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最終更新⽇時

2026/09/02

再建築不可物件はリフォームできる?法改正後に可能な工事範囲と費用相場

  • その他

再建築不可物件を所有しており、「リフォームして住み続けたい」「賃貸物件などとして活用したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

再建築不可物件は、建て替え自体はできないものの、一定の範囲内であればリフォームすることが可能です。

この記事では、再建築不可物件で可能なリフォーム範囲について、2025年4月の建築基準法改正を踏まえて解説します。再建築不可物件のリフォームに利用できる補助金制度、リフォームができないときの対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

再建築不可物件とは?

再建築不可物件のイメージ。

再建築不可物件のリフォームを検討するうえでは、まず「なぜ建て替えができないのか」を把握しておくことが大切です。再建築できない理由によって、可能なリフォーム範囲が異なる場合があるためです。

まずは、再建築不可物件の定義と建築基準法の改正による影響を解説します。

再建築不可物件の定義

再建築不可物件とは、現在ある建物を解体した後、原則として新たな建物を建てられない土地のことです。再建築不可となる理由はいくつかありますが、代表的なのが、建築基準法で定められた「接道義務」を満たしていないケースです。

建築基準法では、都市計画区域や準都市計画区域内にある建築物の敷地は、原則として幅員4メートル以上の建築基準法上の道路に2メートル以上接している必要があります。例えば、道路に接していない土地や、道路に接している部分の幅が2メートル未満の土地などは、接道義務を満たしていないため、再建築できません。

2025年法改正で大規模リフォームの建築確認対象が拡大

2025年4月の建築基準法改正により、木造2階建てや延べ床面積200平方メートル超の木造平屋建てなどでは、「大規模の修繕・模様替」に該当するリフォームを行う際に建築確認が必要となりました。大規模の修繕・模様替とは、壁・柱・床・梁・屋根・階段といった主要構造部のうち、1種以上について過半を改修する工事を指します。

再建築不可物件で大規模の修繕・模様替を行う場合、再建築不可の原因となっている接道義務などについて現行基準への適合が求められると、確認済証の交付を受けることが難しくなります。ただし、再建築不可物件だからといって、大規模なリフォームが一律にできなくなったわけではありません。

再建築不可物件の中には、建築当時は適法だったものの、その後の法改正によって現在の基準に適合しなくなった「既存不適格建築物」もあります。既存不適格建築物については、安全性など一定の条件を満たす大規模の修繕・模様替であれば、接道義務や道路内建築制限について現行基準を遡及適用しない措置が設けられています。そのため、接道義務を現在の基準に適合させないまま、大規模リフォームを実施できる場合があるのです。

実際にどこまでリフォームできるかは、再建築不可となっている理由や建物が適法に建築されたものか、工事の内容・範囲などによって異なります。再建築不可物件の大規模なリフォームを検討している場合は、計画を進める前に建築士やリフォーム業者へ相談し、建築確認が必要か判断してもらいましょう。

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再建築不可物件はどこまでリフォーム可能?

考え事をする夫婦。

ここまで解説してきたように、再建築不可物件でもリフォームそのものが禁止されているわけではなく、建築確認が不要な工事であれば実施できます。また、建築確認が必要となる大規模の修繕・模様替でも、既存不適格建築物に対する緩和措置を利用できる場合があります。

ここでは、再建築不可物件で可能な主なリフォーム事例を見ていきましょう。

関連記事:リフォームとは?意味・メリット・デメリットを徹底解説

内装・水回り設備のリフォーム

内装や水回り設備を交換する一般的なリフォームは、基本的に建築確認を必要としないため、再建築不可物件でも実施可能です。例えば、以下のような工事が該当します。

  • 壁紙・天井材の張り替え
  • フローリング・畳の交換
  • キッチンの交換
  • トイレの交換
  • ユニットバスの交換
  • 洗面台・給湯器の交換
  • 建具の交換

