか?リスクと回避策を徹底解説
\リースバックのご相談はこちら!/
なぜ不動産担保ローンの審査に落ちるのか?

ローンの審査基準は公開されていないため、審査に落ちてもどこが駄目だったのか分からないのが難しい点です。
不動産担保ローンの審査に落ちる主な理由は、「担保の価値不足」「差押えによる貸倒れリスク」「返済能力不足」の3点に集約されます。以下で、一つひとつ見ていきましょう。
担保余力(掛目)が不足している
各金融機関は、利用者が返済できなかった場合、担保となる不動産を売却して回収に充てます。そのため、重要になるのが物件の「担保余力」です。
担保余力は、「担保評価額×担保掛目-ローン残債」で求められます。担保掛目(たんぽかけめ)とは、金融機関が担保評価額に対して融資可能額の割合を示す指標であり、60%~80%が目安です。つまり、物件評価額よりも融資限度額は低くなります。
さらに、返済不能になった場合に売却して回収することから、売却しにくい築古物件や地方物件、規格外物件は評価が出にくく、融資対象外となりやすいです。
また、第2抵当・第3抵当にあたる、つまりほかに優先して返済が行われる債務がある場合には、実質的な担保余力がゼロになる場合もあります。
税金滞納による差押えリスク
金融機関が特に警戒するのが、税金滞納による不動産の差押え・競売リスクです。税金滞納による差押えは抵当権よりも優先されるケースがあり、融資した額を回収できない可能性があるためです。
このため、不動産担保ローンの審査では、どれだけ担保物件や信用情報に問題がなくても、税金の滞納があれば通常融資を断ります。担保物件や信用情報に大きな問題がなさそうなのに審査に通らない場合は、未納の税金が理由となっている可能性が高いでしょう。
返済比率・事業収支が基準を満たしていない
物件や信用情報、ほかの支払いなどに問題がなくても審査に通らない理由として考えられるのが、返済比率です。
返済比率(返済負担率)は、年収に占める借り入れの年間返済総額の割合を指します。例えば年収が500万円で年間100万円の返済なら、返済比率は20%です。返済比率が50%を超えると、審査にはまず通りません。
また、事業者が事業資金調達のために不動産担保ローンを利用する場合には、PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)の整合性も確認されます。さらに、直近の決算書で赤字続きや資金繰り悪化が見られると、返済不能リスクが高いと判断され、融資が否決されてしまいます。
\リースバックのご相談はこちら!/
不動産担保ローンの審査通過率を上げるには

絶対借りられる不動産担保ローンが存在しない以上、融資を受けるためには、極力審査の通過率を上げるよりほかにありません。
そこで次に、不動産担保ローンの審査に通過しやすくするための4つのポイントについて解説します。
親族所有などの不動産を共同担保に入れる
不動産担保ローンの審査に通らない原因が担保余力不足と考えられるなら、最も確実な改善策が「共同担保」による融資限度額の増額です。
不動産担保ローンの担保として提供できるのは一つの不動産だけではなく、複数も可能です。複数物件を合算すれば融資枠が大きく変わるため、自分や親族などが保有しているほかの不動産を、追加担保として提供できるか検討してみましょう。
信用補完として連帯保証人を追加する
信用情報に傷がある場合の実務的な打開策が、連帯保証人を立てることによる「信用力の補強」です。保証人に安定収入と良好な信用情報があれば、貸倒れリスクが軽減されるため、審査に通過しやすくなります。
特に個人事業主の場合、収入の変動性が高いという弱点を、連帯保証人の安定年収でカバーできるため、審査通過の突破口となります。
税務署と分納合意を結び「滞納状態を解消する」
税金滞納は不動産担保ローンの最大の足切り理由であり、差押え・競売リスクから即否決となるケースがほとんどです。
しかし、自治体で納付猶予の正式な手続きを踏んだ上で分納が可能になれば、差押えリスクが下がるため、融資を受け付ける金融機関も出てきます。そうすれば、不動産担保ローンの融資が実行された後に、税金の納付も可能になります。
ノンバンク系金融機関を利用する
不動産担保ローンを取り扱っている金融機関は、大きく分けて「銀行系」「銀行系グループ会社」「ノンバンク系」の3つに分かれます。このなかで、銀行系や銀行系グループ会社と比べると、ノンバンク系は審査基準が柔軟で通りやすいとされています。さらに、二番抵当でも借りられるため、住宅ローンの残債があっても利用できるのが、ノンバンク系の大きな特徴です。
ただし「滞納」や「担保不足」がネックとなっている場合には、ノンバンクでも審査に通るのは難しいでしょう。金融機関によって基準が異なるため、どこでも無理とは言い切れませんが、正しい期待値を持ち、現実的な対処を考えましょう。
\リースバックのご相談はこちら!/
不動産担保ローンが借りられなかった場合の対処法

