投稿⽇時
2023/10/04最終更新⽇時
2025/06/30マンションの固定資産税はいくらかかる?計算方法と軽減策解説
- 不動産の知識

Contents

マンションの固定資産税はどれくらい?目安と計算方法
マンションを購入された方、これから購入を検討されている方は、固定資産税が毎年いくらかかるのか気にされている方もいらっしゃるでしょう。
新築・中古に関わらず、マンションを購入すると、建物と土地の所有者になるため、それぞれに「固定資産税」が毎年かかります。
建物や土地の価値が高いと判断されれば固定資産税は高くなり、逆であれば低くなります。
マンションの固定資産税の税額は、「固定資産税評価額」×概ね全国共通の「標準税率」1.4%が徴収され、目安は10~30万円程度です。
この記事ではマンション購入後にかかる固定資産税について解説していきますので、皆様の参考になれば幸いです。
固定資産税の基本知識
固定資産税とは?その概要と目的
固定資産税は、土地や建物といった不動産に対し、毎年1月1日時点での所有者が、その固定資産の評価額をもとに市区町村へ支払う税金のことです。
土地や建物は、車や家具といった他の資産と違い動かすことができません。
固定された資産にかかる税金なので固定資産税というわけです。
賃貸マンションの場合は大家さんやオーナーに支払い義務があり、借りている側にはかかりません。
固定資産税と都市計画税の違い
固定資産税と同時期に支払う税金として都市計画税があります。
都市計画税もマンションなどの不動産を所有している人が支払う税金ですが、すべての人が納税義務者ではありません。
固定資産税は課税対象額に対し1.4%、都市計画税は0.3%の税率となります。
都市計画税は、市街化区域と呼ばれる地域に不動産を持っている人が支払う税金のことです。
したがって、お住いの地域が市街化区域に含まれない場合、都市計画税はかからないということになります。
市街化区域とは、都市計画法に基づき、すでに市街地になっている地域、または今後10年間で優先的に市街化しようと計画されている地域のことです。
東京23区であれば、河川を除いて市街化区域になりますので、都市計画税の支払い義務があります。
お住まいの地域が市街化区域に含まれるか調べるには、各自治体のホームページで「都市計画図」を参照してください。
償却資産の定義と特徴
償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産のことをいいます。
「事業」とは、普段の生活の中にある営利や収益を目的とする行為である必要はなく、一定の目的のために一定の行為を反復、継続して行うことをさします(ボランティア活動など)。
「事業の用に供することができる」とは、現に事業の用に供している資産のみならず、事業の用に供する目的をもって所有され、事業の用に供することができると認められる状態です。例えば、皆さんの家の周りにある、普段使われていないような工場設備(遊休・未稼働資産)も、いつでも稼働できる状態であれば、償却資産として固定資産税が課税されます。
固定資産税の使い道と地域への影響
固定資産税は普通税(税収の使途が定められていない税)であり、徴収した市町村によります。例えば皆さんが毎日使う道路や学校、友達と遊ぶ公園など、日々の生活で利用する公共施設の整備のほか、介護・福祉などの行政サービスにも使われています。
市町村税全体に占める固定資産税の割合は、約40%です。特に町村においては、固定資産税の税収が全体の約50%を占めます。固定資産税は市町村の運営に欠かせない財源といえます。
マンションの固定資産税の計算方法と目安
マンションの固定資産税の税額は、前述の通り「固定資産税評価額」×概ね全国共通の「標準税率」1.4%が徴収されます。
固定資産税評価額は、「土地」と「建物」の2つの価格を評価し決定されますが、3年に1回、「評価替え」を行い、価格の変化を反映しています。直近では、2024年度が評価替え年度となります。
関連記事 : マンションの固定資産税について知りたい方へ
土地部分の固定資産税評価額の算出方法
土地の固定資産税評価額は、国土交通省が年に1回、その土地の売買取引において適正とされる価格を定めた「地価公示価格」の70%を目処に計算されます。
建物部分の固定資産税評価額の基準
建物部分については、経年劣化のために年々下がっていくのが一般的です。中古マンションの購入を検討している人は、不動産業者に「中古マンションは固定資産税も安く済む」ということを言われたことはないでしょうか。
それはつまり、この建物部分が経年劣化に伴って評価額が下がるので、固定資産税も新築物件の時より下がる、ということです。 築年数が経っていればいるほど固定資産税評価額が下がる傾向にあります。
土地部分の固定資産税評価額はその年によって上下しますが、建物部分は、築年数が経っていればいるほど下がる傾向にあります。
建物の経年劣化による評価額の減額は、東京都の場合、「東京法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表」の「経年減価補正率表」をもとに、年数による減額割合が定められています。
