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2024/07/30最終更新⽇時
2024/07/30専業主婦の方が有利に財産分与を進めれる方法を初心者が解説
- 不動産の知識

Contents

今回の記事は、このような方にオススメです。
「離婚した専業主婦の財産分与 に興味がある方」
「専業主婦の財産分与に不安がある方」
「財産分与について知りたい方」
この記事では、専業主婦の財産分与について初心者の方にもわかるように解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
はじめに
専業主婦として長年家庭を守ってきた方にとって、離婚は大きな決断であると同時に、不安も大きいものです。特に、財産分与についてどのように考えれば良いのか、わからない方も多いと思いますので、これから、離婚における財産分与について、専業主婦の方に向けて詳しく解説します。
財産分与とは?
離婚は人生における大きな節目であり、様々な手続きや感情的な負担が伴います。その中でも、財産分与は多くの夫婦にとって重要な課題の一つです。
財産分与とは、夫婦が婚姻中に築いた財産を、離婚時に生産するために分配する制度です。これは、夫婦が協力して築いた財産は、夫婦共有のものとみなされるためです。
財産分与の対象となる財産
財産分与の対象となるのは、婚姻中に夫婦が共同で築いた財産です。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 預貯金
夫婦名義の口座はもちろんですが、個人の口座でも婚姻中に貯蓄されたものは対象となります。
- 不動産
住宅ローンで購入した家も、夫婦共有財産となります。ただし、婚約前に購入した家など例外はあります。
- 車
夫婦名義の車はもちろん、個人名義でも婚姻中に購入したものは対象となります。
- 家具・家電
結婚後に購入したものだけでなく、婚約前に購入したものであっても婚姻中に日常生活で使用していたものは対象となります。
- 株式
夫婦名義の株式はもちろん、個人の名義でも婚姻中に購入したものは対象となります。
- 生命保険
夫婦名義の生命保険はもちろん、個人の名義でも婚姻中に加入したものは対象となります。
例に挙げた他にも、退職金や事業、借地権、債権、美術品や骨董品、貴金属や仮想通貨なども共有財産としてみなされる場合があります。
財産分与の割合
財産分与の割合は、離婚後の生活を大きく左右する重要な要素です。しかし、法律で明確に定められている訳ではなく、様々な要素を総合的に考慮して決定されます。
財産分与の割合は、夫婦それぞれの財産形成への貢献度に基づいて決定されます。これは、夫婦が婚姻生活の中でそれぞれの能力や努力によって気づき上げた財産は夫婦双方に帰属する権利があるという考え方によるものです。
具体的な貢献度は以下のような要素によって評価されます。
- 収入
夫婦それぞれの収入額や収入の推移によって評価されます
- 収入の多寡だけでなく、収入を得るために費やした時間や労力も考慮されます。
- 長時間労働や転勤による負担も考慮されます。
- 家事労働・育児
家事や育児にどれくらい時間を費やしたかによって評価されます
- 家事や育児は、経済的な価値があるものとして認められています。
- 専業主婦の場合、家事労働、育児への貢献度は原則として50%と評価されます。
- 近年では、育児休暇を取得した夫の貢献度も評価される傾向にあります。
- 家計管理
家計の管理を誰がしていたかによって評価されます
- 家計管理は、財産形成において重要な役割を果たすと位置付けされています。
- 家計管理を担った配偶者は、その責任と負担を考慮されます。
- その他
- 介護や親族のサポートは、夫婦の協力によって成り立つものです。
- これらの貢献度も、財産形成への貢献として評価されます。
- 例えば、介護のために仕事を辞めた配偶者の貢献度は高く評価されます。
専業主婦の場合
専業主婦の場合には、家事労働・育児に専念することで、夫の収入を得られる環境を整え、家庭を支えています。近年では、その貢献度が経済的な価値として認められるようになり、財産分与においても『貢献度は原則として50%』と評価されるケースが増えています。
しかし、以下の場合には、50%よりも高い貢献度が認められる可能性があります。
より高い貢献度が認められる可能性がある場合
長期間専業主婦として家事労働・育児に専念してきた方
長期間にわたって家事労働・育児に専念してきた場合、その貢献度はより高くなります。
<例>
- 結婚後すぐに専業主婦となり、現在に至るまで家事労働・育児に専念している
- 子供が複数人おり、長期間育児に追われてきた人
- 夫の転勤に伴い、転居を繰り返しながら家事労働・育児を担ってきた人
夫の収入が非常に高く、家事労働・育児の負担が大きかった方
夫の収入が非常に高い場合、家事労働・育児の負担はより大きくなります。これは、長時間労働や転勤が多くなる傾向にあることや、仕事の忙しさゆえに、夫婦間での十分なコミュニケーションが取れていないことなど、他にも様々な要因が絡み合って起こる現象です。
<例>
- 夫の収入が1000万円を超える
- 夫が長時間労働や転勤が多く、家事労働・育児を担う負担が大きかった
夫の事業を支えるために家事労働・育児を担ってきた
夫の事業を支えるために家事労働・育児を担ってきた場合、事業の成功に大きく影響するため、貢献度はより高くなります。
<例>
- 夫の事業を手伝い、事務作業や経理を担当してきた
- 夫の顧客との接待や応対を担ってきた
- 事業のために自宅を開放し、事務所として利用させてきた
