築4年目の固定資産税はいくら上がるのか?3年目より増える理由とは

固定資産税評価額と課税標準額とは

マイホームを取得すると固定資産税も付き物ですが、軽減税率が適用されるため新築から3年間は、税金が2分の1に減額されます。しかし、軽減税率が適用されていても高いと感じる方も多いのではないでしょうか。

金額も大きいうえ、4年目になると軽減税率も適用されなくなるため、毎月計画的に貯めておくことが重要です。そこで本記事では、4年目になるといくら上がるのか、上がるケースについてもご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

ここでは、固定資産税評価額課税評価額についてご説明したうえで、それぞれの違いについても解説します。

概要

固定資産税評価額とは、不動産価値を評価し算定した価額のことを言います。土地の場合は、公示価格の約70%の水準となるように調整されているのが一般的です。

固定資産税評価額は、各市町村が決定しており、納税通知書とともに送付される課税明細書の「価格」欄、もしくは「評価額」欄で確認できます。
一方、課税評価額とは、税金を計算する際の基礎となる課税対象のことを言います。課税標準額に一定税率をかけることによって、固定資産税の税額が産出される仕組みです。

違い

公示地価の70%としてあらわす金額を固定資産税評価額と言い、税額計算上の基礎となる金額のことを課税標準額と言いますが、農地や山林などにおいてはそれぞれが同じ金額になるのが一般的です。

しかし、住宅用地の場合は軽減措置が適用されたり、負担調整率が設定されていたりすることから、課税標準額のほうが固定資産税評価額よりも安くなる傾向にあります。

このように、住宅用地の課税標準額では軽減措置が設けられ、一定割合において評価額が減額されることから、固定資産税評価額と課税標準額は一致しません。

固定資産税の計算方法

ここでは、固定資産税の計算方法を土地と建物に分けてご紹介します。

土地

まず、土地の場合は、固定資産税評価額(課税標準額)×税率(標準税率は1.4%)によって算出されます。

しかし、厳密には固定資産税評価額にて計算するのではなく、課税標準額に税率をかけて求めるのが一般的です。とくに、都市部での固定資産税評価額はかなり高いため、税額が高くなりすぎないようにするために、負担調整をして課税標準額が決められています。

なお、実際の数値では課税標準額が固定資産税評価額より低くなることもあるため、納税通知書のほうも確認しておきましょう。また、固定資産税を概算する場合は、固定資産税評価額や課税標準額は購入時の土地価格の70%として計算します。

たとえば、2,000万円で土地を購入した場合で計算すると、2,000万円×70%×1.4%=19.6万円となります。この場合は、年間約20万円の固定資産税を想定しておかなければなりません。

建物

続いて、建物の場合は、固定資産税評価額(新築時の価格×経年減点補正率)×税率(1.4%)によって算出されます。
経年減点補正率とは、新築時より経年劣化に伴い価値が減少する際の割合です。建物の固定資産税を概算する際は、固定資産税評価額を新築時の建物価格の60%として計算します。

たとえば、4,000万円の建物を購入した場合で計算すると、4,000万円×60%×1.4%=33.6万円となります。この場合は、年間約34万円の固定資産税を想定しておかなければなりません。
また、固定資産税は土地と建物を合わせた合計額であるため、上記で計算した土地の税額をあわせると19.6+33.6万円=53.2万円となります。

軽減措置

上記での計算方法では53.2万円となりましたが、軽減措置が適用される場合は減額が可能です。しかし、軽減措置を受けるためには、自分で申告をしなければなりません。
ここでは、主な住宅用地と新築の軽減措置についてご紹介します。

まず、住宅用地で200平方メートル以下の小規模住宅の場合は、評価額が6分の1に減額されます。また、200平方メートルを超える部分は一般住宅用地と言い、評価額が3分の1に減額される仕組みです。

住宅用地に関する軽減措置は期間などの条件はなく、申請することで永続的に軽減されるため、忘れずに申請をしておきましょう。減額割合も大きいため、非常に高い減税効果が期待できます。

続いて新築時の特例措置は、1戸あたり120平方メートルまでを限度に3年間固定資産税額が2分の1に減額されます。なお、この特例を受けるには2024年3月31日までに新築された住宅であることが条件です。

上記の計算式に軽減措置を適用すると、土地が19.6万円×6分の1≒3.27万円、建物が33.6万円×2分の1 =16.8万円合計20万円程度となります。適用前が53.2万円であったため、半分以下の税額となりました。

