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投稿⽇時

2024/06/06

最終更新⽇時

2024/06/06

古家の解体費用相場と内訳を徹底解説!安く抑える方法も紹介

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老朽化が進んだ古家を相続した場合、建物の扱いに困っている方は少なくありません。解体して土地だけを売却するか、土地と一緒にそのまま売却するかは難しい選択です。解体作業には多額の費用がかかることがあるため、「更地にしたいけれど費用がかかるため悩んでいる」といった方も多いでしょう。本記事では、古家の解体費用について詳しく解説いたします。費用の相場や内訳、工費を安く抑える方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

古家解体費用の相場とは?

古家の解体費用は、一般的に「坪単価(円)×建坪(坪)」で求められます。また、坪単価は建物の構造によって異なることに留意しましょう。以下の表は、建物の構造ごとの坪単価を表したものです。

建物の構造坪単価
木造2万~4万円
鉄骨造(S造)3万~4万円
鉄筋コンクリート造(RC造)4万~6万円

例えば、鉄骨造の2階建てで延べ床面積40坪の古家の場合、その解体費用の相場は40坪×3万~4万円=120万~160万円となります。

では、構造の異なる古家が同じ坪数だった場合、解体費用の相場にはどのような違いが生じるかを検証してみましょう。ここでは、便宜上「20坪の場合」と「40坪の場合」の2つに分けて考えます。

①  20坪の古家解体費用の相場

この場合の解体費用の相場は、「坪単価(円)×20坪」で求められます。

木造の解体費用

木造の坪単価は2万~4万円ですから、解体費用の相場は次のように算出します。

2万~4万円×20坪=40万~80万円

したがって、20坪の木造の場合、解体費用の相場は40万~80万円となります。

鉄骨造の解体費用

鉄骨造の坪単価は3万~4万円ですから、解体費用の相場は次のように算出します。

3万~4万円×20坪=60万~80万円

よって、20坪の鉄骨造の場合、解体費用の相場は60万~80万円です。

鉄筋コンクリート造の解体費用

鉄筋コンクリート造の坪単価は4万~6万円ですから、解体費用の相場は次のように算出します。

4万~6万円×20坪=80万~120万円

よって、20坪の鉄筋コンクリート造の場合、解体費用の相場は80万~120万円です。

②  40坪の古家解体費用の相場

続いて、40坪の古家で考えてみましょう。この場合の解体費用の相場は、「坪単価(円)×40坪」で求められます。

木造の解体費用

木造の坪単価は2万~4万円ですから、解体費用の相場は次のように算出します。

2万~4万円×40坪=80万~160万円

そのため、40坪の木造の場合、解体費用の相場は80万~160万円となります。

鉄骨造の解体費用

鉄骨造の坪単価は3万~4万円ですから、解体費用の相場は次のように算出します。

3万~4万円×40坪=120万~160万円

よって、40坪の鉄骨造の場合、解体費用の相場は120万~160万円です。

鉄筋コンクリート造の解体費用

鉄筋コンクリート造の坪単価は4万~6万円ですから、解体費用の相場は次のように算出します。

4万~6万円×40坪=160万~240万円

よって、40坪の鉄筋コンクリート造の場合、解体費用の相場は160万~240万円です。

古家解体費用の内訳と詳細

解体費用の内訳は、次の6種類に分けられます。

①  仮設工事費用とは?

仮設工事費用は、解体費用総額のおよそ1~2割を占めます。解体工事をスムーズに進めるために必要不可欠な作業です。仮設工事では、解体工事に必要な足場の組み立てや仮設トイレの設置、周辺地域への配慮として防音・防塵シートの設置などを行います。重機を搬入する際に必要な敷き鉄板や、水道・電気設備の準備も欠かせません。

②  解体工事費用の詳細

解体工事そのものにかかる費用で、主に「人件費」と「重機稼働費用」などが該当します。この解体工事費用は、解体する建物の規模に比例して金額が高くなります。建物の規模が大きければ、それだけ多くの作業員や重機を要するからです。なお、重機稼働費用は自社の重機を使用する場合と、外部からレンタルする場合で金額が異なり、いずれも工期が延びるほど割高になります。

③  付帯工事費用について

解体工事では、建物だけでなく周囲の設備も取り壊します。敷地を囲むブロック塀や浄化槽、庭木やカーポートなど、撤去の対象となるものはさまざまです。これらの付帯工事にかかる費用は、当然ながら物件によって異なります。それぞれの撤去費用が気になる方は、次の一覧表を参考にしてください。

