アパート経営のリスク回避!デメリットを乗り越える方法

アパート経営とは?基本を押さえよう

アパート経営とは、アパート1棟を購入し、その部屋を賃貸することで入居者から家賃収入を得る不動産投資の一種です。
アパートオーナーの仕事内容には、入居者募集、家賃回収、建物管理、トラブル対応など、さまざまな業務が含まれています。忙しい会社員がアパートオーナーになるのは難しいと考える方もいますが、管理会社に委託すればオーナーの業務を代行してもらえます。
管理を委託するには委託料がかかりますが、オーナーは管理業務を行わずにアパート経営ができるため、本業がある会社員でも始めやすくなります。
さらに、アパート1棟の他にマンション1棟を購入する選択肢もありますが、マンションは総戸数が多く、規模が大きくなります。よってアパート経営の方がはじめやすいと言えるでしょう。

アパート経営のデメリットとリスクの理解

空室リスク

アパート経営の最大のデメリットは、入居者から毎月安定した家賃収入を得られることです。部屋ごとの購入ではなく1棟丸ごと購入なので、戸数分の家賃収入を得られ、大きな収入となります。
一般的に、アパートの部屋数は6〜8部屋程度です。例えば、家賃が8万円であれば、毎月の家賃収入は48万円〜64万円になります。
しかし、入居者がいない場合、家賃収入はゼロになります。部屋数に対して入居者が少なければ、その分家賃収入も減少し、修繕費やローン返済などの支払いで赤字になる可能性があります。赤字が続くと、アパート経営自体が難しくなります。

家賃滞納リスク

アパート経営では入居者がいる限り毎月家賃収入を得られますが、入居者が家賃を滞納するとオーナーへの家賃収入が止まり、安定した収入を得られなくなります。
オーナーが自らアパートを経営している場合、入居者に連絡して家賃の催促をする必要があります。入居者と連絡が取れなかったり、催促しても家賃の振込がないこともあります。
さらに、家賃の振込がないからといって、入居者をすぐに退去させることはできません。強制的に退去させるには時間がかかります。その間、家賃収入が得られず損失が続くため、アパート経営に対する負担が増す可能性があります。

老朽化リスク

アパートは築年数が経つにつれて経年劣化が進み、外壁が剥がれたり内装が古くなります。そのため、修繕やリフォームが必要です。建物や内装が古くなったまま放置すると、次の入居者を決めるのが難しくなります。
アパートは一般的に12年ごとに大規模修繕が必要です。大規模修繕には外壁の塗装、屋上防水、給排水管の交換などが含まれます。
また、入居者が退去した際には、原状回復のためのクリーニングや消毒、劣化した設備の交換が必要です。
このように、アパート経営には修繕費がかかり、オーナーの支払い負担が大きくなります。

家賃下落リスク

入居者が退去した後、次の入居者がなかなか決まらないことがあります。内装のリフォームや設備を交換しても入居者が決まらない場合、家賃を値下げして入居募集を行うことがあります。
とくに新築アパートの場合、値下げの幅が大きいです。新築当初は家賃の価格が少し高く設定されています。多少高くても新築に住みたい入居者はいるので、賃貸需要はあります。
しかし入居者が退去してしまえば、もう新築ではありません。築年数が経てば新築の魅力はなくなってしまい、相場家賃に合わせるため、大幅な家賃下落が想定されます。
そうすると当初思っていた家賃収入を得られなくなり、収支バランスが崩れてしまうこともあります。

アパート経営のデメリットを回避する実践的対策

空室リスクの回避策

アパート経営で一番避けたいのが空室リスクです。空室の場合、入居者からの家賃収入はありません。
空室リスクを回避するためには、アパート選びが非常に重要です。アパートを選ぶ際には、立地条件が良く、賃貸需要が見込めるエリアを選ぶことが重要です。最寄り駅からの近さや、周辺にコンビニやスーパーがあり生活利便性が良いか確認する必要があります。
今後再開発が行われ、企業や商業施設が増えれば、企業に勤める会社員や周辺環境の良さにより賃貸需要が見込まれます。再開発の情報は自治体のホームページで確認できます。
アパート選びは、立地条件や賃貸需要の見込めるエリアの情報を収集できるかによって、今後経営がうまくいくか失敗に陥るかが決まってくると言えるでしょう。

家賃滞納リスクの回避策

入居者がいることで家賃収入を得られますが、入居者がいても家賃を滞納されてしまうとオーナーへの家賃収入はとまってしまいます。管理費や修繕費などがかかりオーナーの負担は大きくなります。
すぐに入居者を退去させることもできず、オーナーにとって収入が減ることは不安です。
家賃滞納リスクの回避策として、入居申し込み時に入居者に家賃保証会社への加入を必須とすることが重要です。家賃保証会社とは、入居者が家賃を滞納した場合に入居者に代わってオーナーに家賃を支払うサービスを提供する会社です。保証会社が入居者に催促を行ってくれるので、オーナーの負担は少なく済みます。

