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投稿⽇時

2024/06/25

最終更新⽇時

2024/06/25

【徹底解説】年末調整のときに住宅ローン控除はされる?

  • 融資・ローン

  毎年会社に勤めている方であればおなじみのものである、年末調整。手続きの書類は事務の人が用意してくれているとはいえ、何度やっても手続きは複雑でめんどくさいと敬遠している方はいませんか?

 筆者も年末調整のときは煩雑な事務処理に毎回困惑していました。しかし、年末調整が住宅ローンの控除に使えるなど、お得な制度だとしたらとても嬉しいですよね。実は年末調整は、住宅ローンの控除がされるのです。持ち家がある人にとって、住宅ローンの控除はかなり嬉しいもの。この住宅ローンの控除は、いったいどのような条件でどのようにして受け取ることができるのでしょうか。そしていつから適用されるのか。

 今回の記事は、年末調整の際に住宅ローンの控除がいくらになるのかという点に焦点を当ててできるだけわかりやすく、詳しく解説していきます。皆さんもぜひこの記事を読んで、お得に生活しちゃいましょう。

年末調整における住宅ローン控除を受けるためにはどうすればいいの?

 住宅ローンの控除は、家を購入するときに住宅ローンを利用していた場合、一定の条件を満たしていれば住宅ローンの年末の残高において0、7%が控除されて、還付金として戻ってくる制度です。2022年度以降は、住宅ローンの控除期間が13年に延長されています。また、住宅ローンの控除が受けられる条件も下記のように決まっています。

  • 年間の合計所得が2000万円以下
  • 購入する住宅の床面積は40平方メートル以上
  • 1982年以降に建てられた住宅
  • 住宅ローンを受ける人が居住用に住宅を購入すること

これら全ての条件を満たしていることが、年末調整における住宅ローン控除を受けられる条件になり、一つでも満たしていなければ受け取ることができません。

 このほかにも、住宅ローンの控除には多数の条件が定められています。ちなみに還付金を得るために必要な手続きとして、住宅ローンを組んで入居した1年目は確定申告をする必要があり、税務署もしくはパソコン、スマートフォンなどからの手続きができます。2年目からは年末調整での手続きで大丈夫です。

 この際の確定申告は、自営業者などが確定申告を行っているタイミングでの申告になり、例年2月半ばから3月に行われます。連帯債務で住宅ローンを借り入れている場合は、連帯債務者も確定申告を行うことで控除を受けることができます。

 2年目から住宅ローン控除を受けるためには、年末調整の書類に加えて次の書類を提出する必要があります。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書)

この書類について詳しく説明しましょう。

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

 確定申告をした年の10月ごろに税務署から送られてくる書類です。残りの12年分の

 書類がまとめて初年度に送付されます。

住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書)

 住宅ローンを借り入れた金融機関から、毎年10月〜11月ごろに送られてきます。

 2年目以降は12月末の時点での予定額が記載されるということになります。

 詳しくは国税庁のホームページを確認したり、税務署に問い合わせて質問をしてみるのも良いでしょう。自分で確定申告を1から行うときは、なかなか申告のしかたもわからないもの。だからこそ、ホームページを見てもわからないときは税務署に質問に行くのも良いですね。毎年確定申告の際には相談窓口も開設されています。わからないときはプロに相談しましょう。

 

 また、年末調整を利用して住宅ローン控除を受けるときにも、いくつか注意点がありますので気をつけて申請に臨んでください。

・書類を紛失しないようにする

 当たり前のことのように感じるかもしれませんが、もし紛失してしまうと税務署に申請

 をして新たに発行してもらわなければなりません。

 「給与所得者(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」は1年目の確定申告後に

 住宅ローン控除の適用年数分が税務署からまとめて送られてくるので、適用期間内は

 大切に保管して、毎年1通ずつ勤務先に提出する必要があります。

 まとめて送られてくるので、無くしやすい可能性があります。要注意です。似たような

 フォーマットでもあるので、年度を間違えないことも重要になってきます。必ず申請の

 際には、提出する年度を確認した上で提出するようにしてくださいね。

年末調整を忘れてしまうと確定申告が必要になる。

 企業に勤めておられる方は年末調整の際に手続きをするように年末調整担当の方から促されるかもしれませんが、もし万が一年末調整の際に手続きを忘れてしまい、住宅ローン控除の申告ができなかった場合、確定申告を行うことで最長過去5年間をさかのぼって住宅ローン控除を受けることができます。もし忘れていた場合も、差し戻してもらったりすることもできる可能性もあるので、勤務先の年末調整担当者に問い合わせてみてくださいね。

住宅ローン控除の還付金はいくら受け取れる?

