アパート経営にかかる経費について解説します!

今回の記事は、以下のような方にお勧めです。
- アパート経営を考えている方
- アパート経営初心者の方
- アパート経営について詳しく知りたい方
Contents
必要経費について
初心者でもある程度の定期的な収益が見込めることで、人気のある土地活用方法がアパート経営です。
アパート経営で収入を得るには、さまざまな経費が必要となります。
また、収入から経費を差し引いた後の利益額に応じて税金を納めなくてはなりません。
そのため、多くの経費を計上すれば税金の納税額も減らせますが、詳細や節税方法をちゃんと理解しておくべきです。
今回は、アパート経営に関する経費や節税のコツについて詳しく説明していきます。
アパート経営における必要経費は、家事上の経費としっかり区分しなくてはいけません。
必要経費は確定申告や税務調査で厳重にチェックされるので、必要経費として処理できるのか迷った際は税理士など専門家に事前に確認してください。
以下では、必要経費について詳しく紹介していきます。
固定資産税
土地や建物を所有していると、必ず支払わなくてはいけないのが固定資産税です。
アパート経営においてかかる税金の中でも不動産関係のものは、経費として計上できます。
例を挙げると、印紙税や登録免許税、都市計画税、事業税などは、経費として計上できますが、法人税や所得税は計上できないので要注意です。
損害保険料
所有しているアパートが加入している地震保険や火災保険などの損害保険料も必要経費です。
保険を1年ごとにかけているケースは全額経費として計上できますが、数か年契約の場合は1年単位で割って計上していくので覚えておきましょう。
減価償却費
減価償却の対象は建物部分の本体と建物設備の2つとなります。
ただし、土地は対象外です。
本体における減価償却費は建物の耐用年数に応じて経費が上がります。
償却期間は建物の構造によって異なるので要注意です。
【法定耐用年数(本体)】
鉄筋コンクリート→47年
重量鉄骨造→34年
木造→22年
【法定耐用年数(建物設備)】
電気設備や給排水設備など→約15年
アパートそのものの購入代金や建築費用などで数千万円以上かかるので、最も高額な経費になると思っていてください。
修繕費、修繕積立金
アパートのドアやトイレ、キッチン、換気扇などの設備に関する修理費用は、修繕費として計上できます。
壁紙や床を新しくして綺麗にする場合など原状回復のための費用は修繕費として区別されます。
また、減価償却とは異なり、該当する年に一括で計上可能ですので、節税も期待できるでしょう。
租税公課
アパートを購入したり、所有することで発生する税金(不動産取得税、事業税、印紙税など)です。
借入金利息
アパートを買う際に借り入れた資金の利息は、経費として計上できます!
しかし、土地購入分の利息については対象外です。
注意点は、元本の返済金分は経費として挙げられないこと、建築後に支払った利息しか計上できないことです。
管理費
アパートやマンションの入居者様の募集、管理人や清掃業者など管理に伴う費用は必要経費として計上できます。
例えば、エレベーターや共用部の設備点検にかかる費用や、保守管理費用、清掃に関する費用などがこの管理費用として挙げられます。
また、これは管理会社に管理業務を委託している場合も同じです。管理会社に支払っている管理代行費用を経費として計上可能です。
交通費
知らなければ意外に思われるのが交通費も経費として計上できることです。
保有しているアパートに移動する際にかかる交通費や、関係者の移動にかかる交通費が対象となります。
車を利用しているのであれば、駐車場代やガソリン代、高速代金、車検にかかる費用、保険料、自動車税も対象です。
少し得した気分になるので、メリットだと感じる方も多いのではないでしょうか。
・通信費
管理会社と電話する際の通話料、物件検索する際のインターネット通信関連費用は、必要経費に含まれます。
しかし、プライベートで利用したのか、アパート経営関連で利用したのか、しっかり管理していない場合は税務署が経費として認めてくれないので注意しましょう。
それぞれの使った分をちゃんと把握しておく必要があります。
広告宣伝費
アパート経営していくうえで最も重要なのが、入居者数です。
アパートを建てたはいいが、入居者がいなければ収益に繋がりません。
むしろマイナスになってしまいます。
入居者をしっかり募集するためにも宣伝費用や広告費用をかけることは非常に重要です。
広告宣伝費は、経費として計上できます。
新聞図書費
アパート経営に関する情報を集めるための書籍や新聞、雑誌などを購入する際の費用は、必要経費の対象となります。
接待交際費
アパート経営するにあたって必要な相手(管理会社や税理士など)と認められた場合の接待交際費は必要経費となります。
しかし、内容によっては経費として認められないケースがあるので注意しましょう。
私用で使った飲食費は経費として計上できませんので、覚えておいてください。
消耗品費
パソコンやデジタルカメラ、プリンターなどは、消耗品として経費計上できます!
