家を売却してそのまま住む方法は?リースバックの買い取り価格や家賃はどのくらい?
今回の記事は、以下のような方にお勧めです。
- リースバックを検討中の方
- リースバックでの買取価格について知りたい方
- リースバック活用における家賃の詳細を知りたい方
Contents
はじめに
家を売ってそのまま住むとはそもそもどういうことなのか?
それは、リースバックという仕組みのことを言います。
リースバックとは、持ち家を不動産会社などに売却しその売却先に家賃を払いながらそのまま住み続けることができるといった内容になっています。
売却してしまうので当然、物件の所有権はなくなりますが、将来的に買い戻して再び自分の家にすることも契約条件によっては可能です。
今住んでいる家に住み続けながらも売却を行うことができ、さらにはまとまった資金を一括で得られるリースバックは、老後の資金確保や子どもの教育用の資金として(受験や大学進学など)、または相続対策として、さまざまな目的に合ったメリットの多いサービスとして近年では注目されており、利用者も増えています。
実際にリースバックを検討中で、住宅の種類や規模、築年数や地域などによってどの程度の価格で売却できるものなのか?リースバック活用後の家賃はどのくらいになるのか?気になっている方も多いのではないでしょうか。
買取価格だけでなく、リースバック後の月々の家賃も、リースバック利用者には重要な要素となります。
今回の記事では、リースバック利用時の物件買取価格や家賃についてさまざまな観点で詳しく解説していきます。
買取価格について
リースバックにおける物件買取価格の相場はどれくらいなのか?
こちらは非常に気になるポイントだと思います。
リースバックの買取価格の相場は、エリアや地域によって多少異なりますが、一般的に市場価格の60%〜70%と言われています。
一般的な書状相場より少し低くなってしまう理由は買取を行う不動産会社が投資用不動産として、利回りを考えたうえで金額を設定しているからです。
買取価格は、築年数はもちろん、住まいの状態(綺麗かどうか、劣化がひどいか)、地域の環境や市場価値などによって影響します。他にも、固定資産税や維持管理費、最終的に居住者が賃貸をやめた後のリフォーム費などの経費も考慮したうえで、買取価格は確定します。
ただ、買取価格が一般市場の価格より低いからといって、必ずしも損とは断言できません。その理由は、価格が安くなってしまった分、家賃が安くなったり、買い戻しする際の価格が安くなったりする可能性もあるからです。
とはいえ、買取価格は大切な資金になるので、高い方が良い!といった方には、リースバックでの物件売却価格を少しでも上げる方法をお伝えします。
まず、複数のリースバック事業者へ見積もり依頼をすること。
相見積もりをすることによって、相場よりだいぶ少なく査定額を出しているような事業者があればすぐに分かります。またそのようなことがなかったとしても、見積もりを依頼している各社に他社でも見積もりしている状況ということが伝われば、それぞれ競合に顧客をとられまいと、査定額を頑張って少し高めに出してくれる可能性があります。
ただし、この際の注意点としましては、物件の売却価額が高くなると、リースバック後の家賃も当然高くなる可能性が出てくることです。
多くの方が最大限高い金額で売却したいと利益重視で考えると思いますが、その後に長く賃貸として住む予定の場合には、逆効果になってしまいますので、くれぐれも注意しておきましょう。
買取価格は大切な資金でもあるので売値は高い方がいいが、その後の家賃が上がるのは苦しい。
一体どうするのが最適なのか?悩む方も多いはずです。
買取価格を上げた方がいいケース、抑えた方がいいケースについて説明しておきます。
まず、買取価格を上げた方がいいケース。
一時的にまとまった資金が必要な方、住宅ローンの完済を目的としてリースバックをご利用予定の方には買取価格を重視し、将来的に住み替えも視野に入れることをおすすめします。
次に、買取価格を抑えた方がいいケース。
売却した家に長く住み続けたいと考えている方は買取価格が安くても家賃を低く抑えられる方が絶対良いと思います。
目先だけの買取価格で判断することなく、今後支払っていく家賃のことも考慮して将来を見据えながら慎重に検討することが大切です。
家賃について
リースバックの家賃の相場はどれくらいになるのでしょうか?
