アパートメゾネットの魅力とは?メリットやデメリットを紹介

メゾネットアパートの基本概念

アパートのメゾネットタイプとは、1つの住戸内で上階と下階が分かれている物件を指します。1階と2階を内階段でつなぐ間取りにより、アパートに住みながら戸建てに近い感覚を味わえます。上下の空間が広いため、開放感を得られるでしょう。
メゾネットタイプに似たロフトにも、居室に階段があり、下階とロフトを行き来できます。ただし、ロフトは居室ではなく小屋裏物置として扱われ、建築基準法によって高さや面積が制限されており、窓の設置もできません。そのため、ロフトは居室として認められておらず、メゾネットタイプの部屋とは異なります。

メゾネットアパートの種類

メゾネットタイプのアパートにはいくつかの種類があります。この項目では、主なメゾネットタイプを紹介します。

上下階が1つになった住戸タイプ

メゾネットタイプの中で最もスタンダードなタイプです。メゾネットタイプの中でも最もスタンダードなタイプになります。
よく見られる間取りは、1階がリビング、お風呂、トイレなどの生活スペース、2階が数部屋と収納スペースを持つタイプです。中には、2階にお風呂やトイレなどの水回りがある間取りも存在します。

3フロアを2つの住戸で分けたタイプ

2つの住戸が3つのフロアを分けて持つタイプもあります。中央のフロアが2つの住戸それぞれのスペースとして個別に分けられているのが特徴です。
例えば、1つ目の住戸は1階の全フロアと2階の半分でメゾネットを形成し、玄関は1階にあります。一方、2つ目の住戸は2階の半分と3階の全フロアでのメゾネット構造となり、玄関が2階に位置しています。

ルーフメゾネットタイプ

最上階にルーフバルコニーが付いたメゾネットタイプもあります。アパートでは数少ないですが、賃貸物件でも見られる間取りです。
ルーフバルコニーのメリットは、バルコニーと異なり広い範囲の眺望を楽しめ、開放感をより多く味わえる点です。デメリットは、天井がないため、雨や台風の際にルーフバルコニーの床が汚れやすく、定期的な掃除が必要となることです。

庭付きタイプ

1階から2階にかけてのメゾネットタイプの物件には、専用庭が付いている間取りもあります。庭に椅子やテーブルを置いてくつろげ、子供がいる家庭では外で遊ぶことも可能です。また、家庭菜園を楽しむこともでき、暮らしに彩りを添えます。
庭付きタイプのメゾネットは、他のメゾネットタイプと比べてより戸建てに近い感覚を味わえるでしょう。

メゾネットタイプアパートのメリット

メゾネットタイプのアパートでの生活には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

居住空間を分けやすい

ワンフロアタイプのアパートと比較して、メゾネットタイプは上下階で居住空間を分けやすいのが特徴ですたとえば、1階はリビングとダイニング、2階は寝室と分けて利用することで、まるで戸建のように使いわけができます。
突然の来客時にも1階のリビングに案内すれば、2階のプライベート空間への視線を気にすることなく対応ができます。
また、上下階でインテリアの雰囲気を変えて、同じ家に住みながら違った雰囲気を楽しむことも可能です。自宅兼オフィスとしても活用しやすいでしょう。
このように、上下階で居住空間を分けて生活できるので、生活時間帯が異なる共働きの夫婦や、友達とのシェアにも最適ともいえます。

部屋全体が明るく通気性が良い

上下階それぞれにバルコニーがある物件は、通気性が良いのが特徴です。上下階をつなぐ階段途中に窓が付いていたり、吹き抜けがあれば、十分な通風を確保しやすいでしょう。風通りが良いことによって、湿気がこもりにくくカビの原因を防ぎやすくなります。
また、窓が多いということは、外からの日差しも入りやすく、部屋全体が明るくなります。採光を調整することで、リビングには明るい空間を作り、2階の寝室を暗くするといった変化をつけることもできます。

上下階の騒音を軽減できる

フラットタイプのアパートでは、上下階の騒音に気を遣う場面が出てくるでしょう。一方メゾネットタイプの場合、上下階が自宅になるので、下の階の住人への音の配慮をあまり気にせず過ごすことができます。
たとえば、子供がいる場合、子供は走ったりジャンプしたりと元気よく動きまわって遊ぶため、下の階に響く騒音を気にします。しかしメゾネットの場合は、自宅内にとどめることができるので安心です。
もし自宅内での騒音が気になるようであれば、1階にキッズスペースをもってくるなど工夫することも可能です。1階なので下への音を気にする必要は全くありません。
また1階のリビングでテレビを見ていたとしても、テレビの音が2階には届きにくいので、寝る環境を作りやすいメリットもあります。子供が寝た後に、1階のリビングで音を気にせずテレビを見る環境も作れます。家族が寝ているときに帰宅したとしても、音を立てて起こしてしまう可能性も低いでしょう。
上下階の音を気にせず過ごせるのは、戸建感覚に近いメゾネットの大きな特徴といえます。

