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投稿⽇時

2024/06/19

最終更新⽇時

2024/06/19

不動産の見積りで知っておくべきことは?査定額の決め手も解説

  • 査定

不動産を売却する際、査定額は売り出し価格を決める重要なカギとなります。その査定を取る作業を見積りと言い、売りたい不動産のおおまかな価格を把握するための作業です。では、実際に見積りを依頼する際は、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

この記事では、売却時の見積りで知っておくべきことを解説します。あわせて、査定額の決め手となる要素や、見積り前に準備すべきことも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産売却時の2種類の見積り

不動産を売却する際には、適切な価格設定が大きなカギとなります。そのためには、綿密な調査と分析による見積りが欠かせません。一般的に、不動産の見積りでは次の2つの方法が用いられます。

①簡易査定(机上査定)

簡易査定は、インターネットや不動産情報サイトを通じて行われる査定方法です。査定対象の不動産と似たような物件の取引事例や路線価、固定資産税評価額、売り出し中の類似物件価格などのデータをもとに、査定額を算出します。

 簡易査定のメリットは、手軽に査定額が分かることです。査定を依頼してから、結果が出るまでに数日しかかからないため、売却手続きをスムーズに進められます。

 一方で、実際の物件の状況を直接確認できないことが大きなデメリットです。簡易査定は、所在地や築年数などを参考にした概算的な価格を出すためのものなので、査定金額はあくまでも目安として考えましょう。

②訪問査定(現地査定)

訪問査定は、不動産業者が実際に現地を訪問し、建物や敷地の状況を詳細に調査して査定額を算出する方法です。この方法は、物件の実際の状態を把握できるため、簡易査定に比べると正確な査定額が得られます。なお、訪問査定で把握できる要素は次の通りです。

  • 最寄り駅までのアクセス(具体的な経路を含む)
  • 周辺地域の騒音、臭気トラブルの有無
  • 建材のグレード
  • 土地の形状や日当たりのよさ

このように、訪問査定では周辺地域の状況や建物の現状などを加味して、さらに査定額が補正されます。査定額が出るまでの期間としては、訪問査定から1週間~10日間が目安です。また、それぞれの不動産業者が参考にする取引事例は似通ったものですが、各担当者の経験や価値基準によっては、査定額に多少の違いが生じます。そのため、査定時は最初から1社に絞るのではなく、相見積りで複数社を比較することが重要です。

☆本章のまとめ

簡易査定は手軽に査定額を知ることができますが、正確な査定額を知りたい場合は訪問査定を検討しましょう。最終的な売却価格を決定する際には、複数の不動産業者の査定額や根拠を比較することが重要です。

見積りの査定額の決め手

不動産の査定金額は、さまざまな要因によって左右されます。では、実際にどのような要素が査定額に影響するのでしょうか。ここでは、査定額の決め手となる要素を5つに分けて紹介します。

物件の状況

物件の広さや築年数、間取りなどの状況は、査定額に大きな影響を与えます。その中でも建物の延べ床面積は関連性がかなり高く、延べ床面積が大きいほど査定額も高くなる傾向があります。また築年数が新しい場合は、建物の価値が高く評価されることが一般的です。

 さらに、間取りや部屋の配置も重要です。その地域のニーズに合った間取りであれば、査定額がより高くなる可能性があります。たとえば、ファミリー層が多く住む地域であれば、間取りは比較的広い物件の方が売れやすくなるでしょう。

地域ごとの価格相場

物件の価格相場は地域によって異なります。同じような物件でも、都市部などの立地条件のいい地域に建っているか否かでは、物件の価格が変わってくるのです。

 物件の価格相場は、地域の立地条件や利便性、周辺施設の有無などによって決まります。さらに、地域の需要と供給のバランスや、再開発の進行状況なども査定額に大きな影響を与えます。見積りを出す前に、まずは自分で周辺地域の物件の取引事例を調べてみましょう。近所にある不動産業者のホームページなどを参考にしてみてください。

