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2024/07/29最終更新⽇時
2024/07/29リースバック契約について
- リースバック

Contents

今回の記事は、このような方にオススメです!
「リースバック契約に興味がある方」
「契約の流れや必要なものについて知りたい方」
この記事では、リースバック契約についてわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
リースバックの契約の流れ
① 運営会社の選定・問い合わせ
まずは利用したいリースバック運営会社を選び、希望の運営会社に問い合わせをします。多くの場合、物件状況や希望売却価格などの条件について確認されます。
条件に問題がなければ仮査定の申し込みをしましょう。
② 仮査定
仮査定では、物件を見ず間取りなどの情報で査定します。そのため、売買金額と家賃が目安で算出されます。
③ 現地調査
仮査定の結果に納得したら、運営会社が現地を訪問します。
実際に物件状況や周辺の確認、図面との照合をし、仮査定の際に分からなかった不具合がないかを確認した後、売買価格と家賃が確定されます。
④ 契約条件の提示
現地調査の結果をもとに、運営会社からリースバックの条件が提示されます。売却価格や家賃などの条件を確認したうえで、契約するかどうかを決めましょう。
運営会社によっては、売買価格や家賃の調整が一定の範囲内でできることもあるので、希望を伝えるのも良いと思います。
⑤ 契約
契約条件に問題がなければ、不動産売買契約の締結に進みます。契約を希望すると、必要書類の確認と契約日の調整が行われます。
リースバックの契約は基本的に「売買契約」と「賃貸借契約」の2つを結びます。
そのうちの1つ、「賃貸借契約」の中にも「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
「普通借家契約」とは、一般的な賃貸借契約で、契約期間は1年以上と決められており、満了後は希望すると更新がされるため、長く住み続けることができます。
「定期借家契約」は、住める期間が決められている賃貸借契約です。同じ物件に住み続けられる「普通借家契約」とは異なり、契約満了になると再契約できない場合があります。
⑥ 売買契約成立・賃貸開始
代金の支払いが完了すると売買が成立し、物件の所有権がリースバック運営会社に移転します。同時に賃貸借契約も成立し、運営会社が貸主として自宅の賃貸が開始されます。
リースバックがおすすめの方
- 老後の資金を確保・相続対策
老後は住み慣れた自分の家でゆったり生活したい方
子どもに財産を平等に分けてあげたい方 - 買い替え・住み替え
自宅の買い替えを考えているが、手付金が足りない方
住み替えをしたいが、ローンが残っている方 - ローンの完済
ローン返済が苦しい方
早くローンを完済したいが、住み慣れた家から引っ越したくない方
- 資金の調達
事業用の手元資金を確保したいので、家を一旦売却したい方
店舗、事務所が併設されているため、移転したくない方
リースバック以外がおすすめの方
- 生活費が足りない高齢者の方
- 相続したい相続人がいない方
- 自分が他界したら空き家になるの方
- 担保価値が高い一軒家に住んでいる方
- 家の所有権を失いたくない方
慢性的に生活費が苦しい方や現在の家に強い思い入れがない方は、リースバック以外の方法を検討するのも1つの案です。
リースバックと共に注目されている方法が「リバースモーゲージ」です。
その「リバースモーゲージ」について簡単に説明します。
「リバースモーゲージ」とは、自宅を担保にして住み続けながら生活費などの融資を受け、契約者が亡くなると同時に家を売却して借りた金額を返済する方法です。
高齢者向けのため、ローンを組めない年齢の方でも利用ができます。
メリットは、毎月の返済が利息のみであること、生活環境を変えずに老後の資金を借りられることなどがあります。
デメリットとしては、資金の使い方が老後の生活費と決められていること、担保とする物件の価値が下がってしまうと売却しても返済しきれない可能性があること、などがあります。
リバースモーゲージを利用する場合は家族の理解を得る必要があります。
ぜひ参考にしてください。
リースバックを利用するときに必要なもの
- 本人確認書類(身分証明書)
- 住民票
- 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 土地測量図
- 境界確認書
- 権利書(登録識別情報通知書、登記済書)
- 固定資産税通知書
- 固定資産評価証明書
- 収入を証明する書類(源泉徴収票や年金通知書など)
- 賃貸借契約における保証人の本人確認書類
場合によっては、以下の書類の提出を求められることもあります。
- ローン残高証明書・抵当権抹消書類
- 自宅の図面
- 掘削承諾書(前面道路が私道の場合)
- 自宅購入時の重要事項説明書
- 自宅建築時の建築確認通知書
- 管理規約・総会議事録(マンションの場合)
リースバック契約で起きるトラブルの例
- しつこい勧誘で契約してしまい、後日、解約を申し出ると高額な違約金を請求された
