2000万円の建築費でアパートは建てられるのか?

今回の記事は、以下のような方にお勧めです。
- 2000万円で建てられるアパートの規模を知りたい方
- アパート建築費を抑える方法を知りたい方
- アパート建築を検討している方
Contents
相場はいくら?
2000万円でアパート建築をしたいと考えている方は、【どの程度の大きさのアパートを建てられるのか】、【そもそも2000万円で建てられるのか】という点が最も気になるのではないでしょうか?
まず、建築費2,000万円でアパートを建てるというのは、かなり低価格で建設するということになります。いでしょうか。
今回の記事では、建築費が2000万円の場合におけるアパート建築について詳しく解説していきます。
また、建築費を抑える方法や注意点についても説明しますので、是非参考にしてください。
相場について
アパートの建築費は、【本体工事費(建築費用)=坪単価×延べ床面積】で概算することが可能です。
ここでの坪単価は、建築する予定の地域と構造によって変化します。
坪単価がいくらになるのか詳しく知りたい場合は、直接建築会社に問い合わせてみましょう。
相場を理解するうえで次に大事な点が、構造別の坪単価の相場をしっかり理解しておくことです。
以下では、構造別の坪単価(相場)を紹介します。
- 木造の場合→77 万~100 万円
- 軽量鉄骨造の場合→80万~100 万円
- 重量鉄骨造の場合→90 万~120 万円
単純計算になりますが、100坪(延べ床面積)の場合の建築費相場は以下となります。
- 木造の場合→7,700 万円から
- 軽量鉄骨造の場合→8,000 万円から
- 重量鉄骨造の場合→9,000 万円から
主に木造はアパート建築(2〜3階建て)によく利用される構造で、一番一般的な構造になります。
鉄骨造に関しては、軽量鉄骨造と重量鉄骨造があります。
アパート建築には軽量鉄骨造を利用するのが最もポピュラーです。
基本的に3階建て以上になれば、鉄筋コンクリート増や鉄骨造を用いられることが多いです。
工事費の内訳は、【躯体40%】、【仕上げ40%】、【設備 20%】に分けられます。
建築構造のメインとなる仕上げと設備の内容によって、建築費は大きく左右されます。
基本的に坪単価相場は戸建て住居も含まれるので、戸建ての建築費の方が当然アパートの建築費より少しだけ安いケースが多いです。
日本国内で見てずば抜けて坪単価が高額になるのが、首都圏である東京都となります。
大都市であったりアパートのニーズが多かったりするエリアは、その他のエリアと比較すると坪単価相場は高くなりやすいです。
理由としては、工事の際に周囲や近隣に配慮するために防音シートを使ったり、重機の搬入が難しくなったりするので工賃が追加で必要となるからです。
規模
建築費2,000万円で建てられるアパートの規模は、以下となります。
部屋数はタイプ別に以下のようになります。
単身向けのワンルームタイプ→約4部屋
ファミリー向けの2K~3DK→約2~3部屋
建設費を抑える方法
そもそも【2000万円でアパートを建てよう!】ということ自体が建築費の相場を考慮しても、かなり低価格であることが前述で分かっていただけたのではないでしょうか。
出来るだけコストを抑えて2000万円以内で建築できるようにする方法について以下で詳しく説明していきます。
デザインや設備にこだわりすぎない
まず間取りや外観、設備などの費用を抑えることが重要なポイントです。
例を挙げると、最近ではアパートでもおしゃれなアパートが増えてきていると思います。
いわゆるデザイナーズアパートと呼ばれるもので、外観も部屋の中もおしゃれなことが最大のメリットともいえますので、他の物件とも差が出てき入居者もすぐに集まりやすいです。ですが、おしゃれにすればするほどデザインが複雑になるので設計や施工にかかる費用は高額になります。
この場合、2000万円という低価格の予算で理想通りのアパートを建てることは厳しいでしょう。
正直にお伝えすると、全く現実的ではありません。
ローコストアパートに強い建築会社に相談してみる
建築会社は世の中にたくさん存在します。
その中でも低コストでアパートの建築を請け負ってくれる会社もあるので、しっかり見極めて選択してください。
建築会社選びも非常に重要なポイントです。
ローコストアパートを専門に引き受けている建築会社の場合は、最初に設計されたアパートがたくさんラインナップされています!
その中から選択するのも予算内に抑える1つの方法だと思います。
ローコストアパートを専門に引き受けている建築会社は当然、実績が豊富です。
相談や建築において経験値が高いので、より具体的な設備や収益の例を出してくれる可能性があります。
1つの建築会社で決めてしまわない
建築会社を決めるにあたって最も重要な点は、複数の建築会社に相談することです。
提案してくれる建築費や収支プランが会社によって全然違います。
いくつかの会社に依頼して請求した計画内容を比べて、より自分に合った条件を見つけましょう!