周辺の状況

周辺環境の状況も査定額に影響を与えます。特に、最寄り駅からのアクセスのよさや、学校やスーパーからの距離などが重要なポイントとなります。

 また、不動産の接道状況や前面道路の状況も決め手の1つです。セットバックによる容積率の制限があれば、相場よりも査定額が下がってしまう可能性があります。

人気条件や希少価値の有無

不動産に人気条件や希少価値がある場合、査定額は高くなることがあります。たとえば、利便性の高い地区や、築年数が比較的浅い物件、居住人数に関係なく住みやすい間取りなどはニーズが高く、査定額も高くなる傾向があります。人気物件は競争率が高いため、多少高めの価格で売り出しても、比較的早い段階で売れるのです。

室内の清潔感や管理状況

不動産の室内状況や管理状況は、査定額に直結するわけではありません。しかし、清掃や整頓が行き届いている物件は第一印象がいいため、買い手がつきやすいと判断されやすい傾向があります。逆に、乱雑で汚れた物件や、破損箇所がある物件は査定額が低くなるでしょう。物件の印象や管理状況は、買い手の意思決定にも大きく影響するため、査定額に反映されることがあります。

正確な見積りをするためには、これらの条件を適切に考慮し、専門家の意見を参考にすることが重要です。査定額を適切に把握することで、円滑な売却プロセスを進められるでしょう。

見積り前に準備すべきこと

不動産の売却を考える際、見積り依頼をする前に売主が準備しておくべきことがあります。ここでは、訪問査定を依頼する前に必要な準備を詳しく解説します。

書類を用意する

必須ではありませんが、いくつかの書類を事前に用意しておくとスムーズに進められます。特に一戸建てやマンションの場合、次のような書類があるといいでしょう。

〈一戸建て〉

〈1〉   登記簿謄本(登記事項証明書): 所有権や抵当権など、不動産にまつわる情報が記載   されています。法務局で取得可能です。

〈2〉   地積測量図と建物図面: 土地の形状や建物の配置などが記載されています。公簿上の   正確な情報が把握できるため、より精度の高い査定を希望する場合は準備しておくと   いいでしょう。

〈3〉   公図: 土地の形状や番地が記載されています。法務局で取得可能です。

〈4〉   登記権利証または登記識別情報: 不動産の所有者を明らかにする書類です。査定時に   必ずしも準備しておく必要はありませんが、売買契約時には必須となる書類なので、   このタイミングで取得しておいても損はありません。所有権登記時に発行され、売買   契約においては所有権移転時に必要になります。

〈5〉   確定測量図と境界確認書: 確定測量図は、隣接する土地との境界を確認するための書   類です。また、教会確認書はそれを証明するための書類であり、手もとにない場合は   土地家屋調査士に作成を依頼しましょう。

これらの書類は、いずれも査定時に必須ではありませんが、いずれ売買契約を行う際に必要となります。

〈マンション〉

〈1〉   耐震診断報告書: マンションの耐震性を評価する報告書です。

〈2〉   アスベスト使用調査報告書: アスベストの使用状況を調査した報告書です。

〈3〉   管理規約・使用細則: マンションの管理にまつわる規約や細則が記載されています。

これらの書類も、査定時には必須ではありません。しかし、マンションの管理状況を把握するために必要な書類であり、売却時までには揃えておく必要があります。

希望価格と売り出し期限を決めておく

見積りを依頼する前に、売却時の希望価格と売り出し期限を決めておきましょう。売却希望価格は、売主が「この値段であればすぐにでも売りたい」という上限額と、「これ以上は価格を提げたくない」という下限額を決めておくことで、担当者が売り出し価格を決めやすくなります。また、住宅ローンの残債がある場合は、完済に必要な金額を下限額として設定する必要があります。

さらに、引っ越しや子どもの進学などの都合で売り出し期限が決まっている場合は、不動産業者にあらかじめ伝えておきましょう。売主側の事情を細かく把握しておくことで、業者側も売却プランを立てやすくなります。

見積り前を知っておくべきポイント

不動産業者に見積りを依頼する前に、どのような事前知識を備えておけばいいのでしょうか。ここでは、見積り前に自分で知っておくべきポイントを3つに分けて紹介します。

周辺地域の売買取引事例

所有不動産が位置する地域で、どのような売買取引が行われているかをある程度把握しておきましょう。これは適切な売り出し価格を決める上で欠かせない作業です。似たような物件がどれくらいの価格で売買されているかを把握することで、査定額の妥当性を見極められます。

