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2024/06/10最終更新⽇時
2024/06/10不動産売却査定とはなにか?査定価格の算出や高く売却する方法はあるのか?
- 査定


不動産の売却査定をしてもらう際に、いろいろな方法があることをご存知でしょうか。不動産鑑定士による鑑定や一括査定を使用した方法が一般的に活用されています。また、近年ではAIによる匿名査定やAI査定ができるようになっているのです。このように査定方法には数多くの種類がありますが、どれが一番高く売却できるのか気になる方がいるのではないでしょうか。
今回は不動産売却査定について。査定する方法や算出の仕方について紹介していきます。それぞれに合った査定をしてもらい納得にいく形で取引しましょう。ぜひこの記事を参考に売却査定を依頼してみてください。
不動産売却査定とは?
そもそも不動産売却査定とはどのような仕組みなのでしょうか。不動産査定とは、査定を依頼する不動産にいくらの価値があり、売却できそうか見積もりをしてもらい推定金額を元に売却する方法です。自分が売却したい物件はあらかじめ相場を把握しておく必要があります。相場を把握しておかないと、後悔につながってしまいます。そのため、正確に査定してもらうことが大切になるのです。不動産売却の査定において、過去に扱ってきた不動産価格を基準に売却推定額を表します。自動車や金属とは異なり提示された査定価格がそのまま売却金額になるということではないので注意しておきましょう。
不動産会社が提示した査定金額は、買主を集めるための売却価格の目安となるため、提示された査定価格がそのまま売却価格になるのではありません。要因として、事務手数料や不動産会社の利益として引かれてしまうからです。そして、売却価格を基準に売却活動を進め、なかなか買主が見つからない場合は、売却価格を下げて最終的な売却金額が決まるのです。不動産の売却査定は、あくまでも売却価格をいくらになるのか予測として立てるのであり、確実な金額を提示するものではありません。そのため、査定を依頼する不動産会社や営業マンによって多少差が生じてしまいます。
不動産の売却査定を依頼する際は、一社のみではなく複数の不動産会社に依頼することが必要です。たとえば、一社のみで決めてしまうと他社の金額を把握できず、何百万円もの損をしてしまうこともあります。また、査定が初めてという方は相場がわからないため、いくらが適正価格なのかわかりません。ですから、不動産の売却査定を依頼する際は複数の不動産会社に相談して、一番信頼できる不動産会社を選びましょう。
査定する方法
自宅を売却するにあたって自分の自宅がいくらになるのか気になる方がいるのではないでしょうか。いくらで売却できるかわからないため、不動産会社で査定してもらう必要があります。査定価格は不動産会社によって異なり、金額が違う場合が多いのです。「なぜそれぞれ不動産会社によって価格が違うの?」と思った方がいるのではないでしょうか。もちろん不動産会社は適当に価格を算出しているわけではありません。どの会社も正確に計算しています。それなのに、会社によって金額が異なるのは違和感を覚える方がいるのです。ここでは不動産会社がどのように査定価格を決めているのでしょうか。早速、査定価格の算出方法を紹介していきます。
査定には、机上査定と訪問査定の二種類があります。机上査定は、住所・面積・建物の構造のデータを元に査定する方法です。そのため、自宅を見に来ることはありません。また、営業マンとも顔を合わすことがないため、気軽に査定できるのが特徴です。このような特徴がある一方で、物件を見ずにデータを元に査定価格を算出しているため、概算価格になってしまいます。実際に物件を確認して状態が良い場合、金額は上がり、逆に築年数が経って傷んでいる場合は金額が下がってしまうのです。
訪問査定とは、現地の物件に足を運び、建物の状態を確認してより正確な金額を算出してもらう方法です。訪問査定では、より正確な詳細を提示するため、固定資産税納税や耐震診断報告書を準備しておくことで不動産会社は安心して査定ができます。また、このような書類がなくても査定はできますが、書類があることでより正確な査定が行えるのです。
算出の仕方
ここでは物件の算出の仕方について紹介していきます。査定価格の算出の仕方は、大きく分けて三種類存在します。以下の三種類です。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
それぞれ詳しくみていきましょう。
取引事例比較法
一つ目は、取引事例比較法です。取引事例比較法とは、近隣の過去にあった取引を参考に算出する方法です。自宅やマンションにおける査定方法は一般的に取引事例比較法で算出されています。不動産協会には全国共通で利用できる「REINS」があるため取引事例を簡単に調べられます。都市部では物件や取引事例が多いため、正確な価格を算出できるのです。特にマンションでは、同じような物件が多いため取引事例比較法が向いています。