老朽化リスクの回避策

建物は築年数が経つと外装や内装が古くなり、修繕やリフォーム費用がかかります。突発的な修繕が必要になることもあるので、その度に大きな額を支払うのはオーナーの負担になります。
老朽化リスクの回避策として、日頃から建物や内装のメンテナンスを行い、アパートをよい状態に保つことが重要です。メンテナンスを怠ると、劣化はどんどん進み、結果大きな修繕が必要になります。
また、大規模修繕や突発的な修繕が必要になっても対応できるように、毎月修繕費を積み立てていきましょう。毎月の利益は少なくなりますが、突然大きな修繕費がかかるよりかは、修繕費用として準備できていた方がオーナーとして安心です。

家賃下落リスクの回避策

入居者が決まらない時には、家賃を値下げして募集することも出てきます。そうするとアパートを購入した当初よりも家賃収入が少なくなり、収支バランスが崩れてしまいます。
家賃下落リスクの回避策として、立地条件が良く、人気のあるエリアを狙ってアパート選びをしましょう。立地条件が悪いと入居者は決まりにくいです。入居者を決めるためにも、最寄り駅の近さや周辺環境のよいアパートを選ぶとよいです。
とくに新築の場合は家賃設定が高くなっているので、退去した後の家賃を相場に合わせると低くなります。新築アパートの場合は、値下がりの幅が大きくなることを前提に収支計画を立てるようオススメします。

アパート経営のメリットとその魅力

安定した家賃収入

アパート1棟を購入して、部屋を賃貸として貸し出すことで入居者より家賃収入を得られます。全部屋入居者がいれば、全戸数分の家賃がオーナーに入ります。
アパート運営を管理会社に委託すれば、オーナー業務を代わりに行ってくれるので、忙しい会社員でもアパート経営は可能です。
働かずに毎月安定した家賃収入を得られるので、家族がいれば教育資金や将来の老後資金として貯めていけます。
ただし、家賃収入がそのままオーナーの利益になるわけではありません。家賃収入から管理費や修繕費、ローン返済費用を差し引いた残りがオーナーの利益となります。

生命保険の代替としての役割

アパート経営をはじめる際に、金融機関からローンを組んでアパートを購入します。その際に団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険とは、万が一債務者が亡くなったり、高度障害を負って返済が難しくなった場合に、ローンの残金を保険金で相殺できる保険です。
残された家族はローンの残高を支払うことがなく、遺族年金として家賃収入を得られ、生命保険の代わりになります。

節税効果を活用する方法

アパート経営で得た所得は、本業の給与と合算して所得税、住民税の計算します。もしアパート経営で赤字になった場合、本業の給与課税所得より不動産所得の赤字分を差し引くことで課税所得が少なくなり、所得税、住民税も低くなりますよ。
不動産の所得を計算する方法は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。必要経費として挙げられるものは管理費と修繕積立金、固定資産税、減価償却費などがあり、ここでポイントとなるのが減価償却費です。
減 価償却とは、不動産など価格が大きく長期間にわたって使用できる資産は、購入した年に経費計上せず、一定の期間にわたって経費として計上できます。
一定の期間は物件の構造によって異なり、重量鉄骨造は34年、木造は22年など法定耐用年数が決まっています。重量鉄骨造の新築アパートを購入すれば、34年間減価償却費として毎年経費計上することが可能です。実際には支出としてお金は出ていっていないですが、会計上の赤字を作れます。
ま た相続税対策もありますよ。現金や有価証券を相続する場合は、時価に対して相続税がかかります。一方、土地や建物の相続税は一定のルールに基づいた相続税評価額を用いるのが特徴です。
アパートなどの収益物件は相続税評価額が下がる仕組みとなっているので、アパートによってですが、時価のおよそ30%〜50%まで減額されます。
相続の際に、相続税評価額が下がるアパートは現金を相続するよりも、相続税を抑えることが可能です。

アパート経営のデメリットのまとめと将来展望

アパート経営とは、アパートを1棟購入後、部屋を賃貸として貸し出すことで入居者より家賃収入を得られます。アパートを購入後は、管理会社に委託することで、家賃回収や建物管理などの業務をオーナーに代わりに行ってくれるので、忙しい会社員でもはじめることが可能です。
アパート経営をする中で、家賃収入などのメリットはありますが、デメリットもあります。空室リスク、老朽化リスクなど予測されますが、事前に対応することである程度のリスクを抑えられます。
アパート経営をはじめる際は、リスクも把握してから始めるようにしましょう。