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投稿⽇時

2024/06/25

最終更新⽇時

2024/06/25

持ち家を賃貸に出す 住宅ローン

  • 融資・ローン

持ち家を賃貸に出すことで不動産収入が得られます。しかし、住宅ローンの残債がある状態で貸し出す場合は注意が必要です。この記事を読むことで、持ち家を賃貸にするメリット・デメリットがわかります。ぜひ最後までお読みください。

持ち家を賃貸に出すメリット

長期の留守や、やむを得ない引っ越しで持ち家が空き家になってしまう。そのような時、空いた家を人に貸して家賃収入が得られたらいいなと思いませんか?

持ち家を賃貸に出すメリットは複数あります。まず1つ目は、定期的に家賃収入が得られることです。空き家でも固定資産税などの支出が続く中で、家賃収入を得ることで不労所得を得られる点が大きな利点です。次に、2つ目は家の劣化を防ぐことです。掃除や換気を怠ると家は急速に劣化しますが、賃貸として人が住むことでこれを防げます。3つ目は防犯面で、空き家だと空き巣や放火のリスクがありますが、賃貸にすれば防犯効果を高められます。

このように持ち家を賃貸にすることで大きなメリットが得られますが、場合によってはデメリットもあります。持ち家を賃貸にできるかどうか、ご自身の状況をよく確認しましょう。

住宅ローンがある家を賃貸にすることはできる?

持ち家を賃貸で貸し出そうと思った時、1番最初に確認すべき点は住宅ローンの残債です。住宅ローンが残っている状態では、原則として賃貸に出すことはできません。住宅ローンは「居住用の家」に限定されているため、持ち家を貸す場合、住宅ローンは「事業用不動産物件」の扱いとなり、不動産投資用ローンに切り替える必要があります。不動産投資用ローンの金利は、3〜7%と住宅ローンよりも高くなるため、注意が必要です。

「そんなに高い金利を払いたくない」といって、金融機関に相談しないで住宅ローンを組んだまま他人に家を貸したらどうなるでしょうか。金融機関がその事実を知った場合、住宅ローンの一括返済を求められる可能性があります。これはとても大きなリスク。ローンの残債が返せない場合は破綻してしまいます。持ち家を人に貸す場合は、必ず事前に住宅ローンを組んでいる金融機関に相談してください。

遠方への引っ越しなどの理由で、今後持ち家に戻る可能性がないのであれば売却を視野に入れることができるでしょう。しかし、長期出張などで将来的に持ち家に戻る可能性があるなら手放すことはできません。住宅ローンが残っているけど長期間留守にする持ち家の活用方法について説明します。

住宅ローン中の持ち家賃貸の注意点

住宅ローンがある状態でも、持ち家を賃貸物件として貸し出せる場合があります。

持ち家一部賃貸のメリットとデメリット

持ち家の一部を貸し出す場合、自分の居住スペースに対して住宅ローンが適用されます。ただし、居住スペースが全体の50%以上である必要があります。

この場合は、住宅ローンと不動産投資用ローンを併用することになります。2つのローンを抱えることになりますので、返済の総額が思ったよりも高くなる可能性があります。慎重に検討しましょう。

転勤・出張時に賃貸を検討する方法

予期せぬ転勤や長期出張は、珍しいことではありません。金融機関に相談すれば正当な理由だと認められて、留守中の一定期間だけ賃貸できるケースがあります。留守の期間だけ持ち家を貸し出すサービスをリロケーションともいいます。

条件は金融機関や契約内容、個人の状況によって認められる範囲が変わりますので、必ず相談しましょう。

リロケーションを活用した賃貸運用

リロケーションとは、一定期間持ち家を貸し出す方法で、期間限定の貸し出しに金融機関が認める場合に利用できます。

持ち家を賃貸で運用するためには、入居者を探す、契約をする、契約後のトラブル処理をするなど、かなりの労力が必要です。不動産に関する知識も必要です。慣れない人が対応するのは難しいので、管理や運用をリロケーション会社に依頼することが一般的でしょう。

リロケーション会社に依頼すると、物件(持ち家)の管理を全面的にサポートしてくれます。

リロケーションを利用する流れ

リロケーション会社に相談・契約

複数の会社があるので、話を聞いて条件を確認し、比較検討してください。設備が故障したときの修繕方法、トラブル時のクレーム対応など、会社の対応範囲を細かくチェックするといいでしょう。会社の対応に納得できたら、リロケーション契約を結びます。

物件の修繕

貸し出す物件の状態を整えます。必要に応じて修繕やクリーニングをすると、よりよい条件で貸し出せる確率がアップします。これらの手配もリロケーション会社を通じて相談ができます。

入居者(借り主)募集

リロケーション会社が物件の広告を出して、入居者を募集します。入居希望者が出たら物件の内覧してもらい、お互いの条件が合えば契約になります。この時の賃貸借契約は「定期借家契約」になることが特徴です。定期借家契約では契約時に貸し出す期間を確定するので、期間が終了したら入居者は物件から出なくてはいけません。定期借家契約にすることで、貸し主が転勤や長期出張から帰ってきた際に、確実に持ち家に住み直すことができます。