築年数が古い再建築不可物件でも、内装や設備を新しくすることで、居住性や使い勝手を改善できます。建て替えが難しい物件を今後も住まいや賃貸物件として活用したい場合には、まずこうした建築確認が不要な工事から検討するとよいでしょう。

屋根・外壁のリフォーム

再建築不可物件でも、屋根や外壁のリフォームは可能です。ただし、工事内容や範囲によって、建築確認が必要になるかどうかが異なります。

例えば、以下のような工事は一般に「大規模の修繕・模様替」には該当しないため、建築確認は不要です。

  • 屋根ふき材のみの改修
  • 屋根のカバー工法
  • 外壁塗装
  • 外装材のみの改修
  • 外壁のカバー工法

一方で、屋根や外壁を構成する部材まで広範囲にわたって修繕・交換する場合は、大規模の修繕・模様替に該当し、建築確認が必要になることがあります。工事範囲によって扱いが変わるため、リフォームを計画する際は、リフォーム業者や建築士に工事内容を見てもらい、建築確認の要否を事前に判断してもらいましょう。

耐震補強工事

耐震補強工事も、工事内容や範囲によっては実施可能です。

大規模の修繕・模様替に該当するかどうかは、改修部分が建物全体の半分を超えるかではなく、壁・柱・床などの主要構造部のうち、1種以上について過半を修繕・模様替するかで判断されます。例えば、耐震性を高めるために広範囲の壁を補強したり、柱を多数交換したりする場合、工事範囲によっては建築確認の対象となる可能性があるため、注意が必要です。

一方、建築確認が必要な耐震補強工事であっても、既存不適格建築物については、一定の条件を満たすことで緩和措置が適用される場合があります。築年数の古い再建築不可物件では耐震性に不安があるケースも考えられるため、まずは建築士などに建物の状態を診断してもらい、必要な補強内容と建築確認の要否を整理したうえで工事を検討しましょう。

断熱改修工事

再建築不可物件では、断熱性を高めるためのリフォームも実施できます。例えば、壁や床、天井などへの断熱材の追加や、既存の窓を断熱性の高い窓へ交換するといった工事などです。

断熱性能を高めることで、冬の寒さや夏の暑さをやわらげやすくなり、冷暖房効率の向上も期待できます。築年数が古い再建築不可物件を今後も住まいとして活用したい場合には、快適性を高める方法の一つとして検討するとよいでしょう。

バリアフリーリフォーム

手すりやスロープの設置、室内の段差解消といったバリアフリーリフォームは、再建築不可物件でも実施可能です。

廊下や階段、トイレなどに手すりを取りつけたり、玄関にスロープを設置したりすると、高齢者の方や身体に不自由のある方が生活しやすい住環境に整えられます。また、室内の段差を解消すれば、つまずきや転倒のリスク軽減にもつながるでしょう。

築年数が古い再建築不可物件を今後も長く活用したい場合は、将来の暮らし方を見据えてバリアフリー化を検討するのは一つの方法です。

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再建築不可物件のリフォーム費用相場

再建築不可物件のリフォームにかかる費用は、工事内容や建物の規模・状態、使用する設備のグレードなどによって大きく異なります。主なリフォーム費用の目安は、以下の通りです。

リフォーム内容 費用相場の目安
内装リフォーム(壁紙・床の張り替え) 50万~150万円
水回りリフォーム(キッチン・浴室・トイレ) 100万~300万円
外壁・屋根リフォーム 150万~400万円
耐震補強工事 200万~500万円
断熱リフォーム 100万~250万円
バリアフリーリフォーム 手すり設置:数万円程度
浴室などの改修:数十万~150万円程度
大規模な改修:200万円超の場合もある

ただし、再建築不可物件では、一般的な住宅よりもリフォーム費用がかさむ傾向にあります。再建築不可物件は築年数が古いケースも多く、工事を始めてから柱や床下、屋根などに腐食・劣化が見つかり、追加の補修工事が必要になることがあるためです。

