賃貸物件から引っ越し予定がある方、退去費用の準備を忘れずに!
今回の記事は、以下のような方にお勧めです。
- 賃貸物件から引っ越し予定がある方
- 退去費用がどのくらいかかるか不安を持っている方
退去費用について
結婚、転勤、妊娠出産など理由は様々ですが賃貸物件から引っ越し予定の方は、大体退去費用がどのくらいかかるのかは気になるポイントだと思います。
どれだけ綺麗に傷つけず暮らしてきたつもりでも、意外に汚れや傷があったりするので、退去費用を多めに払わされたりするのではないかと不安を抱く方もいるでしょう。
引っ越しは荷造りや身辺整理だけでなく、退去費用もしっかり用意しておかなくてはいけません。
賃貸物件から退去する際は、原状回復義務と退去費用の支払いは避けては通れないので、今回の記事では、賃貸物件の退去費用について詳しく説明していきたいと思います。
費用をなるべく抑えるためのポイントや相場なども紹介するので、ぜひ最後まで読んでください。
賃貸住宅を退去するときに必ずかかってくる【退去費用】とは、住んでいた部屋の原状回復やクリーニングなどにかかる費用のことを指します。引っ越せば、もちろん新たにその部屋に住む人が現れるわけですので、新しい人が入れる状態(借りた場所を借りた時の状態に戻す)にすることが大前提です。
基本的には、国土交通省の【原状回復をめぐるトラブルとガイドライン】によって誰がいくら支払うのかなどの詳細が決められています。
原状回復工事する場所は、室内は当然ですが、ベランダやバルコニー部分も元の借りた状態まで綺麗に戻さなくてはいけません。
原状回復のために、食べ物や飲み物をこぼしたときにできた汚れや、生活の中でついてしまったシミ、ものを落した時や家具をずっと置いていてできてしまったフローリングの傷、畳のシミ(明らかに借りてからできたもの)、子どもの落書きによるペンなどの汚れや、ペット可の部屋であればペットが付けた汚れや傷、喫煙する方であればたばこによる臭いや壁の黄ばみなども、できるかぎり元の状態にしましょう。
ただし、常識の範囲内で使っていて、生活の中で付く汚れの場合は経年変化(年月が経つうちにものの品質や性能が変化、劣化すること)として見てもらえる場合があります。
よく聞く悩みの中でも多いのが、家具の跡がついてしまう問題です。
大き目の家具を置いたら跡がついてしまうことは非常によくあります。
全て常識範囲内の場合になりますが、冷蔵庫の裏のクロスが焼けてしまった場合や、家具の跡などは経年変化のため、原状回復工事は必要ありません。
原状回復工事が必要なケースは、タバコの煙で黄ばんだ壁紙や、不注意で壊してしまった箇所です。
賃貸借契約書をしっかり読んで確認したうえで、退去するときにどのような工事が必要になるのかを把握してから準備するようにしましょう。
敷金から工事費用が差し引かれた金額を大家さんに支払って、工事自体は大家さんが行います。
工事箇所の経年劣化による損害分の原状回復費用が貸主負担となるので、原則として借主はクリーニング代や修繕費を負担する必要はありません。
原状回復費用負担割合については、耐用年数と経過年数を考慮して決定されます。
入居した時点で既に耐用年数を超えている場合であっても、破損や損傷してしまうと、費用を請求されてしまう可能性があります。
その理由は、耐用年数を超えていても使用できる設備を不注意によって破損、損傷した場合は、一部は借主が負担しなくてはいけなくなるからです。
耐用年数がもうすでに過ぎているから大丈夫と思わずに、耐用年数は関係なく賃貸物件は大切に使うようにしましょう。
退去費用の支払いのことを知れば知るほど、敷金ってそもそも返ってくるのか?と疑問に思うはずです。
敷金は、原状回復のための修繕費用、クリーニング代、家賃を滞納した時の保険のために大家さんにあらかじめ預けておくお金です。
そのため、家賃を滞納したりしていなければ、基本的には原状回復の費用にかかる金額を差し引いた残りは返ってきます。
最近は、敷金不要と謳っている物件もよく見かけますが、クリーニング代は発生します。
敷金なしの物件は、入居時に退去時のクリーニング代としてお金を預けます。
退去時にそのお金がそのまま引かれるのでお金が返ってくることはほとんどありません。むしろ預けていたクリーニング代を超えるような傷や汚れや破損があった場合は、補修の費用が別途請求されるパターンもあります。
退去費用の相場
賃貸物件に明らかな過失による大きな損傷、汚れ、傷がない場合の一般的な退去費用は以下となります。
- 1R・1K・1DK(20~30㎡)→約20,000~40,000円
- 1LDK・2DK(30~50㎡)→約40,000~70,000円
- 2LDK・3DK(50~70㎡)→約50,000~80,000円
- 3LDK・4LDK(70~90㎡)→約70,000~90,000円
クリーニング代がそれぞれの金額の大半を締めています。
基本的にハウスクリーニングは、部屋の広さに比例して金額も高くなります。
更に特に汚れが気になる箇所があったりなど、念入りに掃除しなくてはならない場合は更に費用が高くなります。
その追加費用の相場は大体以下の金額を参考にしてください。
- キッチン周辺→約15,000~25,000円
- 換気扇まわり→約10,000~12,000円
- 浴室→約12,000~20,000円
- トイレ→ 約6,000~10,000円
- 洗面所→約8,000~10,000円
- エアコン→約10,000~15,000円
- 洗濯機→約10,000~30,000円
喫煙者の方や小さなお子様がいる方、ペットを飼っている方は注意して頂きたいのが壁紙やフローリングの原状回復です。
借主側に過失があって汚れてしまったり、傷がついてしまった壁紙やフローリングは当然張替えが必要となります。
その際は借主が費用を負担しなくてはいけません。
汚れた部分だけ切り抜いて張り替えることはできないので、全体を張り替えなければいけないので要注意です。
壁紙やフローリングの原状回復費用の相場は、以下となります。(1㎡あたり)
- 壁紙→約1,000~2,000円
- フローリング(複合材)→約5,000~12,000円
- フローリング(無垢材)→約6,000~13,000円
- フローリング(クッションフロア)→約2,000~3,000円
ただし、この費用は地域や時期によっても変動します。
居住年数によって相場は違うのか?
退去費用は基本的に居住年数のみで見た場合、相場に大きな差はないようです。
結局は、汚れや傷が経年劣化なのか、明らかな過失によるものなのか、耐用年数がどのくらい残っているのか、そういった点を総合的に見て退去費用は変化します。
退去費用を抑える方法
引っ越しは大きな出費がかかるものです。新生活には引っ越し代金以外でも払わなくてはいけないものや用意するものがとにかくたくさんあるので、退去費用はなるべく安く抑えたいと考えている方も多いはずです。
以下では、退去費用を安くする方法について紹介します。
ポイントとなるのは、見積りをしてもらう、できるだけ自分でクリーニングする、自分で簡単な補修をする、消耗品はそのままにしておく、退去時に残置物を残さないようにする、入居時の状態をあらかじめ残しておくといった点です。
どの箇所がどのくらい修繕費用がかかるのかを見積もりをしてあらかじめおおよその金額を確認しておくことはとても重要です。
修繕箇所がわかった時点で、費用相場をインターネットなどですぐに調べるようにしましょう。
貸主や不動産に提示された金額が相場と明らかにかけ離れていた高い金額だった場合は、内容をしっかり伝えれば交渉できる可能性があります。
結果的に訂正してもらえれば損をせずに済みます。
できるかぎり自分でしっかりとクリーニングすることも費用を抑える大事なポイントです。
壁の汚れやフローリングの汚れ、水まわりのカビ汚れやキッチンなど費用が高くなりそうな箇所は自分で念入りにクリーニングすればちゃんと綺麗になる可能性もあります。
原状回復として費用が高額になりそうな場所は、自分でクリーニングすることで汚れが落ちる可能性があります。
自分でクリーニングしてちゃんと綺麗になれば、もちろんその個所は修繕費用を取られることはありません。
クリーニングと同じく、自分で簡単な補修も行うと良いでしょう。
クロスや床の小さな傷や汚れは自分でも修復できるので、なるべく費用を抑えるためにもできるかぎり努力してみましょう。
きちんと補修の仕方を調べずに、床やクロスをむやみにこすったりするとかえって傷や汚れが広がってしまう可能性があります。
補修したいはずが、状況が悪化してしまうと元も子もありません。
そこだけは、注意してください。
また、電球など入居した際にあらかじめ備え付けられていた消耗品は、そのままにしておくことがおすすめです。
たとえば電球の場合だと、取り外してしまったら電球取り付け費を請求されてしまいます。
金額としてはさほど大きくありませんが、少しずつ出来ることを積み重ねて費用を抑えるようにしましょう。
電球などの消耗品はそのままにしておく方がいいですが、私物は別の話です。
私物を残してしまうと、撤去費用や処分費用を請求されてしまうリスクがあるので、私物に関しては置き忘れがないか入念にチェックして下さい。
住み始める前にすでについていた傷や汚れを修繕費用として借主が支払う必要はありません。
無駄な費用を増やさないためにも、最初から目立った汚れや傷が明らかにある場合は写真に残しておく方がよいでしょう。
そうしておけば、あとで費用を請求されたりして揉めることもないので、トラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
退去時にかかる原状回復費用は、汚れや傷みが生まれた理由によって負担者が変わります。経年劣化の場合だと大家さん負担となり、明らかな過失がある場合は借主が負担するものです。
知らないうちに過失になってしまわないよう、賃貸物件は大切に扱いながら暮らすよう心がけましょう。