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2024/06/13最終更新⽇時
2024/06/13中古住宅の値引き交渉術!平均額と成功のコツを解説
- 不動産の知識

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「購入を検討している中古住宅が見つかったが、値引きは可能か?」「値引き交渉は通常行うべきなのだろうか?」
中古物件を購入する際、こうした疑問が生じることはよくあります。
中古住宅の値引き交渉は一般的に行われているものですが、事前に把握しておきたいことや注意すべきポイントがあります。
本記事では、中古物件を購入する際の値引き交渉について解説します。また、値引きの平均額や、知っておくべき注意点を合わせて紹介します。中古物件をお得に購入したい方は、ぜひ参考にしてください。
中古住宅の値引き額の平均相場とは?
中古住宅の取引では、一般的に売主と買主の間で値引き交渉が行われます。
売主が物件を早急に売却したいと考えている場合、値下げをしてでも売りたいと考えることがよくあります。値引き交渉によって数十万から数百万円の値引きを引き出せる可能性が高いため、交渉は積極的に行いましょう。
中古住宅の値引き相場は、約10%が一般的です。また、築20年までの中古の戸建て物件では、売出価格から約15%ほど値引きされた価格で、取引が成立することが多いようです。これは、買主が値引き交渉をしてくることを踏まえ、価格を設定しているケースが多いという背景があるからです。
しかしながら、すべての中古住宅がそうとは限りません。最初から適正な価格を設定しているケースもちろんありますので、値引きに応じてもらえないことがある点は理解しておきましょう。
値引き交渉がしやすい中古住宅の特徴
以下の5つの特徴を持つ中古物件は、値引き交渉がしやすくなります。
- 築年数が古い
- 売りに出されている期間が長い
- 周辺の相場と比べて売出価格が高い
- 物件の引き渡しに日数がかかる
- 売主が早期売却を希望している
築年数が古い中古住宅
中古の物件は、築年数が古くなるにつれて価値が下がる傾向にあります。築年数を見ることで、値引き交渉がしやすい中古物件かどうかの判断材料になります。築年数を考慮した売出価格になっているかチェックしましょう。
築年数が古いにも関わらず相場より高い価格が設定されている物件は、値引き交渉のチャンスと捉えましょう。
売りに出されている期間が長い物件
長い期間で売りに出されている中古物件も、値下げ交渉のチャンスです。希望価格で売り始めたものの長期間売れなければ、一般的に値引きを検討します。
そのため、物件が売りに出されている期間が長いほど、値引き交渉に応じてもらえる可能性が高くなります。なお、不動産の売却にかかる期間は3ヵ月から半年ほどといわれているため、売り出されてから半年以上経っている中古物件は値引き交渉のチャンスです。
周辺相場より売出価格が高い物件
希望のエリア内で売り出されている中古住宅に比べて、高い価格になっている場合は、値引きされることを踏まえた価格を設定している可能性があります。
周辺相場とは、同じエリアで類似の物件が取引される際の平均価格を指します。平均的な不動産価格は、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」で調べることが可能なので、希望するエリアの相場は事前に確認しておきましょう。
また、物件の売り出し情報を掲載するポータルサイトや不動産の情報誌なども参考になります。
物件の引き渡しに時間がかかるケース
物件の購入後、引き渡しまでに長期間かかる場合、その点を交渉の材料にすることができます。例えば、購入から引き渡しまで3ヵ月以上かかる場合には交渉してみましょう。
買主側からすれば、購入後すぐに入居できる点が中古住宅のメリットなので、購入してもすぐに住めないといった状況は交渉材料として使うことができます。
この場合、売主はあらかじめ引き渡し日が長期になることを踏まえて、売出価格を設定している可能性もあります。値引き交渉の際には、どのような根拠で価格設定をしたのか聞いてみましょう。
売主が早期売却を希望している物件
売主が早急に売りたいと考えている場合は、値引き交渉に対応してくれる可能性が高くなります。売主がその物件を売却する理由を、可能な範囲で尋ねてみることをお勧めします。
物件を売却することになった背景の一例には、次のようなものがあります。
- 新居を購入した(二重ローンを避けたい)
- 転勤するため家を早めに売却したい
- 離婚するため家の売却益を財産分与に充てたい
とくに3つめの財産分与に関しては、早急に不動産の売却を求められるケースが多いため、もしも売主から離婚に関する話題が出た場合は、売主に配慮しながら値引きの相談をしてみるとよいかもしれません。
中古住宅の値引き交渉を成功させるための準備
中古住宅の値引きを成功させるためにできる、下準備について解説します。
値引き交渉に最適なタイミングはいつ?