前述した方法を試してみても、どうしても審査に通らないケースもあるでしょう。その場合は、不動産担保ローン以外の資金調達方法を検討する必要があります。
そこで最後に、不動産担保ローンが利用できなかったときの対処法について解説します。
無担保ローン・ビジネスローン(短期用)を併用する
担保がない分、不動産担保ローンと比較して金利が高く、融資限度額が低いものの、それ以外のローンを利用するのが一番スムーズな解決法でしょう。無担保ビジネスローンやカードローンなどなら、担保不足で審査に通らなかったり、信用情報に多少不安があったりする場合でも、審査に通りやすくなります。
ただし、これらのローンは最大で18%程度と、金利上限に近い高金利のものもあります。そのため、短期資金が必要なときに有効な方法です。
ファクタリングを利用する
もし不動産担保ローンを検討する目的が事業資金の調達なら、「ファクタリング」の利用を検討してはどうでしょうか。
ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に売却することにより、本来の支払い期日よりも前に現金を受け取れます。ファクタリング会社に支払う手数料の分だけ、手元に残るお金が減ってしまうものの、売上の発生から代金回収までのタイムラグによる一時的な資金不足に対応できます。
公的制度を利用する
状況によっては、不動産担保ローンを利用しなくても、公的制度の利用でどうにかなるケースもあります。
例えば、資金調達に緊急性がない事業者の場合には、日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付」が選択肢として挙げられます。一時的な売上減少や取引企業の倒産などにより資金繰りが悪化している事業者に向けて、低金利・長期の返済期間で融資を行う制度です。
また、個人を対象とした以下のような無利子または低金利の公的融資制度も存在します。
- 低所得者・高齢者世帯など向けの「生活福祉資金貸付制度」
- 低所得子育て世帯向けの「教育一般貸付」
- 勤務先の業績悪化・倒産により収入減少または離職した人向けの「勤労者融資制度」
\リースバックのご相談はこちら!/
不動産を生かしての資金調達ならリースバックも選択肢の一つ
不動産担保ローンの審査に通ったとして、問題は資金調達ができた後です。
もしその後も資金状態が改善せず、ローンの返済が滞ってしまった場合、ローンを一括で請求され、最悪の場合に住まいを失ってしまう可能性があります。ローンという分割返済が認められているのは、利用者が「期限の利益」、つまり契約で定められた期限が到来するまでは一括返済をしなくてよいという法的な権利を持っているためです。
しかし、数か月滞納が続くと、この「期限の利益」の喪失により、ローンの一括返済を請求されてしまいます。資金不足でローンを利用している状態で一括返済は困難なため、期限の利益喪失は住まいを失うこととイコールでしょう。
そこで、不動産担保ローン以外の選択肢として検討すべきなのが「リースバック」です。リースバックは、自宅を売却した上で、買い取った事業主から賃貸物件として借り、家賃を支払いながら自宅に居住を続けられる仕組みです。
自宅の所有権は失ってしまうものの、リースバックを活用すれば、自宅に住み続けながら資金調達が可能です。また、自宅の買戻しが可能なリースバックも多く、資金状態が安定したら再び所有する選択肢もあります。
関連記事:不動産担保ローンとリースバック比較ガイド!老後資金の賢い調達法とは?
\リースバックのご相談はこちら!/
まとめ

「絶対借りられる不動産担保ローン」は存在せず、審査に通過するためには、借入希望額に見合った物件価値を持つ担保不動産と、申込者本人の信用力が必要です。担保余力や信用情報に不安がある場合には、記事で解説した対策を行い、必要な資金を調達しましょう。
一方で、不動産担保ローン以外にも、生活・事業資金の調達手段はいくつかあります。不動産を担保にせず資金調達を図れるリースバックも、有効な選択肢の一つです。リアルエステートの「おうちのリースバック」では、即日査定や売却に対応し、他社で断られた物件でも買取可能です。ぜひ一度、ご相談ください。
-
-資格-
宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士
-
-経歴-
株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける