【土地査定完全ガイド】流れ・決まり方と注意点を解説

土地の査定を依頼する前に知っておきたい基本情報

資金が必要になったり、土地が不要になった場合には、土地の売却を検討することがあるでしょう。土地を売却するには、まず不動産会社に査定を依頼する必要があります。土地査定の流れについて、詳しく知っていますか?今回は、土地を査定するための流れについて説明していきます。

土地査定の流れをステップ別で解説!売却前の準備方法

①測量図の準備方法と重要性

土地を売却するときにはいきなり不動産会社へ行って査定を依頼するのではなく、いくつかの事前準備が必要になります。まずは測量図を準備します。土地を売却するにはいくつかの書類が必要で、その中でも重要なのが測量図です。測量図には土地の面積が記載されており、その情報をもとに土地を査定してもらうことになります。なぜなら、査定のためには正確な土地の面積がわからないといけないからです。土地の面積に誤りがあると、売却価格が変動してしまう可能性があります。測量図は法務局で手に入れることができます。

②土地の特徴を整理して査定に備える方法

次に、土地に関する特徴をまとめておきます。土地の特徴には、隣接する道路の幅、騒音の有無、日当たりの良さなどが含まれます。査定を受ける前に土地の特徴をまとめておくのは、査定の際に土地の様子を不動産会社に伝える必要があるからです。そうすることでより正確な査定結果を出すことができます。
具体的には、車通りが多く騒音が激しい場合や日当たりが悪い場合、査定額が下がる可能性があります。しかし、もしこのような特徴を理解していれば査定額を上げるための対策をとることもできます。例えば、できるだけ日当たりの良いタイミングを選んで査定してもらえば、日当たりの悪さを軽減することができるでしょう。このように査定結果をよくするためにも、査定の前に土地の特徴を知っておく必要があります。

③土地相場を自分で調べる重要性と方法

土地の価格は不動産会社に査定してもらえますが、事前に自分で相場を調べておくことが重要です。なぜなら、より正確な査定結果を出すためです。査定の結果は不動産会社によって100万円単位で異なることがあります。もしいくつかの不動産会社にしか査定を依頼しなければ、その査定結果が正確なのかどうかはわかりません。しかし、自分で調べておけばその不動産会社の査定が高めなのか低めなのかを判断することができます。そしてより高額に買い取ってくれる不動産会社を選べば良いのです。また、自分で土地の価格を調べることで査定のポイントが理解でき、不動産会社の査定結果に納得しやすくなります。土地の価格は、不動産会社の公式サイトにある過去の査定事例を参考にしたり、国土交通省の「土地総合情報システム(URL:https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)」を検索したりすると調べることができます。
このように、希望の価格で土地を売却するには事前に準備をすることが必要なのです。

④机上査定の依頼手順と注意点

事前準備が整ったら、不動産会社に査定を依頼します。その方法は不動産会社の公式サイトの申込フォームに必要事項を記入するだけです。入力する内容には、土地の所在地や面積、間取り、築年数などがあります。土地の査定は無料で行うことができ、査定の結果は数日以内に電話やメールで届きます。入力は数分で完了する簡単なものですが、不動産会社一社ずつに査定を依頼するのは手間がかかります。そこで「一括査定」であれば、一回の入力で同時に複数の不動産会社に依頼することができます。おすすめの一括査定サイトについてはこちらを参照してください。不動産査定を複数まとめて出すには?査定を一括で済ませる方法を紹介!

⑤訪問査定の準備とスムーズな進め方

机上査定の結果を見て納得したら、次は訪問査定を行います。机上査定を行った複数の不動産会社の中から、2~3社を選んで訪問査定を依頼しましょう。訪問査定の結果も不動産会社によって異なることがあるため、複数の不動産会社に依頼をします。訪問査定の際には立ち会うことになるので、不動産会社と予定を合わせて訪問日時を決めます。

机上査定と訪問査定は両方やらなくてはならないというわけではありません。それどころか、どちらもやらなくても良いのです。しかし、机上査定を複数の不動産会社に依頼しておくと、より良い条件で土地を売却させてもらえる不動産会社を探すことができます。また、万が一査定の結果に納得できなかった場合には査定後でも売却をやめることもできます。そのため、机上査定と訪問査定は両方とも行うことをおすすめします。