ただし、建物の評価額は築年数が経っていても上がるケースもあります。固定資産税の評価の付け方は、「その物件をもう1度建築するといくらかかるのか」という考え方のため、建物の原材料費などが高騰している場合は建築コストも高騰し、それに伴い、評価額も高くなるケースがあります。
マンションの固定資産税の目安
マンションにかかる固定資産税の目安は10万円~30万円程度です。 ただし、マンションの購入価格や築年数、専有面積などの要素によって税額は変動します。
マンションでも一戸建てでも固定資産税はかかりますが、その金額には違いがあります。固定資産税はマンションの方が高くなりがちです。
理由は建物の耐用年数が一戸建てよりもマンションの方が長く、減価償却期間が長くなるためです。
マンションの場合、鉄筋コンクリート構造のものが多く、その結果木造でつくられることが多い戸建てよりも丈夫で長持ちすると判断されることから、建物評価額が高く見積もられます。
その他にも、マンションは土地より建物の価格のほうが、全体の購入価格に占める割合が大きくなります。マンションの土地の入居者1人当たりの所有区分は、敷地面積を戸数で割った分になるため、入居者1人当たりの土地面積は小さくなりやすいのです。
土地の面積が小さいと、「住宅用地の特例」の軽減税率の恩恵を受けにくくなります。
また、建物の評価額は経年によって減算されます。
中古マンションを購入した場合、耐用年数が一定期間経過した状態で購入するため、新築時の建物評価額よりも低く見積られ、結果的に固定資産税が安くなります。
一方、新築のマンションは一定の要件を満たせば5~7年の間、税額の軽減措置が認められています。
マンションの購入で新築か中古かで迷われている方は、購入価格・税金・売却価格など総合的に考慮したうえでの判断が必要です。
関連記事 : 固定資産税の相場は?計算方法と軽減策も解説!
固定資産税の軽減措置と適用条件
新築マンション(3階建以上の耐火構造または準耐火構造の住宅)の場合、新築されてから5年間は、床面積120平米分までの家屋に対する固定資産税額が半額になるのが原則です。土地にかかる固定資産税額は半額にはなりませんので注意してください。
ただし、そのマンションが「長期優良住宅」の認定を受けたものである場合は、固定資産税が半額となる期間が2年追加されて7年間となります。
長期優良住宅とは国が定めた「長期優良住宅制度」の認定基準に従い、長期間に渡って住み続けられると認定された良質な住宅のことです。
長期優良住宅に認定されるためには、以下の4つの措置を講じていることが条件とされています。
- 長期間居住するために必要な構造や設備が整っていること
- 居住環境等への配慮がされていること
- 住戸面積が一定面積以上に達していること
- 長期間使用するために維持保全の計画や方法を定めていること
上記のような措置を講じ、長期優良住宅の認定を受けることで、自分のこどもや孫などが数世代に渡って安心して生活できるだけでなく、特例措置による減税を受けられるなど様々なメリットがあります。
購入を検討しているマンションが長期優良住宅の認定を受けているか否かは、マンションのホームページなどで確認することが可能です。
固定資産税の支払い方法とスケジュール
固定資産税の金額は、毎年4~6月頃に納税通知書が届きますので、通知書を見るとわかります。
納期は年4回ですが、一括納入も可能です。
納期は全国一律ではなく、市町村毎に異なる場合があります。固定資産税・都市計画税の納期に関する詳しい情報は、お住まいの市町村のホームページなどで調べることができます。
支払方法については、金融機関やコンビニで現金で支払う方法や、口座振替による支払方法が一般的です。クレジットカードやペイジー、電子マネーを利用して支払うことのできる自治体もあるそうです。
まとめ:マンション購入時の固定資産税のポイント
マンションの固定資産税の税額は、「固定資産税評価額」×概ね全国共通の「標準税率」1.4%が徴収されます。この固定資産税は市町村へ納税し、皆さんが毎日使う道路や学校、友達と遊ぶ公園など、日々の生活で利用する公共施設の整備のほか、介護・福祉などの行政サービスにも使われています。固定資産税の金額は徴収前に正確に計算することは難しいです。納税証明書が届いて初めて、正確な金額がわかります。目安は10万円~30万円となります。
また、新築マンションを購入する場合、一定の条件を満たしていれば税金の軽減措置が認められています。新築マンションは一戸建てと比較して、固定資産税が高くなる傾向があります。理由は、一戸建てよりも建物の耐用年数が長いことで、価値が下がりにくいからです。
中古マンションは減価償却が一定期間経過しているため、新築マンションよりも固定資産税が安くなります。
固定資産税は毎年4~6月頃に納税証明書が届き、年4回に分けて納入、または一括納入します。支払方法は、現金支払いまたは口座振替が一般的となっています。
以上、マンションを購入した際にかかる固定資産税について解説しました。
固定資産税についての理解を深め、適切な方法で納税を行いましょう。