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最終更新⽇時

2025/11/13

定期借地権のメリットと契約時の注意点について解説

  • 底地・借地

土地の活用法を考えるなかで、「定期借地」という方法を検討している方もいらっしゃることでしょう。
定期借地とは、その土地に「定期借地権」を設定することで、一定の期間で土地を貸し出す活用法です。
普段当たり前のように利用しているコンビニやレストラン、ショッピングモールなどの施設も、企業が「定期借地契約」をしていることが多々あります。

しかし、定期借地権にはどんな種類があり、契約内容はどうなるのか知らないという人は多いでしょう。
本記事では、定期借地権の種類ごとの契約内容や、それぞれのメリットデメリットについてご紹介します。

今所有している土地をどのように活用すればよいか迷っているという方や、定期借地による土地活用で生じるメリット・デメリットを知りたいという方はぜひご覧ください。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

定期借地権とは

定期借地権とは

定期借地権は、平成4年8月から施行された「借地借家法」により誕生しました。

従来の借地権(他人の土地を借りて、自己所有の建物を建てられる権利)は、建物が土地の上に存在している以上、契約は更新されるのが原則で、借主(借地人)にとって有利な扱いとなっています。

ただし、定期借地権であれば、当初に定められた契約期間で借地関係が終了するため更新はありません。

借地人が更新したいといってもできませんので、契約期間が満了した時点で貸主(地主)に土地を返還する必要があります。

定期借地権の種類や特徴

定期借地権は、そのなかでも3種類に分けられます。定期借地権を目的ごとに使い分けられるよう、それぞれの特徴について解説していきます。

一般定期借地権

従来の借地権と同様に、建物の所有目的のために定めることができる権利です。建物の用途には制限がなく、病院など居住用以外であっても活用できます。定期借地権付きマンションでも、通常は一般定期借地権が用いられます。

これまでの普通借地には自動更新制度があって、建て替えによりその契約期間が地主の意に反して長くなってしまう、といった懸念がありました。

しかし、一般定期借地の場合は、契約期間が終わると更地での返還が求められるので、上記のようなトラブルになる可能性が低いです。

また、借地契約の最低期間は50年以上と、長期間にわたって土地を利用できます。

事業用定期借地権

事業用の建物を所有する場合にのみ成立する権利です。

ただし、どこまでが事業用とされるのかについては注意が必要です。

特別養護老人ホームなど、利用者が生活することを想定した施設の場合は「事業用」と認められません。

存続期間は、10年以上50年未満となります。

建物譲渡特約付借地権

期間は30年以上から定められ、なおかつ用途も幅広いです。期間満了時には、借地上の建物を地主が買い取ることで借地契約が終了するという特約を、契約当初に取り決めておくものです。

例えば、土地を借りて賃貸建物を建築して収益を得る一方で、地主は地代の収入を得るといった有効利用を図るケースがあります。契約後、30年以上経過したあとで、地主は借地人から建物を譲り受け、自己所有することができます。つまり、貸した土地が建物付きで戻ってくるため、それ以降は家賃収入を得られます。

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定期借地権の契約方式と契約満了時の対応

契約方式について

一般定期借地権

「一般定期借地権設定契約」という契約にもとづいて設定されます。契約は必ず書面で行い、口頭での効力は認められません。また、契約期間は必ず50年以上となります。

事業用定期借地権

設定をする際には、その契約書は必ず「公正証書」によるものとされています。

※一方で、一般定期借地権の契約形態は、公正証書以外の契約書でも有効です。

公正証書とは、国の公的機関において、公証人が立ち合いのもと法律行為を行うため、私文書の契約書に比べ証明力が非常に高いという特徴があります。

建物譲渡特約付借地権

建物譲渡特約付借地権は、あまり見かけないものですが、登記は「普通借地権」・「一般定期借地権」・「事業用定期借地権」の登記に付記登記(主登記の内容を変更するために追加する登記)するのが一般的な方法です。

契約方式にはとくに制限がなく、口頭の約束でも有効に成立します。

ただし、トラブルを未然に防ぐためにもその内容は書面化しておいたほうがよいでしょう。

また、所有権移転の仮登記を設定しておけば、建物が第三者に譲渡されるなどのトラブルを防げます。

契約期間満了時の対応

一般定期借地権

契約の更新や延長のほか、建物の買取請求権がないため、契約の終了時には土地を原状回復したうえで速やかに貸主へ返還しなければなりません。

また、たとえ借主と貸主の間で合意しても、契約の更新や期間延長ができない決まりになっています。 ただし、再契約であれば可能です。

事業用定期借地権

期間の満了時に、原則としては土地を原状回復したうえで地主へ返還しなければなりません。

また、満了時の契約更新や、改修による期間延長なども原則として認められません。

なお、厳密にいうと、契約の期間により代わってくるため注意が必要です。

10年以上30年未満の場合は、契約の更新や期間の延長、そして建物買取請求権がないことを、特約によって定めなければなりません。

また、30年以上50年未満の場合は前者と異なり、契約の更新や延長、建物買取請求権の特約は任意となっています。そのため、それぞれ当事者同士の話し合いで決めることができます。