ただし、10万円以上の場合は減価償却費として対応しなくてはならないので要注意です。
また購入した消耗品費を私用で使う場合は、全額を経費として落とすことはできません。
その他
弁護士報酬や立ち退き料、仲介手数料、税理士報酬も、必要経費に含まれます。
ただし、アパート経営とは無関係で、個人的な問題で弁護士や税理士に相談する場合は経費の対象外となるので注意してください。
原則として、【アパート経営に関する費用であること】が大前提なので、プライベートで使った費用は必要経費の対象にはならないと思っておきましょう。
節税のコツ
アパート経営するうえでかかる経費を抑えれば抑えるほど、当然手元に残る収益は大きくなります。
だからといって、あまりにも経費削減してしまうと入居者が安全に暮らせなくなったり、入居者の不満となる可能性もあるでしょう。
それが原因で入居者が退去した場合、収入が減るので、どちらにとってもマイナスでしかありません。
経営のクオリティを低下させることなくしっかり保っていくことが非常に重要です。
以下では、節約のコツを紹介します。
是非参考にしてみてください。
賃貸管理料
アパート経営の経費の中で占める割合が大きいのが賃貸管理料です。
賃貸管理会社に支払う経費です。
金額の目安としては家賃の約5%〜10%とされていますが、物件構造や管理内容によっても異なります。
全てを管理会社に任せっぱなしにするのではなく、一部を自分で行うことで経費を削減できます。
自分で行えば、物件の状態もしっかり確認できるので、非常に合理的だと言えるでしょう。
クレーム対応や入退去の手続き、修繕計画などは管理会社に依頼して、できるかぎり自分でも管理することをオススメします。
入居者をちゃんと維持する
アパート経営における収入の大部分は入居者が支払う家賃です。
できるかぎり空室率を低くし、退去したあともすぐ次の入居者が入ることが理想的なことは一目瞭然だと思います。
管理会社にも協力してもらって、できるだけ空室を出さないよう対策していきましょう。
また、周辺地域の賃貸需要や競合物件についても常に最新の情報を得ておくべきです。
なによりも入居者の満足度が大切なので、真摯に向き合わなくてはいけません。
管理会社とは可能な限りこまめに連絡を取り合いながら情報を共有していきましょう。
収支計画
不動産投資するうえで大切なことは、あらかじめ長期的な計画を立てることです。
大規模修繕は支出も非常に大きくなるので、自己資金や積立金がしっかりあるに越したことはありません。
予想外の修繕が生じた際はタイミングを分散させれば、所得税の節税に繋がります。
何かあった時に急いで対応するのはもちろんですが、【何かが起こる前】に、あらかじめ長期的な計画も視野に入れておくことをオススメします。
簿記の重要性
専門家だけに頼るのではなく、ある程度はアパート経営に関する知識をつけておくことも大事です。
そこでオススメなのが【簿記】です。
簿記の内容は経営面でも非常に役立ちます。
知識がちゃんとあれば、節税はもちろん、確定申告の手続きもスムーズに進められると思います。
分からないことは専門家が教えてくれますが、自分でも調べる癖をつけましょう。
しっかり理解することが重要です。
・不動産会社選び
アパート経営の成功は不動産会社選びに左右されるといっても過言ではありません。
現在、不動産会社の数は非常に多いのでどこを選ぶべきか迷ってしまう方も多いと思います。
管理実績を確認することはもちろんですが、仕事が丁寧かどうか、管理委託費の金額を比べる、仲介部署があるかどうかなどをポイントにして何社か比較してみることをオススメします。
経費率を下げることだけに囚われてはいけない
節約のことばかりを優先し、経費率を下げることばかりを意識してしまうとデメリットも発節税すれば手元に残る収益は増えますが、あまりにも過度に経費削減すると物件自体のクオリティを維持できなくなります。
保険やローンも同時に見直しながら、建物のクオリティを維持するための管理費はしっかり確保しておくことが大切です。
入居者が不満を持たず快く過ごしてくれることを最優先に考えましょう。
そうすれば、結果的に節税にも繋がると思います。
最後に
アパート経営に関係している費用は、必要経費として計上可能です。
関係しておらず、プライベートな費用は、必要経費の対象外となるので覚えていてください。
アパート経営は節税対策としても非常に適した土地活用方法と言えるでしょう。
経費を適切に計上するだけでも、ある程度の節税になります。
専門家のアドバイスを参考にしながら、自分でもちゃんと勉強して収支計画を立てることをオススメします。
使っていない土地の活用方法に悩んでいる方は、アパート経営を視野に入れてみてはどうでしょうか。