建設する際の注意点
予算内(2000万円)でアパートを建築する場合、コストを抑えるにあたって注意しておくべき点がいくつかあります。
以下では、その注意点について詳しく解説します。
本章では、アパート建築費が2000万円である場合の注意点をいくつかご紹介します。
・修繕費に気を付ける
前述でも触れましたが、アパートの建築費用を抑えられる理由の一つに【建築方法】があります。
予算2000万円でアパートを建築するとなると、恐らく坪単価が一番低い木造を使うことになるでしょう。
そうなると、腐食やシロアリなどの被害を受けやすいリスクがあります。
耐久性についても不安点が残ります。
クオリティの高い施工が施されていない恐れがあるので、後々修繕費が高額になる可能性が出てきます。
そうなると、収益性も悪くなるので要注意です。
もしリフォームする場合、一度で数十万円から数百万円ほど必要になります。
修繕費にお金を使いすぎないためにも、日頃から建物をきちんと管理するようにしましょう。
設備投資の節約しすぎは要注意!
設備投資は非常に重要な部分です。
設備投資は、家賃や入居率といった収益に大きく影響します。
基本的に入居率が高く収益も得やすいアパートは、駅地下でアクセスや利便性が良い場合です。
これらの利点がないようなアパートであれば設備投資に注力しなくてはいけません。
物騒な世の中なので、セキュリティが良いアパートは需要が高いです。
遮音性にも優れていると尚更、需要は高まるでしょう。
過度な設備投資は、長期的に見ると収益が下がってしまうリスクがあるので注意してください。
そもそも予算を2000万円に抑えることが難しい!
最後にきちんと理解しておいていただきたいのが、そもそも予算2000万円でアパートを建てること自体が中々ハードだということです。
土地の広さでいうと、最大でも30坪というところでしょう。
仮に2000万円でアパートを建てられたとしても、設備投資にまで資金を回せないのであれば高い収益を得ることは難しいと言えます。
そもそも2000万円でアパートを建築するということ自体が注意点とも言えるのではないでしょうか。
自己資金について
2000蔓延といった低価格でアパートを建てる場合、自己資金割合の引き上げを図っているパターンも多いと思います。
以下では、自己資金と資金調達方法について詳しく説明します。
自己資金とは
まず、アパートを建てるにあたって【アパートローン】を利用することが可能です。
ローンを利用してアパート建築するのであれば、予算の総額の約3割を自己資金で充てるのが最適だと言われています。
2,000万円で建つアパートであれば、規模は決して大きくありません。
収益も多くは見込めないので、ローンの返済が負担にならないよう借入金を少しでも減らすべきでしょう。
【自己資金割合は3割以上】を目標にしておくと良いと思います。
返済比率を家賃収入の50%以内に抑えることが理想です。
返済比率は返済期間によっても変わってくるので、単純には連動していません。
長期でローンを組めるのであれば、自己資金が3割にも満たない場合でも返済比率は下がります。
ただ、基本的には法定耐用年数以内に返済期間を設定しておくことが賢明と言えるでしょう。
アパートローンについて
アパートローンを扱っている金融機関の大半が借入期間を法定耐用年数以内と定めています。
借入期間に関しては金融機関によって条件が違ってくるので、あらかじめ確認しておきましょう。
月々の返済額は【借入金÷借入期間】である程度予測できます。
無理なくちゃんと支払っていけるか、イメージしておくことも大切です。
まとめ
多くの方がアパートの建築を検討している際、どのようにアパートを設計するべきなのかさっぱり分からないと思います。
そもそも2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計については土地の条件やアパート経営の目的によっても大きく異なります。
予算2,000万円でアパートを建てる場合の規模は、木造2階建てでワンルームタイプの部屋が4部屋ほど設けられることも覚えておいてください。
また、2,000万円で建てたアパートの利回りはどのくらいなのか?気になる方も多いはずです。
一般的に、アパート経営での期待利回りは【約5%】と言われています。
予算2,000万円でアパートを建てる場合、初期費用はかなり抑えられますので、経営を開始してすぐに全室埋まった場合、利回りは5%を上回る可能性もあるでしょう。
また、アパートを経営する際には少なからず自己資金はある方が良いです。
基本的に、自己資金割合は初期費用の3割程度と言われているので、用意しておくことをオススメします。
アパート建築をローコスト化するうえでとても大切な点は、以下となります。
- デザインにこだわりすぎないこと
- 設備投資は安すぎては良くないこと
- 利回りが悪化したリスクを考えておくこと
- 修繕費がかさむ恐れがあること
- ハウスメーカーの規格ブランドが利用できるかどうかをしっかり確認すること
今回の記事を参考に、是非アパートを建てるかどうか今一度考えてみてください。