また、接道状況によっては、工事車両や重機が敷地内まで入れないケースもあります。その場合、資材を人力で運んだり、小型車両へ積み替えたりする必要があり、搬入費や人件費が追加でかかる可能性がある点にも注意しましょう。

想定外の費用を抑えるには、リフォーム前に建物の劣化状況や接道状況を確認しておくことが大切です。合わせて、再建築不可物件へのリフォーム実績がある複数のリフォーム業者から見積もりを取り、工事内容や追加費用の発生条件まで比較したうえで依頼先を選びましょう。

関連記事:リフォーム費用を安くする方法と相場を部位別に解説

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再建築不可物件でも利用できるリフォームの補助金制度

再建築不可物件のリフォーム費用を抑えたい場合は、国や自治体が実施する補助制度を活用できないか確認してみましょう。再建築不可物件でも、各制度が定める住宅や工事の要件を満たせば、補助を受けられる可能性があります。主な制度は、以下の通りです。

制度 主な対象工事 補助額・支給額の目安
みらいエコ住宅2026事業 開口部・躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置、バリアフリー改修など 1戸あたり最大40万~100万円
既存住宅の断熱リフォーム支援事業 高性能な断熱材、窓・ガラスなどを用いた断熱改修 戸建住宅は1戸あたり最大120万円(補助対象経費の1/3以内)
介護保険法にもとづく住宅改修費の支給 手すりの設置、段差解消、引き戸への交換、洋式便器への交換など 支給限度基準額20万円。原則9割の最大18万円を支給(所得に応じて8割・7割)

※みらいエコ住宅2026事業では、所定の要件化工事を実施することが補助の前提となります

参考:『みらいエコ住宅2026事業|国土交通省』

参考:『既存住宅の断熱リフォーム支援事業|公益財団法人北海道環境財団』

参考:『介護保険における住宅改修|厚生労働省』

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再建築不可物件を再建築可能にする方法

セットバックされた道路と未施工部分。

再建築不可物件を自分たちの希望条件を満たす住まいにしたいなら、再建築可能にしてからリフォームや建て替えを行うのは一つの手です。ただし、費用や手間がかかるだけでなく、必ずしも実現できるとは限りません。そのため、慎重に検討することが大切です。

ここでは、再建築不可物件を再建築可能にする方法を紹介します。

接道義務を満たすようにセットバックを行う

前面道路が幅員4メートル未満でも、建築基準法上の道路として扱われる場合には、「セットバック」によって再建築可能にできることがあります。

セットバックとは、道路の中心線などを基準として敷地の一部を道路側から後退させ、必要な道路幅員を確保することです。セットバック後に建築基準法上の接道要件を満たせれば、建て替えが認められる可能性があります。

ただし、セットバックした部分には原則として建物や門・塀などを設置できないため、実際に利用できる敷地面積が小さくなる点には注意が必要です。また、再建築不可となっている原因によっては、セットバックだけでは解消できないケースもあります。

そのため、セットバックによって再建築が可能になるかどうかは、自治体の建築担当窓口や建築士などへの事前相談で確認しておくと安心です。

隣地の一部を購入・等価交換して接道義務を満たす

道路に接している間口が狭く、接道義務を満たしていないことが原因で再建築不可となっている場合は、以下いずれかの方法を検討できます。

  • 隣地の一部を購入する
  • 所有する土地の一部と隣地の一部を等価交換する

例えば、道路に接している部分の幅が2メートル未満の場合、接道義務を満たすように隣地の一部を取得すると、再建築が可能になります。また、隣地所有者と互いの土地の一部を交換する「等価交換」により、接道条件を改善することも可能です。

ただし、いずれの方法も隣地所有者の合意が必須です。土地の取得費用や測量費、分筆・登記などの費用が発生する場合もあるため、実現可能性と費用対効果を比較したうえで進めるのがよいでしょう。隣地所有者と交渉できる余地がある場合は、再建築不可を解消する方法の一つとして検討するとよいでしょう。