  前の章では、住宅ローンの控除で還付金を受け取るための方法について紹介していきました。ここでは、具体的に住宅ローンの還付金をいくらくらい受け取ることができるのかについて、ご紹介します。

 まず、控除額は住宅の種類によっても変わってくるのだということを念頭に置いていただきたく思います。次に紹介するいずれの住宅でも、控除期間は13年間で変わりはありません。

 住宅が認定住宅であれば、残高の条件が5000万円になり、1年間の最大控除額が35万円になります。次にZEH水準省エネ住宅であれば、残高の上限が4500万円になります。ここでの最大控除額は31,5万円になります。省エネ基準適合住宅であれば残高の条件が4000万円で、最大控除額は28万円です。その他の住宅は3000万円が残高の上限になり、最大控除額は21万円です。

 単純計算で出すとすれば、認定住宅を購入した場合であれば、3000万円の借入残高が年末の時点で残っている場合であれば、0,7パーセントである21万円が還付されるというわけになります。

 ここで出た還付金は、所得税の控除という形でマイホームを購入した人に還付されます。しかし、この例で言うところの21万円がそのまま返ってくる!と手放しで喜んで良いわけではありません。その年に納めた所得税の額が、住宅ローンの控除に対して上回っているか下回っているかという点についても、金額に関係してくるのです。もし所得税が、21万円より納めた額が低い場合は控除額は納めた額が適用されることになります。つまり、控除額が21万円だったとしても所得税が19万円しか納められていない場合は19万円の控除になるということです。

 以上のことからも、所得税が還付される額を下回らないようにしっかりと納めておく必要があるというわけです。加えて、所得税をいくら納めているのかを把握しておくと、年末調整で受け取れる控除額をイメージしやすいのでおすすめです。

年末調整で住宅ローンの控除を申請することのメリットについて徹底解説!

  ここまでの章で、年末調整において住宅ローンの控除のしくみや、申請したときの受け取れる金額などについて述べてきました。

 そこで、年末調整で住宅ローンの控除を申請することへのメリットと、控除を受けるために必要なものをご紹介したいと思います。これを読んだ皆さんが年末調整における、住宅ローンの控除を申請してみようと思っていただけたら幸いです。

 年末調整における住宅ローンの控除を申請するメリットは、以下のものがあります。

所得税からの控除

 住宅ローンの年末調整における控除は、先にも述べた通り新築戸建物件であれば13年間、また中古住宅の場合10年間にわたって受けることができます。所得税から引ききれなかった場合、住民税から引くことができるのです。

この時の式は、前年度課税所得×5%になります。

以上のことから、住宅ローンの控除を申請することができるというのがわかりますね。

ちなみに住民税の還付は最高13万6500円まで差し引くことができるのです。

13年間、もしくは10年間この額の控除が受け続けられるというのは、節税の観点から見てもかなり大きいです。

性能の良い住宅ほどたくさん控除を受けられる

先ほどの還付金の例で述べていますが、中古住宅や普通の新築戸建住宅よりも、省エネ住宅やZEH水準省エネ住宅などの性能の良い住宅の方が、住宅ローンの控除額が大きいようです。環境に配慮していたり、性能の良い住宅の方がお得に住むことができますね。

 ここまでメリットを説明してきながらも、住宅ローンの控除を受けるに何が必要なのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 先に述べている通り、住宅ローンの控除には1年目のみ確定申告が必要です。このときの準備物をご紹介します。これは、中古住宅・新築住宅・認定長期優良住宅(性能の良い住宅のことです。)全てに共通するものです。どこで手に入れられるかも記しておきますね。

  • 住民票の写し:家を建てる場所の市役所または区役所
  • 住宅ローン年末残高証明書:10月〜11月に金融機関から発送されます。
  • 登記事項証明書:法務局(土地の借り入れもある場合は土地登記事項証明書も必要になります)
  • 請負契約書(売買契約書):ハウスメーカーもしくは家を建てるのを依頼した工務店
    →土地の借り入れ先(住宅ローン)のある場合は土地の売買契約書
  • 源泉徴収票:年末に勤務先より発行されます。

加えて、中古住宅を住宅ローンで購入した際に控除を受けるために必要なものは以下の通りです。

  • 耐火基準適合証明書:建築士などに。
    →耐火建築は築25年、木造などの耐火性の低い住宅は築20年で書類が必要になります。
  • 既存住宅性能評価書:登録住宅性能評価機関
  • 既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書:住宅瑕疵担保責任保険法人
    次は、高性能住宅を住宅ローンで購入した際に控除を受けるために必要なものをご紹介します。以下の通りです。
  • 長期優良住宅建築等計画の認定通知書
    →コピーで大丈夫です。
  • 住宅家屋証明書
    →コピー・原本どちらでも大丈夫です。
  • 認定長期優良住宅建築証明書
    →原本を提出してください。

※住宅家屋証明書と認定長期優良住宅建築証明書は、どちらを出してもかまいません。

これらのように、お住まいもしくは新しく建てた住宅によって提出するものも変わってくるのです。一見すればややこしいと思いますよね。でも、2年目からは年末調整で会社で一括して申請を行うことができるので、ご安心ください。「煩雑な手続きを行うのは1年目だけ」だと認識しておくと、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。また、家の引渡しの際に必要な書類をまとめて渡されることもあるので、しっかり中身を確認しておきましょう。

まとめ

  いかがでしたでしょうか。今回は、年末調整において住宅ローン控除を受けた際にどのくらいの還付額があるのか、また還付金を受け取るための申請の際に必要なものや手続きについてご紹介させていただきました。

 この記事を読まれている方は、働き盛りで新たに家を建てたという方も多いのではないでしょうか。物価も年々上昇して、取られる税金も増えてきているこの世の中ですが、ぜひこの記事を参考にしてうまく節税をして生活にゆとりを持っていただくことができたら良いなと願っております。そして申請を行う上で、わからないことが出てきたらぜひお勤めの会社の年末調整担当もしくは税務署の相談窓口に相談してみることをお勧めします。せっかく控除の申請を出すのですから、少しでも得をしたと思っていただきたいなと思います。少しでも「知らなかった」と後悔することが減ることを願っております。