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投稿⽇時

2024/01/10

最終更新⽇時

2024/01/10

老後資金確保のためのリバースモーゲージと共有名義の使い方

  • その他

不動産共有名義とリバースモーゲージを組み合わせれば、住み慣れた家で暮らしながら、老後の資金を調達することができます。この記事では、不動産共有名義とリバースモーゲージの概要とメリット・デメリット、活用方法をわかりやすく解説します。

共有名義とは?

不動産共有名義とは、複数人で1つの不動産を所有する状態のことです。出資額の割合に応じて、持分割合が決められます。

メリットとして、共有名義の住宅ローン控除は、共有者の人数分適用されるため、単独名義よりも控除額が多くなる可能性があります。

夫婦で共有名義にすると、それぞれの収入に対して住宅ローン控除を受けることができます。住宅ローン控除額は、年末の住宅ローン残高の0.7%(または控除上限額)がその年の所得税または住民税から控除され、最長13年間(現行は10年間)となります。

例えば、夫婦の共有名義で4,000万円の住宅ローンを借りた場合、それぞれの持分割合が2分の1であれば、それぞれ2,000万円の住宅ローン控除を受けることができます。単独名義の場合は、どちらか一方が2,000万円の住宅ローン控除を受けることになるため、共有名義の方が控除額は多くなります。

一方デメリットとしては、共有名義の不動産は、名義人同士の資金出資割合と共有持分割合が一致しない場合、贈与税が課税される可能性があります。

具体的には、以下のケースが考えられます。

  • 妻が仕事をやめて収入がなってしまった場合、夫が妻の分も住宅ローンを支払う必要があります。このケースでは、妻から夫への贈与と見なされ、夫に贈与税がかかる場合があります。
  • 夫の出資のみで購入した不動産を妻と半分ずつの共有名義で登記する。このケースでは、夫から妻への贈与と判断され、妻に贈与税が課せられる恐れがあります。

共有名義の不動産を取得する際は、名義人同士の資金の出資割合と共有持分割合を明確にしておきましょう。また、共有名義の不動産を贈与する場合は、贈与税の課税対象となる可能性があることを認識しておきましょう。

共有名義の不動産は、単独所有の不動産に比べてメリットとデメリットがあります。共有名義を選ぶ際には、両方の要素をよく理解し、慎重に検討することが重要です。

リバースモーゲージとは?基本的な仕組みを理解しよう

リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借りる制度で、契約者が生存中は利息のみの返済となり、元本は契約者が亡くなった後に担保不動産を売却して返済されます。

リバースモーゲージの特徴は、以下のとおりです。

  • 毎月の返済は利息のみ
  • 元本は契約者が亡くなった後に返済
  • 対象年齢や不動産に制限あり

リバースモーゲージは、自宅を担保にして借り入れができるため、年金収入が少ない高齢者や、住宅ローンを完済した高齢者にとって、老後の資金を活用する手段として注目されています。

以下に、リバースモーゲージの仕組みをもう少し詳しく説明します。

リバースモーゲージは、自宅の評価額から定められた融資枠で、月々もしくは一括で融資を得ます。契約期間中は、毎月の返済は利息のみで済みます。元本の返済は、契約者が亡くなった後に担保不動産を売却して行います。

リバースモーゲージの対象年齢は原則として60歳以上で、担保として適切な不動産で、住宅ローンやその他の抵当権がついていないことが求められます。

リバースモーゲージのメリットは、以下のとおりです。

住み慣れた家で暮らしながら資金調達

リバースモーゲージは、自宅を担保に借り入れを行うため、契約者が亡くなったり契約期間が終了したりした後に売却する形になります。そのため、契約中は住み慣れた家で暮らし続けることができます。

毎月の返済は利息のみ!返済負担を軽減

リバースモーゲージは、毎月の返済は利息のみです。元本(融資を受ける際にあてる、元となるお金のこと)は、契約者が亡くなったり契約期間が終了したりした後に売却して返済します。そのため、毎月の返済負担を抑えることができます。

利用条件と制限の特徴

リバースモーゲージは、年齢や健康状態などの利用条件が比較的緩いため、住宅ローンを組むのが難しい人でも利用できる可能性があります。

贈与税や相続税対策に利用できる

リバースモーゲージで借り入れした資金は、贈与税や相続税の対象となりません。そのため、相続対策としても活用できます。

一方で、リバースモーゲージには多額の資金を移動させたり、老後のライフプランに影響を与えたりするなどのデメリットもあります。

地域制限

リバースモーゲージを提供する金融機関や団体によって、提供可能な地域が異なります。そのため、ご自宅のある地域が提供可能な地域に含まれているか、事前に確認する必要があります。

担保評価額の制限

リバースモーゲージは、自宅を担保に借り入れを行うため、担保評価額が一定額以上でなければ利用できません。そのため、ご自宅の評価額がいくらなのか、確認しておきましょう。