撤去が必要なもの撤去費用
ブロック塀1平米あたり5,000~1万円
カーポート1台あたり6万円~
庭木などの植物5,000~3万円
門扉2万円~
ガレージ(倉庫・物置)2万~3万円
浄化槽5万~10万円
井戸(埋め戻し)3万~5万円
アスベスト1平米あたり2万~8.5万円

④  廃棄物の処分費用の相場

解体工事を進めていくと、コンクリートの瓦礫や石膏ボードなど、さまざまな産業廃棄物が発生します。これらの廃棄物の処分も、解体費用の一部として依頼者が負担しなければいけません。この廃棄物の処分費用は全体の4~5割を占める場合もあり、解体費用の内訳では最も高額となります。また、廃棄物の種類によって処分費用は異なることにも注意しましょう。それぞれの処分費用は次の通りです。

産業廃棄物の種類処分費用(1平米あたり)
コンクリートの瓦礫5,000円~
ガラス・タイルなど2万5,000円~
石膏ボード1万5,000円~
木屑5,000円~

⑤  整地費用とは何か?

建物を解体した後は、地中埋設物の有無を確認し、土地を平坦にならさなければいけません。この整地作業も、解体費用の一部に含まれます。注意すべき点は、地中埋設物がほとんどの場合、解体作業の開始後に発見されることが多いということです。そうなると、工事を依頼した段階の見積もりには含まれていない追加費用を支払う必要があります。ほかにも、工事前には認識していなかった建物の基礎や瓦礫が見つかった場合も同様です。整地費用は、見積もり段階での金額が不確定であり、高額になる可能性があることに留意しましょう。

⑥  その他諸費用のポイント

諸費用とは、解体工事に必要な手続き・申請の代行費用、重機や運搬車の駐車料金などを指します。解体業者によっては、解体費用とは別に算出されることもあるため、見積もり時に諸費用が含まれているかどうかを確認しておきましょう。

古家の解体費用が高くなる理由とは?

ここでは、古家の解体費用が高くなる理由を4つに分けて紹介します。

①  アスベストが使用されている場合

アスベストは、1970年から1990年にかけて建材として使用されていましたが、人体に有害であることが判明したため、その後は使用が禁止されました。

築年数の浅い建物は心配ありませんが、古家の場合、アスベストを使用して建てられたものが多く存在します。これらは解体工事中に撤去する必要があります。その作業には専門性を要するため、撤去費用は高額となります。

②  地中埋設物があると解体費用が高くなる

解体工事が終了すると、その後は整地作業に移ります。この際、地中埋設物が残っていると整地作業に影響を及ぼすため、事前に撤去しなければいけません。なお、地中埋設物の例としては、浄化槽や井戸、建物の基礎となる骨組みが挙げられます。

古家は築年数が経過しているため、予期せぬ場所で地中埋設物が発見されることがあります。もし、土地の売却後に地中埋設物が見つかった場合、「契約不適合責任」とみなされます。買主とのトラブルを避けるためにも、地中埋設物は必ず撤去しましょう。

③  重機が使えない場所の解体費用

解体工事を進めるためには、ブルドーザーやクレーン車などの重機が必要です。特に、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は構造が強固なため、重機を利用すれば工期を大幅に短縮できます。それによって費用も削減できるため、解体工事には重機が不可欠と言えます。しかし、次のような土地に建つ古家は、重機を利用できないかもしれません。

  • 住宅密集地
  • 旗竿地などの狭い土地
  • 傾斜地
  • 敷地上に電線が張られている土地

これらの土地では、重機の使用自体が難しくなります。そうなると、重機で行うはずだった作業を人員で補わなければいけません。これによって多額の人件費が発生するため、重機が使えない場合は解体費用が高くなります。

④  解体工期が延びる要因

解体工事の工期が延びると、その分だけ人件費が発生します。一般的に、作業員の人件費は日給制となっており、1日あたり1,5000円が目安です。重機が使用できないことで作業員の動員数が増えたり、アスベストの撤去に時間がかかったり、古家の解体工事の期間が延びてしまう原因はさまざまです。解体費用を準備する際は、工期が延びるかもしれない可能性を踏まえ、余裕を持った資金調達を心がけましょう。

