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最終更新⽇時

2025/11/21

使用貸借契約の解除要件とは?注意点や解除できないときの対処法も解説!

  • 不動産の知識
  • その他

用紙に判子を押す手元

親族や知人に土地を「使用貸借」で貸すケースは少なくありません。しかし、何らかの事情で土地を利用する必要性が生じ、どうすれば契約を終了できるか、お悩みの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、使用貸借契約の解除に必要な要件について解説します。契約の解除が難しいときの対処法も紹介するため、併せて参考にしてください。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

使用貸借に関する基本知識

家の模型と虫眼鏡

使用貸借とはどのような契約か、よく分かっていない方もいるかもしれません。ここでは、契約の概要と賃貸借との違いについて解説します。解除要件とも関わるため、しっかりと押さえておきましょう。

使用貸借とは?

使用貸借とは、土地や建物を無償で第三者に貸す契約形態です。例えば、親名義の土地に子どもが家を建てるケースが該当します。

特徴は、貸主と借主の信頼関係を前提として成り立っている点です。口約束のみで契約が成立するため、契約書を作成しないケースも少なくありません。しかし、契約条件や返還時期を口頭で取り決めただけでは、トラブルにつながりかねない点に注意が必要です。

使用貸借と賃貸借との違い

賃貸借とは、有償で土地や部屋を貸す契約形態です。賃貸借契約では、借主が地代や家賃を支払うことで使用する権利を獲得します。一方、使用貸借契約は、借主はお金を支払わなくても対象物を利用できるところが異なる点です。

また、土地の賃貸借契約では、借地借家法と呼ばれる法律によって借主の権利が強く保護されます。例えば、契約期間が満了しても、原則として借主が望む限り自動的に契約が更新されます。

一方、土地の使用貸借では、借地借家法は適用されません。そのため、借主の権利はそれほど強くなく、一定の要件を満たせば貸主はいつでも対象物を返してもらえます。

関連記事:使用貸借と借地権の違いとは?相続税・贈与税の取り扱いも解説!

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貸主が使用貸借契約を解除するために必要な要件

家の模型とチェックリスト、「〇」「×」「?」が書かれた札

使用貸借では、貸主の都合で契約を終わらせることが可能です。ここでは、民法の規定に基づく契約解除要件について解説します。なお、契約を解除する際は、借主に内容証明郵便を送って意思表示をするのが一般的です。

契約期間が満了した

契約書などで対象物の利用期間を明示していた場合、期間の満了をもって使用貸借契約は終了します(民法第597条第1項)。一方、利用期間を設定していないなら、貸主はいつでも解除を求めることが可能です。

参考:『民法第597条第1項|e-Gov法令検索』

使用貸借契約の目的を果たした

利用期間を定めていない、かつ利用目的を設定していたケースでは、その目的に沿った利用が終了した、あるいは利用するのに十分な期間が経過した場合に契約が終了します(民法第597条第2項)。また、貸した物に対する利用目的を決めていなかった場合、貸主はいつでも契約を終了させられます。

参考:『民法第597条第2項|e-Gov法令検索』

当事者間の信頼関係が破たんした

貸主の承諾なく対象物を第三者に貸したなど、借主が契約違反行為をしたときは信頼関係が崩れたと見なして解除が可能です(民法第541条・第542条)。使用貸借契約は、貸主と借主の信頼関係によって成り立っているためです。

参考:『民法第541条|e-Gov法令検索』

参考:『民法第542条|e-Gov法令検索』

借主が亡くなった

借主が死亡した場合も使用貸借契約は終了します。賃貸借とは異なり、使用貸借は相続の対象とはなりません。そのため、相続人は貸主から借りた土地を返還する義務を負います(民法第597条第3項)。一方、貸主が亡くなったときは貸主の地位は相続人に継承され、契約はそのまま継続されます。