物件の制限

リバースモーゲージの対象となる物件は、一般的に戸建て住宅です。マンションやアパートは、対象外となっている場合が多いため、注意が必要です。

これらの制約を満たした不動産でなければ、リバースモーゲージを利用できません。そのため、リバースモーゲージを検討する際には、ご自宅が対象になるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。

価値が低くなるリスクがある

リバースモーゲージの金利は変動金利が一般的です。そのため、金利が上昇すると、毎月の返済額が増えるリスクがあります。

長期金利の上昇を受けて2022年2月、大手の銀行の多くが住宅ローン金利を引き上げました。今後も金利が上昇する可能性はありますが、それによって毎月の返済額が増える可能性があることは、認識しておく必要があります。

また融資額は担保となる不動産の評価額に左右

されます。不動産価値を改める機会は継続的に行われます。前の借り入れ額が借り入れ限度額を超えてしまう場合もあり、超過額を返済する必要があります。そのため月々の金利に加えて追加費用が発生します。

大切なことは融資限度額ぎりぎりまでの借り入れは避け、余裕を持った借り入れを行うことです。また自宅が妻と共有名義の場合、リバースモーゲージを利用する際は、以下の2つの方法があります。

  1. 妻と共有名義の1人が主債務者となり、もう1人が担保提供者となる
  2. 妻の共有持分を買い取って単独名義にしてから、リバースモーゲージを利用する

1の方法の場合、主債務者となる人は、金融機関との契約や、融資の返済義務を負います。担保提供者となる人は、融資の担保となる不動産を提供する義務を負います。

2の方法の場合、単独名義になった人は、金融機関との契約や、融資の返済義務をすべて負います。

一般的に、リバースモーゲージは配偶者との共有名義のみ認められます。そのため、配偶者以外との共有名義の場合は、2の方法で共有持分を買い取って単独名義にしてから、リバースモーゲージを利用することになります。

リバースモーゲージとリースバックの違い

リバースモーゲージとリースバックは、どちらも自宅を活用して老後の生活資金を捻出する手段ですが、以下の3つの点で大きく異なります。

1 売却後の名義

リバースモーゲージは契約者の死亡または契約期間終了後に売却され、名義はそのままですが、リースバックは契約時に売却し、賃貸契約を結ぶため、名義は買い主に移転します。

2 売却資金の使い道

リバースモーゲージは、借り入れ金であるため、生活費や医療費などの生活資金にしか利用できません。一方、リースバックは、売却資金は自由に使うことができます。

3 利用の可否

リバースモーゲージは、60歳以上で、自宅の評価額が一定額以上であることなどの条件があります。一方、リースバックは、年齢や条件の制限が比較的少ない傾向にあります。

共有名義の場合、リバースモーゲージは主に配偶者との共有名義のみが認められています。一方、リースバックは、共有名義の場合でも利用できる可能性がありますが、各社によって対応は異なります。

リバースモーゲージとリースバックは、どちらもメリットとデメリットがあるため、自身の状況や希望に合わせて検討することが大切です。

なお、リースバックは最近注目を集めているため、まだ経験数の少ない会社も多いのが実情です。そのため、利用する際には、複数の会社を比較検討して、信頼できる会社を選ぶようにしましょう。

リバースモーゲージの利用がオススメな人とは?

リバースモーゲージは、以下の方にオススメです。

住宅ローン残債が残っている方

リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けられるため、住宅ローンの返済に充てることができます。そのため、定年後も残っている住宅ローンの返済がつらい方にオススメです。

相続人への不動産の負担を減らしたい方

リバースモーゲージは、最終的には不動産を売却して元本と利息を返済する仕組みです。そのため、相続人にご自宅等の不動産を残す必要がない方にオススメです。

老後の生活資金が必要な方

リバースモーゲージは、まとまった資金を借り入れることができるため、老人ホームの入居費用に充てることができます。そのため、老人ホームへの入居は決まっているけど資金がないという方にオススメです。

まとめと今後の選択肢

いかがでしたか、不動産共有名義には、住宅ローン控除を共有者の人数分適用できるなどのメリットがありますが、注意点もあります。さらに詳しく検討することが大切です。共有名義にする場合は、メリットとデメリットをよく理解した上で、慎重に検討しましょう。

またリバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けられる制度です。契約者は生きている間は、毎月の返済は利息のみで済み、元本は契約者が亡くなった後に担保不動産を売却して返済します。

リバースモーゲージと同様にリースバックも自宅を担保にして、資金を捻出することは共通しています。しかしリースバックは売却後の名義や資金用途に大きな違いがあります。

リースバックは売却後の名義が買主に変わり、売却資金は自由です。また年齢の制限が少ないことでも知られています。

どちらもメリット、デメリットがあるため、自分自身の状況や希望に合わせて検討しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。