投稿⽇時
2023/10/04最終更新⽇時
2025/06/13【必見】マンション水漏れ対策ガイド:原因、費用、責任を徹底解説
- 不動産の知識

Contents

マンション水漏れの基礎知識
マンションでの水漏れは多額の損害賠償請求を負うこともある一大事です。
万が一加害者または被害者になってしまった場合のために、水漏れとはどのようなものであり、どのような対処をすれば良いかを十分に理解しておくことがマンションの居住者には求められます。
今回は水漏れを招いてしまう原因とその責任所在、そしてその対処法について紹介します。
自分は大丈夫だろうと思わず、実践できるところから水漏れの対策を練っていきましょう。
現在マンションに住んでいる、マンションを購入しようとしている人は必見です。
水漏れの主な原因と事例
マンションの水漏れの原因は非常に多岐にわたります。
しかし、大きくは2つに分けられます。
1つはマンションの住民による故意または過失による水漏れのケースです。
2つ目はマンションの経年劣化など建物の構造的な部分による水漏れのケースです。
この2つのケースの具体例として何があるのかを紹介していきます。
①人為的な要因による水漏れ
このケースでは、多くが住民の不注意による水漏れです。
そしてこの水漏れはどんな方でも起こしてしまう可能性があるといえます。
例えば、トイレットペーパー以外の物をトイレに流して排水管が詰まり、水があふれ出すケースや、洗濯機のホースが外れたまま使用し、洗面所全体が水浸しになるケースがあります。
さらに、キッチンも水漏れが起こりやすい場所です。
油を排水管に流してしまうことで、排水管で油が冷えて固まり、水漏れを起こしてしまうこともあります。
「昨日まで大丈夫だったから」と油断していると、思わぬ被害を招く可能性があります。
また、しっかり栓を閉めるように心がけていたとしても、長い間使っていると部品が劣化してしまい、旅行に行っている間に破損して水漏れになっていたというケースも考えられます。
自分が水漏れの加害者とならないためにも日頃から水漏れを起こす可能性のある箇所は確認するようにし、こまめな掃除を行うことが欠かせません。
②構造的な原因や劣化による水漏れ
マンションの設備の故障や老朽化による水漏れは気づかずに被害が大きくなってしまうこともあります。
具体例として外壁の損傷による水漏れが挙げられます。
地震や台風などの災害などによって外壁にひびができてしまい、放置している間にひびが大きくなって雨が住居に侵入してしまっているというケースです。
水は床や梁を伝って広がるため、水漏れの箇所を発見するのが遅れ、被害が大きくなることが多いです。
また、見えない部分で進行する水漏れの原因として、配管の劣化が挙げられます。
マンションを通っている配管は給水管・給湯管・排水管の3つがあり、そのすべてが劣化によって水漏れを招きかねない重要なものです。
給水管や給湯管は浴室やトイレに水道を供給する管であり、水圧がかかっているため内部は高圧の水で満たされています。
そのため、経年劣化によってひびが生じてしまうと一気にひびが広がり大量の水が漏水してしまう可能性があります。
また、排水管は使用した湯や水を排水する管です。
給水管等に比べて水圧がかかっていない分、水等を使用した際にだけ漏水が起こります。
しかし、排水管は汚物も流す管であるため、劣化によって漏水が発生してしまうと悪臭を生じさせてしまう原因にもなりかねません。
この外壁や配管の損傷は普段生活している側は発見することが難しく、マンションの管理者がメンテナンスを十分に行っているかが重要になってきます。
かといって住民が何もしなくていいというわけではなく、メーターを確認するなど水に関する異変をいち早く察知できるように心がけることが大切です。
関連記事 : マンションの寿命を知ろう!老朽化後の選択肢と延ばし方
マンションでの水漏れの責任は?
