投稿⽇時
2024/06/12最終更新⽇時
2024/06/12住み替えローンの金利はなぜ高い?各金融機関の住み替えローンを比較
- 融資・ローン

Contents

家を住みかえる際、今住んでいる家の住宅ローンの支払いが残っている場合に、その残債と新居の購入資金を一緒に借り入れできる住み替えローン。
この住み替えローンは住宅ローンとは異なるため、通常の住宅ローンの借り入れ時と比べて金利が高くなったり、審査内容が厳しい場合が多くなります。
この記事では、住み替えローンの金利が高い理由や借り入れ時の審査内容、各金融機関の住み替えローンの特徴について紹介します。
住み替えローンとは
住み替えローンとは、現在所有している物件を売却してもその住宅ローンの残債がまだ残ってしまう状況で、新たに住宅を購入するための資金と、現在の住宅ローンの残債を一緒に借り入れることができる住宅ローンのことです。
住み替えローンが利用されるシーンとしては、
- 子供が生まれたり家族構成の変化により、現在の住まいが手狭になった場合
- 進学や転職などで生活の拠点を移す必要が出てきた場合
などがあります。
このように生活の変化に伴って新しい家への住み替えが必要になったときに、自己資金が不足している場合でも住み替えローンを利用することで、スムーズに住み替えを行うことができます。
住み替えローンの金利が高い理由
住み替えローンの金利は、通常の住宅ローンと比べて高くなる場合が多いです。その理由について解説します。
融資額が高い
住み替えローンは、既に借り入れしている住宅ローンの残債と新居の購入資金をまとめて借り入れるため、融資額が高くなる傾向があります。一般的に、融資額が高くなるほど、金利は高くなります。
優遇金利が適応されない
通常の住宅ローンには、クレジットカードの作成や給与振込口座の設定など、一定の条件を満たすことで金利が低くなる優遇金利という制度があります。しかし、住み替えローンの場合はこの優遇金利が適応されない場合が多いです。借り入れ額が高額かつ金利が高くなるので、毎月の返済計画をしっかりと立てることが重要です。
高リスクになりがち
一般的な住宅ローンは新たに購入する物件の価値が担保とされ、比較的低リスクと見なされるため、金融機関は低めの金利を提供することが可能です。これに対して、住み替えローンでは、既存の住宅ローン残債と新しい住宅の購入資金を一本化します。そのため、金融機関にとっては住宅の購入資金のみの借り入れよりも高いリスクが伴います。このリスクをカバーする形で金利が高く設定される傾向にあります。また、住み替えローンを利用するためには、旧居を売却することが前提となりますが、市場状況によっては想定価格での物件の売却が難しい場合もあるため、このようなリスクも考慮し、住み替えローンの金利を通常の住宅ローンよりも高い水準に設定する場合が多いです。
住み替えローンのメリットとデメリットを解説
住み替えローンを利用するメリットとデメリットについて紹介します。
住み替えローンのメリット
住み替えローンを利用するメリットは
- 住宅ローンの残債がある場合でも新居に住み替えができる
- 返済計画が立てやすい
の2点があげられます。
通常の場合、物件を売却する際にはその時点での残債を工面し一括返済する必要があります。ローンを返済して債務の担保となっている抵当権を抹消しなければ、新たな不動産売買はできません。
しかし住み替えローンの利用によって、住宅ローンの残債がある状態でも新居を購入することができます。物件を売却しても住宅ローンが完済できない場合でも、住み替えができる点が最大のメリットです。
住宅ローンの残債と新居の購入資金を1か所から同時に借り入れるため、2つのローンを借り入れる「ダブルローン(二重ローン)」よりも月々の返済の負担を減らすことができます。
複数の金融機関から融資を受ける必要がないので、複雑な手続きが簡略化できる他、返済計画も立てやすくなります。
住み替えローンのデメリット
住み替えローンを利用するデメリットは
- 金利が高くなる
- 審査が厳しくなる
- スケジュール管理が必要になる
の3点が挙げられます。
まず第一に、すでに上記で解説した通り住み替えローンの金利は通常の住宅ローンと比べて高くなる場合が多いです。
新居の購入資金に加え、借り入れ中の住宅ローン残債もまとめて借り入れるため、融資額、返済負担ともに必然的に大きくなります。融資額が大きい分、審査内容も厳しくなります。
現実的な返済プランかどうか、慎重に検討する必要があります。
また、住み替えローンを利用する際には、旧居の売却と新居の購入のスケジュールを合わせなくてはいけません。この点に注意し、前もって住み替えの手続きの計画を立てるのがオススメです。
住み替えローンの審査内容について
住み替えローンの借り入れ審査は、通常の住宅ローンと比べて厳しい場合が多いです。審査内容は各金融機関によって異なりますが、ここでは主な条件を紹介します。
年収
住宅購入者の前年度の年収が一定の金額を超えていることが条件になります。年収の制限は取り扱う金融機関によってさまざまなので、なかには収入に関する制限がない場合もあります。
年収によって借り入れ可能な金額が変化するため、事前にしっかりと情報収集を行いましょう。
年齢
多くの場合は満18歳以上で借り入れが可能になり、なかには満20歳以上を条件にしている金融機関もあります。
また、返済完了時の年齢にも条件があり、多くの場合は満80歳に設定している場合が多いです。
健康状態
ローン借り入れ時に、借り入れをする金融機関の団体信用保険への加入が必要な場合があります。この際に健康状態に問題があると、この団体信用保険へ加入ができず、住み替えローンの契約ができない場合があります。
住宅ローンの残債