また、担当者との会話の中で、周辺地域の売買取引を話題に出すことで、相手の情報の質と量が推し量れます。さらに、不動産業者から提示された査定額については、その根拠を詳しく聞き出しましょう。査定額が低すぎる場合だけでなく、高すぎる場合も注意が必要です。買い主の意向により、後になって大幅な値下げが必要となる可能性があります。

国土交通省の土地総合情報システム

周辺地域の価格相場を調べたい場合は、国土交通省が提供する「不動産取引価格情報検索」の利用をおすすめします。これから売りたいと考えている不動産が位置する地域において、どの程度の価格で売買が行われているかを判断する基準となるでしょう。このシステムを利用することで、最新の取引価格や地価の動向を把握できます。操作方法は非常にシンプルです。取引された時期や物件の種類、地域などを指定して検索するだけで、取引価格の一覧が表示されます。ただし、すべての成約事例が掲載されているわけではないため、あくまで参考程度に留めておきましょう。

国税庁の路線価図

路線価図は、土地の価値を知りたい際に非常に便利です。これは、相続税などの計算に利用される地価の評価指標であり、国税庁が発行しているため信頼性が高い情報源と言えます。

路線価図を使用する際は、都道府県や市町村を選択して希望の地区を指定し、PDFファイルで表示された地図上の数値を参考にします。土地が接する道路の価格(=路線価)に、土地面積をかけることで地価を算出するのです。ただし、特殊な形状をした不整形地などは計算方法が変わってくるため、不動産業者や土地家屋調査士など専門家の力を借りることをおすすめします。

以上の情報を自分で調査しておくことで、不動産業者から提示された査定額の妥当性を客観的に判断できます。自分の財産を守るためにも、このような事前の情報収集は欠かせません。

不動産見積りに関するよくある質問

Q.1 不動産の見積りを取りたいとき、どのような方法がありますか?

A.1 不動産の見積りを取る方法は大きく分けて、「価格査定」と「鑑定評価」の2つがあります。価格査定は不動産会社が無料で行うもので、鑑定評価は不動産鑑定士によって有料で行われる見積りです。

Q.2 見積りには無料と有料のものがあると聞きましたが、何が違うのでしょうか?

A.2 無料の見積りは、主に不動産会社による「価格査定」です。一方、有料の見積りは不動産鑑定士による「鑑定評価」となります。価格査定は主に売り出し価格を決める際の参考にされますが、鑑定評価は資産価値や担保価値の把握のために利用されます。

Q.3 無料の見積りと有料の見積り、どちらにすべきですか?

A.3 住宅売却では、無料の価格査定をすることが一般的です。有料の鑑定評価は、相続や法的な証明、特殊な取引の際に利用されますので、必要に応じて利用されます。そのため売却だけしたいのであれば、価格査定で十分でしょう。

Q.4 不動産の見積りを依頼する際に必要なものは何ですか?

A.4 不動産の見積りを依頼する際は、登記済権利証書や土地測量図、固定資産税納付書などの書類が必要です。また、物件の情報や条件なども提供することで、より適切な査定を期待できるでしょう。

Q.5 不動産の相場を自分で調べる方法はありますか?

A.5 不動産の相場を調べる方法はさまざまです。たとえば、不動産業者のホームページや不動産ポータルサイト、土地総合情報システムやレインズマーケットなどを活用することで、周辺地域の相場を把握できます。

いかがでしたか?

今回は不動産売却時の見積りについて解説しました。査定方法には簡易査定と訪問査定の2種類があります。売却が検討段階の方は、まずは気軽に簡易査定を依頼してみましょう。また、不動産業者に任せきりにするのではなく、自分で周辺地域の相場や取引事例を調べておくことも重要です。よりスムーズに高値で売却するためにも、今のうちに十分な知識を身に付けておきましょう。

参考文献

不動産見積り(不動産査定)の料金や種類とは?自分で査定できるサイトや必要書類について解説 – 【SUUMO】住まいの売却ガイド

不動産見積りの無料と有料の違いなど「不動産 見積り」についてのよくあるご質問|不動産売却FAQ(よくあるご質問)|東急リバブル (livable.co.jp)

不動産の見積りとは?事前の情報収集で納得のいく進め方をする「イエウール(家を売る)」 (ieul.jp)

不動産の見積りとは?売却時に必要な査定の方法を解説|三井のリハウス (rehouse.co.jp)