43条2項認定・許可を得る

接道義務を満たしていない土地でも、建築基準法第43条第2項にもとづく認定または許可を受けることで、再建築が可能になる場合があります。

建築基準法上、建築物を建てる土地は原則として道路に2m以上接していなければなりません。しかし、土地が接する道の状況や建物の用途・規模、安全性などが一定の要件を満たす場合には、例外的に接道義務を満たしていなくても建築が認められることがあります。例えば、敷地の周囲に広い空地がある場合や、一定の基準を満たす通路に接している場合などです。

ただし、43条2項の認定・許可を受けられるかどうかは、物件の状況や自治体の基準によって異なります。申請すれば必ず認められるものではないため、適用の可否については、あらかじめ特定行政庁や自治体の建築担当窓口などで事前相談を行いましょう。

私道について位置指定道路の指定を受ける

敷地と接する私道が建築基準法上の道路に該当しないため再建築不可となっている場合、その私道について「位置指定道路」の指定を受けると、再建築可能になる可能性があります。

位置指定道路とは、土地を建築物の敷地として利用するためにつくられる私道について、特定行政庁から建築基準法上の道路として位置の指定を受けたものです。指定を受ければ、その道路に2メートル以上接している敷地は、接道義務を満たして建築可能になります。

ただし、私道であれば必ず位置指定道路として認められるわけではありません。原則として幅員4メートル以上を確保するほか、道路の形状やすみ切り、排水設備などについて所定の基準を満たす必要があります。

位置指定道路の基準や申請手続きは自治体によって異なるため、指定を受けられる可能性や必要な整備内容は、あらかじめ自治体の建築指導課などで把握しておく必要があります。

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再建築不可物件のリフォームが難しいときの対処法

再建築不可物件で希望するリフォームの実現が難しい場合は、売却を検討するのも選択肢の一つです。物件を売却し、その売却代金を元手に再建築可能な物件へ住み替えれば、自分たちのライフスタイルに合わせてリフォームや建て替えを行えます。

ただし、再建築不可物件においてリフォームと売却のどちらが適しているかは、物件の状態や必要な工事費、売却価格などによって異なります。まずはリフォーム業者に相談し、実施できる工事の範囲と費用を把握しましょう。そのうえで、不動産業者にも査定を依頼し、どの程度の価格で売却できるのかを確認すると、両方の選択肢を比較しやすくなります。

関連記事:不動産買取業者に依頼する5つのメリットとリスク解説

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まとめ

営業担当者と笑顔で打ち合わせをする夫婦。

再建築不可物件でも、内装や水回り設備の交換、断熱改修、バリアフリー工事などのリフォームを実施可能です。また、既存不適格建築物の場合、緩和措置により建築確認が必要となる大規模な修繕・模様替を実施できる可能性があります。

ただし、リフォームできる範囲は、再建築不可となった理由や建物の適法性、工事内容などによって異なります。希望するリフォームが難しい場合は、売却して別の物件へ住み替える方法も検討するとよいでしょう。

株式会社リアルエステートの「おうちの相談室」では、権利関係が複雑な物件をはじめ、さまざまな不動産の悩みについて、不動産の専門家が状況整理から解決までサポートしています。再建築不可物件の買取にも対応しているため、「リフォームして使い続けるべきか、売却すべきか迷っている」方は、まずは「おうちの相談室」へお気軽にご相談ください。

記事執筆・監修
エキスパート職 山口智暉
  • -資格-

    宅建士、不動産コンサルティングマスター、FP2級、定借プランナーR、認定空き家再生診断士

  • -経歴-

    株式会社MDIにて土地活用の提案営業に従事
    東洋プロパティ㈱にて不動産鑑定事務に従事
    株式会社リアルエステートにて不動産買取再販事業に従事
    リースバック、買取再販、借地底地、共有持分、立退き案件を手がける

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