建物譲渡特約付定期借地権

期間が短いことが原因で建物の所有者が損失を被らないよう、期間満了時には借地上の建物を地主が買い取ることで借地契約が終了する、という特約をあらかじめ締結する点が最大の特徴です。

さらに、この「建物譲渡特約」は、普通借地権のほか、前述した一般定期借地権や事業用定期借地にオプションとして付けることもできます。

なお、建物譲渡特約は地主が建物を買い取ることで、その借地権は消滅するという性質があります。ただし、譲渡特約があるのに地主が買い取りを拒絶した場合には、借地権は消滅せず継続することになります。例えば、地主側が「買い取るつもりだったけど、建物の老朽化がひどいためやっぱり買い取りたくない」というときには、そのまま借地し続けることも可能です。

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定期借地による土地活用のメリット

定期借地には、土地が確実に返還されるほか、いくつかメリットがあります。

土地が確実に返還される

定期借地では契約の更新がないため、借地人は契約の満了時に地主へ土地を返還するため、確実に土地を手元に戻すことが可能です。

普通借地権で賃貸借契約を結んだ場合、契約満了時に借賃とトラブルになり、地主が立ち退き料を支払う裁判が必要となるケースも少なくありません。

こうしたトラブルを避けられる点は、大きなメリットといえるでしょう。

借り入れ不要

定期借地は、地主が借り入れをせずに始められる土地活用方法の一つです。

アパートやマンションなどの経営や、テナント経営などは、多くの場合で建物の建設のため金融機関から借り入れを行いますよね。しかし、定期借地では土地を貸し出すだけで毎月地代(賃料)を得られます。

実際に土地を利用して建物を建築するのは借地人なので、地主の金銭的な負担は不要です。

ただし、所有している土地の状態によっては、貸し出すにあたる整備などが必要となる場合もあります。そんなときには、敷金や保証金・権利金などの一時金を充当することでその費用をまかなう方法があります。

相続税対策になる

定期借地として貸し出す土地が「宅地」の場合は、相続人の税負担を軽減できるメリットもあります。宅地とは、建物の敷地のために使われる土地のことです。

定期借地権のなかでも、「一般定期借地権」を設定している場合には、土地の評価額がなんと55%~75%ほど軽減されるケースもあります。

固定資産税の軽減

土地を所有していると、固定資産税や都市計画税が課税されます。そこで、定期借地によって土地活用すると、長期的に地代などの収入が得られ、結果として支出をまかなうことが可能です。

さらに、土地が宅地として活用されている場合には、固定資産税や都市計画税が軽減されるといった制度もあります。

借地人がその土地にマンションを建設した場合には、固定資産税と都市計画税の軽減措置が適用されることになります。小規模宅用地(200平方メートル以下の住宅用地の部分)は、固定資産税が六分の一、都市計画税が三分の一になり、それ以上の範囲であっても固定資産税が三分の一、都市計画税が三分の二まで軽減されるのです。

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定期借地による土地活用のデメリット

定期借地は、地主の権利が守られながら、長期的に安定した収益が得られる土地活用方法です。しかし、契約内容にはデメリットもあります。

契約の期間が長い

定期借地権による契約は、何十年と続くものです。そのため、長期にわたって土地を自由に使えないというデメリットも含んでいます。

例えば、50年の「定期借地契約」を結んでいた場合には、契約期間の途中でほかに収益性が高い土地活用法を見つけたとしても、もとの契約が終了するまで待たなければなりません。

大きな収益は期待できない

定期借地は、どちらかといえばローリスクローリターンの土地活用法であり、高い収益が見込めない可能性があります。

定期借地では収支がマイナスにはならなくても、マンションやアパートで賃貸経営を行なうような場合と比べると、一般的に賃料の水準が低いです。

とはいっても、アパートやマンションなどの沈滞経営をするのに向かない土地も存在します。そんなときには、借り手によって幅広く活用しやすい定期借地が適していることもあるでしょう。

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定期借地権を契約する際には

今回は、定期借地権の定義やメリット、デメリットなどについて紹介しました。

定期借地権と一口で言っても、そのなかにはさらに「一般定期借地権」・「事業用定期借地権」・「建物譲渡特約付定期借地権」という3つの種類があり、それぞれに異なる特徴を持っていることがわかりました。

また、定期借地権といえば、貸主にとって最も大きなメリットとして「契約更新がされない」という特徴があります。そのため、手間や費用をなるべく最小限に抑えて、土地を有効活用したい人にはオススメです。

ただし、更新されずに一定期間で土地が戻ってくるとはいえ、一度契約を交わすと長期間にわたって他人に土地を貸すことになります。

途中で「やっぱり自分で使いたい」というようなことになっても、無理やり契約解除するわけにもいきませんので、土地の所有者側はその他の活用方法と比較して納得した上で土地を貸し出すようにしましょう。

また、トラブルにならないためにも、どのような目的で利用するかについて当事者同士で充分検討し、適切な内容で契約しなければなりません。

なお、定期借地権で土地を貸す際に、地代の相場を判断するのは難しいため、専門家に依頼するのが一般的です。その査定額は不動産鑑定士によっても異なるので、まずは複数社に査定を依頼して、結果を比較した方がよいでしょう。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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