値引き交渉において最適なタイミングは、「住宅ローンの仮審査が通過した後」です。
仮審査が通過した後であれば、売主は「値引きすればこの物件を購入してくれるだろう」と確信しやすいです。
住宅ローンの審査時に買主に購入資金がなければ、売主は「いくら値引きをしたところで買ってくれない」と思うでしょう。値引き交渉を希望するなら、住宅ローンの融資条件を満たす資金を準備できることが明確になってから交渉を始めましょう。
なお、事前審査に必要な書類は一般的に、印鑑、身分証、源泉徴収票となっています。
中古住宅の相場を調べて価格交渉を有利に進める方法
購入を希望するエリアや間取り、戸建てやマンションなどが決まったら、似たような条件の物件がいくらで売りに出されているか調査しましょう。
希望する条件に近い物件の価格を調査し、検討している物件が相場より高いか低いかを判断しましょう。検討している物件の価格が相場よりも高ければ、それを値引き交渉の材料にできるでしょう。
中古住宅購入時にかかる費用を事前に把握する
購入したい住宅が決まっている場合は、その物件を購入する際にかかる費用を調べてみましょう。
性能や機能性をよくするためにリノベーションを検討している場合は、リフォーム費用も決めておきましょう。
予算内でお金の使い道や配分を把握できれば、交渉をより具体的に進めやすくなります。
売り出し期間が長い物件は値引き交渉に有利!
検討している物件がどのくらいの期間売りに出されているものかも、値引き交渉の材料になります。
長期間売りに出され、価格も下がっているのに売れない物件には、何らかの理由があるかもしれません。
インターネットや物件のチラシを見ても理由がわからない場合は、内覧会に参加して直接見に行くことをオススメします。
購入の意思表明を早い段階で示す重要性
売主は「購入を迷っている人」よりも「購入意欲が高く熱心にアプローチする人」を重視します。
早い段階で住宅購入の意思表示をして、「この人は購入意欲が高そうだ」と思ってもらえるようにしましょう。
一方で、売主の提供意欲が感じられず、契約に進むのは難しいと感じた場合は、早い段階で交渉を終了し、別の物件を探したほうがよいかもしれません。マナーも重要な値引き交渉になっていることを知っておきましょう。
住宅ローンの仮審査を通して信頼を得る
売主から見れば、購入費用が準備できていない買主よりも、すでに資金を持っている買主が喜ばれます。資金計画ができていない買主に対しては、申し込み(買付証明書)を受け付けてもらえない可能性もあります。
ほとんどの方が住宅ローンを利用すると思われるので、住宅ローン審査の承認はポイントになるでしょう。また、すでに融資を受けて購入を希望している買主であれば、売主は購入意欲の高さを信頼することができ、値引き交渉にも真剣に対応してくれる可能性があります。
融資の手続きには時間がかかるため、中古住宅の購入を進める際ははじめに金融機関への相談や審査にとりかかるとよいでしょう。
中古住宅の値引き交渉時に注意すべきポイント
値引き交渉が失敗に終わらないために、注意したいことは次の3つです。
- 売主との信頼関係を築く
- 物件の価値も見る
- 住宅ローン控除も視野にいれる
売主との信頼関係を築く方法
値引き交渉をスムーズに進めるには、売主との信頼関係を築くことが重要です。値引きを強引に求めたり、自分にとって都合のよい条件ばかりを求めると、売主から売却を拒否されてしまうかもしれません。値引き交渉をおこなう際は、売主の立場も考慮した上で交渉するよう心がけましょう。
また、値引き交渉の際は、物件のマイナス点を指摘するなどのネガティブな言葉でも交渉が決裂する可能性があります。交渉の際は相場を根拠にしたり、経済的な事情を理由にしたりと、直接欠点を指摘しない伝え方がよいでしょう。なお、値下げ交渉に自信がない場合は、交渉が得意な不動産会社に仲介を依頼すると安心です。
物件の価値を正しく理解して交渉を進める
価格を下げることだけに集中するのは、あまりよくありません。値下げ後の価格が、資産価値として妥当かどうかの判断も大切と言われているためです。
売出価格から大幅に値引きできたからといって、物件の資産価値を考慮すると割高になっている可能性もあります。値引き交渉のポイントは、物件の資産価値に基づいて取引をおこなうことです。事前に、資産価値を把握しておくとスムーズになるでしょう。
住宅ローン控除も交渉材料に活用する
値引き交渉だけでなく、購入する中古住宅が住宅ローンの控除対象になるかどうかも注目しましょう。住宅ローンを組んで物件を購入すると、一定の条件を満たせば所得税から控除することが可能です。
そのため所得税の節税をしたい場合は、住宅ローンの控除対象となる物件かどうかを確認することがポイントです。ただし、その中古住宅が住宅ローン控除の対象にならない場合、それを理由に値下げ交渉することもできるでしょう。
住宅ローン控除を受けられる条件には、次のようなものがあります。
- 住宅ローンの名義人が居住している
- 控除を受ける年の所得が3,000万円以下である
- 床面積は50平方メートルあり、半分以上が居住スペースである
そのほか、控除を受けるための詳しい条件は国税庁のホームページに記載されていますので、参考にしてください。
まとめ:中古住宅の値引き交渉でお得に購入する方法
中古物件の購入では、値引き交渉は一般的にされています。値引きを踏まえた価格設定をしているケースもあるので、遠慮せずに交渉してみましょう。
一方で、適正な価格を設定している売主もいますので、値引きに応じてもらえないことも理解しておくことが重要です。
値引き交渉では、適正な相場を知ることや住宅ローンの審査を進めるなど、事前にできることもあります。事前の準備を整えて値引き交渉ができるよう、ぜひこの記事を参考に進めてください。