違約金以外でも高額な諸費用を請求してきてトラブルになることもあります。 - 家賃を上げられた
リースバックにおける家賃は割高に設定されることが多いですが、さらに家賃を引き上げられると家計にダメージを与えてしまいます。契約時に「引き上げはしない」と約束したにもかかわらず、賃貸借契約の更新と同時に引き上げられるという話はよくあります。 - 修繕費の負担について揉めた
通常の賃貸借契約では貸主が負担することが多いですが、リースバック契約においては不具合の発見が難しいため、元所有者が負担すると決められていることがほとんどです。 - 定期借家契約の再契約を断られた
借主を早めに退去させて転売したいと考える運営会社もいます。貸主が再契約を拒否したら、借主は退去せざるを得ません。 - 契約した会社が倒産してしまった
契約中に倒産した場合、住んでいる賃貸が競売などでの権利取得者に売却されることもあります。
次に、契約後に後悔しないためのポイントを紹介します。
リースバックを利用するときのポイント
①リースバックについて
契約の前に「リースバック」について知識を深めましょう。よく分からないままだとトラブルにつながる可能性があります。
②複数の運営会社を比較する
早く契約したくても、3社ほどは比較した方が良いです。契約内容やサービス、キャンペーンなど、それぞれで異なるため、複数の運営会社に査定を依頼しましょう。信頼できる買主を見つけるためにも複数の運営会社を見る必要があります。
③自宅の適正価格を把握しておく
本来の価値がどのくらいなのか理解してから売却価格との比較をしましょう。
リースバックで価格が落ちることは仕方ありませんが、提示された価格が低すぎないかどうかを知るために、あらかじめ確認しておくと良いです。
そして、複数の運営会社に査定してもらった結果を見たうえで、希望条件に近い会社と契約することがおすすめです。
④リースバック後の生活の検討
リースバックによって手に入ったお金を、無駄遣いしては意味がありません。手に入った資金を「何に」「どのくらい」使うのか、あらかじめ話し合いなどをして決めましょう。
特に、リースバック後の家賃を無理なく支払えるかどうかに気をつけてください。お金についての問題があると、家庭環境や生活の質が悪くなってしまいます。
⑤契約書の内容の確認
通常、契約時に用いられるのは「売買契約書」「賃貸借契約書」の2つです。
それぞれの契約書の確認事項を説明します。
「売買契約書」
売買契約書は、売却価格や代金の支払い方法、支払日を確認しましょう。
契約年数や再契約ができるかどうかなどの内容も、契約書に記載されるので希望に合った契約ができるように確認しましょう。
また、売却価格について、なぜその価格になったのかという根拠も知っておいたほうが良いです。
「賃貸借契約書」
賃貸借契約書では、契約の種類・家賃の金額と支払期限・解約についてなどの内容に、必ず目を通しましょう。よく確認しないままで契約すると、後で金銭トラブルの原因になることがあります。
加えて、契約期間後の対応も考える必要があります。
⑥買い戻しについての確認
買い戻しを検討している方は、買い戻しができるという口約束では、したいときに運営会社が応じない可能性があるため、価格がいくらになるか事前に書類化しておきましょう。
また、買い戻しの条件についてもチェックしておきましょう。
リースバックの買い戻し条件は、金額以外の条件が出されることがあります。金額以外の条件でも満たせるようにすることが大切です。
リースバックへの期待
最近では、本社のビルをリースバックし、継続してテナントを使用する企業も増えています。企業の場合は、管理コストの軽減や、資産売却による総資産利益率を向上させる狙いもあります。
住宅の場合は、所有権は買主に移転するため失うことになりますが、新しい家を購入するための資金調達ができたり、新しい家に引っ越すまでの短期的な仮住まいとしたりすることができます。もしくは、高齢者施設の順番待ちをしている間に利用するなど、使い方は広がっています。
リースバックは、主に高齢者の利用が多いですが、認知度はあまり高くありません。新たに参入する運営会社が増えたことに伴い、トラブルが多くなっています。しかし、国土交通省が実情を鑑み、「住宅のリースバックに関するガイドブック」を作成しました。
このように国の取り組みもあるため、リースバックを安全に利用できるようになってきています。私たちにできることは、国土交通省の取り組みなどの新しい情報を収集することです。
まとめ
今回は、リースバックの契約について解説しました。
自宅にそのまま住み続けながら売却資金を受け取れる「リースバック」が、有力な選択肢であるということをご理解いただけたと思います。
しかし、契約がどのように進んでいくのか、何に注意すべきなのかを理解していないと、トラブルになる可能性があります。特に、「普通借家契約」と「定期借家契約」の違いについては、注意が必要です。
契約の条件が不利になっていないか、将来のライフプランに合っているかなど、売買契約を結ぶ前にチェックして、自宅を売却してからの後悔がないように契約を進めましょう。
今、実際に契約を結ばなくても、老後の資金確保や出費の準備ができるという手段として頭に入れておくのも、良いのではないでしょうか。