⑥査定後の結果確認と次のステップ

訪問査定では机上査定とは異なり、不動産会社の担当者が実際に土地を見に行って審査を行います。訪問査定にはだいたい数10分〜1時間くらいかかります。訪問査定では机上査定ではわからない土地の様子を審査することになります。そのため、机上査定より正確な査定額を出すことができるのです。訪問査定では隣との境界や実測面積などを確認します。査定の担当者から土地に関していくつか質問をされる可能性があるので、その場合はできるだけ正確な情報を答えるようにしましょう。

⑦査定の結果を聞く

訪問査定の結果は査定後一週間程度で教えてもらうことができます。結果が出たときには土地の査定額や、その価格になった理由を確認しましょう。
さらに、これまでのやり取りから各不動産会社の担当者の対応も比較し、一番自分に合った条件の不動産会社を一つ選びます。その企業の机上査定と訪問査定の結果に納得できた場合、媒介契約を結び、土地売却の手続きを進めましょう。

土地査定の結果を決定づける要因とは?査定額に影響するポイント

土地の査定は近くにある類似した条件の土地を参考に決められます。しかしそれだけではなく、さらにいくつかのポイントが土地の査定額に影響を与えているのです。

①利便性:アクセスの良さが査定額を左右する理由

より利便性の高い土地の方が査定結果は高額になります。利便性とは、例えばバスや電車などの交通機関へのアクセスが良いことです。最寄り駅までの距離が近いほど利便性が高いため、土地の価格も高くなります。また、駅までの距離だけではなく、バスや電車の運行頻度が高いほど、利便性は高いといえます。他にも生活に欠かせない設備が近くにあると評価が高いです。例えば、近くにスーパーマーケットや商店街などがあると生活がしやすく、これも利便性が高いと判断されます。さらに、学校や図書館などの公共施設が近くにあれば査定額が高くなる可能性があります。

②周辺環境:地域の特徴が土地価値に与える影響

査定を依頼する土地の周辺の環境も査定結果に影響します。例えば、査定対象である土地の周辺が整備されていると査定額が高くなります。例えば、高さのない住宅が整備されて並んでいるような住宅地であれば評価は高くなります。一方、周辺に嫌悪施設があると査定額が下がってしまいます。嫌悪施設とは例えば、工場や倉庫、老朽化した建物、ゴミ処理場などが挙げられます。嫌悪施設があると査定額が下がってしまう理由は、周囲の環境が悪いと売却しても買い手がつかなくなってしまうためです。他にも、あまりにも周囲の音が騒がしい場合や電車や車による振動がひどい場合は買い手がつきにくいため、査定額は低くなってしまいます。

③土地用途の柔軟性:複数用途に対応する土地の評価

土地の用途も査定結果に影響します。土地には住居系用途地域、商業系用途地域、工業系用途地域というようにそれぞれの土地に適した用途が決められているのですが、さまざまな用途に使うことができる土地の方が高額になりやすいです。それは、戸建て住宅でも商業ビルでも工場でも、どのような建物でも建てることができる土地であれば買い手がつきやすいからです。
また、土地面積が広く、形状が整っている土地であればさまざまな用途に利用することができるため、査定評価は高くなります。一方で土地がいびつな形をしていると、利用用途が限られてしまうため査定額が低くなってしまいます。また、接する道路と高低差があると査定額に悪影響を及ぼします。

土地査定における注意点と失敗しないためのコツ

土地の査定結果は査定を依頼した不動産会社によって大きく異なることがあります。それは、不動産業者によって査定の方法が異なるからです。さらに、参考にする過去の取引事例も異なります。そのため、査定結果を聞くときにはその結果が正解だとは思わないようにしましょう。そして、複数の不動産会社に査定を依頼して、相場を推測するようにしましょう。
また、査定額は時期によっても異なります。つまり査定をしたときはその価格だったけれど、売却するときには価格が変わっていたということもあるのです。査定の結果はあくまで「この価格で売れるだろう」という予測でしかないということを理解した上で、土地の売却に踏み切るかどうかを決断しましょう。

土地査定のまとめと売却成功のためのポイント

今回は、土地を査定するための流れについて説明してきました。土地の査定を不動産会社に依頼すると、机上査定と訪問査定という二種類の査定を受けることができます。土地の査定額には、利便性、周辺環境、土地の用途が大きく影響することが分かりました。査定は、まず一度自分で行い、その後に不動産会社に依頼して机上査定と訪問査定の両方を行うことでより正確な査定結果を知ることができるのです。正確な査定金額を出し、できるだけ高額で売却するには、査定前の準備が欠かせません。土地を査定してもらうときには、土地の特徴や相場を事前に自分でも調べるようにしましょう。