住み替えローン借り入れ検討の際に、残っている住宅ローンの残債も審査の対象となります。ローンの残債が多ければ多いほど住み替えローンの借り入れ額は大きくなり、担保となる家の評価額との差額も大きくなります。そのため審査に通りにくくなる可能性が高くなります。
金融機関によっては住宅ローンの残債によって融資額が設定されるので、ローンの残債全額を借り入れできない場合には、残りを自己資金でまかなう必要が出てくるので注意しましょう。
個人の信用情報
借り入れている住宅ローンが未払いや滞納なく返済されているのはもちろん、その他のローンや料金の支払いがきちんとされているかもチェックされるポイントです。カードローンや奨学金、キャッシングや携帯電話の料金などが審査対象項目となる場合が多いです。
審査項目や条件は金融機関によってさまざまです。住宅ローンを借り入れる金融機関を選ぶ際には、このような審査内容もあらかじめ調べておくと良いでしょう。
住み替えローンができる金融機関を比較
ここでは、住み替えローンを取り扱う金融機関を5つ紹介します。それぞれの特徴を踏まえてよく検討し、最適な住み替えローンを選びましょう。
三井住友銀行:WEB申込専用住み替えローン
三井住友銀行は「WEB申込専用住み替えローン」を取り扱いしています。WEB申込専用の為、24時間365日いつでも好きな時間に簡単に申込できる点が便利です。
住み替えローンを利用する条件は
- 満18歳以上満70歳、完済時の年齢が満80歳
- 既に借り入れしている住宅ローン契約から4年以上が経過している
- 前年度の収入が500万円以上
- 指定する団体信用保険に加入できる
- 指定する保証会社の保証を受けられる
などがあります。
年収の条件は「500万円以上」と他の金融機関の商品と比べて厳しくなっています。
連帯債務で借り入れの際、どちらかに万一のことがあった場合にローン残高が0になるクロスサポートや、病気の際や自然災害による被害に遭った際にも安心の保証が備えられています。
みずほ銀行:みずほ買い替えローン
みずほ銀行は「みずほ買い替えローン」を取り扱いしています。
住み替えローンを利用する条件は
- 満18歳以上満71歳未満で、最終ご返済時の年齢が満81歳未満
- 指定する生命保険会社の団体信用生命保険に加入できる
- 安定した収入がある
- 売却する自宅の住宅ローンに延滞等がない
- 保証会社の保証を受けられる
- 日本国籍
などです。
その他、産休・育休による収入減少などのライフイベントによって返済額の増減ができる「ライフステージ応援プラン」や一定期間返済額を増額設定できる「返済額増額指定サービス」があります。
りそな銀行:りそな住宅ローン(住みかえプラン)/りそな住みかえローン
りそな銀行は「りそな住宅ローン(住みかえプラン)/りそな住みかえローン」を取り扱いしています。旧居の売却代金で住宅ローンの完済ができる場合とできない場合によって使い分けができます。
住み替えローンを利用する条件は
- 満20歳以上満70歳未満、完済時の年齢が満80歳未満
- 日本国籍
- 前年度年収が100万円以上
- 給与所得者は勤続年数1年以上、給与所得者以外は金属または営業年数が3年以上
- 団体信用保険に加入できる
などです。
年収の条件が「100万円以上」と低く設定されているため、年収が少なくても利用できる可能性があります。
出典:りそな銀行「りそな住宅ローン(住みかえプラン)/りそな住みかえローン」
千葉銀行:住み替えコース
千葉銀行は「住み替えコース」を取り扱いしています。
住み替えローンを利用する条件は
- 満18歳以上満70歳未満
- 安定した収入がある
- 現在の住宅に係る借り入れについて直近6か月間延滞がない
- 指定する保証会社の保証が受けられる
- 指定する団体信用保険に加入できる
などです。
旧居の住宅ローン残債の返済や新居の購入資金だけではなく、ユニットバス設置などの住宅関連設備資金や家具・家電製品購入のインテリア資金などにも充てることができるのが特長です。
横浜銀行:住宅ローン(お住み替え)
横浜銀行は「住宅ローン(お住み替え)」を取り扱いしています。新居の購入資金+最大2,000万まで利用できるのが特徴です。
住み替えローンを利用する条件は
- 前年度年収が400万円以上
- 満18歳以上、完済時の年齢が満82歳未満
- 指定する団体信用保険に加入できる
- 指定する保証会社の保証を受けられる
- 借り入れ対象の物件の所在地が、神奈川県全域および東京都の一部
などです。
借り入れができる物件の所在地が限定されているため、利用を検討する際には対象に入っているか事前に確認しましょう。
横浜銀行:住宅ローン(お住み替え)
以上、住み替えローンを取り扱う金融機関を5つ紹介しました。
一般的に、三井住友銀行、りそな銀行、みずほ銀行などの大手銀行では、安定した金融基盤を背景に相対的に低めの金利設定が可能です。企業の信頼性やサポートの面で魅力的ですが、金利の面では各銀行間で差が出ることがあり、取り扱うローンの内容の比較検討が必要です。また、収入の条件も他社の住み替えローンを比較して厳しい場合があります。
地方銀行の住み替えローン金利は、地域に根ざしたサービス提供が可能であるため、個別のケースに柔軟に対応できる可能性があります。
まとめ
住み替えローンを利用することで、現在所有している物件を売却後に住宅ローンの残債が残ってしまう状況でも、新たに住宅を購入するための資金と、住宅ローンの残債を一緒に借り入れることができます。
ただし、融資額が大きくなるため通常の住宅ローンと比べて金利が高くなります。事前にシミュレーションをするなど慎重に検討を行うのがオススメです。
金融機関によって住み替えローンの金利や内容が異なるため、よく比較して自分に合った住み替えローンを選びましょう。