マンションで水漏れの場合は、自身の部分の修繕だけでなく、被害にあった場所の修繕や損害賠償の費用も負担しなければなりません。
負担額は被害の規模や使用できなくなった家具や家電の価値に応じて変動します。
また、住むことができなくなったところまで被害が大きくなってしまった場合は、本来かかるはずのなかった被害者の宿として、宿泊代を損害賠償で求められる可能性もあるのです。
ではその責任の所在はどのように決められるのでしょうか。
そこに焦点を当てて紹介していきます。
責任の所在は水漏れの発生場所、原因、分譲か賃貸かによって変わってきます。
そのなかでも最も重要なのは原因が入居者によるものなのか、それ以外の者によるものなのかです。
原因が専有部でのものである場合は、入居者が水漏れを引き起こしたとして、責任は基本的に全て負わなければなりません。
さらに、他の階にも影響が及んだ場合、損害賠償請求される可能性が高くなります。
原因がそれ以外の所にある場合は、原因を特定し責任の所在を明らかにして、対処が求められます。
例えば共用部での水漏れ発生であれば、基本的にはマンションの管理者が責任を負うことになり、業者の施工ミスによる配管の故障等であれば業者が責任を負うことになります。
しかし、原因の所在が分からないというケースも存在します。
入居者の部屋の配管が経年劣化によって水漏れを起こした場合は、専有部であるもののいきなり全ての責任を入居者が負うことは不合理であるといえます。
その場合は区分所有法第9条に記されている通り、原因がはっきりしない場合は、共用部分に瑕疵(かし)があったものと推定して、区分所有者全員が責任を負うことになります。
これはあくまで推定であるため、責任が入居者である場合は、その区分責任者が責任を負うことになります。
また、分譲のマンションである場合は、老朽化が原因の水漏れに対して管理組合の修繕積立金から費用負担をする場合などもあります。
水漏れ発生時の適切な対応方法
水漏れの加害者になってしまった場合は、突然の出来事に対処の仕方が分からなくなることも少なくありません。
そのようにならないためにも以下の項目をしっかり覚えておいてください。
①マンションの管理会社に連絡する
水漏れの程度を自分だけで判断してはいけません。
水漏れは被害が小さいように見えて、実は大きな被害であり、下の階の住民に大きな影響を与えてしまうことも考えられます。
そこで優先的に行うべきなのが管理会社への連絡です。
その後にどのような対処を行えばよいのか、具体的な指示で行動することが最善といえます。
この判断が後の責任や費用負担に影響を与えるため、速やかに行動することが重要です。
②水漏れの状況写真を撮っておく
水漏れはすぐに責任所在が分からないケースも多くあります。
その際は修繕の後に責任を決めるため、原因を特定する材料とするためにできるだけ状況写真を撮ることが重要です。
特に夜間など管理会社に連絡が取れない場合はすぐに確認ができず、水漏れの状況が大きく変わってしまうことも考えられます。
なるべく多く、発生直後の写真を残しておくことが欠かせないでしょう。
③被害者へのお詫びを行う
水漏れは自分達の被害だけに収まらず、多くの住民へ影響を与えてしまいます。
損害賠償に加えて、被害に遭わせてしまった住民に対しては誠実な対応でお詫びをすることが重要です。
水漏れの被害に遭ってしまったとき
自身が水漏れの被害にあってしまった場合もすぐに管理会社に連絡することが望ましいです。
自身が原因でない場合でも、責任がないと楽観視せず、水漏れで家具や家電が損傷する可能性があることに注意が必要です。
さらに放置していると被害が大きくなることに加えて、壁が腐ったりと生活に悪影響を及ぼしかねません。
また、加害者とも冷静に対応し、トラブルを起こさないように心がけることが重要です。
トラブルを起こしてしまうと、損害賠償請求ができなくなってしまう可能性もあります。
冷静な対応で、必要であれば弁護士などの第三者を活用しながら、被害に対処していくことが求められます。
水漏れリスクを減らすための事前対策
水漏れを起こさない、加害者・被害者になったときにうまく対処するために事前にできることはいくつかあります。
まずは保険へと加入しておくことです。
加害者の場合でも被害者の場合でも、保険に入っておけば万が一の際に活用できるため、安心することができます。
保険の種類としてはマンションの管理会社で加入している火災保険に加えて、個人で加入している火災保険も適用される場合があるため、事前に保険についても検討してみるのが良いでしょう。
水漏れを防ぐためには、日常的なメンテナンスが非常に重要です。
水回りや配管に詰まりがないか、劣化している場所はないかをチェックすることが被害を抑えるために欠かせません。
水道メーターや水道料金の変化を無視せず、身に覚えのない増加があれば、水道業者に相談して不安を解消しましょう。
まとめ
今回はマンションの水漏れの原因と責任所在、その対処法について紹介してきました。
水漏れは発見までのスピードと対処によって被害の額や、責任の所在が大きく変化してきます。
「今までは大丈夫だったから」と安心するのではなく、もしかしたら経年劣化しているかもと疑いながら、水回りに気を配り、加害者にならないように心がけましょう。
被害者になってしまった場合も、状況写真を取りつつ冷静に対処することが欠かせません。