築年数10年以内のマンションであれば、部屋の状態はどれもあまり変わりません。そのため、間取りや広さが同じであれば、査定価格も一緒になるのです。一方で、築年数が経過しているマンションでは、使用状況によって査定価格が変わってしまう恐れがあるため、注意しておく必要があります。要因としては、築年数が経っていると、リフォームしている方が多く、部屋ごとで金額が異なってしまうのです。たとえば、築20年のマンションで同じ広さにもかかわらず2,000万円と3,000万円と1,000万円もの差額が生じて売り出されていることもあります。
新築価格では、同じ値段なのになぜ中古では違うのでしょうか。2,000万円の物件は古いままで利用されており、3,000万円の物件はフルリノベーションが行われているからです。そのため、部屋がリフォームされている状況とされていない状況では金額が異なるため、取引事例比較法はそれぞれの部屋の状況を考慮する必要があります。また、市場の状態で査定価格は変動します。物件が安く取引されている場合は、市場に見合った価格で取引されてしまうのです。一方で、市場に物件が出てこない場合は、金額が高騰します。あくまでも過去の古いデータを元に算出しているため、現在の価格をどのように考慮するのかにより変わってくるのです。
原価法
二つ目は、原価法です。原価法とは、取引事例原価法が使用できない際に使われる算出方法です。地方によっては取引事例がまったくないという地域も存在します。取引事例がないため、物件そのものを算出しなくてはいけません。算出方法として、現在住んでいる自宅を取り壊したとして、まったく同じ物件を建築した際にいくらになるのか計算します。計算方法として以下のとおりです。
工事費用−老朽化した箇所の価値=査定価格
上記を用いて計算します。また、取引事例では算出できない特殊な物件に関しても原価法で算出する必要があるのです。
収益還元法
三つ目は、収益還元法です。収益還元法とは、マンションや自宅を家賃として貸して家賃収入がある収益物価を査定する際に使用する算出方法です。算出方法として、その物件が将来いくら程度の収益を生み出すのか予測して計算します。収益物件は、入居者がいる場合に売却されることが多いのです。買主側からみると購入しても暮らせないため、マイホームとして購入するのではなく収益物件として購入します。そのため、計算方法が変わるのです。買主は、収益を得るために購入するため、利回りが何%になるのかを判断して購入を検討します。利回りとは、不動産の収益性を表した利率を指します。1年間で購入した価格の何%を稼ぎ出すのかを表すのです。たとえば、区分マンションを収益還元法で計算してみます。家賃10万円で、年間家賃120万円で貸した場合、表面利回りを8%で設定すると査定価格1,500万円です。計算方法として以下のとおりです。
年間家賃収入÷還元利回り×100=査定価格
上記を用いて計算します。ちなみに、表面利回りは都市部区分マンションであれば、築20年以下の物件であれば5〜6%の表面利回りになります。また、築20年以上であれば7〜8%の利回りになるのです。表面利回りが1%違うだけで、差額が大きく異なるため、注意しておきましょう。また、表面利回りが高ければ高いほど、査定価格は下がってしまうため誤解のないよう気をつけておく必要があります。
ここまで三種類の査定価格を紹介してきました。この中で一番多く利用される算出方法として、取引事例比較表があげられます。事例が多い都市部のエリアで算出できるのです。原価法は、地方の地域で使用されます。原価法は、取引事例比較表が使用できない際に使用しましょう。収益還元法は収益物件の査定の際に使用するのです。不動産業界は定価が存在しない世界であり、明確に「この金額です」という計算はできません。このような計算をして、査定価格は算出されるのです。査定価格は、あくまで不動産会社が設定した売れそうな予想金額に過ぎないということです。そのため、実際に売れる売却価格ではありません。査定した金額が売却価格ではないということを理解しておく必要があります。
不動産会社によっては自社で仲介を依頼してほしいものです。他社を凌ぐために、わざと高く査定価格を表示してくる不動産会社も存在します。もちろん高すぎる査定金額では売却できません。話がまとまったと同時に「売れないので価格を下げましょう」と言って、価格変更を迫ってくることがあるのです。そのため、値引きを繰り返して、相場以下で売却してしまうケースもあるため、不動産会社を選ぶ際は慎重に選択しなくてはいけません。安易に査定価格が高いということで、不動産会社を選ぶのは絶対にやめましょう。
まとめ
今回は不動産売却査定について。査定する方法や算出の仕方について紹介していきました。査定する方法として、机上査定と訪問査定の二種類があります。机上査定は、住所等のデータを参考に査定する方法です。訪問査定とは、現地の物件に伺い、建物の状態を調べ正確な金額を算出してもらう方法になります。また、算出の仕方として取引事例比較法・原価法・収益還元法の三種類があります。多く利用される算出方法は、取引事例比較法です。査定してもらった価格は、売却価格ではありません。あくまで予想価格です。査定を依頼する不動産会社であきらかに高い金額を提示してくる会社は注意しましょう。複数の不動産会社に足を運び、最も信頼できる会社で査定依頼をお願いしましょう。