その他
財産分与は、夫婦それぞれの貢献度に基づいて決定されますが、上記以外にも様々な要素が考慮されます
- 婚姻期間
婚姻期間が長いほど夫婦が築いた財産に対する貢献度が大きくなります
- 子育ての状況
子育てに費やした時間や労力も、財産形成への貢献度として評価されます
- 年齢
年齢が上がるほど、将来の収入や再婚の可能性が低くなるため、財産分与の割合が調整されることがあります。特に、専業主婦で離婚後に就職する可能性が低い場合などです
- 健康状態
健康状態が悪い場合は、小洗の収入や生活能力が低下する可能性があるため、財産分与の割合が調整されることがあります。
- 浪費
ギャンブルやブランド品の購入などに浪費した過去や、家計管理が杜撰で、借金を作ってきたことによって夫婦の財産が減少した場合は、配偶者の貢献度が低く評価される可能性があります。
- 借金
住宅ローンや教育ローンなどの夫婦で共有している借金は、財産分与の対象となります。
- 不貞行為
不貞行為は婚姻関係を破綻させる重大な行為として、財産分与の割合に影響を与える可能性があります。
(注意)
財産分与は、個々の状況によって判断が異なる複雑な問題です。なので、専門的な知識や経験がない場合は、弁護士などの専門家に相談することをオススメします。
専業主婦が財産分与を有利に進めるためには
1. 家計簿をつける
家計簿をつけることで、夫婦の収入と支出を把握することができます。具体的には給与やボーナスなどの収入、食費や、住居費などの支出、誰が家計管理をしているかをしっかり記録することが大切です。
《メリット》
- 財産形成への貢献度を証明する資料となる
- 離婚後の生活設計を立てるための参考となる
2. 家事労働や育児の記録をつける
家事労働や育児の切ろうをつけることで、専業主婦の貢献度を具体的に示すことができます。例えば、掃除、洗濯料理などの家事のことから、寝かしつけや授乳などの育児、1日どれくらいの時間家事や育児に使っているのかを明記することが大切です。
《メリット》
- 家事労働・育児が経済的な価値を持っていることを証明する資料となる
- 再案になった場合、有利な証拠となる
3. 夫婦の財産状況を把握しておく
夫婦の財産状況を把握しておくことで、財産分与の際にどのような財産が対象となるのかを把握することができます。具体的には、預貯金や不動産、車、家具家電、下株式、生命保険、借金など
《メリット》
- 財産分与の交渉を有利に進めることができる
- 財産隠しを防ぐことができる
4. 離婚前に弁護士に相談する
離婚前に弁護士に相談することで、財産分与に関する専門的なアドバイスを受けることができます。
<弁護士に相談したいこと>
- 財産分与の割合の見込み
- 財産分与を有利に進めるための方法
- 必要な証拠資料
- 離婚協議書の作成
《メリット》
- 自分の権利を最大限に守ることができる
- 円満な離婚を実現しやすくなる
離婚後の生活設計
財産分与は、離婚後の生活を大きく左右する重要な要素です。しかし、財産分与だけで安心するのは早いです。離婚後の生活をスムーズにスタートするためには、収入の見込み、住居、子育てなどの点についても事前にしっかりと考えておく必要があります。
1. 収入の見込み
- 専業主婦の場合
パートやフルタイム、在宅ワークなど就職してお金を稼いでいくことや生活保護を受けて一時的な生活支援で生かうしていくかを選ぶ必要があります
- 働いている場合
パートナーの稼ぎがない分、転職や昇進をして家計を支えていかなくてはならないことが多かったり、空いた時間にできる副業を探すなどする必要があります
2. 住居
- 持ち家
ローンが残っている場合は支払いをそのまま続けていくのか、売却するのかを選択する必要がありますし、ローンがない場合は住み続けるか賃貸に出すかの選択ができます。
- 賃貸
家賃や生活費を考慮して住む場所を選ぶ必要があります。
3. 子育て
親権や養育費の問題に関しては夫婦でしっかり話し合って決めるか、家庭裁判所に調停を申し立てて互いに納得いく答えを出す必要があります。
財産分与だけでなく、離婚後の生活設計も重要です。収入の見込み、住居、子育て、老後などの点を事前にしっかりと考えておくことで、離婚後の生活をスムーズにスタートできます。
まとめ
この記事では離婚時の財産分与について、専業主婦が有利に進められる方法を紹介してきました。
そもそも、財産分与とは、離婚時に夫婦の財産をどのように分けるのかを決める制度です。その財産分与は、夫婦それぞれの財産形成への貢献度に基づいて決定されます。
専業主婦だから、財産形成に何も関わっていないという考え方ではなく、専業主婦は家事労働や育児を通して、夫婦の生活を支え、財産形成に貢献しているという考え方をします。
財産分与においても50%の貢献度が評価されているケースが増えています。
財産分与の割合は、夫婦それぞれの貢献度に基づいて決定されます。専業主婦の場合、以下の要素が考慮される。
- 婚姻期間
- 家事労働・育児の負担
- 家計管理
- その他の貢献
その中でも、専業主婦が有利に進めるためのポイントは
- 家計簿をつける
- 家事労働や育児の記録をつける
- 夫婦の財産状況を把握しておく
- 離婚前に弁護士に相談する
財産分与だけでなく、離婚後の生活設計も重要です。収入の見込み、住居、子育て、老後などの点を事前にしっかりと考えておくことで、離婚後の生活をスムーズにスタートすることができます。
財産分与や離婚後の生活設計は、複雑な問題です。専門的な知識や経験がない場合は、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをオススメします。