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2024/08/13最終更新⽇時
2024/08/13相続人がいない場合のリ・バース60について解説します
- 不動産の知識


今回の記事は、以下のような方にお勧めです。
- リ・バース60について知りたい
- リ・バース60を検討中
- 相続人がいなくて困っている
リ・バース60とは
リ・バース60とは、60歳以上の方でも利用可能なリバースモーゲージ型の住宅ローンのことを言います。
住宅金融支援機構(住宅金融支援機構とは、2007年4月に設立され、住宅金融市場における安定的な資金供給を支援する独立行政法人です。主に住生活向上への貢献を目指し活動しています )が民間(都市銀行、信託銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、証券会社など)の金融機関と提携しながら融資を行うといった、60歳以降の方を対象としたサービスになります。
自宅を担保にし、まとまった資金を借り入れる事が出来ます。生きている間は毎月利息のみを返済するという形になります。
そして、元本は契約者が亡くなった時に担保にしている自宅を売却し、その売却代金で一括返済するという流れになっています。それがリ・バース60の大きな特徴です。
リ・バース60は融資を受けながらもその自宅に住み続けることが可能です。そこも魅力と言われています。
ただし、その資金の使い道が”住宅に関する費用”に限定されるので、そこは要注意です。
住宅に関する費用といっても様々で、中でも多いものだと、物件の購入、購入した土地に家を建てる、家のリフォームなどです。
また、住宅ローンの借り換え、サービス付きの高齢者住宅(老人ホームなど)への入居する際にかかる資金調達として、子どものために居住する住宅を購入するための資金の借り入れ、このようなケースも上げられます。
リ・バース60について説明する中で知っておいて欲しいのが、冒頭に出てきた”リバースモーゲージ型”とは何なのかです。そちらを先に説明していきます。
近頃ニュースなどでも度々話題に上がる老後資金問題。今高齢の方のみならず、若者も将来不安を感じている方も多いので、日本全体の深刻な問題ともいえます。
そんな中、今、注目をされているのがリバースモーゲージです。
簡潔にいうと、自宅に住み続けながら、その自宅を担保にして老後資金を借りることが出来、契約者が亡くなった際に担保にしていた不動産を処分し、借入金を返済するといった仕組みになります。
通常の住宅ローンは、住宅購入の際に一括で受け取った融資額を長期間かけて毎月返済し、最終的に借入残高がなくなる、というものです。
しかし、リバースモーゲージは一括で借入れた分の残高を、最後にまとめて返済する仕組みになっています。
老後や将来に不安を持たず、安心して豊かに少しでも余裕のある暮らしをしたいといった方にもお勧めです。
担保となる住宅がある場合は人生100年時代ともいわれているこれから先の長い老後生活をより余裕のある暮らしにするための資金源として検討するのも一つの方法です。
また、自宅の老朽化や相続問題により、高齢になってから自宅のリフォームや住み替えを検討している方も多くいます。
その場合はリバースモーゲージ型住宅ローンという選択も出来ます。
リバースモーゲージは、社会福祉協議会・金融機関などが取扱いをしていることが特徴です。
どこの機関でリバースモーゲージを利用するかによって、借入金の使い道や、借りる金額の上限、対象となる物件が違ってきます。
リ・バース60とリバースモーゲージの違い
前述でリ・バース60について説明する中でリバースモーゲージについても触れました。
一見二つともよく似た仕組みに思えますが、明確な違いがあります。
その決定的な違いについて、詳しく解説していきます。
リバースモーゲージもリ・バース60と同じように、自宅を担保として資金を借りる事が出来ます。契約者が生きている間は利息分のみを毎月返済し、亡くなった際に担保にしていた自宅を売却して元本を返済するといった基本的な仕組みはなんら変わりはありません。
リ・バース60とリバースモーゲージは、決定的な違いがあります。
それは資金の使い道です。
リ・バース60は資金の使い道を住宅に関する費用に限定していますが、リバースモーゲージは資金の使い道に制限がありません。原則自由となっています。そのため、住宅関連だけではなく、老後の生活費や医療や介護にかかる費用などに使うことが可能です。
上記の点が、リ・バース60とリバースモーゲージの最大の違いとなります。
リ・バース60メリット、デメリット
メリット
まとまった資金を借り入れ可能なうえに、毎月の返済は利息分のみ!
家計における返済負担を少なくできます。
また、元金は契約者が亡くなった際にその担保にいれている自宅を売却して返済するのがリ・バース60の一般的な方法とお伝えしましたが、その方法以外に、相続人が一括して返済する方法もあります。なので、売却せずとも自宅を残すことも可能です。
ご家族でよく話し合ってベストの方法を取る事が出来ます。
元金返済の際に自宅を売却したけれど、資産価値が下がっていて売買代金が元金よりも少なかった場合、その差分を返済していく方法としてリコース型とノンリコース型があります
リコース型というのは、相続人が返済する必要がある返済方法。
リ・バース60では充分な収入がなくても、自宅を担保に自宅の建て替えやリフォームなどの住宅に関する資金調達が可能。そして、ノンリコース型を選べば、契約者が亡くなった際に資産価値が下がっていて債務が残ってしまったとしても、相続人は金銭的に普段があるわけではありません。
ですが、リ・バース60よりも多くの資金を要します。リ・バース60は資金の使い道が住宅に関する資金と制限されているので、住宅関連以外にも自由にお金を使いたいと考えている場合はリースバックの方が適しています。リースバックは家賃の支払いが毎月発生しますが、最初に受け取れる金額はリ・バース60より多くなり、売却代金の使途も問われず自由に使用可能。
ノンリコース型というのは、相続人は差分の返済が不要という返済方法。
満60歳からの借り入れが可能です。
デメリット
リ・バース60の借入限度額は担保となる自宅の評価額の50%~60%程となります。長期優良住宅の場合は55%または65%になる場合もあります。
一般的には8,000万円が上限とされています。50歳以上の方でも利用可能ですが、その場合借入限度額は担保となる自宅評価額の30%とわりと低く設定されています。
金利プランは変動金利を用意している金融機関が多いので、そうなると金利が上がると返済額がもちろん高くなったりと、金利が変動するリスクもあります。
前述でも伝えていますが、融資額の使い道には制限があり、自由に使えるわけではありません。
メリット、デメリットを踏まえたうえで、どのようなケースでリ・バース60を活用するのが良いか使い道の例をお伝えします。ご自身の使いたい用途と近いものがあれば参考になさってください。
まず、資金の使い道は住宅に関する資金と決められているので、そこだけ頭に置いておいてください。
- 古くなった自宅のリフォーム資金として
- 毎月の住宅ローン支払いを減らすため
- 古くなり老朽化した自宅の建て替え資金として
このような場合の資金調達の方法として、リ・バース60を活用する事が出来ます。
相続人がいないケース
前述でも述べましたが、リ・バース60は契約者が亡くなった際に相続人が一括して返済する方法もあると説明しました。
今回は、相続人がいないケースについて説明します。
リ・バース60を利用中に契約者が亡くなった後、配偶者がその家に住み続けられるかは、どのような契約を結んでいるかによって決まります。契約内容によってはその家に住み続けることができます。
リ・バース60は夫婦で申込みが可能な商品です。
その場合、連帯債務として夫婦両方が債務者となります。(一般的な住宅ローンを組む際もある返済方法です。)
連帯債務で契約した場合、万が一どちらかが亡くなった場合でも、もう一方が債務を引き続き返済していくことになります。もう一方が亡くなるまで、契約が続きます。
連帯債務者になれるのには条件などがあり、配偶者や一部の親族に限られます。
配偶者でも年齢や条件によって、連帯債務で借り入れ不可能な場合もありますので、依頼する予定の金融機関に詳細確認が必要になります。考えている方は早めに聞いておくのをお勧めします。
相続人がおらず、物件に住み続けられない場合は売却手続きをすることになります。
担保にしている自宅の売却で一括返済する場合は住み続けることができません。
連帯債務で契約しておらず、契約の引き継ぎや現金で一括返済ができない場合、担保である家を売却して一括返済が求められます。
売却方法には、機構に売却を任せる競売という手段があります。任意売却であれば、金融機関に確認し了承を得た後に買主を選ぶことができます。
親族に買い取ってもらうことができる場合は、そのまま住み続けられる可能性もあります。
なお、契約者が亡くなった場合に、連帯債務者でない配偶者が必ずしもすぐに自宅を出ていかないといけない、住めなくなるというわけではありません。
金融機関に了承をえたのち、一定期間ですと住み続けることが可能になります。その期間内で次に住む物件を探し引っ越しなどの準備を進めることができます。ですが、場合によっては、準備したりするような猶予期間がないこともあるので、それも金融機関に相談しておくことをお勧めします。
まとめ
リ・バース60は、60歳以上の方でも安心して利用できるサービスです。(60歳以上の方は一般的に借り入れすることが難しいことが多いです)
リ・バース60の借入金は資金の使い道に制限がある(使い道は住宅に関する資金として)デメリットもありますが、住環境に困っている方、悩みを抱えている方には活用しやすい商品です。
リ・バース60は、満60歳以上の方向けの住宅ローンです。
利用することで月々の負担を抑えられます!
今の時代は人生100年時代ともいわれていて、将来や老後に不安を抱えている方は多くいます。経済的な部分や、住まいにおいても不安や悩みを抱えている方はたくさんいます。
リ・バース60はそういった悩みや不安を解消できる1つの手段でもあるので、前述で説明したメリットやデメリットを理解し、金融機関にしっかり相談、納得いくような契約内容を話し合い、リ・バース60の利用を検討してみるのがお勧めです。