古家解体費用を安く抑える方法

古家の解体費用を抑えるために、次の4つの方法を検討しましょう。

①  相見積もりを取る重要性

解体業者を選ぶ際、どの業者を選べばいいか迷う方は多いかと思います。業者によって工事費用は異なりますし、解体工事の実績もさまざまです。解体業者を選ぶ際は、相見積もりを取りましょう。相見積もりとは、複数の業者に解体費用の見積もりを依頼することです。相見積もりを取ることで、業者ごとの料金設定はもちろん、費用の内訳や担当者の対応を比較できます。初めから一社に絞るのではなく、まずは相見積もりを取って信頼できる一社を選びましょう。また業者を選ぶ際は、次の4つが重要なポイントとなります。

  • しっかり現地調査を行ってから見積もりを取っているか
  • 見積額に相応の根拠があるか
  • 依頼者の相談や質問にわかりやすく答えてくれるか
  • 実績が高く、十分な知識や経験を備えているか

②  見積もり項目をしっかり確認する

解体費用の内訳は、業者によってさまざまです。見積もりの総額が安くても、そこに諸費用が含まれていない場合は、別途費用を請求されるケースもあります。見積もりを受け取った際は、総工費が高額になることを避けるために、内訳をしっかり確認しておきましょう。

③  家具や電化製品をリサイクルしてコスト削減

解体工事を始める際、建物の中に家具や電化製品が残っていると、一般廃棄物として処分する必要があります。この処分費用を削減するためにも、建物の中に残ったものは事前に処分しておくべきです。リサイクルに出すことで、一般廃棄物の処分費用を抑えられます。

④  自治体の補助金や助成金を活用する

自治体によっては、古家の解体費用に対して補助金や助成金が給付される場合があります。これらの給付金を利用すれば、解体費用を大幅に削減することが可能です。ただし、給付条件は自治体によって異なるため、詳しくは各自治体のホームページをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q.1解体工事の工期は何日くらいですか?

A.1木造30~50坪の古家の場合、およそ10~20日の期間を要します。ただし、これは重機を使用できる土地の場合です。旗竿地や傾斜地などに建物が建っている場合は、重機を使用できないため、さらに1~3週間の日数がかかる可能性があります。また、鉄骨造や鉄筋コンクリートの場合、建物の解体作業と同時にコンクリート部分の取り壊しも進める必要があるため、より多くの日数が必要です。

Q.2アスベストや浄化槽、井戸が出た場合はどうすればいいですか?

A.2アスベスト、浄化槽、井戸のいずれの場合も、解体業者に報告する必要があります。アスベストは着工前に調査が入りますので、ある程度の予測をもとに作業計画を立てることが可能です。一方で、浄化槽や井戸などは、解体工事が始まってから見つかることがあります。このような地中埋設物は、整地作業の前に撤去しなければいけません。撤去せずに土地を売却すると、「契約不適合責任」を追及されてしまうからです。撤去するための追加料金はかかりますが、後々のトラブルを避けるために必要な作業と言えます。

Q.3古家を解体せずに土地を売却できますか?

A.3解体しないのであれば、「古家付き物件」として売り出すことも可能です。古家付き物件とは、古家が建った土地を指します。この場合の「古家」とは、建物構造の耐久年数に近い築年数であり、金銭的にほとんど価値がない物件です。ただし、建物の手入れが行き届いていれば居住可能なため、古家付き物件は中古物件として売り出されることもあります。古家を手放す方の中には、「建物自体に思い入れがあり、できれば取り壊したくない」という方も少なくありません。この場合は無理に解体せず、古家付き物件として売り出すのも1つの手段です。

Q.4更地にすると税金が上がると聞いたのですが、どのくらい上がるのですか?

A.4土地上に居住用の建物が建っている場合、「住宅用地の特例」が適用されるため、固定資産税が減額されます。しかし、建物を解体して更地にしてしまうとこの控除を受けられません。固定資産税は控除適用前の金額となり、最大でおよそ6倍になります。古家を解体する際は、固定資産税が大幅に増額されることに注意が必要です。

今回は古家の解体費用について解説しました。古家を解体するためには、さまざまな費用がかかります。また、アスベストや地中埋設物の撤去費用がかかったり、立地条件によって重機の搬入が困難となったり、費用が嵩むケースも見られます。それらの原因により、工期が延びるかもしれません。解体費用を準備する際はさまざまな可能性を踏まえ、余裕を持った資金調達を心がけましょう。