収納スペースが多い

メゾネットタイプは、上下階をつなぐ階段の下が物置になっている物件が多くあります。そのためワンフロアタイプのアパートに比べ、収納スペースを多く確保できます。
収納場所に困る扇風機や、ストーブなどの季節家電、掃除機スーツケースなど幅を取りやすい物を管理しやすいでしょう。

メゾネットのデメリット

メゾネットのメリットは上下階を活かして居住空間を分けて生活を送ったり、騒音を気にすることが少ないなどのメリットがあります。では、反対にメゾネットのデメリットはどのような点が挙げられるのでしょうか。

有効面積が少ない

メゾネットタイプはワンフロアタイプと違い、内階段があります。間取りによって吹き抜けがあり開放感を得ることもできますが、同じ面積の物件と比べると、その分部屋の面積が減り、有効的に使える面積が少なく感じるでしょう。
有効的に使える面積が少なくなれば、家具を置くスペースも狭くなります。余計な物は置かないようにして、縦に長い家具を置いたり、ベッド下の空間や収納スペースをうまく活用して、有効的に面積を使う工夫が必要です。

階段の上り下りが必要

上下階が分かれていることにより、階段の上り下りが必要です。メゾネットタイプの間取りは1階がリビング、キッチン、お風呂、トイレなどの水回り、2階が居室のタイプが基本です。2階に水回りがあるタイプの間取りもあります。
メゾネットでは上下階を使って生活を送るので、ワンフロアだけで生活するのは難しく、足腰の弱いご年配の方のいる家庭や小さい子供がいる家庭では、階段の行き来を不便に感じてしまう場合があります。家族構成によっては、メゾネットタイプが合わない場合もあるため、注意が必要です。
また、階段を使うことで転ぶ可能性も出てきます。子供がいつの間にか部屋から出て、階段まで移動していたなんてこともあるかもしれません。小さい子供がいる場合は階段から落ちないように、ベビーゲートやベビーモニターを設置するなど配慮すると良いでしょう。

家事動線が増える

メゾネットタイプはフラットタイプのアパートと比べ、間取りによって家事動線が増える可能性があります。
たとえば、1階に洗濯機があり、2階にバルコニーがあるとします。1階で洗濯をして、重い洗濯物を持ち2階のバルコニーまで行くには、階段の上り下りも加わり動線距離が長くなります。フラットタイプであれば、洗濯が終わればスムーズにバルコニーへ移動して洗濯物を干すことができます。
また、階段の掃除や、1階にある掃除機を2階で使う場合は、重たい掃除機を上げ下げする必要も出てきます。毎日の洗濯や掃除においてなるべく負担を少なくするため、各階に小型の掃除用具を置いたり、少しでも快適な生活を送れるように工夫しておくと便利です。

階段の上り下りが必要

メゾネットタイプは縦に広がる空間が広いため、上下階での温度差が生じやすいのが特徴です。そのため部屋全体の空調を適温にするまでに時間がかかります。
暖かい空気は上に集まりやすいため、夏の暑い時期は上階に熱がこもりがちです。一方、寒い空気は下に集まりやすく、冬の寒い時期は下階が冷えやすい特徴があります。
部屋全体の温度調整はエアコンや扇風機、ストーブなどを使うことで解決できます。しかし、その分電気代もかかってくるので、家計への負担は増えてしまうでしょう。

まとめ:メゾネットアパートの特徴と選び方

アパートのメゾネットタイプとは、居住内で上階と下階が分かれているタイプの物件のことをいいます。縦に空間が広いため、開放感があるのが特徴です。
間取りは1階がリビングやキッチンなどの水回り、2階は寝室などの部屋があるタイプが基本ですが、2階にお風呂やトイレなどの水回りが設置されている間取りもあります。
メゾネットの中でも、上下階が1つになった住戸や3フロアを2つの住戸で分けたタイプなどいくつかの種類があります。他にもルーフバルコニー付きや庭付きなど、まるで戸建てに住んでいるような感覚を楽しむことも可能です。
メゾネットに住むメリットとしては、上下階で空間を分けて生活を送ることで、アパートやマンションで気になる上下階の騒音に配慮することが少ないことなどが挙げられます。
一方でデメリットは居室内に上下階をつなぐ階段があるため、有効利用できる面積が少なかったり、家事動線が増える点などがあります。
このように、メゾネットタイプにはメリット、デメリットがありますが、ワンフロアタイプのアパートでは味わえない魅力があり、より戸建感覚に近い感覚を楽しみたい方にはメゾネットタイプのアパートがオススメでしょう。