参考:『民法第597条第3項|e-Gov法令検索』

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借主はいつでも使用貸借契約を解除できる

無償で物を貸し借りする使用貸借契約は、借主の利益を目的としています。そのため、借主は自由に契約を終了できる点が特徴です(民法第598条第3項)。

また、使用貸借契約の終了時、借主は借りたものを返還する義務を負います(民法第599条)。例えば、貸主から借りた土地に家を建てて暮らしていた場合、建物を解体し更地にして返さなければなりません。費用は、原則として借主が負担します。

参考:『民法第598条第3項|e-Gov法令検索』
参考:『民法第599条|e-Gov法令検索』

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使用貸借契約を解除するときの注意点

家の模型を左手に持ち、右手の人さし指を立てている手元

無償で貸した土地を自分で利用したいといった理由で、契約の終了を検討することもあるでしょう。ただし、必ずしも契約が終了できるわけではない点に注意が必要です。ここでは、使用貸借契約を解除するときに押さえておきたい注意点について解説します。

立ち退き料の支払いが必要になることがある

無償で土地を貸している場合でも解除要件を満たしていなければ、借主から立ち退き料を求められることがあります。

「事前に設定した契約期間が満了していない」「利用目的を達成していない」といったケースでは、土地を取り戻すにあたり立ち退き料の支払いが必要です。余計な費用を負担したくないなら、契約期間が満了するまで待つのも選択肢のひとつです。

関連記事:借地権の立ち退きとは?正当事由や立ち退き料の相場・交渉ポイントを解説

「権利の濫用」として使用貸借契約の解除が認められないことがある

使用貸借契約の解除に必要な要件を満たしても、「権利の濫用」として土地を返してもらえない可能性があります。

権利の濫用とは、他者に損害を与える、あるいは社会的に認められる限度を超えるような権利の行使は認められないとするものです。例えば、「貸主には不動産を使用する必要性がなく、借主は不動産を明け渡すと生活が破たんする事情がある」といったケースでは、契約期間が終了しても返還請求が認められないこともあります。

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使用貸借契約を解除できないときの対処法

売買契約書と家の模型、握手する人形

使用貸借契約を解除して土地を自分で活用したくても、認められないことがあります。その場合、他の方法に切り替えて収益化を検討するとよいでしょう。ここでは、使用貸借契約を解除できないときの対処法について解説します。

賃貸借契約に変更する

借主の同意があれば、使用貸借契約を賃貸借契約に変更が可能です。賃貸借契約に変更すれば地代や家賃を受け取れるため、使用貸借契約のまま不動産を貸すより貸主のメリットは大きくなります。

ただし、賃貸借契約に変更すると借主の権利が強くなり、不動産を取り戻せなくなるリスクが高まる点に注意が必要です。

売却する

使用貸借契約で貸している不動産は、借主の同意を得ずに売却が可能です。使用貸借契約の解除要件を満たしておらず、不動産を取り戻せないときは、そのままの状態で売却するのも選択肢のひとつです。

ただし、立ち退き料を巡る争いが起こる恐れもあるため、弁護士と提携している不動産会社に相談して法的な側面からサポートしてもらうとよいでしょう。また、できる限り早く使用貸借契約中の不動産を売却したい場合、専門の買い取り業者に依頼するのもひとつの手です。

関連記事:不動産買取業者に依頼する5つのメリットとリスク解説

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まとめ

営業担当者と笑顔で打ち合わせをするミドル夫婦

使用貸借は、土地や建物を無償で第三者に貸す契約です。貸主から使用貸借契約を解除するには、「契約期間が満了した」「使用貸借契約の目的を果たした」といった要件を満たす必要があります。

ただし、要件を満たしても、権利の濫用と判断されて使用貸借契約を解除できない可能性もある点に注意が必要です。使用貸借契約の解除が難しいときは、そのままの状態で売却できないか模索するとよいでしょう。

リアルエステートは、使用貸借をはじめ権利関係が複雑な不動産の取り扱いに精通した不動産会社です。不動産のプロがあなたの抱える悩みを解決するサポートをします。使用貸借に関して疑問や不安点をお持ちの方は、「おうちの相談室」をぜひご活用ください。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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