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不動産を売却する方法を知っていますか。とりあえず不動産会社に行けばよいと思っている人もいるかもしれません。しかし、実はさまざまな準備をしないとうまく売却できないことがあるのです。今回は、不動産を売却するときの流れや手順を説明していきます。
まずは不動産を売却するために必要な書類を準備します。不動産の売却に必要な書類とは、登記済権利証、固定資産税納付通知書、建築確認済証、検査済証、土地測量図面、境界確認書本人確認証、印鑑証明書、住民票です。マンションを売却する場合にはこれらに加えて管理規約が必要になります。
これらの書類に不足があると売却をスムーズに行うことができません。少しでも早く売却したい場合は書類に不備がないように準備しておきましょう。しかし、必要となる書類は不動産業者によって異なります。契約する不動産業者を決めたら早めに必要書類を確認しましょう。
書類が準備できたら、不動産業者を選びます。不動産取引には仲介と買取の二種類があり、業者によってそのどちらに対応してもらえるのかが異なります。買取を専門としている業者、仲介を専門としている業者、両方を扱える業者があるので、目的に合った業者を選ぶようにしましょう。不動産業者を選ぶ段階はおろそかにしてしまいがちですが、実はこの段階が一番重要です。それは、ここで選んだ不動産業者と長く付き合っていくことになるからです。そのため、時間をかけて選ぶようにしましょう。
不動産業者に査定を依頼する前に、自分でも不動産の相場価格を調べておくとよいです。それは、後で査定を依頼したときにその査定額と比較することでより適正な売価価格を知ることができるからです。不動産の相場価格の調べ方は、不動産に関するチラシを参照したり、不動産屋に貼り出されている情報を見たり、不動産業者の公式サイトを見たりする方法があります。しかし、これらに表示されているのは売り出し価格です。売り出し価格は売り手が受け取る価格とは異なっていることが多いです。不動産の相場を調べるときには、「レインズ・マーケットインフォメーション」や「土地総合情報システム」などがおすすめです。
「レインズ・マーケットインフォメーション」とは、不動産の売却価格を調べることができるサイトです。国土交通大臣が指定している不動産流通機構が運営しているため、信頼性があります。
URL:http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do
「土地総合情報システム」では地価公示、地価調査、取引価格を検索することができます。こちらも国土交通省が運営しているので、信頼性があります。
URL:https://www.land.mlit.go.jp/webland/
これらのサイトを利用して不動産の相場を調べてみましょう。
自分で不動産の相場を調べた後には、不動産業者に査定を依頼します。査定をすると、その不動産を売却するとしたらいくらで売却することができるか予測することができます。不動産業者が行う査定には机上査定と訪問査定の二種類があります。机上査定とは、不動産の情報をもとに市場価格を査定する簡易的なものです。一方、訪問査定とは実際に不動産を見に行って、その周辺情報までを考慮して査定するものです。そのため訪問査定の方がより適正な価格を提示することができます。査定結果は業者によって大きく異なることがあるので、複数の業者に依頼するようにしましょう。
査定結果がいくらであれば不動産を売却するかを検討しましょう。先に目安を決めておけば希望の売却価格に基づいて金額交渉を行うことができ、査定結果に左右されずに売却価格を定めることができます。査定が終わると不動産業者から売却価格が提示されます。その結果に納得すれば売却手続きを進めていきます。最も自分の希望に合った条件を提示してくれた不動産業者と契約しましょう。
不動産を売却することを決めたら、さまざまな条件について確認します。まず確認する必要があるのは、売却のスケジュールです。不動産をいつ引き渡すのか、入金はいつになるのかなどを確認します。次に、どのような書類が必要になるのかを確認します。不動産業者によって必要となる書類が違うことがあるのでよく確認しておきましょう。他にも、引き渡しの際は物を残しておいてもよいのか、手付金はいくらか、契約を解除したい場合にはどうしたらよいのかなどについても確認しておきましょう。細かく確認しておかないと、後でトラブルになってしまうことがあります。
条件を確認し、納得したら売買契約を結びます。この後の手続きは全て契約に従って行われていきます。必要な内容が書かれていなかったり、誤った内容が記載されていたりしてもそのまま採用されてしまうので、契約を結ぶ前によく確認しておきましょう。契約書を読み上げて確認し、間違いがなければサインをします。契約を結んだら手付金を受け取ります。手付金とは、買い手から売り手に支払う費用で、契約が締結されたことを示します。万が一買い手がローンを滞納した場合などにはこの手付金が充てられます。また、買い手が契約を解除したくなった場合、手付金の2倍の額を売り手に支払うことで解約することができるのです。
契約締結後には不動産を引き渡すことになるので、そのための準備を行います。まずは必要な書類を集めておきます。本人確認証、印鑑証明書、登記識別情報などの書類が必要になります。次に、部屋を片付けておく必要があります。不動産を引き渡す前に自分自身も引っ越しをします。また、電気、ガス、水道などは解約しておきましょう。
最後に決済と引き渡しを行います。すでに手付金を受け取っているので、売買代金から手付金を引いた残りの代金を受け取ります。引き渡しの日には、司法書士の立ち会いのもと、書類へのサインや鍵の受け渡しが行われます。多くの場合、司法書士は不動産業者が紹介してくれます。他にも登記の手続きが必要な場合は司法書士に依頼して対応してもらいます。司法書士への報酬はこのタイミングで支払います。これで売却に必要な手続きは全て完了しました。
不動産を売却することができたら確定申告をします。確定申告とはある1年間の収入と支出から、その年に支払わなくてはならない税金の額を確定することです。不動産を売却して得た金額も収入になります。不動産を売却したことでかえって損してしまった場合には不要ですが、売却益が出た場合は確定申告をしなくてはなりません。売却による利益は、売却価格から購入価格、購入にかかった諸経費、売却にかかった諸経費を引いて求められます。その金額に対して税金はいくら払う必要があるのかを調べましょう。確定申告が必要なのに行わないでいると、無申告加算税や延滞税などが加算されてしまうので忘れずに確定申告をするようにしましょう。また、売却益が出ていなくても確定申告をするとよいことがあります。それは、税金の控除を受けられるという点です。例えば、「3,000万円特別控除」というものがあります。これは、売却益が3,000万円以下であれば課税の対象にならないという制度です。3,000万円特別控除のおかげでほとんどの戸建て住宅では売却しても税金を支払う必要はありません。しかし3,000万円特別控除を受けるには確定申告の手続きが必要になります。控除を受けるためにも忘れずに確定申告する必要があります。
確定申告は税理士に頼むか、自分で行うこともできます。しかし税理士に頼むと報酬が必要になるため、どちらにするかは検討が必要です。
不動産取引には仲介と買取があり、買取は最短1週間で完了することができます。それは、買い手を探す必要がないからです。仲介では第三者の買い手を探すことになりますが、買取では不動産業者が買い手になります。つまり不動産業者を探せば、よほど老朽化した物件や僻地位にある物件でもなければ買い取ってもらうことができるのです。査定や契約などを済ませ、最短1週間で売却することができます。
今回は、不動産を売却するときの流れや手順について解説してきました。不動産を売却するには、
といった流れで進んでいきます。この中でも特に重要なのは不動産業者を選ぶ段階です。契約内容は選んだ業者によって異なってきます。希望通りに売却を進めるためにも、自分に合った条件を提示してくれる不動産業者を見つけるまで妥協しないようにしましょう。