固定資産税は4年目にいくら上がるのか

ここでは、固定資産税が4年目になるといくら上がるのかについてご紹介します。

3年目の約89倍から約94倍に

新築から4年目の建物にかかる固定資産税は、3年目の約1.89倍から約1.94倍に上がると言われています。
総務省の告示「固定資産評価基準」に記されている「別表第9木造家屋経年減点補正率基準表」を見ると、築年数の経過によって木造家屋の固定資産税がどのくらい下がるかがわかります。

固定資産評価基準とは、総務大臣によって土地や建物の適正な時価を評価する方法が記された手引書のことです。不動産を所有すると市町村から固定資産税が課される一方で、固定資産評価基準に沿って評価し、適正時価をもとに計算されています。

具体的には、表の「55,120点未満」では、1平方メートルあたりの再建築費が55,120円未満の家屋に対し、築年数の経過によって下がる程度が記されたものです。そして、経過年数「3」の部分を見ると、経年減点補正率は0.70と記載されていますが、これは3年が経過すると新築時の約70%程度まで下がることを意味しています。

たとえば、新築時の税額が10万円だったとすると、3年目には7万円まで下がります。続いて、4年目になると0.66となり約66%まで下がることがわかるでしょう。しかし、新築時の特例措置が適用されている場合は、3年間にわたって固定資産税が2分の1に減額されます。
4年目になると特例措置の適用期間が終了し、本来の税額に戻ってしまうのです。

シミュレーション

新築時の建物に対する固定資産税が、10万円だった場合でシミュレーションしてみましょう。
1年が経つと、経年減点補正率は0.80となるため本来の固定資産税は8万円です。軽減措置が適用されるため、半額の4万円となります。そして、2年目は0.75で7.5万円から3.75万円、3年目は0.70で7万円から3.5万円と下がっていきます。

しかし、4年目になると0.66で6.6万円ですが、軽減措置の適用からも外れるため実際に支払う額も6.6万円です。したがって、6.6万円/3.5万円≒1.89となることから、4年目は3年目の約1.89倍となることがわかります。

一方、「55,120点以上」の場合で同様に計算すると、約1.94倍に上がります。そのため、4年目の固定資産税は3年目の約1.89倍から約1.94倍と言われているのです。

4年目に固定資産税が上がるケース

ここでは、4年目に固定資産税が上がる2つのケースについてご紹介します。

特例措置が適用された木造住宅

上記でもご紹介したように固定資産税には、新築の特例措置として「新築された住宅に対する固定資産税の減額」があります。これは、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下の新築住宅を取得する際に適用される特例です。条件を満たし適用されると、認定長期優良住宅には該当しない一般的な木造住宅で3年、マンションなどの3階建て以上の耐火、もしくは準耐火建築物の場合は5年にわたって2分の1に減額されます。

そのため、4年目に税額が上がるのは3年間2分の1に減額されていた、認定長期優良住宅に該当しない一般木造住宅のみです。そもそも減税措置が適用されていない住宅や、まだ適用されているマンションでは4年目から税額が上がることはありません。

所有している家屋が軽減措置に適用されているかどうかは、市町村役場に問い合わせることで確認できます。また、課税明細書からも確認できる場合があります。たとえば、東京都では課税明細書の家屋減税税額の欄に、金額が記載されていれば適用されている可能性があるでしょう。

対象は家屋部分のみ

新築の一戸建てを取得した際は、土地と建物に対し固定資産税が課されます。また、都市部に位置する場合は、都市計画税も課されます。そして、新築の特例措置が適用されなくなる4年目から税額が上がるのは、建物にかかる固定資産税のみです。

しかし、建物部分にかかる都市計画税額は4年目から少し下がります。また、土地部分の固定資産税や都市計画税は、4年目から上がったり下がったりすることはありません。基本的には、周辺の地価によって変動する仕組みです。

なお、現時点での土地と建物にかかる固定資産税額と都市計画税額は、毎年4月頃に郵送される課税明細書にて確認できます。

まとめ

今回は、固定資産税の計算方法や4年目にいくら上がるのか、そのケースについてご紹介しました。
土地は、固定資産税評価額(課税標準額)×税率(標準税率は1.4%)によって、建物は、固定資産税評価額(新築時の価格×経年減点補正率)×税率(1.4%)によって算出されます。住宅用地と新築の軽減措置を受けることによって、非常に高い減税効果が期待できるでしょう。

また、4年目になると固定資産税は、3年目の約1.89倍から約1.94倍にもなります。なぜなら、新築時の特例措置が適用されている3年間は、固定資産税が2分の1に減額されているためです。
なお、4年目から税額が上がるのは新築の特例措置が適用されている木造住宅と、家屋部分にかかる固定資産税のみとなります。さらに、現時点での税額が知りたい場合は、課税明細書を確認しましょう。