定期借家契約のデメリットとしては、家賃が安く設定されがちだということ。一般的な賃貸物件は「普通賃貸借契約」で契約期間の限定はないので、期間限定という定期借家契約は入居者が限られてしまうからです。

賃貸運営と管理開始

入居者が決まった後も、リロケーション会社が賃貸運営を担っていきます。物件の管理や入居者の対応はリロケーション会社が行います。

5.入居者の退去

定期借家契約の期間が終了したら、入居者は退去しなくてはいけません。原則期間の更新はできません。退去の手続きもリロケーション会社が行います。

将来的に持ち家に戻ると決めているなら、リロケーションの活用は有効です。住宅ローンを継続したまま不動産収入が得られるからです。

一方で、持ち家に戻る可能性が全くないのであれば、不動産投資用ローンに組み替えて賃貸にするか、売却も視野に入れて考えましょう。

賃貸物件準備の重要ステップ

もし持ち家に戻る可能性がない場合、リロケーションは利用できませんので、通常の賃貸物件として貸し出すことになります。この場合、不動産投資用ローンへの組み替えが前提となるため、金融機関に相談が必要です。金融機関ごとに条件や金利は異なりますので、現在住宅ローンを借りている銀行以外にも相談し、金利が下がる可能性を探ることをお勧めします。

賃貸物件として貸し出す際は、不動産会社に賃貸管理を委託することが一般的。委託することで、入居者募集、契約、物件管理、入居者の対応など、管理の手間を担ってくれます。

不動産会社は多数ありますので、インターネットサイトなどをうまく活用して探すといいでしょう。この場合も最初から1社に決めず、複数社の話を聞くと比較ができます。

不動産会社を決めたら、「媒介契約」または「代理契約」を結びます。

媒介契約とは、貸し主と借り主の間に不動産会社が入って仲介します。不動産会社は貸し主の全面的なサポートしますが、契約の締結は貸し主と借り主の間で行われます。

一方で代理契約は、不動産会社が貸し主の代理人として、借り主と契約を結びます。つまり、契約は不動産会社と借り主の間で行われます。

代理契約では不動産会社が契約までを担ってくれるので手間がありませんが、その分不動産会社に支払う金額が高くなります。遠方に引っ越してしまって全く対応ができないなど、特別な事情がなければ媒介契約で行うのが一般的です。

不動産会社と契約をしたら、その後の流れは基本的にリロケーションと同じです。物件の修繕、入居者募集、賃貸運営と管理の開始、という流れで進んでいきます。

税金と確定申告の注意点

持ち家を賃貸として運用すると、入ってくる家賃が不動産所得としてみなされ所得税の対象となります。収入から必要経費を差し引いた金額が課税所得です。課税所得が年間で20万円以上ある場合は確定申告が必要です。

必要経費とは、固定資産税、ローンの利息、修繕費、管理会社への手数料、マンションの場合は共用部の管理費、広告宣伝費、修繕費、火災保険、地震保険などです。

確定申告にはこれらの経費を支払った証明が必要ですので、領収書は必ず保管しておきましょう。

確定申告は「青色申告」と「白色申告」の2種類です。青色申告は節税において大きなメリットがある一方で、手続きが煩雑です。白色申告は節税メリットが少ないですが、簡易的な帳簿で申告ができます。

青色申告は慣れないと手続きが煩雑ではありますが、最大で65万円の特別控除が受けられます。会計ソフトの活用で省ける手間もありますので、所得が多い方は青色申告を検討するといいでしょう。

確定申告の提出期限は原則2月15日〜3月15日です。海外赴任中でも、国内の不動産物件で家賃収入を得た場合は、この期間に確定申告をしなくてはいけません。わざわざ帰国するのは難しいと思うので、代わりに確定申告をしてもらう「納税管理人」を選出します。納税管理人は特別な資格は必要ありませんが、確定申告書の作成が必要な場合は税理士資格がある人を選出したほうがいいでしょう。

申告の対象者が期間中に申告しなかった場合は、本来支払うべき税金に加えて「無申告加算税」を課される可能性があるので、忘れずに申告しましょう。

まとめ

持ち家を賃貸に出す方法とその手続きについて説明しました。住宅ローンの残債がある場合、原則として貸し出しはできませんが、長期間の出張などの正当な理由で認められる場合もあります。この際は金融機関への相談を必ず行いましょう。認められなかった場合には、不動産投資用ローンへの切り替えも選択肢として検討できます。

長期間留守になる持ち家を賃貸物件にすることで、不動産収入が得られます。留守宅のままでは家の傷みが進み、空き巣や放火のリスクが高まるので、収入以外の面でも人に住んでもらえるメリットは大きいです。

持ち家を賃貸に貸し出すメリット・デメリットを踏まえて、賢く有効活用しましょう。