リースバックを検討している方は、家賃の相場も気になるところです。
基本的にリースバックの家賃は、物件の買取価格や利回り、周辺相場やエリアなどから算出されます。
実際には物件の状態や事情によって変わってきますが、以下では一般的な目安について説明します。
リースバックの買取価格は、一般的な市場相場における取引価格の60%〜70%程度になるケースが多いと前述でも触れましたが、それは買取をする不動産会社が利回りを重視しているためです。
利回りは、次のような計算式で求められます。
【利回り=1年分の家賃収入÷買取価格】
買取価格を抑えることができれば、もちろん利回りが高くなります。
一方、リースバック期間が終了した後に物件を別の購入者へ売却し収益を得ることを目的としている場合もあります。
そうなると、不動産私情市場自体が変動している可能性が出てくるので、リスク回避という理由から買取価格を少し下げなくてはいけません。
一方、売却時の売却価格で収益を得ることを重視している不動産会社の場合は、賃貸借期間が短ければ市況変動のリスクが軽減されるので、買取価格が高くなる傾向にあります。
買取価格の査定額は、物件の価値単体ではなく、賃貸借契約期間によっても変化するので要注意です。
リースバックを検討するときのポイントは、【買取価格】、【家賃】、【賃貸借期間】の3つの条件をセットで比較することが重要です。
また、家賃を決定するうえで期待利回りという言葉が出ることがあると思います。
期待利回りとは、物件の売却価格に対してかかってくる年間の賃料の割合を表す数値です。
例えば期待利回りが5%の場合は、年間賃料が売却価格の5%であるということを表します。
期待利回りは物件の種類や状況、築年数や運営会社の運営方針、財務状況によっても変わってきます。
運営会社によっては、売買価格は相対的に高かったとしても、家賃が周辺の賃料相場より高くなってしまうケースがあるかもしれません。
逆に、運営会社によっては、利回りをそもそも低く設定していて、家賃が周辺の賃料相場より低いケースもあります。
リースバックを利用する際に家賃が高いといった点は、デメリットとしてよく挙げられます。
リースバックの賃料は相場よりも高いと言われがちだが、実際本当にそうなのか?
家賃を払い続けられるのか心配で、リースバックを利用するか迷っている方も非常に多いと思います。
以下では、リースバックの家賃が高いと言われる理由と家賃を安く抑える方法を教えます。
リースバック利用後の家賃は、周辺の一般的な賃貸相場と比べて高くなるというのは事実です。
例えば、近いエリアで同じような条件の賃貸物件を借りると月々の家賃は10万円なのに、リースバック利用後の家賃は12万円になってしまったというケースも当然あります。
リースバックの場合はそもそも、周辺の家賃相場と比べても意味がないというのが結論です。
リースバックの家賃はあくまで【買取価格と利回りで決まる】と前述でも説明してきました。周辺の相場を参考に家賃を決められるわけではないので、通常の賃貸物件と賃貸料金を比べても仕方がないのです。
逆に言うと、リースバックの買取価格を下げれば家賃は当然下がります。そうなると、周辺の賃貸相場よりも家賃が安くなる可能性もあります。
リースバックの家賃相場を考える際は、周辺の家賃相場を参考にしてはいけないということを覚えておいてください。
ではどうすれば家賃を抑えることができるのか?
家賃を決める際、売却価格と期待利回りが重要な要因となります。
ですので、家賃を抑えるには、売却価格を下げ、期待利回りの低い運営会社を選定する事が解決方法となります。
例えば、住宅ローン残高がかなり残っている場合や競売を申立てられた物件は、売却価格を高くせざるを得ません。そうなると家賃が賃料相場より高くなってしまうことが多いでしょう。
リースバックを利用するには、運営会社が買取を行うためには、住宅ローン借入のため設定されている抵当権を抹消しなくてはいけないからです。
複数の会社に査定を出して期待利回りの低い会社を選定した上で、売却価格を下げることができ、結果的に家賃を安くすることに繋がります。
家賃を少しでも抑えたい方は、上記の内容を意識して買取価格を考えるようにしましょう。
まとめ
自宅を不動産業者に売却して売却代金を受け取ると同時に賃貸借契約を結び、その後は家賃を払いながらそのまま家に住み続ける【リースバック】という不動産取引について説明してきました。
リースバックで結んだ賃貸借契約においては、賃貸期間があらかじめ決められている場合も多く、ずっと住み続けられる保証はありません。
家賃が相場より高額に設定されてしまうことや、契約更新時に家賃が値上げされるリスクももちろんあります。
また、経済的事情の変化により家賃が支払えなくなる事態が生じる場合もあります。
自宅の売却はクーリングオフが適応されないので、契約が成立してしまうと無条件で解除不可能となってしまいます。
メリットだけでなくデメリットや、デメリットがなぜ生じるのかという詳しい仕組みもよく理解した上でリースバック活用を慎重に考えましょう。
そもそも不動産取引というのはとても複雑です。
契約する前に家族など信頼できる方に必ず相談し、自分一人だけで考え、判断することがないようにしてください。
また、リースバックの利用を検討する理由として多く見られるのが、早急にお金が必要となっているケースが大半です。
そのため、とにかくすぐに売買契約を締結したいといった方が非常に多いです。
リースバックでは、買取価格と家賃、賃貸借期間は、それぞれ単体で決まることはほとんどありません。
1つの条件が変われば、その他2つも変化してしまう可能性があります。
リースバック活用を検討する場合は、ライフプランや資金計画を整理して、3つの条件をセットで検討することをお勧めします。